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田川伸一郎のブログ

ありがとう 真心のプレゼント

先日、某小学校の今年度最後のレッスンでした。

6年生のY君が、「ぼくからのプレゼントですが、6年生みんなの気持ちも込めながら作りました」と、手渡してくれた紙包み。

「えっ?、ありがとう! 何だろう?」

「開けてみてください。」

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「レザー製の指揮棒入れ」でした。

私は、指揮棒や叩き合奏で使うスティックをバラで持ち歩いているのですが、カバンの中での居場所が分かりづらく、最近は封筒に入れたり、ビニールの袋に入れたりしていました。
箱製の指揮棒ケースはかさばってしまうので、使いません。

それを見ていた彼が考えてくれたのです。

買った品かと思ったら、おこずかいで材料を買い、採寸し、糸を通す穴をキリで刺して開け、レザー専用の糸で丁寧に縫ってくれてありました。
顧問の先生も、その過程を聞いていたようで、「決して親が作った物ではない、彼が自分で作った物なのです」と...

私の指揮棒ケースが、破れかけた封筒だったり、ビニールの袋だったりしているのを見て、「田川先生、もっとカッコ良くしてくださいよ~(笑)」と思って、考えてくれたのだと思います。

お家の方も、材料を買う場面では協力してくださったと思います。 ありがたいです。

それにしても、小学校6年生の男の子が、こんな素敵な発想をし、実行してくれるとは...
私の子供時代を考えると...あり得ません。 子供ながら、尊敬します。

早速使っています。 そして、ずっと大切に使います。 


Y君、真心のプレゼントをありがとう!

中学校でも、是非、吹奏楽部に入って、ますます上手になり、ますます豊かな心を育ててくださいね!


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第43回東京都小学校管楽器演奏会~第一週

この土日は、「第43回東京都小学校管楽器演奏会」に講師としてお招きいただきました。
二週連続の土日4日間で開催される演奏会の第一週です。


会場は、武蔵野市民文化会館大ホールでした。

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この演奏会にとって、一番の「敵」は、雪とインフルエンザです。

特に、どうにも防ぎようがない雪...先週の土曜は、朝から雪が降り、思わず、「1週間前の雪で良かった」と思いました。
数年前には、大雪のため、1日は中止。 翌日も、開催はしたものの出演出来ない学校があったという悲しい年もありました。

この2日間は、天気の心配は全く無く、それだけでも先生方と、「よかった、よかった」と胸を撫で下ろすのでした。
それほど、あの年の大雪は強烈な出来事だったのです。

そもそも、この演奏会に出演出来るのは、「年間に8回ある都小管研の研修会に5回以上参加した先生の学校」だけです。
申し込めばどの学校でも出られるという訳ではないのです。

それほど日頃からの「研修」を大切にし、その勉強の積み重ねを発表するという教師側の大切な目的があります。

私は、4日間を通して講師をさせていただき、3月の研修会で総括をするというお役目も頂戴しております。
先生方と深く勉強させていただけることをありがたく思いながら、謹んで受けさせていただいています。


この2日間の講師の先生方です。

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2月16日(土)  *向かって左から
♪ 福本信太郎 先生 (サクソフォン・指揮者 昭和音楽大学准教授)
♪ 藤井むつ子 先生 (打楽器・洗足学園音楽大学客員教授)
♪ 井上 順平 先生 (トロンボーン・武蔵野音楽大学)
♪ 田川伸一郎
♪ 大山 博 先生 (打楽器・ティンパニーのチューニングをしていただきました)


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2月17日(日)
♪ 上原 宏 先生 (ホルン・東京佼成ウィンドオーケストラ・桐朋学園音楽大学教授)
♪ 原田 綾子 先生 (クラリネット・前愛知県立芸術大学准教授) 
♪ 柳沼てるこ 先生 (打楽器・リズムムービング&パーカッション主宰・元武蔵野音楽大学准教授)
♪ 田川伸一郎


