田川伸一郎のブログ

小学校の音楽授業

私は、年間を通して、県内の2つの私立小学校で音楽教育のサポートをさせていただいています。

昨日の午前中も、その勤務日でした。

2年生と6年生の授業展開でした。

2年生はこの学校初任の音楽専科の先生の「授業研究」の助言、6年生は「学年合奏」の練習のお手伝いをさせていただきました。


2年生の学習は、題材「はくのながれとリズム」の中の、教材『ぴょんぴょこロックンロール』を使った展開でした。

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初めて聴く先生のピアノの音はとても優しく、また、話す声も歌う声も優しく澄んでいて、子どもたちも先生のご指導にしっとりとした感じでついていっていました。
子どもたちの歌声や表情も、とても良かったです。
身体表現も加えて歌い、みんな楽しそう!

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主なる学習では、全音符・二分音符・四分音符・八分音符・四分休符・八分休符の形・名称・長さを理解し、1拍ごとに4拍分仕切られたマスに、音符カードを並べて、4拍のリズムフレーズを作る活動が行われました。

班ごとに、4拍分のマス目カードと音符カードが配られ、それを使ってリズムフレーズを作ります。

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先生が示した例でやり方をつかんでグループ活動がスタートです。

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最後は、全ての班の作った4拍のリズムをつなげて、リズム打ちをしました。
2年生とは思えないほど、半拍のリズムも正しく打てて、びっくりでした。

この授業に対する助言として...

・「拍のながれにのって」という条件を満たすには、常に「拍打ち」が流れていないといけない。手も口もリズムなのではなく、手は拍打ち、口でリズムを歌う、または、足踏みで拍を取りながら、手でリズムを打つという活動をした方が良いこと。

・「リズム」と「タイム(音価)」を混同しないこと。手で打ったリズムは、基本的に全て「八分音符かそれ以下の短い音符」でしかない。「タイム(音価)」を正しくとらえるには、正しく伸ばす必要があり、リズム打ちでは出来ない。口で言うしかない。手で打つ場合は、全てを同じ打ち方にするのではなく音価を意識した動きをつけさせること。

という、「拍の流れとリズム」の学習で陥りがちな点を指摘させていただきました。


6年生の合奏では、『江~姫たちの戦国~メインテーマ』の初期の練習をお手伝いさせていただきました。

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この学校では、秋に学芸発表会があり、各学年が音楽や劇、ダンス、和太鼓などの発表をします。
6年生は、毎年、器楽合奏をすることになっており、この曲の合奏練習も少しずつ進めている段階です。

様々な楽器を使用する合奏なので、全体練習の前のパート指導も大切です。
先生からのご依頼で、私は主に打楽器パートの個別指導を担当させていただきました。

奏法や手順など、初期の段階で正しく身につけてほしいことを指導しました。

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また、アコーディオンの基礎奏法や「約束」についても丁寧に指導し、皆、とてもよく出来るようになりました。
とても素直で賢い6年生たちです。

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パート練習の後は、部分的にざっと合わせてみました。
まだ練習を始めて間もない時期ですが、その割には形になって、子どもたちも「オーッ!」と。

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みんな意欲もあり、練習熱心です。

今年の学芸発表会では、器楽合奏だけでなく合唱もやることになりました。
歌もとても上手な6年生。 私もお手伝いさせていただくのがとても楽しいです。

良い発表を目指して頑張ってもらいたいです!


猛烈になっている「吹奏楽レッスン」から離れて、「音楽授業の味わい」に浸ることが出来たひとときでした。

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「部活動指導者委嘱状」

千葉県の柏市は、全国大会常連の市立柏高校、酒井根中学校を筆頭に、小中学校の吹奏楽活動がとても盛んな街です。

私も柏市の数校の小中学校で吹奏楽部をお手伝いさせていただいていますが、その流れを受けて、この度、柏市教育委員会から「部活動指導者」という正式な委嘱状を頂戴いたしました。

「先生方の負担を少しでも減らそう」「部活動でのより良い学びの機会を与えよう」という趣旨で、教育委員会として部活動推進のための具体的支援をおこなっていく取り組みです。
1年ごとの更新制で、教育委員会に登録され、希望する学校の指導に入ります。

