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田川伸一郎のブログ

全日音研大会に向けて

来年度の「全日本小学校音楽教育研究大会」は、10月31日、11月1日に東京都で開催されます。
つまり、「東京都小学校音楽教育研究会」が提案・発表をするということです。

この大会では、都小音研の各専門研究部会(合唱研究会、即興表現研究会、管楽器研究会、鑑賞指導研究会、邦楽教育研究会、指揮法研究会、音楽授業研究の会)で練り上げた「授業」、そして、「研究演奏」が提案されます。

私は、日頃からお世話になっている「管楽器研究会」から提案の「研究演奏」の助言者を仰せつかりました。

昨日は、その研究演奏校の子どもたちと、初めての出会いをさせていただきました。

研究演奏では、「管楽器を生かした音楽授業」の検証として、6年生全員による「管楽器を取り入れた器楽合奏」を発表することになっています。

演奏校は、武蔵野市立第三小学校(指導 : 西山徹志先生)です。

昨日は、来年の秋にステージに上がる5年生の授業と、放課後の吹奏楽の練習を参観させていただきました。
今後、様々な形で子どもたちにも直接関わることになりますので、慣れてもらうために、授業も吹奏楽も、一部、私が指導する場面を作っていただきました。

日頃培われた子どもたちの学習力や演奏力はとても高く、田川流の授業や吹奏楽指導にもスッと入って来てくれる素直さや反応力もあり、ほがらかに気持ちの良い会話も楽しめる子どもたちでした。

この学校の吹奏楽団には、ずっと昔、まだ私が若かった頃に、当時の顧問の先生からのご依頼があり、何度か指導に伺わせていただいたことがありました。
その時にも、子どもたちのセンスの良さに驚きましたが、それは今も変わっていませんでした。
日本管楽合奏コンテストや東京都小学校管楽器演奏会では、毎年、演奏を聴かせていただいていますが、日常の練習の様子、子どもたちの活動ぶりに触れ、ますます親しみがわきました。

校長先生も担任の先生方も、研究演奏の機会が子どもたちの良い学びと思い出になればと、温かい全面協力の姿勢で包んでくださっています。

昨日は、4時間目の5年1組の授業の後、美味しい給食をごちそうになり、午後は吹奏楽団の練習まで、西山先生と研究演奏の構想や選曲、今後の授業の進め方など、私が持って行った何曲かの楽譜や西山先生が準備された楽譜を照らし合わせながら、熱い話し合いをしました。

吹奏楽の練習の後も、夕食を共にしながら、たっぷりと語り合いました。

「研究大会のための演奏」ではありますが、本質は「この素晴らしい子どもたちに最高の音楽体験をプレゼントしてあげたいという愛情」であることを確認しました。

そのためにも、子どもたちの実態を生かし、曲の良さを生かし、なおかつ、教育的に無理なく、質の高い準備期間を過ごして、本番では主役である子どもたちが達成感を味わいながら自分たちの演奏に感動出来、さらにご参加くださる先生方の心に響くステージに出来たらという大きな目標を語り合ってお別れしました。

西山先生をはじめ東京都小学校管楽器研究会の先生方、そして、武蔵野市立第三小学校の皆さんと共に学びつつ、全力でサポートしていきたいと思います。

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徳島県から~その2・佐古小学校「スマイルタイム」~

私が参観を希望した佐古小学校の「スマイルタイム」...簡単に言うと、「全校音楽集会」です。

2010年に開催された中・四国音楽教育研究大会の際にスタートしたこの「スマイルタイム」は、現在は、年に3回のロング(一単位時間)と月に2回のショート(朝の20分間)の2つの形で行われています。

「全校児童・職員が共に歌ったり、互いに聴き合ったりすることで、感動を分かち合い、互いに良さを認め合って心をつなぐこと。」
これが、「スマイルタイム」のねらいです。

この集会を進行するのは、「チームスマイル」。
「委員会活動」ではなく、この「スマイルタイム」のために、特別に結成された「チーム」なのです。

大きい声でハキハキと話したり、活発に動いたりという特性を持った児童が「志願」して結成します。
元気な野球少年も参加していました。
おそろいの黄色のTシャツを着て活動します。
集会が近づくと、休み時間に準備や練習をし、集会では生き生きはつらつテキパキとした進行をします。
この「チームスマイル」に低学年の頃からあこがれていた子が競って志願するそうです。

「チームスマイル」には、先生方もいます。
子どもの「チームスマイル」と共に司会をする「歌のお兄さん、歌のお姉さん」は、テレビ番組の司会者さながらのお話しぶり。

今回見学させていただいたのは、時間割の一時間目に行われたロングの集会でした。

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体育館のすべての入口から、金管バンドの演奏に乗って、『世界の子どものマーチ』を歌いながら入場開始。
体育館では、「チームスマイル」の皆が、所定の位置に立って、お迎えをし、笑顔と指揮で雰囲気を盛り上げます。