例年のことながら、私以外は、日本を代表する超一流音楽家の方々です。

小学生の音楽会にこのような一流の先生方をお招きし、ご指導いただける東京都の先生方と子どもたちは、本当に幸せだと思います。

1日の演奏が終了した後、講師室では先生方から総評をいただき、かなり専門的なこともご指導いただけます。
私は、それを全て書き留め、3月の資料にしていきます。

また、仕事の前後やお昼休みに聞かせていただけるプロフェッショナルなお話もとても奥深いものです。


この2日間に出演された学校です。

2月16日
♪ 新宿区立鶴巻小学校 (金管バンド)
♪ 青梅市立今井小学校 (金管バンド)
♪ 大田区立志茂田小学校 (金管バンド)
♪ 新宿区立市谷小学校 (金管バンド)
♪ 練馬区立大泉小学校 (金管バンド)
♪ 文京区立林町小学校 (吹奏楽)
♪ 目黒区立駒場小学校 (金管バンド)
♪ 三鷹の森学園 三鷹市立高山小学校 (吹奏楽)
♪ 練馬区立小竹小学校 (吹奏楽)
♪ 練馬区立豊渓小学校 (金管バンド)
♪ 武蔵村山市立第二小学校 (吹奏楽)
♪ 羽村市立小作台小学校 (金管バンド)
♪ 羽村市立羽村東小学校 (管弦楽+教育楽器)
♪ 千代田区立九段小学校 (金管バンド+サックス)
♪ 青梅市立第三小学校 (金管バンド)
♪ 武蔵村山市立第四小学校 (吹奏楽)


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2月17日
♪ 足立区立弘道小学校 (吹奏楽)
♪ 江東区立第二砂町小学校 (金管バンド)
♪ 立川市立第二小学校 (吹奏楽)
♪ 東三鷹学園 三鷹市立第一小学校 (金管+サックス)
♪ 練馬区立大泉第三小学校 (金管バンド)
♪ 大田区立小池小学校 (吹奏楽)
♪ 多摩市立東寺方小学校 (吹奏楽)
♪ 台東区立東泉小学校 (管弦楽)
♪ 墨田区立第三寺島小学校 (金管+サックス)
♪ 大田区立蒲田小学校 (吹奏楽)
♪ 大田区立北糀谷小学校 (金管バンド)
♪ 目黒区立緑ヶ丘小学校 (金管バンド)
♪ 墨田区立二葉小学校 (金管バンド)
♪ 足立区立千寿第八小学校 (金管バンド)
♪ 小平市立小平第六小学校 (吹奏楽)
♪ 武蔵野市立大野田小学校 (吹奏楽)
♪ 武蔵野市立桜野小学校 (吹奏楽)


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元気いっぱいの演奏、しっとりと美しい演奏、ノリノリの演奏...それぞれの学校の個性が光りました。

先生と子どもたちの一体感に触れるだけでも幸せになります。

今週末の土日も楽しみにしています。


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感動! 永嶺ライブ

昨日は、越谷サンシティホールで開催された北海道旭川永嶺高等学校吹奏楽局のミニライブに行って来ました。
先日、ご紹介させていただいたコンサートです。


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いや、ただただ感動しました。

このバンドには、レッスンで何度も伺い、座奏だけではなく、得意の「ダンプレ」もすごいんだということは頭では分かっていたけれど、想像をはるかに越えたものでした。

撮影禁止でしたので、写真や動画でお伝え出来ないのがとても残念です。
永嶺のダンプレは、すでにYouTubeの動画にも上がっていますが、この感動は、同じ空間で観ないと分からないという感じです。

足立区立花畑西小学校金管バンド部も、指揮者同士のつながりでゲスト出演し、単独演奏だけでなく、何と『ブリュッセル・レクイエム』他を合同演奏。
小学生たちも一緒にダンプレをする曲もありました。 花畑西小学校の子どもたちのセンスの良さと一生懸命さにも感動。
金管演奏が上手いのはもちろんですが、この子どもたちのダンスのセンスはいったい何だろう。
すごかったです。

そして、スペシャルゲストのオリタノボッタさん。
共演したり、会場を盛り上げるエスコートをしたり...ステージの永嶺生たちも聴衆も笑顔いっぱいでした。
これこそが、一体感!
やっぱり、オリタノボッタさんは、素敵な方です!

