田川伸一郎のブログ

謙虚で偉大な見学者

富山のレッスンで数年前に出会い、それ以来、親しくさせていただいている打楽器演奏家の前田啓太さん。

武蔵野音楽大学、尚美ディプロマ科を経て、ドイツ国立カールスルーエ音楽大学、同大学院修士課程を「最優秀」の成績で修了し、現在は主に日本で演奏家として、そして、指導者として活躍されています。

zxxmeOJFnyXXQJ41498099542_1498099561.jpg

前に彼を紹介させていただいたブログ記事です。
http://schoolbandsupporter.blog24.fc2.com/blog-entry-838.html

今年の夏から冬にかけては、「THE ORCHESTRA JAPAN」のメンバーとして、『ディズニー・オン・クラシック』の全国ツアーに出演されるとのことです。

『ディズニー・オン・クラシック』のHPはこちらです。
http://www.harmonyjapan.com/doc2017/

そんなすごい打楽器プレイヤーの前田さんから、少し前にメールを頂戴していました。
私のレッスンを見学して、指導法を勉強したい...という内容でした。

彼が、私の拙いレッスンなど見学して、何か役に立つのだろうか?・・・と思いましたが、きっと何か考えるところがあってのことなのだろうと、先日、ある小学校のレッスンに、顧問の先生の許可を得てお連れしました。

前田さんは、日頃、中学・高校で打楽器レッスンをされているので、小学校バンドの練習は初めてと、とても楽しみにされていました。
富山で私のレッスンをご覧になった時も、高校生のレッスンでしたから、私が小学生にどのように指導するのか、益々興味深かったようです。


レッスンは、ハーモニートレーニング→コラール→コンクール曲という流れで私が前に立って進めました。

前田さんは、じっと私の指導や子どもたちの反応、演奏に眼と耳を傾けていらっしゃいました。
プロの打楽器演奏家が、私と小学生の練習を黙ってご覧になっている姿と真剣な表情に、彼の謙虚さと探究心を改めて感じました。
私が打楽器に指導している時でさえ、口を挟むこともせず、「見学者」に徹していらっしゃいました。

(時々、いるんです。「レッスンを見学させてください」と言って来たはずなのに、なぜか指導を始めちゃう方が...。まあ、子どもたちの役に立つならいいか...と放っておきますが。)


前田さんは、このほど、初めてのソロCD『イーチン~ノアゴー&クセナキスの無伴奏打楽器作品集』をリリースされ、私もプレゼントしていただいていたので、そのCDも持参し、一曲だけ子どもたちに聴かせてあげました。
また、私から急にお願いをして、スネア一台での演奏を聴かせていただきました。
CDの音楽にも、スネアの生演奏にも、子どもたちは目が点になっていました。

j9mYmObsONgaIoN1498092937_1498092988.jpg

レッスン後、前田さんは、子どもたちに、技術の高さ、音質の良さ、私の指導に対する反応や発言の素晴らしさ、一生懸命演奏を良くしていこうとしていた姿、演奏の変容など、たくさんたくさん褒めてくださいました。
こんなすごい演奏家に褒めていただいて、子どもたちはうれしくてニコニコ! ガッツポーズをして喜んでいる子もいました。
そして、「思いを込めて演奏したい」と言っていた子どもたちに、「思いを込めた音ってどんな音なのか、どんな表現なのかをイメージして練習すると、きっとみんなの思いが届く演奏になると思います」と優しくお話しくださいました。

プロの演奏家の眼からすれば、きっと私の指導にも子どもたちの演奏にも、ダメ出しをしたいところがあったに違いありません。
でも、「そんなことのために自分はここに来たわけではない。勉強させていただきに来たのだ」という一途な気持ちを貫き通し、子どもたちが帰った後も、私にも顧問の先生にも、アドバイスじみた言葉は全くなく、ただただ感謝の言葉だけを述べていらっしゃいました。
そして、こちらが質問したことには、誠意を持って答え、教えてくださいました。

一流のプレイヤーだからこそ出来る、実に謙虚な姿勢。
ますます前田さんのファンになりました。

もちろん、お礼のメールもいただきました。

「田川先生、昨日はありがとうございました。見学させていただいて本当によかったです。子どもたちの心の持って行き方、バランスの取り方、音楽的な歌い方やその和声的な根拠、音楽性の育て方、自発性の育て方、様々なことを勉強させていただきました。先生方とゆっくりお話しさせていただいたこともとても勉強になりました。・・・」