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元気な歌声と共に体育館に集う全校児童たち。
先生方も笑顔いっぱいに歌いながら入場します。

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金管バンドの演奏と全校児童の歌声とエネルギー溢れる姿と...まだ集会が始まってもいないのに、なぜか涙がこみ上げて来ました。
確かに子どもたちがいる。魂が鼓動している。生きている。先生方と子どもたちみんなが「作り上げよう」としている。
・・・これが「学校」  これこそが「学校」

入場が終わり、音楽が止まると、シーンと静けさが。
そして、チームスマイルの元気な司会で、「みなさ~ん、おはようございます!」「おはようございます!!!」

はじめのセレモニーの中で、「今日は、千葉県からお客様もいらしています!田川伸一郎先生です!あいさつしましょう。田川先生!おはようございます!」「おはようございます!!!」
私も、ギャラリーから精一杯の声で「おはようございます!!!」と、手を振りました。

感動のお迎えに続いて中学年の合唱。
軽くステップを踏みながら、『夢のマジックアイランド』を素敵な二部合唱で歌いました。
そのステップが何ともカッコいい。16ビートが身体に入っているのです。

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歌い終わると、司会の「歌のおねえさん」とチームスマイル児童が、聴いていた1年生児童にインタビュー。
「声がかさなり合っていて、とてもきれいでした。」 かわいい1年生が手を挙げてこんなすごい発言をしました。
上級生の歌を聴く機会を通して、あるいは、様々な感想の言い方を聞く中で、1年生も聴き方や話し方を身につけているのです。

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次に歌った低学年の歌は、クリスマスソングの『あわてんぼうのサンタクロース』と『ジングルベル』。
低学年は、フロアの広場いっぱいに広がって踊りながら歌います。
低学年から、できるだけ自立して、身体いっぱい、心いっぱいに歌わせたいということで、毎回、この「広がりスタイル」で歌っているとのこと。

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高学年の発表に移る前に、先生方からの楽しいサプライズタイム!
歌のお兄さんの司会で、サンタさんの登場(今年は5年生の担任の先生)です。
ここは、もはや楽しいテレビ番組を見ているよう。

ジョークあり、サンタさんの歌あり、ベルの演奏あり(校長先生も演奏しておられました)...先生方の仲の良さとエンタティナーの才能と子どもたちへの愛情に溢れ、子どもたちは大盛り上がりでした。

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そして、雰囲気をビシッと変えて、高学年の発表は、『星笛』の美しいリコーダーと『Wish~の夢を信じて』の雄大な合唱でした。
尊敬する高学年の演奏を聴く低中学年の子どもたちの眼が一段と真剣になります。
「あこがれ」という素敵な心が働きます。
そんな心を浴びての高学年児童の演奏は、一段とりりしく映えていました。

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最後は、今月の歌の全員合唱で『トゥモロウ』でした。
この学校では、今月の歌は、毎年同じ曲を使い、月を入れ替えて歌っているそうです。
その中でほんの少しずつ曲を換えたり、高学年になるにつれてパートを増やして合唱にしたり。
新しい歌を覚えなければならない負担が減り、同じ曲(約12曲)を六年間歌い込み、深めることが出来ます。
これは、良い方法です。 私もそうすれば良かった...手遅れ(泣)

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この場面で初めて音楽の先生が中心になり、全校児童の合唱を指導・指揮していきます。
高学年が二部でハモる箇所を聴かせたり、ちょっぴり注意した方がいいことを「ワンポイントアドバイス」したり。
教師がしっかり主導して高める場です。

最後の「インタビュータイム」では、予期せず、歌のお兄さんが「今日おいでいただいた田川先生にもうかがってみましょう!」と。
えっ!どうしよう! 感動し過ぎてまとまらないんだけど...