帰り際、たくさん来場していた高校生たちが、「カッコ良かった!」「私たちもダンプレやりたいよね。うん、やろうよ!」「あぁ、音楽やってて良かった~!」「明日からの練習が楽しみ!めっちゃやる気になった!」と、興奮気味に話していたのが印象的でした。


永嶺高校の皆さんは、今日、神奈川県民ホールで開催される「マーチングステージ全国大会」に出場します。

その練習会場として押さえたサンシティホールです。
どうせホールで練習するなら、コンサートも開いて埼玉の方々にも旭川永嶺高校吹奏楽局の魅力を知っていただこうと開いたコンサートでした。

私自身も、ますます永嶺バンドのファンになりました!

ほんとに素晴らしい演奏会でした!
来場した全ての方々が、勇気と元気をもらったと思います。

今日の全国大会、そして、明日の北海道アンサンブルコンテストでも、最高の演奏が出来ますように!


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新しい船出から

昨日は、私の教え子である村山和幸先生が率いる習志野市立東習志野小学校吹奏楽部の今年度最後のレッスンでした。

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去年の4月に実花小学校からこちらに転勤し、この子どもたちと出会い、新しい船出をしたのでした。

その時のブログ記事です。
  ↓

新しい船出


村山先生は、実花小学校の前にはこの学校に勤めていましたが、当然、子どもたちはすっかり入れ替わっており、あくまでも「初めての出会い」として丁寧に向き合って来ました。

ひとりひとりの子どもを大切に見つめ、ただ合奏を流すだけではなく、時間をかけて個別指導を念入りにする指導は、確実な信頼関係を生み出していきました。

また、演奏技術以上に大切にしてきた「人としての成長」...部員たちは生涯役に立つ「人としての力」を自分の中に育んでいきました。

そして、子どもたちの音楽も大きく育ち、「東関東吹奏楽コンクール」「日本管楽合奏コンテスト全国大会」「TBSこども音楽コンクール東日本大会」などの大きな大会に出場したり、学校や地域の多くの行事でも心のこもった演奏を披露したりと、充実した演奏活動をして来ました。


昨日は、近々開催される「お別れコンサート」に向けての練習で、プログラムの中から10曲を聴かせていただき、ワンポイントアドバイスをしてあげました。

1年間の成長がはっきりと分かる練習態度と反応、そして、演奏の豊かさでした。

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昨年度まで、外部講師の指導を受けずに活動していたバンドですので、初めの頃は、私のような外部から来た先生との接し方に子どもたちはとまどっていましたが、今では、心開き、なごみつつ、良い緊張感を持ってレッスンを受けられるようになりました。

保護者の方々の深いご理解も格別で、村山先生からお願いする様々な「新しいこと」にも全面協力してくださいました。
子どもたちが、とても素直に村山先生の指導を受け入れて成長出来たのも、保護者の方々がまず村山先生を信頼してお子さんを預けてくださったからだと思います。