「部活はブラック」と、昨今、マスコミでは「部活動否定論」ばかりが取り上げられることが多いですが、その一方で、「部活動でこそ得られる多大な糧を大事にしたい」という声も現場の先生方から多く上がっていることも事実です。

その「糧」は、教師と児童生徒が共有出来る大切なものです。

現場の様々な声を教育委員会がしっかり受け止めて、「ブラック」と押さえつけるのではなく、「部活動をより良い形で推進する」という具体的な動きが、この「部活動指導者」の採用だと思います。

部活動を押さえつけることは、良いことなどひとつもないと私は考えています。
それは、教師にとっても、児童生徒にとってもです。
「やり過ぎ」は問題かもしれませんが、「やり無さ過ぎ」はそれ以上に問題です。

だから、押さえつけるのではなく、行政や地域が「具体的支援」をしていってほしいと願うのです。


前にも書きましたが、学校の中の「ブラック」は、部活ではなく、もっと別の所にあります。

・授業時間は減っているのに、学習内容や学習形態には昔より量も質も多くの物を求められていること。(結果として、「ゆとり教育」は何処へ。授業時数を増やして対応するために、土曜日授業や長期休業の短縮化が進んでいます。)
・やたらと多い「調査文書の提出」と「研修」...(注:もちろん、本当に必要な調査文書や研修もありますが。)
・中学校では、特に技能教科の教員の削減で、「複数校掛け持ち」の教員が増えていること。(もちろん、「免許教科外」の授業をしている先生も相変わらず減りません。)
・「これは家庭の責任でしょ!」ということまで、学校が責任を負わされ、対応していること。(現職の頃、「ウチの子、いつになったら、ちゃんと箸使えるのよ!給食の時、何指導してるの!」と怒鳴り込んで来た低学年の保護者がいましたねぇ。あれれ?でした。)
・時間に関係なく、夜遅くにでも平気で電話して来て延々としゃべり続ける保護者さん。(本当に緊急を要する場合は別として。)その他諸々の「モンスターペアレンツ」への対応。
・一部の教員に加重な校務分掌が偏っている場合があること。(「君は力があるんだから」とおだてられ...。その分、仕事を任せられない「要指導教員」がいるのも事実です。担任や授業、少人数指導も任せられず、「印刷係」位ならと任せても、枚数を間違えてばかりで、これもダメ。退勤時刻になると早々に「お先に~」と帰って行くベテランの高給取りの先生もいたっけなぁ。「能力が無いので辞めようか...」なんて落ち込むこともなく本人は超幸せ。普通の会社だったらとっくにクビなんだけど...力もあって責任感も強い先生が、必要以上に自分を責めて休職や退職をしてしまうのに。) また、近年、「正規採用教員」を取らずに、採用試験不合格の「臨任講師」を採用する例が多いです。(安い賃金で雇えるから?) その分のしわ寄せも一部の教員にのしかかって来ています。
・「時間外勤務」はほぼ無償。(「教員特別手当」が支給されてる?仕事量に対して全く不相応な額です。高校生のアルバイト料より安いです。)
・労働基準法で定められているはずの「休憩時間(労働時間が6時間を超え8時間以内の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与える義務があります。職場から離れて休んでも良い当然の権利です。)」など、現実には絶対に取れません。
・中学校教員や小学校の専科教員の持ち時数が、異常に増えているのはなぜ?もっと教員数を増やして、空き時間を確保しなければ、事務仕事や良い授業のための教材研究、身体と心のセットの時間が確保出来ないのに。(なのに時々、政治家さんが「教員数を減らす方向で」などと宣うなんて許せません。「あんたたち、学校現場で一ヵ月でもいいから働いてみなさい!」です。)
・世間では、「先生は夏休みがあっていいな」と思っている方もいらっしゃいますが、正式な「夏季休暇」は5日程度で、あとは授業が無くても、普通に「出勤日」なんですよ。夏休み中でも「夏季休暇」を越えて休みたい場合は「年休(有給)」を使わなければならないんです。
・・・・・