また、コンサートに伺える機会やお会い出来る機会を楽しみにしながら、彼の活躍を応援していきたいと思います。

XO26Rt9TYTg2y221498093007_1498093069.jpg

前田さんの見学を受け入れてくださった顧問の先生に心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。


前田啓太さんの初ソロアルバム『イーチン』です。
民族的、宗教的、理性的かつダイナミックな曲目と演奏です。


IMG_0005_convert_20170622095940.jpg

こちらの「Amazon」からもご購入出来ます。
よろしければぜひお聴きください。

https://www.amazon.co.jp/dp/B06XRRPKLC

スポンサーサイト

PageTop

第2回 『Men's フェスタ』

5月のある日、東京都の小学校の先生方の「第2回男子会」にお招きいただきました。

「『男子会』より『Men's フェスタ』の方がカッコよくないですか~?」とアドバイスくださったのは、同じ東京都の女性の先生。

Lineで、「今日は『第2回男子会』で~す。」とお送りしたら、「ずる~い!」と加えながらも、そんな返信をくださいました。

よし、これからは「Men's フェスタ」でいこう!
なんか、イケメンの集まりって感じ! (あらら、田川は除外されそう...)

スケジュールを整えて、ちょっと早めの時間に集合。

この4月に転勤して初めてバンドを持つことになった先生、これまでの「課内クラブ」を課外の「吹奏楽部」に発展させることに成功した先生、新たに部活を立ち上げた先生と、それぞれに変化のある新年度を過ごしていらっしゃいます。

「男子会」、いや「Men's フェスタ」初参加の先生も増えて、楽しさが増しました。
「田川先生とお食事ということで、緊張して来たんですけど、とっても楽しいです!」と言ってくださり、他の先生方が、「ねっ!来て良かったでしょ」と、益々盛り上がりました。

私は合間に少しだけ話し、もっぱら先生方それぞれのお話にじっくり耳を傾けていました。

新しい環境や新しい事に臨むときには、様々なハードルもありますが、ワクワクすることもたくさんあります。

私は、先生方のちょっぴり不安そうな話の内容が出ても、それを裏返してワクワクするこれからにつなげるお話をして差し上げました。

「そうか~、そう考えると楽しくなりますね!」 「そう! プラス思考!」

具体的な指導法のご相談には、具体的にご返答。

「あぁ、それなら、帰ったら、僕のもっているあの資料、送ってあげますよ!」
「先生には、あれがいいかな!」と、パソコンに入っている私の様々な「バンド指導用資料」の引き出しを思い出して...

それぞれの先生方のニーズに合った私の「指導資料」をお送りすることを約束し、忘れないように左手の甲にメモ書き。
メモ書きで真っ黒の手になってしまいました。

帰宅後、そのメモを見ながら、すぐにお送りしました。

パソコンで、文書も楽譜も音源も、その日のうちに相手に届いてしまうなんて、昔では考えられなかったことです。


先生方の1年間の歩みが確かにスタートしていました。

子どもたちのことを、音楽活動のことを、これからの願いや目標を...
それぞれにお話しされる先生方は、なんだかんだ言っても、とっても生き生きしていました。

そう、若いエネルギーで、ぐんぐん前に進んでほしいです。

失敗? ・・・全然OK! 失敗して学べばいいんです。 
子どもたちにもそう教えていますよね!

みんな、子どもが、音楽が、大好きなんだから。

がんばれ、 先生方! 

次に、「第3回Men's フェスタ」をされる時にも、ぜひ誘ってくださいね。

楽しいひとときをありがとうございました。

G0ADUJNb5cAvKQY1493996967_1493996989.jpg

PageTop

うれしかった再会

今日は、県内の小学校バンドのレッスンでした。

まだコンクール曲は始めたばかりで、譜読みのお手伝いのようなレッスンになりましたが、皆のやる気がすごくて、驚きました。

今年は部員の「男子率」も高く、元気な男の子たちが中心になって、「ハイっ!!!」と超気合いの入った返事をしてくれます。

4年生は、まだ音出しの練習をしている最中ですから、もちろん演奏は楽器を持って見学。
でも、音楽に合わせて首を動かしてみたり、一緒に歌ってみたり、参加している気分を満喫しているようでした。
そして、休憩時間になると、私のそばに来て、「プ~パ~」と音を出して聴かせてくれます。
正直、あまり聴きたくない種類の音だけど...笑顔で、「うんうん。いい音だね。いっぱい練習するともっといい音になるよ。」と言ってあげると、うれしそうに、「うん」とうなずいて、また「プ~パ~」

そんな4年生たちの間を抜けて私に寄ってくるイケメンの部長君は、「田川先生は、どこ生まれなんですか?」と、色々私のことを聞きたいらしいです。
というか、何か話題を提供して、私に関わりたいのかな。
こうやって、普通に会話が成り立つ6年生たちは楽しいな。
「プ~パ~」と音で関わってくる4年生も楽しいけれど...

