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田川伸一郎のブログ

神奈川県の中学校バンド

昨日は、神奈川県の中学校にお伺いさせていただきました。
10月以来久しぶりの再会です。


3年生は受験が終わって復帰していました。
今は、3年生も含め、1年間のまとめとなる定期演奏会に向けて部員たちが一丸となって練習に励んでいます。

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このバンドとの出会いは、ちょうど1年前のことでした。
その時も、ちょうど3年生たちが復帰した今と同じタイミングでした。
基礎合奏やコラールを中心に、演奏の面と気持ちの面で、私が大切だと考えていることをお伝えしました。

あれから1年...学んだことの定着は深まり、続き、さらに良くなっていました。
まさに「継続は力なり」です。

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今回のレッスンでは、田嶋勉先生作曲の『エアーズ』を勉強しました。
2004年度の全日本吹奏楽コンクールの課題曲です。

作曲者の田嶋勉先生は千葉県の先生で、当時在職中であった柏市立柏中学校で、課題曲として自ら『エアーズ』を指揮して全国大会に導かれたことで話題になりました。
課題曲と自由曲の間には拍手はしないことになっているのですが、全国大会では、作曲者自身による指揮と生徒さんたちの心ひとつの素晴らしい演奏に、課題曲の後、思わず拍手が鳴ってしまったということも話題でした。

この曲には、生徒たちへの温かい愛情が込められており、中学校生活の様々な出来事や多感な時期の心の動きが感じられます。

今回のレッスンでも、ひとつひとつの音やフレーズ、和声に託された作曲者の思いや演奏していて感じるイメージを話し合いながら、演奏の仕方を工夫していきました。

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なごやかに話し合いながら、曲を深めていきます。
同じひとつの和音からも、様々な景色が見えること、曲想の変化によって時間や場所が変わることなど、様々な意見が発表されました。


大切なのは、イメージをお客様に伝えるにはどのように演奏すればよいのかということです。
イメージを話し合うところで止まってしまうのではなく...

音色であったり、音の形やスピードだったり、バランスだったり、若干のテンポの揺れであったり、強弱であったり、和声の展開を見せるために目立たせる音や動きだったりと、ここは教えてあげるべきところです。

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とても良く出来た箇所、まだこなせていない箇所、技術を上げて乗り越えなければならない箇所など、成果と課題がはっきりしました。
でも、最後の通しが終わった後、何か今までと違う演奏や思いに、みんな達成感いっぱいの顔をしていました。
教わるというより、「学び取る」ことの楽しさを、皆で共有出来た3時間でした。


そして、帰りのミーティングです。

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ここでも、学びの振り返りをしながら、これからの目標、演奏会に向かう気持ちの高まり、3年生は高校生活に向けての視野についてなど、何人もが本気で語ってくれました。
3年生の中には、思わず涙しながら話す人も...

きっと定期演奏会では、3年間の思いを込めて『エアーズ』や他の曲を奏でることでしょう。
部員のみんなとお客様の感動や笑顔が浮かびます。

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部活ガイドラインにより、練習時間が短くなってしまった吹奏楽部ですが、その分、集中力や考える力、感じる心をフル回転させて、立派な演奏に作り上げていることに驚きました。
顧問の先生が、綿密な計画を立て、皆さんひとりひとりの力を見極めながら、短時間にでも、大切なことを入念にご指導してくださっているからです。
今回学んだいくつかの「キーワード」をこれからも部の中で合言葉にして進んでいってください。


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3年間、部活をやり通した3年生たちです。
高校では、出会った環境や出会った人々の「良さ」を自分から見つけ、自分らしく生きていける生活を送ってください。
この部活で学んだことは、大きな支えになると思います。



年に2回ほどの少ないお伺いですが、部員の皆さんがとても親しみ深く接してくれることがうれしいです。
またお会い出来る機会があれば、ここからまた上の勉強が出来るといいですね。

まずは、定期演奏会を成功させ、4月には新しい1年生をたくさん迎えられることを祈っています。

がんばってください!