「部活はブラック」以前に、もっともっと聞いてもらいたい、マスコミに取り上げてもらいたい教育現場の「叫び」があるのです。


おっと、話がまたそれてしまいました。

柏市教育委員会の真摯な取り組みに敬意を表し、「柏市・部活動指導者」としての使命を果たすべく、柏市の小中学校の吹奏楽活動のさらなる発展のために、誠意をもって努力したいと思います。

こんな「部活動に前向きな制度」が日本中に広がっていけばと願います。

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信頼の絆

一昨日の日曜日は、ある中学校のレッスンでした。
早くからご予約をいただいていたこの日。

4月半ば、顧問の先生からのメールで、先生が急に体調を崩され、入院までされていることが知らされました。
病院のベッドからのメールでした。

「連休後には何とか復帰したいのですが...。先生のレッスンの日には無理かと思うのです。でも、生徒たちも楽しみにしていましたし、予定どおりレッスンにお越しいただくことは出来ないでしょうか。何も指導出来ていません。3学期に課題曲は練習していました。・・・」

新年度に入って間もなくお休みされてしまわれた先生。
練習だけでなく、新入部員の募集もある時期で、きっと先生も生徒も不安でいっぱいに違いありません。
先生には、もちろん授業や学級、校務のことも重くのしかかっていると思います。

これでレッスンまでキャンセルしてしまったら...。


私の主義で、顧問の先生がいらっしゃらない時には、生徒さんたちへの指導は極力避けることにしています。
急に会議や生徒指導が入る場合もありますが、そのような時は、先生がいらっしゃるまでは、生徒さんの練習を見守ることにしています。
その時間が長くなりそうな場合は、せいぜい基礎合奏をみる程度にし、曲には触れないようにしています。
先日は、会議がかなり長引きそうだということが当日の午前中にわかり、その日のレッスンを急遽キャンセルさせていただいた学校もありました。

考え過ぎかもしれませんが、顧問の先生がいらっしゃらないのに、外部の人間が生徒に指導を加えるのはいかがなものかと思うのです。
本番の指揮まで任されている「常勤外部講師」の方や、今増えている「教師の負担を減らすための外部指導員制度に基づく登録指導者による指導」は別ですが。
あくまでも、先生と部員、そして私の三者がそろってこそレッスンは成り立つものというのが私の姿勢です。

全く正反対に、外部講師任せで、レッスン中はいつも不在という「謎の顧問」もいると、知り合いのバンド指導者から伺ったことがあります。
常時、顧問の先生が指導しており、本番も先生が指揮をするというバンドの時々のレッスンの際に、顧問の先生は立ち合わないというのは、やはり謎です。
「指揮をする顧問の先生に、何も伝わらないので困ります」と、その指導者の方はお話しされていました。
レッスンに立ち会っていただくようにお願いしても、「あとで生徒から聞くからいい。好きにやっておいて」と言われてしまうそうですが、音楽とはそういうものではないでしょう。
もしかしたら、生徒の前で、指揮や解釈のことなどに触れられるのが嫌なのかもしれません。それなら、外部講師は入れずに、ご自分ひとりで指導されれば良いと思うのですが...
そこまでも考えていないのかな?単なるお任せ?
私だったら、絶対無理です。


話を戻して...そんな考え方をしている私ですが、今回は特別な状況と判断してレッスンに伺うことにしました。
先生がいらっしゃらないのを承知の上で。
生徒さんたちは、きっと不安な日々を過ごしているだろう。せめて私が伺って数時間一緒に練習出来るだけでも、少しは気が晴れるだろうと思ったのです。

レッスン2日前、「先日退院して、今は自宅療養中です。レッスンの日には学校に行けそうです」とのメール。

「いや、先生、お休みなさってください。私は、先生がいらっしゃらなくても、きちんとレッスンして帰ろうと思っていますし。・・・」と返信しましたが、「私も先生にお会いしたいですし、勉強したいので」
「ともかく、当日のご体調次第で。少しでも調子悪かったらお休みなさってくださいね」と返信して当日を迎えました。