私のレッスンの日には、それぞれの習い事を調整し、体調不良以外は全員揃って出席していました。
これも、保護者の方々のご協力なしには出来ないことでした。

昨日も、特別に18時までのレッスンでしたが、部員全員ひとりの欠席も早退もなく、最後の学びを深めることが出来ました。

最後まで疲れも見せず、落ち着いて学び続ける子どもたちの姿に、この1年間の大きな大きな成長を感じました。


「お別れコンサート」のプログラムに記された部長さんの言葉から・・・

私はこの3年間、吹奏楽の活動を通して楽器の技術だけでなく、「人としてあたりまえのことがあたりまえにできること」を学びました。返事やあいさつ、時間を守るなどのルールを守ること。周りの人や物を大切にすることです。このようなことができてこそ、しっかりとした人間になり、人の心に届く演奏ができるということが3年間やってきて、よくわかりました。ステージが終わってからいただいた拍手の嬉しさは、この部活に入っていなかったら感じられなかったと思います。毎日の練習では苦しいと思ったこともありました。でも、その苦しさを乗り越えたら、誰にも味わえない喜びや嬉しさがあることを知りました。吹奏楽部でないと学べなかったことがたくさんあります。この部活に入って、本当に良かったです。・・・



吹奏楽部の練習や活動は決して楽ではなかったと思いますが、この部長さんのように大きな達成感を得て小学校を巣立っていけることは、本当に幸せなことです。
部活動でしか得られない大きな「感動の宝物」です。
しかも、「お遊び」でやっただけでは、ここまでの心の成長はなかったでしょう。
そんな子どもの成長がうれしいから、顧問の先生方は、時間とエネルギーを使って、子どもたちのために指導する価値を感じているのです。
つまり、子どもだけでなく、先生も一緒に達成感や感動を共有でき、教師としての新たな使命や意欲を膨らませることが出来るのが部活動なのです。 たとえ、それが無報酬であったとしても...

勉強やお受験だけで育って来たエリートのお偉方や、頭だけで考えて「部活動無用論」などを唱える方には、こんな大きな教育の価値は分からないでしょう。


東習志野小学校を卒業する子どもたちは、公立の場合、習志野市立第四中学校に進学します。
全日本マーチングコンテストで金賞、東関東吹奏楽コンクールで金賞、今年度はアンサンブルコンテストでも全国大会出場を射止めているすばらしいバンドです。
「お別れコンサート」にも出演してくださり、小学生との合同演奏もしてくださるそうです。
小中の連携を大切にしながら、長い目で子どもたちの成長を見守ってくださるすばらしい先生方です。
中学校でも吹奏楽を続けたいと考えている6年生たちにとって、こんなにうれしい環境はありません。


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村山先生の言葉から・・・
「顧問が代わり、子供たちは戸惑うことが多々あったかことと思いますが、決して「前は・・・」などと言うことなく、何事も素直に、一生懸命に受け入れる努力をしていました。このような子供たちの姿に支えられながら進んで来た一年間でした。「素直」であること、「一生懸命であること」は、この子供たちの何よりの素晴らしいところだと思います。


こんなにも村山先生に褒めていただけて、良かったですね。
君たちが、本当に素直に一生懸命に村山先生についていったからです。
そんな君たちが、僕も大好きです。
これからも、応援していきます!


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6年生の君たちが、真っ先に村山先生を受け入れてくれたから、この1年間の豊かな活動が出来たのだと思います。
村山先生も、君たち14名のことをずっと忘れず、大切に思い続けてくださると思います。
小学校のまとめとして、「さよならコンサート」でも演奏を頼もしくリードしてください。
最後まで頑張り抜いた君たちに心からの拍手を贈ります!



「新しい船出」から、こうして大海原を悠々と旅することが出来ました。

がんばった者にしか見えない雄大な景色を心に焼き付けながら...

