田川伸一郎のブログ

富山県の高校バンド

昨日は、富山県の高校にお伺いさせていただきました。

北陸新幹線のおかげで、我が家からは、上野で乗り換え1回で富山に着きます。
しかも快適な車内、そして、車窓の風景...ほのぼのとします。

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こちらの高校にお伺いするのは、6月以来のことです。

男子部員も多く、初心者も多く、元気いっぱいの吹奏楽部。

コンクールには、3年生は初心者であれ何であれ全員出す。
その次は2年生。
1年生に上手な経験者がいても、上級生をはずして出すようなことはしない。
「自分について来てくれた3年生を、大切な高校時代を吹奏楽に注いで来た3年生を、ひとりでも切ることは出来ない。そして、そのやり方で結果も出したい。無理も苦労も承知の上です。」
・・・それが、顧問の先生の方針です。

元運動部の元気な部員たちもたくさん。
楽器の名前も、楽譜の読み方も、音楽の知識もほとんど無いような生徒さんたちを、ひとりひとり丁寧に教え、導いておられます。

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生徒への愛情いっぱいの顧問の先生です。

そんな先生と生徒さんたちが作り上げる部活の雰囲気が、私はとても好きです。

先生に愛され、仲間に愛され、皆が大切にされる中で見つける自己肯定感。
吹奏楽、音楽というものにだんだんハマり、今まで知らなかった感動を見つけた喜びの大きさ。
それが確かな実感として、この音楽室に広がっているのです。

先生は、赴任5年目です。
先生と一緒にこの高校に入学して来た部員たちが3年生になった一昨年度、このバンドは、学校創立以来初めて「東日本学校吹奏楽大会」に出場することが出来ました。
札幌での大会でした。

その年の3年生は、全員が高校から吹奏楽を始めた初心者でした。
先生が手塩にかけて育てた3年生たちでした。

そして、昨年度も、東京での東日本大会に駒を進めました。
前年度の銅賞から一歩進んで、銀賞を受賞しました。

そして、今年、「東日本三出」を目標に頑張った夏...先生と部員たちの願いは、そのひたむきな努力によって叶いました。
宇都宮での東日本大会に、北陸代表として出場出来ることになりました。

演奏する曲は、ネリベルの『二つの交響的断章』です。

先生は、あえて、一楽章の長いフルートのソロを取り上げることにしました。
フルート君は、初心者の3年生です。
そして、もちろんサックスのソロも...アルトサックスさんも、初心者の3年生です。
後輩には、経験者の2年生もいます。
でも、先生は、「ソロはあなたがやりなさい」と任せ、そんな先生の言葉を胸に、初心者の彼女は猛烈に頑張りました。

6月のレッスンでも、かなり上手に吹いていましたが、まだ、自分自身の「言葉」にはなっていませんでした。
昨日聴かせていただいた演奏では、フルート、アルトサックス、テナーサックス、クラリネットの各ソロが、それぞれの主張を持ったすばらしい演奏に育っていました。

もちろん、バンド全体も、夏の日々を越えた大きな成長を見せてくれました。

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私は、宇都宮市文化会館の響きの特徴をお伝えし、「ともかく無理に力んだ音を出さないで響きを大切に、良い音と良い音程で!そして、表現は積極的に」と、曲の細部にわたるアドバイスをさせていただきました。

ネリベルの曲は、どうしても金管中心に荒々しいサウンドになってしまいがちです。
そして、それと同時に音程も乱れがちです。

ソロがとても上手な分、Tuttiの良い響きとバランス、アタックの調整を...と願いました。

先生は、独特な配置をお考えで、それもなるほど!のアイデアでした。

ホールでどう聴こえるのか楽しみです。

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ソロのフルート君は初心者、トロンボーンの男子3人も全員初心者です。
彼らの涙ぐましい努力には感服です。 


これから東日本大会までに乗り越えなければならない課題はまだまだ山積みです。
初心者集団には難しい課題もあります。
でも、先生は、「最後まで絶対にあきらめません。生徒たちを信じて、出来るところまでやります!」と、強い信念を見せてくださいました。

そんな先生を、教師として、大人として信頼し、尊敬し、そして、先生のことが大好きな部員たちです。

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富山県立富山工業高等学校吹奏楽部 (指揮 加藤祐行先生)

初心者もいっぱいですが、先生の愛情と指導力、それについて行く君たちの努力によって、ここまで立派なバンドに育っていることに拍手です。

「一昨年は銅賞、昨年は銀賞。今年は~?」 「金賞!」と叫んでいた君たち。
「でも、そうは甘くないんだよねぇ」と言うと、一気にズコッ(大爆笑)

目指す「賞」の色なんて考えず、今出来ることに全力を注ぐぞ!というみんなの姿、とてもカッコいいです。
そして、いつもお茶目で、ファンキーで、仲良しな君たちの雰囲気も最高!