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浅草の輝く子どもたち

昨日は、東京都台東区立富士小学校にお伺いさせていただきました。

吹奏楽部の練習だけでなく、特別なご依頼をいただいて、卒業式の合唱練習でもアドバイスをさせていただきました。

この学校で、一般の子どもたちの音楽学習に触れるのは初めてのことです。

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想像のとおり、皆、安心して自分らしさを出し、「お腹の底から声を出す」より上の「身体の奥の振動を感じながら歌っている」ことに驚きました。

言葉の生かし方やフレーズの運び方、長い音に思いを込めた歌い方などを短時間に指導しました。皆、真剣に話を聞き、「ハイッ!」と返事をして、すぐに身につけていきました。
音楽の松田京子先生が育てた音楽の力と、担任の先生方が育てた心と身体と知恵があってこそです。

卒業式練習が終わった後、吹奏楽部ではない6年生の男の子たち数名が寄って来て、「先生、今日はありがとうございました!音楽大好きなんですけど、もっと好きになりました!」と、とてもナチュラルに話しかけてくれました。
「君たち、運動系って感じだけど...」
「体育も大好きなんですけど、音楽も大好きなんです! 松田先生にはすごく感謝しているんです!」
しばらくワイワイ盛り上がってから、楽しそうに教室へ帰って行きました。

声も変わり始め、どことなく運動系っぽい6年生の元気な男の子たちが、胸を張って「音楽が大好きなんです!」と言える音楽教育があってこその富士小学校吹奏楽部の隆盛なのだと改めて認識しました。


そして、放課後、吹奏楽部の練習です。

昨年10月には、大阪城ホールでの「全日本小学校バンドフェスティバル」でゴールド金賞、東京都アンサンブルコンテストでも本選で金賞受賞、マーチング協会のマーチングコンテストでも関東大会金賞と、輝かしい成績を残した今年度のチームです。

今は、3月28日に開催される「第9回定期演奏会」に向けて、たくさんの曲を練習しています。
ステージドリルを何曲もこなすのは、とても大変だと思いますが、それをやってのける頼もしい子どもたちです。

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松田先生の行く方向にしっかり身体を向けて、眼で話を聞き、うなずき、考え、学びます。

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「パートでふり返りをしなさい」という先生の指示で、すぐにパートミーティング。
学年関係なく、意見を出し合い、うなずき合います。


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輝かしいブラスサウンドが響き渡ります。


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たくましいバスパート。 重い楽器もへっちゃらで、豊かな低音を響かせていました。


練習の終わりに、お話タイムでした。

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松田先生は、音楽以外のことをとても厳しく指導してくださいますね。あいさつ、態度、礼儀、気持ちの持ち方、気づかい...。 音楽のことより、むしろ音楽以外のことで叱られる方が多い位ではないでしょうか。なぜだか分かりますか? 
君たちが、これから大人になって進みたい道、叶えたい夢、やりたいこと...それを実現するためには、そのことの力だけではダメで、「人柄」というものがとても大切なのです。
どんなにすごいことが出来ても、それを認め、励まし、生かしてくれる環境がなければ、その力は発揮出来ません。
その環境を作るひとつが「人柄」なのです。
今、松田先生が厳しく指導してくださっていることは、君たちの将来の夢の実現のためでもあるのです。


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じっと眼を見て、話を聞き続ける子どもたちです。
この子どもたちの眼を見ているだけでも、とても気高い気持ちになります。



松田京子先生は、ひとりひとりの「ありのまま」を受け入れ、認め、愛し、育てる教育を実践されています。
子どもの可能性に線を引かない。
出来ると信じることは、出来るまであきらめない、あきらめさせない。

そして、子どもが子どもであることの誇り、子どもらしさを大切にする。

富士小学校吹奏楽部の子どもたちが得たものは、ゴールド金賞以上に尊い、「自分が自分を信じる心」だと思います。

先生と子どもたちの固く深い絆に、心が震えます。

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浅草の輝く子どもたち! 富士小学校吹奏楽部

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3年間、決して楽ではなかったはずの部活をやりとげた6年生。
最後のステージでは、思いを込めて演奏し、ここまでがんばれた自分を思い切りほめてあげましょう。
そして、支えてくれたすべての方々への「ありがとう」を音に乗せて伝えてください。
3年間、君たちの成長を見続けられてうれしかったです。