日曜日、先生は学校にいらしていました。
正式な復職前の「フライング出勤」です。ご本人は、「リハビリ」とおっしゃっていましたが...
思っていた以上に元気にされ、否、元気に見せていただけかもしれませんが、いつもの笑顔でお迎えくださいました。

レッスン前に、下の部屋でしばらくお話ししている間中、練習の音やチューニングの音、基礎合奏の音が聴こえ続けていました。
「みんな、ちゃんとやっていますね。こうやって3週間、過ごして来たんですね。」
「ちゃんとかどうかわかりませんが、とりあえず、やってくれていたようです。」

音楽室に入ると、生徒さんたちも、心配していたほどではなく、いつもの元気と笑顔で「こんにちは!!」
少しだけおしゃべりしてから、すぐにレッスンに入りました。
顧問の先生はお休みされていることになっているわけですから、もちろん見学に徹していただきました。
最初から私が指揮台に上がり、3学期に練習を始めていたという課題曲のレッスンに入りました。

中学校バンドで、顧問の先生が3週間おられず...
副顧問の先生はいらしても、音楽を指導してくださる先生はおられず...
しかも、新年度のバタバタした日々の中で...

でも、皆の音と顔は、生き生き溌剌と輝いていました。
もちろん演奏には傷がいっぱいでしたが、ひとりひとりが「自分の音」に責任を持って演奏しようとしている姿は確実に見て取れました。

私は、心に何かズシンと響くものを感じ、3時間ノンストップでレッスンを続けました。

「心に何かズシンと響くもの」・・・それは、先生と生徒の「信頼の絆」だと、途中で気づきました。

先生だって人間です。 時には、病気をすることや家族の不調に見舞われて、お休みせざるを得ないことだって当然あります。

そんな時、学校にいなくても、生徒を思い続けている先生の気持ち。
お休みされている先生を心配させまいと、先生を思い続けている生徒の気持ち。
・・・特に、部活動での先生と生徒の「信頼の絆」は、こういう危機に面した時に力を発揮します。

厳しいようですが、日頃、先生が指導されていることが、こういう危機に面した時にわかってしまいます。
先生がお休みされたことで、気持ちが緩み、崩れていってしまう集団。
先生がお休みされたことで、結束が固まり、何とか乗り越えようとする集団。
「信頼の絆」の度合いがわかってしまうのです。

「みんな偉かったね。先生が3週間もお休みされていたのに、こんなにしっかりと練習を続けて...。いつも先生にしていただいている指導を思い出して、自分たちで進めて...。しかも、1年生の部員勧誘や対応までやって、しっかり新入部員を獲得して。」
・・・心を込めて、生徒さんたちにお話ししました。
みんな、ニコニコして話を聞いていました。 もちろん、先生も。

先生は、もうじき正式復帰されます。
崩れてしまった集団を建て直す苦労をする必要もなく、この元気で明るく、そして、真面目な生徒さんたちと共に、またここから前進することが出来ます。

それは、全て「信頼の絆」のおかげです。

次のレッスンの時には、元気に指揮をしてくださる先生のお姿を楽しみにしています。
でも、先生、くれぐれも決してご無理をされないで...
この子たちは、先生がいらっしゃらなくても、自分たちでこんなに出来る子たちだということがわかったのですから。

すばらしい先生、すばらしい生徒たち...これからも、ほんの少しでも役に立たなきゃ、私も。


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佐藤正雄先生

昨日は、朝から、神奈川県の鶴見へ向かいました。

佐藤正雄先生...私がまだ幸町第三小学校に勤めていた頃から、ずっとあこがれ、尊敬し続けている横浜市の小学校の先生です。

今年度で再任用期間も終わり、「いよいよ最後となりました」と書かれたお年賀状を頂戴した時から、手帳の3月30日に「上寺尾小学校演奏会」と書いておきました。

佐藤正雄先生は、横浜市の5つの小学校に勤められ、行く先々で合唱部を作り、育てて来られました。
最後の学校となる現在の勤務校・横浜市立上寺尾小学校には、16年間も勤務され、同じ年月、合唱部も指導して来られました。