加藤先生に出会わなかったら、君たちは今頃どうしていたのかなぁ? どんな高校生だったのかなぁ?

みんな、大切な高校時代に、加藤先生に出会えて、本当に幸せでしたね。
僕も、加藤先生やこんな素敵な君たちに出会え、とても幸せです。

東日本大会では、君たちのひたむきな思いがお客様に伝わるような演奏をしてください。
「賞」の色は何でもいいさ! もう君たちの高校生活は、すでに立派な「ゴールド金賞」に輝いているんだから...

みんながんばれ! 応援しているぞ!



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「暗譜」と「演奏慣れ」のこわさ

涼しくなったと思っていたら、また少し暑さが戻り、私は少々ぐったりしています。

今週末は、東関東・西関東共に、中学校B部門があり、出場する中学校のレッスンに走り回っています。
少し遠い他県の中学校へも日帰り強行軍。
「特別延長練習」ということで、19時頃までの練習で、それから帰宅すると、日をまたぐギリギリ。
おまけに、スケジュールがどうにもならず、近い学校は朝練習レッスンでカバーです。

みんなみんながんばれ~! です。

中学生たちは、この時期になると、楽譜を置いてあっても、眼は指揮だけを見つめて集中しています。
先日の東関東大会に出場した小学校は、ほぼ全ての学校が譜面台も置かず、暗譜で演奏していました。

小学校の場合は、レッスンに行っても、譜面台を置かず、楽譜は床に置いて必要な時に見る学校も多かったです。
「楽譜があると、指揮を見ないんです。子どもたち、もう暗譜していますし」と、顧問の先生はおっしゃいます。 
え~っ? ほんとに暗譜してるの? 暗譜って、どういうことだか分かってるの?

私も、現職の頃は、コンクールはほぼ暗譜でした。 
理由は簡単です。

・ステージに持ち込む物が減る。(小学生は、物がひとつ増えるだけで大変なんです!)
・セッティングが楽。(「譜面台、足りませ~ん!」と叫ばなくて済む。小学生は、学校の譜面台と違うと、高さを変えるのも大変なんです!)
・客席から子どもたちの顔がよく見える。(保護者の幸せのためです。「せっかく一番前に座ったのに、譜面台に隠れて、ウチの子の顔が見えなかった」と、演奏後に親から文句言われたこともあったなぁ。だったら、一番前なんかに座らないで、もっと後ろに座ればいいのにさ。)
・楽譜がなければ、見るのは指揮しかない!(見るのは指揮しかないはずなんだけど、なぜか客席のパパママを探しちゃう子もいるんです、小学生は...。そういう子のパパママは、それこそ一番前で手を振っちゃったりして。そんなこともあって、本番前の私からのお便りはどんどんキツくなって、禁止事項だらけになっていってしまったのです...。 トホホ。)

本番は暗譜でも、そこに至るまでの練習には、ほぼ楽譜を置かせていました。
練習最後の通しの時に、「はい、楽譜を下に置いて。暗譜でやるぞ!」みたいに...


「暗譜」・・・子どもは、身体で、指で、勘で、覚えているだけです。

そして、時間と共に、「暗譜した」という勘違いが生まれて来ます。 先生も子どもたちも...
強弱もアーティキュレーション(アクセントやスタッカート、テヌートなども含む)もリズムも...だいたいの勘で演奏するようになってしまい、先生もそれに気づかない位、だいたいになってしまいます。

「そこの強さは楽譜に何て書いてある?」
皆、一斉に床に置いてある楽譜を見ようとします。
「ストップ! 暗譜してあるはずなんだから、見ちゃダメ!」
「えっと...フォルテ? フォルテシモ? メゾフォルテ?」 自信のない小さな声がぶつぶつと返って来ます。
「じゃあ、見てごらん」と、確認させます。 
「当たった!」とか「はずれた!」とかクイズやゲームみたい...おいおい、それじゃ作曲者に申し訳ないよ。