私は、練習時間ももちろん楽しいけれど、休憩時間も大好き。
特に、こうやって私に寄って来てくれる子どもたちと過ごす休憩時間は大好き。
こんなオジサンでも、遊んでもらえてうれしいな。

そして、休憩時間が終わり、また練習が始まります...

今日は、家庭訪問期間だったので、3時間近く練習が出来て、私も子どもたちも、ちょっと疲れたけれど達成感いっぱいのレッスンでした。

練習の終わりごろ、そ~っと入って来られた女の先生がいらっしゃいました。
お手伝いしてくださっている副顧問の先生のようです。
特に、気にもせず、練習を続けました。

終わりのあいさつの後、顧問の先生が、「今年からお手伝いしてくださっているM先生です。5年生の担任で...」と、その女の先生を紹介してくださいました。

「あの、私、〇〇高校で田川先生にレッスンしていただいた...」
話の途中で、「え~っ!、覚えているよ!何でここに?!え~っ!」と、興奮。

子どもたちも顧問の先生も、そんな私にびっくり。

「田川先生という講師の先生がいらっしゃると伺って、もしかしたら私が知っている田川先生なのかなと思っていたんです。やっぱりそうで、レッスンの様子も懐かしくて...」

高校を卒業してから、大学の教育学部に進み、今年の4月に新規採用教諭としてこの小学校に赴任したそうです。

校長室では、校長先生、顧問の先生と一緒に彼女も話に加わり、高校時代の部活のことなどを楽しくお話し出来ました。

「私たちも、レッスンの後などに、田川先生の周りに群がってたくさんおしゃべりさせていただきましたよね。とっても楽しかったです。」
「そうだったね。ここの子どもたちと同じ!」

まだ教師人生は始まったばかり。
これからたくさんの試練もあると思いますが、このかわいい子どもたちと一緒に毎日を生き生きと過ごしてほしいです。
そして、ご自身が吹奏楽部で学んだチームワークや気づかいの心、音楽の力...子どもたちに伝えていってくださいね。

時間の許す限り、吹奏楽部のお手伝いもお願いしますね!

今日、こうしてまさかの再会が出来たことを本当にうれしく思います。

がんばれ、Mさん!

IMG_0001_convert_20170428204729.jpg

PageTop

第一回 「我孫子の会」

昨夜は、とても楽しい「夕食会」がありました。

我が街・我孫子市の先生方数名が声をかけ合ってお招きくださいました。

そう言えば、フリーになり、市川から我孫子に転居して、市内の学校にもレッスンにお招きいただくようになり、知り合いの先生も増えたのに、「お食事会」などしたことがありませんでした。

地方でのレッスンの際や、東京都の先生方とは、「お食事会」もさせていただいていますが、一番近い我孫子市の先生方とは全く無かったのです。

「ブログで、他地区の先生方とのお食事の様子を見て、いいなぁと思っていたんです」とおっしゃってくださり...

そんなわけで、昨夜は、第一回の記念すべき「我孫子の会」でした。

新年度が始まって、先生方はとても慌ただしい時期です。
歓送迎会などもあり、夜、ご家庭を空ける日も多いと思います。
それなのに、「コンクールに向かう時期には田川先生はとてもお忙しいくなるでしょうから」と、あえてこのタイミングにお声かけくださったのです。
しかも、「田川先生がお出かけしやすい湖北で」と、我が家から徒歩1分のレストランを予約してくださいました。

何とありがたいこと...


この春は、我孫子市の音楽の先生方は大異動の年でした。
加えて、定年退職や早期退職の先生もいらっしゃり...
また他市から新しく転入された先生や新卒の先生も数名いらっしゃいます。

長い期間の行政でのお勤めから校長先生になって現場に戻って来られた先生もいらっしゃいます。
先日、あるレッスン校に用事でお伺いした時、校長先生がまさに行政から戻られた音楽の先生で、以前からよく存じ上げている先生でした。
「田川先生、ちょっと校長室でコーヒーを召し上がって行ってください」と、慌ただしい学校の雰囲気の中、優しいお声をかけてくださいました。
「いや、今からレッスンに向かわなければならないので...」
「そうですか...残念だなぁ。田川先生、うちの学校のレッスンの日とは関係なく、校長室にコーヒー飲みにいらしてくださいよ。せっかく近くにいらっしゃるのですから。」
「ありがとうございます。」