「お別れコンサート」が今年度最後に観る「最高の景色」であることを祈っています。


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響け! みんなのハーモニー2019

昨日は、2019全国小学校管楽器合奏フェスティバル東日本大会「響け! みんなのハーモニー」を聴きに行って来ました。

会場は、まだオープンして年月浅い「カルッツ川崎」でした。
初めて行きました。

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このフェスティバルは、全国6支部で開催されており、東日本大会には、関東の一都6県に、山梨・静岡・長野・新潟を加えた各都県から20団体の出演がありました。

コンクールではありませんので、出演する団体は各都県の選び方に任されており、千葉や茨城のように今年度の管楽器演奏会で選ばれる県、東京や埼玉のように前年度の管楽器演奏会を元に選ばれる都県、または、話し合いや希望で出演校が決まる県もあると聞いています。

いずれにしても、成績が付く訳ではなく、互いが楽しく発表し合い、聴き合い、互いの良さを認め合うとても素敵な音楽会です。

発表内容も、普通の座奏、ジャズバンド、マーチングバンド、演出付きの座奏、合唱部とのコラボなど、全く自由で、それぞれの学校の特長を生かした楽しいステージが展開されました。

「みんな違って、みんないい」 そんな一日でした。


プログラムです。

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小学校でのバンド活動には、「授業内クラブ(朝練など追加して)」「部活動」「それ以外」という形態がありますが、今回、それ以外の形態での出場が2団体ありました。

♪ 新潟県ジュニアマーチングバンドとよさか
近隣の数校の小学校から希望者が集まって活動しているマーチングバンドです。
そして、卒業生、保護者も参加することを積極的にしており、今回も一緒に演奏しました。
まさに、「ファミリーなバンド」でした。
一校ではないとは信じられない位に、息のあった演奏演技でした。

♪静岡県葵が丘ジュニアブラスバンドクラブ シャイニーキッズ
学校事情により「廃部の危機」にさらされた部活動が、子どもたちの強い思いによって大人を動かし、社会教育音楽団体となって生まれ変わり、わずか14名という少ない人数ではありますが、とても前向きに活動を存続させています。
「やりたい!」という子どもたちばかりだということが、演奏からも演技からも表情からも入退場からも分かり、ひとりひとりの演奏技術の高さにも驚かされました。
各パートのソロやそれを生かすアレンジにも敬服。
ステージングのセンスも抜群、「子どもらしい演奏」が前面に出された素晴らしい発表でした。


バンド活動そのものが制限され、「指導したい先生、活動したい子ども、後押ししてあげたい保護者」の願いが、「ダメ」の一言で奪われてしまう恐れすらある昨今の情勢の中、「いざとなれば、こういう手でやってやる!」という励みになるであろう2つの団体の発表でした。

また、一日の練習時間が朝の15分ほどという少ない時間の中でも、指導法の工夫や選曲の良さでとても素敵な演奏をしているバンドもありました。

以前多かった「音楽がBGMになった学芸会的な演出」が減り、演奏そのものを追求し、その音楽表現のひとつとしての意味ある演出が多くなったことは、とても喜ばしいことでした。

ジャズバンドスタイルの演奏が例年より多かったですが、小学生なりにジャズらしい演奏が出来ているバンドもあれば、中にはただただ大きい音で吹きまくり叩きまくるのがジャズと勘違いしているのではと心配になるような演奏もありました。
「ジャズスタイルの楽しさ」とは何なのかを再考する必要もありそうです。

全体的に、自分たちのやりたい音楽の方向がしっかり見え、それぞれの良さの方向に向かって練習して来たことが分かる演奏ばかりで、一日ワクワクしながら聴かせていただきました。


今回、特に感動した団体の中から千葉県勝浦市立勝浦小学校(指揮:吉田直美先生)の金管バンドの発表をご紹介します。
外部講師としてこのバンドを支援していらっしゃる林紘史先生の真心こもったオリジナル作品「勝浦物語」~夜明け、潮騒、出港、祭り、海鳴り、ふるさと、未来へ~を演奏しました。
「歌うこと」も大切にしているこの音楽部は、合唱もとても上手で、曲の中には、児童が作詞した歌の場面もありました。
♪ 潮風と太陽と青い空が似合うまち 恵みの海 勝浦 私達のふるさと
60年の歴史を わたし達が受け継ぎ 未来へとつなげよう 美しい勝浦を ♪
どこか昭和の香りも漂う曲想、小学生にとって技術的に無理のない親しみやすい旋律、様々な音楽的演出効果、練り上げられた金管楽器の美しい音色や躍動する打楽器、バランスの取れたサウンドがすばらしく、音が音楽が歌い、心から表現する、子どもたちひとりひとりが輝くステージでした。
まさに、小学生だからこそ出来る演奏でした。
押し寄せる感動の波に涙がこぼれそうでした。
私も、以前、勝浦小学校にレッスンに行ったことがあり、窓から見えた太平洋の大海原が浮かんで来ました。
優しさと繊細さとたくましさが込められたすばらしい曲と演奏でした。
聴衆の反応も盛大で、一段と大きな拍手がずっと鳴りやまなかったです。