場面によっては、パートによって強弱記号が違う場合もあります。
管楽器がフォルテとフォルテシモのパートに分かれ、打楽器だけがメゾフォルテといった場合もあります。
みんなで何となくクレシェンドのようにやっているけど、パートによって、クレシェンドのスタートやゴールが違っている場合もあります。(今年の課題曲Ⅲ『インテルメッツォ』など典型です。)

きっと始めのうちは意識したり、先生も注意したりしていたと思うのですが、いつの間にかどこかへ行ってしまい、アバウトな強弱に。
そして、パート間の立体感のない平坦な演奏になっていきます。
アーティキュレーションもいつの間にかいいかげん(でたらめ)になり、どこかだらしない演奏になっていきます。


譜面台も置かず暗譜で練習している小学校も、楽譜を置いていても指揮だけ見て練習している中学校も、状況はそっくりです。

本当に暗譜して演奏出来るまでには、いつも楽譜をじっくり見つめ、身体だけでなく頭でも理解し、確認しながらの練習が大切です。
そして、指揮も見なければなりません。
だから、2倍の集中力が必要なのです。


特に、練習期間が長いコンクール曲は、いつも新鮮に楽譜を見ていたいものです。
中学校などでは、パート譜にたくさん書き込みがしてあって、派手な色分けもしてあって、おまけに仲間や先輩からの「がんばれ!」とか「ゴールド金賞!」とか激励のメッセージもたくさん書き込まれ、元の楽譜が見えなくなるほど。
これはこれで良い青春の思い出の楽譜。
私も、注意だけでなく、自分で考えたこと、イメージしたことなど、どんどん書き込みなさいと言い続けて来ました。

そして、書き込みでいっぱいになったら、もう一度、新しいパート譜をもらって、まっさらな状態の楽譜を見ることも大切です。

これは、昔、全国大会金賞の中学校の顧問の先生から教えていただきました。
「県大会までに楽譜は真っ黒にする。県大会を抜けられたら、全員に新しい楽譜を配り、ゼロからスタートし直す。支部大会までに、また楽譜は真っ黒に。全国大会に行けたら、さらにまた新しい楽譜を配り、もう一度ゼロから再スタート。全国大会に行けた年には、生徒は同じ曲の楽譜を3枚持っていることになります。その楽譜全てが書き込みで真っ黒。新しい楽譜を見ると、前と違った景色が見えたり、新鮮で丁寧な気持ちになれたり、気持ちがリセットしたりと、良いことばかりです」と...。

私は、同時期に何十曲ものレッスンをするわけですから、スコアリーディングだけでも限界(それも足りていないと思います。ごめんなさい)で、暗譜など出来るはずありません。
だから、逆に新鮮です。
楽譜と違うことをやっていると、すぐ耳に反応し、「楽譜と違うのですが、そのように変えたのですか?」と聞くことすらあります。
先生も生徒さんたちも、「あっ、本当だ...まずい」とやっと気がつくことも。


「暗譜」も「演奏慣れ」もこわいものです。

いつも新鮮に楽譜を読んでほしいです。

良い曲は、時間が経てば経つほど、音符の奥にあるものが見えて来ます。
様々な仕掛けも見えて来ます。

そんな楽しさを子どもたちと共有しながら、長期間の練習を楽しんでもらいたいです。

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東関東吹奏楽コンクール高校B部門・小学校部門

この土日に開催された「東関東吹奏楽コンクール 高校B部門・小学校部門」

計65校の演奏をほぼ全て聴かせていただきました。

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両日とも朝から長蛇の列でした。

会場の宇都宮市文化会館は、改装工事の後、個人的には前より響きが良くなった気がしました。
指揮をされた先生には、「鳴らなかった~」とおっしゃる方もいらっしゃいましたが、2階の審査員席そばで聴いていた私には、とても良く響いて聴こえ、むしろ、吹き過ぎの学校の音は「爆音」となって飛んで来ていました。
良い音で丁寧に演奏している学校の演奏は、とても心地よく聴こえ、力んでパワー優先で演奏している学校の演奏はハーモニー感も色彩感も消えてしまったように思いました。(そして、ほぼそのとおりの審査結果になりました。)