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このすばらしい先生と子どもたちの演奏演技を、ぜひご覧ください。

「教育とは何か」を考えるひとときにもなることでしょう。



詳細は、下記、「台東区立富士小学校」のHPをご覧ください。
入場整理券がダウンロード出来ますので、印刷してご持参ください。
   ↓

台東区立富士小学校


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『園芸家12ヶ月』

2019年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅲ・行進曲「春」。

福島弘和先生が、シンプルかつ高尚な名曲を提供してくださいました。


楽譜のいたるところに、奏者への愛情が感じられます。
音楽への敬意、吹奏楽に情熱を傾ける先生や子どもたちへの賞賛が感じられます。
また、長い期間演奏することで、技術や音楽性だけでなく、子どもたちの精神が高まっていく曲です。

そして、コンクールに向けての猛練習で乗り越えていくべき適切な課題もしっかり織り込まれています。
シンプルだからと言って、演奏が易しい訳ではありません。

この曲に果敢に取り組むことで得られる技術や感性は、コンクールが終われば不要になる特別なものではなく、生涯生き続けるものです。

トリオの後半、16小節にわたるドミナントを経過してトニックに到達する部分は何とも感動的です。
こういう緊張感の高まりと、それを乗り越えた達成感を、コンクールに向かう練習の中で子どもたちと共有したいものだと思います。


福島先生が、この素晴らしい作品を書くきっかけになったと、解説で述べておられる「園芸家12ヶ月」(カレル・チャペック)を早速購入して読んでみました。

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園芸や植物というものを通して、何か世の中を風刺する作品なのかと思っていたら、全く違っていました。

文芸家であるカレル・チャペックが純粋に園芸家の目線になって、季節の植物の姿や作業の苦労や喜びを、軽いタッチで書き表わした作品です。

ユーモアやウィットに富んだホッコリとした作品です。

福島先生が触発されたという「3月」は、この一冊の中で特に生き生きした部分です。

行進曲「春」に通じる生命感溢れる文章にとても感動しました。

こういう本をお読みになり、そこから作曲のヒントを見つけ、全国の吹奏楽を愛する人々のために質の高い作品を書いてくださった福島弘和先生の豊かな教養と作曲家としてのお力に、改めて敬服しました。


行進曲「春」に取り組む先生は、ぜひこの「園芸家12ヶ月」を読んでみてください。

福島先生が書かれた解説文の「心」に、より近づけると思います。

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富山から~2019・3月~

先週の金曜日から昨日まで、富山県にお伺いして来ました。

我が家の最寄り駅、JR成田線の湖北駅から出発して、上野で北陸新幹線に乗り換えると、あっと言う間にもう富山。
家から、乗り換えは一度だけ。

富山は、とても近くなりました。

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路面電車も大活躍の富山です。 

今年は、雪がとても少なかったそうで、今回はどこにも雪は見当たりませんでした。
昨年は、大雪でアンコンが出来ず、延期になったというほどでしたのに。

雪どころか、多分千葉よりもポカポカだったと思います。
昨日は、帰って来たら寒い雨...トホホでした。

今回のお伺いは、中学校4校と高校2校でした。

富山県の中学校でも、「部活動ガイドライン」が始まり、練習量の減少によって失うものを把握しながら、練習の質的向上に努める姿が見られました。

今月下旬に開催される「スプリングコンサート」や、来年度に向けての基礎づくりやコンクール曲のざっくり合奏など、それぞれの学校の「今」に寄り添ってアドバイスさせていただきました。


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こちらの中学校は、例年のこの時期としては部員は多いですが、人数を増やしているのは全員初心者の1年生です。
それだけに、技術的に様々な課題は見えますが、今が伸び盛りの1年生たちは、とても前向きに取り組んでいました。
易しいコラール的な教材を使い、正しい姿勢や構え方を確認しながら、同じタイミングで発音することやフレーズの運び方、主旋律以外のパートが音楽を作ることなど、「音楽」の学びを深めました。
音楽の深まりと共に、なぜかピッチや音色まで向上していました。こういう練習は、とても効率的です。