どの学校も、前日の雪にはヒヤッとされ、あるいは練習が出来なかった学校もあったようです。
それ以前に、インフルエンザの大流行で、思うように練習が出来なかったり、当日も出演出来ない児童がいたりと、この時期特有のご苦労もあったかと思います。

この大会の運営は、「東日本小学校管楽器教育研究会」に属する各都県の先生方が中心となっておこなっており、日曜日にもかかわらず、百数十名の先生方が早朝からチームワークよく運営しておられました。
また、神奈川大学吹奏楽部の皆さんの協力も頼もしい限りでした。

出演者、運営の方々、応援に駆け付けた関係者の方、小学生たちの演奏を聴きに来た方...たくさんの人たちの心がひとつになったあったかいフェスティバルでした。


パンフレットの東日本小学校管楽器教育研究会会長・曽根原義治先生のお言葉の一部です。

2020年度より完全実施される新学習指導要領の前文の中に「一人ひとりの児童が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き・・・」と書かれています。まさに、このフェスティバルが長い歴史の中で積み重ねてきた音楽との豊かな関わりや他者と協働する価値等と共通する内容であります。このフェスティバルを通して、出演する子どもたちが、音楽と豊かに関わり、よりよい人生を切り開いていくことを願っています。

とても共感する文章です。
バンド活動は、単に子どもたちが楽器の技術を習得するのではなく、音楽学習の深まり、あるいは人間性の陶冶において、指導要領に願われた内容を具現化するために実に有効に働くものであるということです。
バンド活動だけでなく、合唱や他の音楽活動、あるいはスポーツも同様のことが言えるでしょう。

このステージに立つために、先生も児童も保護者も、並々ならぬ努力を重ねてきたことは、全ての団体の演奏から伺い知れました。
その苦労があったからこそ、こんなに素敵な演奏の数々、出演した児童たちの感動や達成感があったのです。
この経験が、子どもたちの人生にとってどれだけ大きな宝になるか分かりません。


最近、特に飲食店での下劣な行動をわざわざネットにアップして、多くの人に迷惑や不愉快な思いを与えている若者の話題が絶えません。
その行動も、根っこは「自分を見てもらいたい」「自分の存在を知ってもらいたい」という自己承認欲求です。
別に褒められたい訳ではありません。眼を向けてもらえるだけで満足なのです。
「プラスの何か」をすれば、誰もが大切にその人を見てくれるのに、「プラスの何か」のために必要な努力や苦労が面倒だから、手っ取り早い方法で自己承認欲求が満たされる幼稚で下劣な行動に走るのです。

バンド活動を含む部活動で、苦労や達成感、努力して他人に認められた満足感を持つことが、今こそとても大切だと私は考えます。

これからの教育のあり方までをも考えさせてくれた小学生たちの熱演でした。


運営にあたられた全ての方々、出演された学校・団体の関係者の方々、素晴らしい一日を本当にありがとうございました。

これからも、ずっとずっとこのフェスティバルが続いていきますように...

「存続の危機」など一切無いと私は信じています。

こんなに熱い先生方、子どもたち、保護者の皆さんが、日本中にたくさんたくさんいるのですから...



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