土曜日の高校B部門。

部員数の制限はそれぞれの県で決まっており、部員が大勢いる学校はB部門には出場出来ません。
それでも、どの学校の高校生も、パワーや熱い思い、そして、テクニックは、A部門の学校と変わらないと感じました。
部員が少なくても、東関東大会に駒を進める学校は、やはり何かが違うのだと。

そして、個々のプレーヤーには舌を巻くほど上手な生徒さんが何人もいました。
そういう生徒さんのソロやアンサンブルを聴かせる選曲を意図的にされた学校は、「なるほど」と納得の感じでした。
でも、ソロコンテストではないので、「吹奏楽」としての演奏が良くないと、なかなか結果にはつながらないことも事実です。

B部門は、「小編成部門」ですから、小編成の良さを生かした選曲や演奏をすれば良いと私は考えているのですが、大編成と同じような曲を「大編成のような音」で演奏しようとしている学校には、当然、無理を感じ、結果も伴わないという残念さが見えました。
顧問の先生や外部講師の方々の「作戦?」なのでしょうが、そろそろ「小編成の良さ」にもっともっと目を向けてほしいとつくづく思いました。

小編成でも効果的に演奏出来る曲、しかも、音楽的に深く楽しめる曲は、今、たくさん出版されています。
大編成用に書かれた曲でも、スコアをよく研究すると小編成でも十分成り立つ曲もあります。

そして、小編成の音量は、大編成の音量と、物理的に同じにはなるはずないと理解して演奏して良いと思うのです。
大切なのは、物理的音量ではなく「響き」だと思います。
倍音が豊かで、音程も良く、ひとりひとりが良い音で、ハーモニーやバランスが良ければ、このホールのように良い響きがする会場では十分に音量も出たように聴こえます。
ただただ「鳴らせ!」と指導されて来たのだろうなという学校は、やはりそういう残念な音になってしまっていました。

どの学校の生徒さんたちも、一生懸命に顧問の先生のご指導に従っていると思います。
そして、体力も精神力も、高校生はすごいです。 やれと言われれば、絶対にやるという気迫もあります。
だからこそ、顧問の先生のお考えや発想には、ものすごく重い責任があると思います。
また外部講師として関わる方々の一言にも、同様の責任があると思います。
もちろん、そういう立場である私自身も自己反省しながら精進あるのみという気持ちです。

高校B部門から東日本学校吹奏楽大会に推薦された学校は下記の3校でした。

♪千葉県代表 銚子市立銚子高等学校 (指揮 : 樽屋雅徳)
   飛龍の鵠 / 樽屋雅徳
♪千葉県代表 県立鎌ヶ谷高等学校 (指揮 : 川口智子)
   キリストの復活~ゲツセマネの祈り / 樽屋雅徳
♪千葉県代表 聖徳大学附属女子中学校・高等学校 (指揮 : 進藤初男)
   歌劇「子供と魔法」 /ラベル(檜貝道郎編曲)


昨年度、一昨年度に引き続き、すべて千葉県の代表でした。
聖徳大学附属女子中学校・高等学校は、中学生も含めて部員全員で19名です。
個々の演奏レベルの高さと素晴らしい編曲で、「これぞ小編成の良さ!」という演奏を聴かせてくださいました。
顧問の進藤先生も、アレンジされた檜貝先生も、一言でいうと「天才的!」 このような指導者に出会った生徒さんたちは幸せです。

また、代表には選ばれませんでしたが、神奈川県・桐蔭学園高等学校(指揮:小野寺真)は22名で、最近小編成部門でよく演奏される「秘儀Ⅱ~7声部の管楽オーケストラと4人の打楽器奏者のための~」(西村朗)を演奏されましたが、この曲の演奏によく見られる「インパクトやごまかし」ではなく、スコアの絵柄が見えてくるような緻密で知的な演奏づくりと柔軟なサウンドにとても感動し、特に心に残りました。
指揮者の小野寺真さんは、吹奏楽の編曲でもご活躍ですが、さすがのスコアリーディングと音楽づくり。そして、反応良い優れた生徒さんたちに感心しました。


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鎌ヶ谷高校も「東日本大会3出」を決めることが出来ました。
川口先生、部員の皆さん、おめでとうございました! 