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外部指導者の先生の力もお借りして、生き生き楽しく活動する中学校バンドです。
今回のレッスンの教材は、先生の選曲による『ソナチネ』(シェルドン)でした。易しい音符なのに、色彩ある和声と感じ入る旋律で深い学びが出来るすばらしい曲です。
生徒さんたちの豊かな感性に働きかけ、自発的に演奏表現を向上させていく方法でレッスンを進めてみました。
こちらからの指示だけでなく、発問をして思考を深める場面でも、対話的な学びの成果が出ました。
ビフォアー・アフターの変容に、皆で達成感を心いっぱい感じることが出来、私も幸せな時間でした。


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昨年の秋、名古屋での全国大会出場を果たした芳野中学校吹奏楽部は、新チームでますます元気を増して活動していました。
真剣さはもちろん、笑顔や自己表現力が豊かになり、音楽する集団らしい和やかさから生まれる生き生きとしたサウンドでした。
月末の「スプリングコンサート」に向けて、課題曲Ⅰ「『あんたがたどこさ』の主題による幻想曲」の練習は、すでに皆が作品の仕組みや魅力に触れて表現を工夫するレベルに達していて驚きました。
技術と音楽の両面から勉強の仕方をアドバイスし、次回までの期待がふくらみました。
皆もたくさん褒められ、課題もたくさん得られて、さらなる向上に向けて意欲満々の表情で見送ってくれました。


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新しい顧問の先生と過ごした1年間が過ぎようとしている中学校バンドです。
新チームもやる気満々で、全員が初心者の1年生たちも、音楽する喜びをたっぷり感じながら演奏出来るようになりました。
私からプレゼントした曲を、この1年間の豊かな勉強を生かして聴かせてくださいました。
力を抜いて、息をたっぷり吹き込む演奏の仕方、フレーズに対する愛情を持つことで音楽が色彩的になること、倍音を感じて響きを重ねることなど、小編成でこそ生きる音楽の作り方を勉強し、音楽室は柔らかく豊かな響きでいっぱいになりました。
今後の方向性がしっかりと見えた有意義な時間を過ごせました。


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男子率高い元気な高校バンドは、レッスン当日が卒業式で、3年生の数名が残って挨拶に来てくれました。
基礎合奏の中では、自分の精神と向かい合うことやイメージを広げることからサウンドが変容することを学び、さらには、音のみならずチームの向上につながる心の学びにまで指導は至りました。
皆が、同じ視点で物を考え、自分の意見を持ち、それを伝え合う学びに大変積極的に取り組めました。
中日コンクールの課題曲のマーチは、生き生きと前進しました。
パート編成にアンバランスがありますが、皆の明るさで新1年生をがっつり獲得し、新年度はバランス良い編成で活動出来るよう祈っています!


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こちらのバンドとは、お付き合いが始まって、ちょうど1年になりました。
爽やかで紳士な顧問の先生と、明るく朗らかな部員たちの練習は、何とも言えないアカデミックさに溢れています。
レッスンの曲は、定期演奏会で演奏する予定の『ルイ・ブージョワーの賛歌による変奏曲』が中心でした。
各部分の音楽の味わい方、見せ方を、楽譜から読み取って音に託す楽しみを味わいながらの勉強でした。
感性豊かで理解力もあるメンバーたちなので、イメージの言葉から感じ取り、自ら音や表現を変えることが出来、すばらしかったです。
ノーカットの『ルイ・ブル』がとても新鮮に聴こえました。(でも、大変そう...)



富山ならではの美味しいお魚やお寿司もご馳走になり、豊かな学びも一緒に出来、先生と生徒さんたちの笑顔に癒された素敵な3日間でした。

次にお伺いするのは、5月です。

今回のレッスンでの学びがこれからの練習につながっていくことを願っています!


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また会う日まで、さようなら~。  みんな、がんばれ!