初めて佐藤先生がご指導される学校の歌声に魅せられたのは、昭和63年度の「TBSこども音楽コンクール・東日本大会」の時でした。
会場は、東京の浜松町にある郵便貯金ホールでした。

私は、幸町第三小学校で、6年生全員でこのコンクールの「合唱部門」に出場し、千葉県代表にまで選ばれ、畏れ多くも、名門校が居並ぶ東京での東日本大会に出場することになったのでした。
120数名の6年生全員で『石ころの歌』を歌いました。

同じその日の「重唱部門」に出場した横浜市立間門小学校...こちらが佐藤正雄先生の学校でした。
男の子4名で『地球の子ども』を歌われました。
その澄み切った歌声とハーモニー、歌詞に込めた想い、表情、凛とした立ち姿・・・全てに感動したことを今でもずっと覚えています。

私たちが学年合唱で県代表に選ばれ、東日本大会に出場出来たこと以上に、私は、あのボーイソプラノの美しい『地球の子ども』を聴けたことに感動感謝した1日でした。

それ以来、佐藤先生にあこがれるようになったのです。

いつ、どのようにして佐藤先生とお付き合いさせていただけるようになったのかは、はっきり覚えていないのですが、先生も、私のような者に「あこがれの先生」と言ってくださり、大柏小学校に勤務していた時には、吹奏楽部の練習を見学に来てくださり、子どもたちに温かいお褒めの言葉や励ましの言葉をかけてくださいました。

私も、佐藤先生の学校が出場するコンクールには出来るだけ足を運び、その歌声にまた魅了され、自分の目の前の子どもたちにも何とかあのような歌声をと願ったものでした。

昨日は、失礼を承知しながらも、「最後のチャンス」と思い、佐藤先生にお願いし、上寺尾小学校合唱部の演奏会を午前中のリハーサルから見学させていただいたのでした。

鶴見区民センター・サルビアホールでの先生の最後の演奏会です。

今年度の合唱部員は、3~6年生でわずか16名。
でも、先生は、「少ないから...」などと諦めることはなく、ひとりひとりをしっかり育てられ、コンクールにも出場され、「TBSこども音楽コンクール・合唱部門」では神奈川県代表として東日本大会にまで出場されました。
そして、定期演奏会も、立派なホールを借りての開催です。

卒業生が6名、助っ人で出演されましたが、演奏した曲数は31曲も...
もちろん、全曲暗譜です。

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リハーサルを見学させていただき、いつも変わらぬ子どもたちの凛とした美しい立ち姿、ピンと張った響きと艶と透明感のある歌声、寸分狂わない純正律のハーモニー、先生の指示に対する「ハイっ!」の返事の声の美しさや明快さ、そして、反応や動きの機敏さに驚き、身動き出来ないほどの感動に包まれました。

子どもたちの眼は、先生から離れることがありません。
保護者の方々が客席を動いて、様々な準備をされていても、全く視界に入っていない様子です。
ものすごい集中力、曲の途中で止め、「はい、次の曲!」とおっしゃると、すぐに気持ちを切り替えて、歌い始める賢さ。

1時間以上立ちっ放しでも、姿勢も表情も歌声もゆるむことがありません。
なおかつ、笑顔で楽しんでいる様子も伝わって来ます。

身体も心も合唱も、しっかり鍛えられた結果です。

先日ご紹介した富士小学校吹奏楽部と共通する「子どもを信じる先生と、先生を信じる子ども」が作り上げる「信念の世界」がここにもありました。

佐藤先生のご専門は、音楽ではなく社会科だそうです。
担任をしていた若い頃、たまたま子どもたちを引率した連合音楽会で、素晴らしい合唱を聴いたことがきっかけとなり、「よし、自分もやってみよう」と、合唱指導の道に入られ、勉強されたそうです。

お気持ちやご努力だけでなく、先生には、天性の才能があったとしか思えません。

そして、出会った人を大切にされ、どんな小さなことでも「学び」にされる謙虚さ。
だから、私のような未熟者の所にも、「見学させてください」とお出かけくださったのです。

昨日も、リハーサル中、「尊敬する田川先生がいらっしゃるので、緊張しますよ~」とおっしゃっていました。
尊敬だなんてとんでもない。 私の方が、尊敬と感謝と緊張で見学させていただいているのに...