そして、昨日の小学校部門。

「もう、どこまで上手くなれば気が済むの?」というほどレベルの高い30校でした。
以前だったら、これ位演奏出来れば、当然「ゴールド金賞」に輝いたであろう演奏をしても、今は、コンクールという相対評価の場ではなかなか「ゴールド金賞」には手が届きません。

以前の小学生の演奏の特徴(東関東大会レベルでも)として...
・出だしは「おっ!上手いかも!」と思っても、だんだん崩れてくる。
・速い部分は、ノリよく演奏出来るけれど、ゆっくりの部分になると音楽が停滞してがっかり。
・大きな音は出せるけれど、弱い音は出せない。
・主旋律は上手に演奏しているけれど、低音や内声は何をやっているのかわからない。(特にハーモニーの流れを理解していない。)
・薄い部分(演奏人数が少ない部分)になると、不安定な音になる。
・ソロが上手い子がなかなかいない。
・打楽器に指導があまり入っておらず、ただただ好きに打ち、音色もバランスもアウト。
・指揮者の先生が、拍を取るだけでやっと。指揮と目線は常に主旋律。
・・・・
という時代もありましたが、昨日の演奏を聴いて、「そんな時代は終わったな」と驚愕でした。
もし私が教師を続け、吹奏楽部の指導をしていたとしても、こんなすごい演奏は出来なかっただろうと思います。
体力も精神力も無理無理!
レッスンにお伺いしている学校の先生方を見ても、あれこれアドバイスしながらも、「すごいなぁ」と感心するばかりです。

東関東大会に駒を進めてくる小学校が、「ブラック」と言われるほど子どもに無理を強いているかと言うと、私が関わっている学校についてだけ言っても全くそんなことはなく、こんなに短い練習時間でどうしてここまで上手に出来るの?!というほど練習時間は少ないです。

先日、ブログにアップさせていただいた神奈川県の小学校2校は、通常の平日練習は朝の10分だけです。
それでも、心に響く素晴らしい演奏をされています。

つまり、先生方が、良い指導、良い教育、優れた音楽性をもってご指導されているということです。
無駄に長時間練習しても、小学生には限界があります。
第一、そんなことをしていると、部員がなかなか集まらなくなるのが今のご時世です。

そして、公立学校ですから、たまたまその地域に住んでいて、たまたまその学校にバンドがあって、たまたま指導してくださる先生がいて...奇跡の出会いと体験をしている訳です。

子どもたちも保護者の方々も、その「奇跡」に感謝してほしいと強く思います。

コンクールで結果を出すだけが良い指導、良い教育ではありません。
コンクールに参加しなくても、コンクールで結果を出せなくても、素晴らしいバンド指導や良い教育をされている先生方もたくさんたくさんいらっしゃいます。
小学校でのバンド活動は、コンクールを「スパイス」や「良い目標」としながらも、やはり「良い教育」であって欲しいと切に願います。

こんな素晴らしい演奏をする小学生たちが、中学校に行っても、高校に行っても、吹奏楽を続けて、もっともっと上手になり、もっともっと音楽(あえて「吹奏楽」とは言いません)を好きになってくれたら。

高校は自分で選んで進学出来ますが、中学校は受験しない限り地元の中学校に進学することになります。
その中学校のバンドがどのような状態か、どんな先生が指導されているのかによっては、小学校で培われた力をさらに伸ばせない場合もあるのが残念で悲しい現状です。

千葉県で言うならば、今年、東関東大会に進んだ小学校・中学校のつながりを見ると...
・船橋市立高根東小学校→船橋市立高根中学校
・柏市立酒井根東小学校→柏市立酒井根中学校
・習志野市立藤崎小学校→習志野市立第五中学校
・船橋市立西海神小学校→船橋市立海神中学校
・習志野市立実花小学校、東習志野小学校→習志野市立第四中学校

このように小学校から中学校へのつながりが強く、中学校も「小学校で頑張って来た子どもたちをしっかり育てなきゃ!」という顧問の先生に恵まれ、さらにコンクールでの成績にも出ている幸せな環境にある学区もあります。
そんな学区の子どもたちは、奇跡の中の、また奇跡です。
感謝しても仕切れない奇跡の中にいるわけです。
しつこいようですが、コンクールの結果だけで「奇跡」という訳ではありません。
目に見える分かりやすい現状をお伝えしているまでです。