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私見~吹奏楽コンクール課題曲について~

今日から3月、春の足音も聞こえて来ます。

来年度の吹奏楽コンクールに向けて、演奏曲のご相談をたくさんいただいています。

A部門に出場する学校は、まず「課題曲」についてのお悩み。

多くの先生が、「どの曲が点が入りやすいか」「どの曲が聴き映えするか」ということと、ご自分の学校の実情とを兼ね合わせて考えていらっしゃいます。

自由曲は、山のような曲から自由に選べるのですから、チームの全てを一番良く知っている顧問の先生にとっては、ある意味楽しい悩みということになりますが、課題曲は4(5)曲の中から選択しなければならないのですから、これはシビアな悩みです。

特に、スクールバンドでは、一生に一度しかないこの「代」での大切なコンクールです。

だから、慎重に選曲すべきです。


私は、ちょっと違った視点からアドバイスを差し上げています。

まず、課題曲を、子どもたちに深い学びを与えるための「教材」として見つめてみましょう。

 ♪ コンクールの練習を通して、子どもたちに「何を学ばせたいのか」「どんな力や感性を育てたいのか」という先生のコンセプトを、どの課題曲のどの要素に視点を当てて具現化するのか。

♪ 長く真剣に練習(指導)することで、バンドにどんな力を付けさせてくれる可能性を持っている曲か。(子どもを育ててくれる曲。)

♪ その曲の「音楽としての価値」をどのようにとらえ、子どもたちに伝えていける曲か。

♪ 作曲者の意図(作品のバックボーンや解説)に共感でき、子どもたちに真摯に伝えつつ、夢やあこがれを語り合いながら学べる曲であるか。

♪ バンドの実態(主に技術)を向上させる道筋が見える曲であるかどうか。チームの得意な面を生かした選曲もよいが、課題曲を使って苦手な面を克服していくという考え方も大切にしたい。それは、必ずバンドの成長につながるのだから。(ここが、特に「教材」としての選択理由になる。)

♪ 長く細かく練習することで、技術や音楽的な感性はもちろん、子どもたちの精神を向上させてくれる曲であるか。(指導者のコンセプトと直結する。)

♪ 1年間の中で、最も時間とエネルギーをかけるのだから、子どもたちの「一生の宝物」にしてやりたいと思える曲を選びたい。

・・・・・



コンクールは、結果が出ます。

でも、結果以上に大切なのは、コンクールに向かう練習を通して、子どもたちが技術的・音楽的・精神的にどれだけ成長出来かということです。

自由曲も含め、コンクールの選曲をする段階で、指導者が自己のコンセプトを明確にし、子どもたちがより豊かな音楽体験が出来るよう、導いてあげたいものです。

その軸がしっかりしていないと、コンクールが「勝ち負け」だけで終わってしまいます。

小学生、中学生、高校生を教える顧問の先生は、子どもたちのこれからの音楽との関わりに大きな影響を与える存在です。
子どもたちの感性に正しく働きかけ、音楽の美しさや豊かさを十分に染み込ませることが出来る良い教材を選んでほしいです。


先日、ある中学校の先生が、「うちは金管がけっこう吹けるので、そういう視点から自由曲を選ぼうと思います。」とおっしゃいました。
私の答えは、「大切なのは、木管・金管・打楽器の力がバランス良く育ち、吹奏楽としての協働(ブレンド)が出来ていることです。金管が上手いなら、むしろ木管や打楽器が育ち、金管と共に良いサウンドを生み出せるような曲を選んで勉強することです。そうでないと、結局『金管は上手いけど木管がちょっとねぇ』のままの評価になりますよ。」
「なるほど...そういう視点も大切ですね!」と、先生はすぐに視点を変えられました。
賢明な先生です。

もちろん、チームの個性となるソリストがいるなら、それは是非生かしたいものです。
子どもたちひとりひとりの顔を思い浮かべながら、愛情を込めて選んであげてください。


「勝つための曲」ではなく...
「深い学びのための曲」を...

それが、本当の愛情です。 先生の大切な仕事です。

先生が真心と誠意をもって選んでくださった曲と向かい合い、主役である子どもたちが勇気を持って山や谷を歩んでいけますように...

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