前にも、上寺尾小学校の演奏会にはお伺いしたことがありますが、佐藤先生のご指導を見学させていただいたのは、初めてのことでした。


休憩時間に少しだけお話しさせていただいたら...とても素敵なお知らせが!
65歳までの再任用期間は終わってしまったのですが、「4月からも『非常勤講師』として上寺尾小学校で音楽の授業と合唱部の指導をしてほしい」と教育委員会から特別なお話が急にあり、来年度も合唱部のご指導を続けられることになったのだそうです。

「僕は、もう終わりだからと、学校の荷物の片付けもしていたんですよ~。それが急にそんな話になって、まぁ」と。
でも、お顔は、とてもうれしそうでした。
私もとてもとてもうれしかったです。


年度末の事務仕事やこの演奏会のご準備でお忙しいとわかっているのに、バカな私は、先日、先生にお電話し、「あの『地球の子ども』の録音は残っていませんか?もし残っていたら、お借りしたいのですが...」なんて非常識なお願いをしてしまったのです。

それでも先生は、優しく、「家の中のどこかにあると思いますよ。4月になれば暇になりますから、家じゅう探して、見つかったらお送りしますね」とおっしゃってくださいました。
電話を切ってから、私は、「忙しいと分かっているこのタイミングに、何でこんなお願いをしてしまったのだろう」と自分に呆れていました。
ほんとに身勝手な奴だと、自分に怒っていました。

すると、昨日、「田川先生! 『地球の子ども』、探したら出て来たんですよ。ビデオで撮ってあったんです。DVDに焼いて来ましたよ~」と、手渡してくださったのです。

演奏会前で、本当にお忙しかったはずなのに、私のために、30年ほど前にも遡る『地球の子ども』を探し、見つけ、しかも、演奏会当日に渡せるようにDVDに焼いて来てくださるとは...

夜、帰宅して早速観てみると、間門小学校の『地球の子ども』だけでなく、他校の演奏まで一緒に焼いてくださってあったのです。
その中には、何と、私が指揮する幸町第三小学校6年生全員の『石ころの歌』まで入っていました。
ありがたくて、ありがたくて...どうやってお礼をしたらよいか思案中です。

佐藤先生は、こうして、どんな時でも、人を大切にして来られたのだということを改めて感じました。

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教師として、合唱指導者として、そして、人間として尊敬する佐藤正雄先生です。
リハーサル中の大切な休憩時間を、私のために使ってくださいました。
温かいご対応を本当にありがとうございました。



「最後の演奏会」だったはずが最後ではなくなり、本当に良かったです。
これからもお身体に気をつけられ、すばらしい合唱のご指導を...
来年の演奏会にも、お伺いさせていただきます。


*リハーサル中の写真は、佐藤先生の許可をいただき、撮影させていただきました。

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都小管研・3月月例研修会

昨日は、東京都小学校管楽器教育研究会の3月例会に講師としてお招きいただきました。

4日間にわたる管楽器演奏会の総括という大切な研修会です。


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日曜日に、東京ブラスコンコードの1日練習に参加し、私にとっては指導するよりもずっと困難な演奏ということに久しぶり1日がっつり集中していたせいか、帰りはぐったり...
そして、今までの疲れが一気に噴き出したのか、夜中から下痢が始まり(ごめんなさい汚い話で)、月曜日は久しぶりのオフだったのですが、楽譜を届けなければならない学校が2校あったり、送らなければならない物があったりと、午前中は無理して動き、午後からはベッドに倒れ込んで寝ていました。
熱も、37.8℃あり、食欲ゼロ...ひたすら、ポカリスエットで生き延びていました。
吐き気がなかったからまだ救われました。

昨日は、熱は少し下がり、お腹も少しは落ち着きましたが、まだ食欲はなく、フラフラしていました。
でも、何とか起き出して、「行くんだ!」と、渋谷の小学校へと向かいました。