私からすれば、昨日出場した30校には「銅賞」は付けないで!と言いたいほど、本当に素晴らしい演奏ばかりでした。
ここまで導かれた先生方のご苦労、毎日毎日頑張った小学生たちの姿を思い浮かべると、何度も涙が込み上げて来ました。
私がお手伝いさせていただいた多くの学校(出場した団体の半数近くになります)の学校での練習の様子や先生と子どもたちの日常を振り返ると、どの学校の先生、子どもたちにも、賞に関係なく、「本当によく頑張りました!偉かった!」と、心から言ってあげたいです。

東日本学校吹奏楽大会への推薦校には下記の3校が選ばれました。

♪千葉県代表 柏市立酒井根東小学校 (指揮 : 戸塚千穂)
   ザ・レッド・マシーン / グレイアム
♪千葉県代表 習志野市立実花小学校 (指揮: 村山和幸)
   斐伊川に流るるクシナダ姫の涙 / 樽屋雅徳
♪茨城県代表 水海道市立水海道小学校 (指揮 : 倉持香)
   ブラスのための小組曲 / アーノルド


水海道小学校は、茨城県大会でも驚きましたが、2年生を含む16名という人数で、驚くべきブラスサウンドを響かせていました。
倉持先生の指導力、子どもを信じる心には、いつも敬服です。

先日、ブログにアップさせていただいた船橋市立葛飾小学校も、初出場、しかも朝一にもかかわらず伸び伸びと演奏し、「ゴールド金賞」をいただきました。
木内先生、部員の皆さん、「くるみ割り人形」のアレンジのご恩返しの気持ちは、心のこもった演奏で十分過ぎる位伝わって来ましたよ! ありがとう!


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私の教え子の村山君(先生ですね!)も、実花小学校のこんなにも多くの子どもたちを率いて素晴らしい演奏を聴かせてくれました。
2年連続東日本大会出場、おめでとうございます!



結果はふるいませんでしたが、この夏の大きな成長と本番の演奏に満足!という小学校の皆さんから、笑顔いっぱいの写真がLINEで届きました。
「田川先生、ありがとう!また来てください!」と叫んでくれた瞬間だそうです。
みんなよく頑張ったね! 大きな成長に心から拍手!
こちらこそ、また君たちと一緒に練習出来る日を楽しみにしていますよ!

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出場された65校の皆さん、ひと夏の努力の結晶の演奏、本当に素晴らしかったです。
ご指導された先生方、支えてくださった保護者の方々、関係者の方々、お疲れ様でした。

2日間、安全な運営(嫌なJアラート関係の報道の中でした)、そして、出場する児童・生徒たちが最善の演奏が出来るようにと、細かい心配りをし続けてくださった東関東吹奏楽連盟・栃木県吹奏楽連盟の皆様、ありがとうございました。


審査結果の詳細は、下記、東関東吹奏楽連盟のHPをご覧ください。
http://www.hksuiren.gr.jp/


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心のふるさと~大柏小学校の今

私の大切な思い出の学校、心のふるさと~市川市立大柏小学校。
今年、久しぶりに吹奏楽コンクールで千葉県代表に選ばれました。

昨年度、新規採用の今の顧問の先生が赴任されるまでの2年間は、臨時採用の音楽専科の先生が毎年代わって指導されました。
つまり、昨年度まで4年間、吹奏楽部の顧問の先生は毎年代わり続けて来たということになります。
そんな難しい条件の中でも、吹奏楽部は揺るぐことなく、毎年代わる顧問の先生のご指導に素直に従い、保護者の方々も先生を温かく支え、子どもたちは伸び伸びと活動して来ました。

私は、この4年間、毎年の先生からのご依頼をいただき、指導に関わらせていただいています。

大柏小の子どもたちや保護者の方々は、「あの田川先生が来てくださる」というほど、私のことを大切に思ってくれます。
私が大柏小学校に勤めていたのは、今の子どもたちが生まれる前なのに。

懐かしい音楽室でのレッスン...まだ使われているあの頃の楽器や小物、そして、あの頃と変わらない音楽室の匂い。
お伺いする度に、あの頃にぐんと引き戻されて涙が溢れそうになることもあります。