・・・まさか、お忙しい校長先生のところに、「用事はないですが、コーヒー飲みに行っていいですかぁ?」なんてことは出来るはずもありませんが、そのようにお声かけいただいただけでも、とても近くに感じ、うれしかったです。

昨夜の夕食会では、部活指導や音楽授業のことだけでなく、今まで聞いたことがなかった先生方の経歴やちょっぴりプライベートなお話も伺え、とても楽しかったです。

また、知っているようで知らなかった我孫子市の音楽教育の現状や「我管研(あかんけん・我孫子市管楽器教育研究会の略)」のこれから進む道への願いを伺ったり...先生方の意欲や夢を伺い、私も今まで以上に地元・我孫子市の先生方と子どもたちを大事にしていきたいという気持ちになりました。

「次回は、〇〇先生や△△先生も誘いましょう! そう、中学校の先生方にも声をかけます! 場所はここだったら田川先生もお出かけしやすいですよね! 田川先生のお誕生会もここでやりましょうよ!」

???!!!???!!!

あっかるい先生方! あったかい先生方! すってきな先生方...こんな先生方が我孫子市にいてくださって、とってもうれしいです!
我孫子市の子どもたち、幸せだなぁ。

今年1年、地元・我孫子市のために頑張ります!
何でも相談してくださいね! 
必要あらば、救急車のように飛んで行きます! ♪ピーポーピーポー~

楽しいひとときをありがとうございました。
次回も楽しみにしています! 
「我孫子の会」、バンザイ\(^o^)/

                 Zn4B_yUDtwapVoS1492039545_1492039581.jpg
                 朝の散歩で...

PageTop

一枚の葉書

新学期もスタートし、学校には新しい風が吹いているこの頃です。

この時期、レッスンは少なめですが、学校にお伺いすると、忙しそうに走り回る先生方の姿、緊張した面持ちの新任の先生の姿...
あぁそうだったと思い出す光景に出会います。

そして、ご退職された先生から、「退職のごあいさつ」のお葉書が届き、感慨にふける瞬間も...

今日届いた1枚の「退職のごあいさつ」の葉書...犢橋小学校に私と一緒に赴任した事務職員のSさんからでした。
その年、5月採用の新卒の先生は2名いましたが、4月1日採用の職員は、私と彼だけでした。

Sさんは、高校卒での採用でした。
私よりも4歳年下でしたが、とてもしっかりしていて、驚くことばかりでした。

教員と事務職は、仕事の内容は全く違いますが、新任同士、「どう?慣れましたか?」と声をかけ合い、たまに帰りに一緒にご飯を食べたり、彼の家に遊びに行ったりしたこともありました。

彼は、身体に障害をお持ちでしたが、そんなことは気にせず、明るくハキハキ話し、笑顔の素敵な青年でした。

事務室は、学校の顔。 お客様や保護者にも明るく対応し、「若いのにテキパキして、すばらしい」と、好評の声も耳にしました。
彼より4歳も年上だった私なのに、彼にはずいぶん助けられ、教えられました。

そんな彼からの「退職」のお葉書...犢橋小学校から転勤した後は、お互いに連絡を取ることもありませんでした。
私が退職して、今、我孫子に住んでいることもご存じないはずです。

心当たりは...葉書に書いてあった彼の最後の勤務校に、私は数年前にレッスンに伺ったことがあるのです。
もしかしたら、当時、その学校にお勤めだったのかもしれません。
校長先生や音楽の先生にお渡しした名刺を目にしていたのかもしれません。

定年まで何年も残して退職されました。
「高齢の両親の面倒を見ながら、しばらくは家事に勤しみたいと考えています」と書かれていました。
「介護」が一番の理由かどうかはわかりませんが、それも大きな理由のひとつのようです。

Sさんからの1枚のお葉書を読んでいるうちに、なぜか涙がポロポロ出てきました。
ずっとご無沙汰していた私のことを覚えていてくださった。
そんな私にお葉書をくださった。
ありがたくて、ありがたくて...

桜満開だった犢橋小学校の校庭や、緊張して毎日を過ごしていたあの頃...「同期生」として励まし合っていたSさんのことが、昨日出会ったように鮮明に思い出されました。

お互い、道は違っても、その後も精一杯仕事に尽くしました。

何年も残して早期退職された裏には、きっと様々な思いや決心があったことと思います。

早速、お手紙を出したいと思います。
そして、出来ることなら、お会いしに行きたいと思います。

私にとって、大切な「同期」の仲間ですから。

まずは、Sさん、ゆっくり休んで、お疲れを癒してください。
そして、ご両親のためにも、どうかお元気でお過ごしください。


                   image.jpg

PageTop