こんな大切な研修会の時にまったく! 情けなかったです。


そんな不調を予測していたわけではないのですが...
例年3月のこの研修会では、ほとんど私が話しているのですが、「今回は演奏のDVDを視聴して研修を深めよう」と準備してあったのです。

他の講師の先生方からの総評や私からのコメント、その他お伝えしたいことを話さなくてもいいほど詳細にプリント資料にまとめ、参考資料を含めて、その枚数は合計20ページほど。
すごい分量の資料を事前にお送りして印刷しておいていただきました。

また、管楽器演奏会の当日、講師の先生方に、「3月例会でDVDを視聴する推薦校」を書いていただいてありました。
コンクールではないので、「上手い学校」ということでなく、「こういう点で学ぶものがある」といった自由な観点でのコメント付きでお書きいただきました。
その中で、各日の講師(私も含め)4名の講師のうち3名以上の推薦があった学校の演奏を皆さんで鑑賞し、講師の先生方からのコメントもお伝えしました。

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私も黙って一緒に鑑賞している時間が長かった分、昨日の体調では助かりました。

事前の資料づくりにはかなりの気合いが必要でしたが、やっておいて良かったです。

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視聴した演奏校の先生から、ひとことコメントも頂戴いたしました。


私の体調不良などたいした話ではなく、演奏会の本番前日に、遠くに住むお父様が急に亡くなられ、それでも子どもたちのためにと、翌日の演奏では指揮をされ、終わるや否や、郷里に飛んで帰られた先生もいらっしゃました。
どんな思いでその一夜を過ごされ、どんな思いで子どもたちと向き合われたのか...チューニング室に行くまでは何も話さず、舞台に上がる直前に子どもたちに話されたそうです。
「子どもたちが、いつも以上に私をしっかり見て、心を込めて演奏してくれたように思いました」と話されていました。
時には、こんなことも起こり得るのです。
演奏会を辞退して、郷里に飛んで帰っても仕方ない緊急事態...どうするかは、ご本人が決めることです。
先生は...1年間頑張ってきた子どもたちをこの演奏会のステージに上げてあげることを選ばれました。
子どもたちも、先生のそんな思いを演奏直前に聞いて、先生のためにも精一杯の演奏をしたことだと思います。

一回のステージには、様々なドラマがあります。
それぞれの学校に、それぞれの先生に...
幸せなドラマだけではなく、きついドラマやご事情を抱えてステージに上がられた先生もいらっしゃったことと思います。

それでも、この演奏会のステージに上がれたということだけでも幸せです。

先生にも子どもたちにも、「一生の宝物」です。

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都小管研の理事長の鈴木朱代先生、今年度の演奏会担当責任者の佐野綾子先生です。
「大丈夫! 始まれば終わるから! チームワークの都小管研なんだから!」と、顔を見るたびに励まして来ました。
誰がチーフになっても、絶対にうまくいくのが都小管研のすばらしいところです。
抜けていることがあっても、誰かが気づいてさりげなくフォローしてくださるんです。
「先生仲良し 子どもが育つ」...まさにそんなチームです。



年度末のお忙しい時期に、こんなにたくさんの先生方がお集まりくださり、まとめの研修会が出来て良かったです。

他県の先生方もこの3月の研修会にだけでも参加出来たら、きっと「物凄い収穫」に驚かれると思います。
講師の先生方の総評のまとめを見る(聞く)だけでも、「眼から鱗」状態だと思います。
・・・今の私の「密かな願い」です。


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今年度末をもってご退職される先生方も数名いらっしゃいます。
これからもきっと都小管研を応援し、見守ってくださることと思います。
そして、先生方が残してくださったものは、後進の先生方がしっかり受け継いでくださるはずです。

私も、これからも、先生方と共に学び、歩んでいきたいと思います。

今年度も、お招きいただき、本当にありがとうございました。


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研修会が終わった後、理事の先生方は、さらに「理事会」をされていました。
今年度の事務的なまとめと、来年度に向けて...
終わったのは何時なのでしょう。
頭が下がります。


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