今の子どもたちにも、深い愛情を注がずにはいられません。

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部員の中には、「ピータールーの代」の部長だったW君のお姉様の子ども(姪っ子さん)がいて、W君のマイトランペットを使っていたり、「うちのお父さん、田川先生の音楽の授業受けたって言ってました」と教えてくれる子がいたりと、時の流れを感じながらも、そこでつながっている心を感じます。

練習の合間に、「あの頃はね...」と、当時の子どもたちの頑張っていた様子を話すと、遠い遠い先輩たちの頑張りに、みんな、「ふう~ん」と感心し、「君たちはそんなすごい先輩たちの後輩なんだよ!ちゃんとつながっているんだよ!だから君たちも頑張れるよね!」という私の言葉に、大きな声で「ハイッ!!!」と応えて、やる気満々になります。

昔も今も、大柏小学校の子どもたちは、素直で一生懸命。
保護者の方々のご理解やご協力にも、誠意があります。

朝練習はもちろん、平日5時までの放課後練習もほとんど休む子がおらず、ほぼ全員揃って練習しています。
「みんなで練習しなきゃ、合奏にはならない。習い事や塾は練習が終わってから行くに決まっている」...こういう吹奏楽の基本的な精神が、20年前から脈々と受け継がれているのです。

この今の時代にもです。

現在の顧問である音楽専科の大川原直紀先生は、初任校がこの大柏小学校。
音楽教育を専攻されましたが、実際に吹奏楽を指導するのは初めてです。

時間割を見ると、音楽授業の持ち時数は、何と週25時間。
授業の他に、もちろん、他の校務や初任研もあり、私から見れば限界ぎりぎりの働きぶりです。

吹奏楽の指導の仕方も真剣に学ばれ、私のレッスンの時には子どもたち以上に緊張した面持ちで話を聞き、うなずき、「そうか~。そうなんだ~」と、記録されながらひとつひとつ吸収されています。

真面目で一本気、そして、ユーモアのセンスもある先生は、この伝統ある大柏小学校吹奏楽部を全力で導いて来られました。

2年目の今年は選曲からご相談に応じさせていただき、「子どもたちに合った良い曲を」と、内藤友樹さんの『静寂と躍動~天竜川の船大工』に取り組むことになりました。

音が並ぶまでは少々苦労も見られましたが、今は、先生も子どもたちもこの曲が大好きになって、生き生きと演奏しています。

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東関東大会に向けてのレッスンでは、「あれれ?お化粧し過ぎでは?」というような工夫過多の演奏になっていましたので、「シンプル・イズ・ベスト! 曲の良さをそのまま出していけば?それがきっと子どもたちの良さが生きる道なのでは?」とアドバイス。

「なるほど。何かしなきゃいけないかなと思って、だんだんやり過ぎていたかもしれません。普通にやればいいのですね。」
「そう、表現をあれこれやり過ぎてしまうほどの時間があるのでしたら、その時間に、まず音程を合わせて。低音パートやハーモニーの働きを大切に確認して。」
「わかりました。やります! みんな、そうしよう!」
「ハイッ!」

先生も子どもたちも、本当に素直。
教えてもらったら、それを一生懸命やろうとします。

先生が、時々、違う方向へ行ってしまった時、私から「それは違いますよ」と軌道修正すると、すぐに、「すみません! みんな、ごめん。直してね」と、ご自分から子どもたちに修正をかけます。
子どもたちも、すぐに、「ハイッ!」と気持ち良く修正。
「え~?先生、違うじゃん、もう~」のような嫌な雰囲気を出す子はひとりもいません。
先生が一生懸命努力し、勉強し、共に歩んでくれていることをよくわかっているからです。

そんな先生のことが、みんな大好き。
子どもたちの楽譜を覗いていたら、「大川原先生とがんばる! 先生、大好き!」というように書いてあった子がいました。
自分と先生へのエールなのでしょう。 すてきです。

先生と子どものちょっとした関わり方を見ていても、お互いの信頼関係が手に取るようにわかります。


そんな先生と子どもたちの素直で謙虚な歩みの積み重ねが、今回の東関東大会出場につながったことは間違いありません。

東関東大会で他校のすばらしい演奏を聴き、先生も子どもたちも、また一歩前進することだと思います。


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20年前、僕の元で必死の練習に励んでいた先輩たちの後に続いて来たたくさんの部員たち。
そのつながりの先に「今」という時があります。
大柏小学校吹奏楽部のバトンをつないでくれた先生方と部員たちのおかげである大切な「今」です。

そして、その「今」を、君たちは大川原先生と一緒にしっかりと歩いています。

夢中になって頑張る姿は、20年前と何も変わりません。 
それがとてもうれしいです。

先生と君たちとの絆を、これからも大切に見守っていきたいと思います。

宇都宮では、君たちの演奏を客席から応援しています。

がんばれ! 大川原先生&大柏小学校吹奏楽部のみんな!


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神奈川県の小学校バンド~ホール練習

今日から千葉の学校は2学期。
とてもとても涼しい朝を迎えています。

夏休み最後の昨日は、神奈川県の小学校バンド2校のホール練習にお伺いして来ました。

小学校バンドでのホール練習...経費、児童引率、楽器運搬、先生方の動静(勤務)扱いなど、なかなか難しいことが多いです。
「そこまでやる必要があるのか」という管理職や保護者の方もいて当然です。
まして、この2校は宇都宮での東関東大会に出場するための集金も生じています。

きっと両校とも、それぞれに壁を乗り越えてのホール練習だったと思います。
でも、部員全員揃ってのホール練習が出来たのも、それぞれの学校、特に保護者の方々の温かい、いや、熱いご理解とご協力があったからです。

そんな保護者の方々には敬服です。

先生方も、今日からの学校のスタートの準備もたくさんあるはずです。
頭が下がります。

子どもたちに、「宿題全部終わってない人~?」と聞くと、数名がパラパラと手を挙げ...
ホール練習が終わって、家に帰ったら地獄が待っている?(笑)
「吹奏楽の練習で出来ませんでした」なんて言ったら、担任の先生からも吹奏楽部の先生からも、こっぴどく叱られることは分かっていますから、口が裂けても言えません。
ちゃんと終わらせたかな?


学校の音楽室や体育館では分からないことが、「ホール」という場所では歴然と分かります。

サウンドの状態やバランス、セッティングの選択、曲の中の様々なパーツの機能、ピッチやハーモニー、打楽器のマレット選択、そして、曲の色彩感や立体感、和声感、遠近感、推進力、説得力、指揮との一体感、自発性。
また、子どもたちの演奏姿(お行儀ではなく、オーラです)も...

時間がいくらあっても足りない位、つっこみどころが見えて来ます。
先日、学校でのレッスンで指摘したことが全部出来るようになっていたとしても、ホールで聴くとさらに新しい課題も見えて来ます。

限られた時間で、何を優先し、何を宿題にし、何を切り捨てるか...
お手伝いする私も、時間との闘いです。
子どもたちの集中力や体力への配慮も必要です。

先生と子どもたち、そして、保護者の方々が必死で手にした貴重なホール練習です。

私なりの経験と考えで、精一杯、お手伝いさせていただきました。


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2校とも時間ぎりぎり、いや、少々オーバーして練習を終えました。

技術面、表現面、そして、精神面...東関東大会までの山のような課題がはっきりしました。
学校が始まると、夏休みのような練習時間はなく、先生方にも子どもたちにも「忙しい日常」が戻って来ます。

その中で、この貴重なホール練習で得た課題をどこまでクリアできるのか。
当然、出来ることと諦めなければならないことの取捨選択も必要です。

考えただけで、私まで苦しくなります。

がんばってほしい...ただそれだけしか言えません。


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たった9人しかいない6年生たちがサインを求めて来ました。
私は、ただ一言、「最後まで」と書いてあげました。
「『最後まで』の後は、それぞれ考えなさい」と伝えて...
「最後まで諦めない」「最後までやり尽くす」「最後まで気を抜かない」
・・・それぞれに続く言葉を考えていました。


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ホール練習を終えて、達成感いっぱい!
そして、課題の山への挑戦意欲たっぷりの先生方、共に勉強した他校の先生方です。



宇都宮での演奏、どこまで変容出来るか、楽しみにしています!

先生も子どもたちも、みんな最後までがんばれ!!

最大限のご理解でご協力くださった保護者のみなさま、本当にありがとうございました。
演奏のことは顧問の先生方にお任せし、当日までの子どもたちの身体と心の健康管理をよろしくお願いいたします。


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