チームスマイルの女の子が、猛烈なスピードでギャラリーに駆け上がって来て、考える間もないうちにマイクを手渡されました。

「佐古小学校のみんなの歌声を全国のみなさんに届けたい気持ちです! すてきなすてきなスマイルタイムでした! 感動しました! みんなありがとう!」と、半ば叫ぶように気持ちを伝えました。

金管バンドの演奏に乗って、入場と同じように元気に歌いながら教室へと向かい、「スマイルタイム」は終わりました。

チームスマイル担当の先生の「集合!」の声で、チームスマイルの児童たちが「ハイッ!」と返事をして集合・整列します。
先生のお話を聞いて、すごいスピードで手際よく片付けをし、教室に帰って行きました。


この「スマイルタイム」は、誰かに見せるためにおこなわれた訳ではありません。
佐古小学校の日常的な集会活動なのです。

「スマイルタイム」のめざす集会
☆ 子どもたちが 心から音楽を好きになる集会
☆ 子どもたちが 思いや意図をもって表現する集会
☆ 子どもたちが 全校の仲間と活動する喜びを味わう集会
☆ 子どもたちが 心と心を通わす場となる集会
☆ 子どもも教師も一体となって 楽しく活動する集会


朝や帰りの会で歌う日々の積み重ね、そして、子どもたちと共に楽しく歌い活動してくださる全ての先生方の思いがひとつになって、このすてきな集会が続いているのです。

学校とは何なのか...どんなに先進的な教育が導入されたとしても、こうして心と心をつなぎあう日常があって、そこに音楽があって、キラキラした笑顔があって。
この温もりこそが「学校」なのだ。

そして、こうして先生方が伸び伸びと元気に子どもたちと活動出来るのは、校長先生の学校経営力、先生方ひとりひとりの良さを生かせるお力あってこそです。
今の佐古小学校の校長先生は、先生方を包み込むような温かく優しい女性の校長先生です。
「スマイルタイム」にも深く感動され、この学校の先生方と子どもたちが自慢だとおっしゃる校長先生。

もしかしたら、この学校に勤めておられる先生方は、この「スマイルタイム」を通して、先生方ご自身がたくさんのパワーを得ているのかもしれません。
子どもたちと一緒にキラキラ輝く感動と共に。

千葉に帰って来た今も、感動と温もりが残っています。
きっと子どもたちも先生方も、そんな気持ちを「スマイルタイム」で味わっているのでしょう。

一生心に残る感動の45分間でした。

参観させていただき、本当にありがとうございました。


後日、~その3~をアップさせていただきます。

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身が引き締まった学びの日

昨日は、神奈川県横浜市立上寺尾小学校の佐藤正雄先生の元をお訪ねしました。
ずっと昔から、私が尊敬している先生です。


今年の1月にも、合唱部の練習を見学させていただきました。

その日のブログ記事です。
 ↓
本物を追う眼~心の歌

佐藤正雄先生は、定年退職後の再任用期間を終え、さらに非常勤講師として上寺尾小学校で音楽授業と合唱部の指導を続けておられます。
非常勤講師のお立場も2年目となり、67歳の現役教師としてそのお力を発揮されておられます。
今年度は、授業は6年生3クラスだけで、他は専任の音楽専科の先生が授業されています。

今回の訪問では、私の是非とものお願いをさせていただきました。
「6年生の授業を参観させていただきたい」...担任の先生のご協力をいただき、時間割を変更して、特別に6時間目に授業を入れてくださり、その後、続けて合唱部の練習を参観という贅沢な勉強の機会をお作りくださいました。


6年生の授業開始前に着いて、音楽室でお話しをさせていただいていました。
廊下を移動して来る足音と、共に音楽室のドアが開き、ひとりずつ、「こんにちは」と丁寧な挨拶をして入室していました。
束になって、「こんにちは~!!」ではなく、ひとりずつ、「こんにちは」です。
その挨拶がとても上品で落ち着いているのです。

これが佐藤先生との音楽室での約束なのでしょう。
こうして落ち着いてゆったりと音楽の時間が始まります。

きちんと並んで音楽室に向かわせるという担任の先生のご指導があるからこそ出来るスタートです。
昔、こんな当たり前のことを、お願いしてもやってくれない担任もいて、困ったこともありました。
「〇〇が終わった人から、音楽行っていいよ~」なんてことをやり、バラバラに、ドタドタと音楽室に来て、全員揃うのは授業時間が始まってから。先に来た子も遅れて来た子も、だらしなくふるまうから、こちらも「怒りスイッチ」が入って授業スタートなんてこともありました。
「全員揃うまで音楽室に入っちゃダメ!廊下で並んで待っていなさい!」なんて反撃をしたこともあったなぁ。

昨日は、このひとりひとりの入り方から、すでに感動してしまいました。

授業のスタートの挨拶があったのかどうか、忘れてしまうほど、先生はすぐに子どもたちに話しかけてコミュニケーション。
みんなに対して、そして、個別に名前を呼んであげてのコミュニケーションもありました。
みんなニコニコしています。
その中で、「先生は、歌で一番大切なのは呼吸!はい、いっぱい吸って~。アー♪」
いつの間にか、歌に導いていらっしゃいました。

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先生のファルセットを追って、皆がどんどん歌います。

「教師主導型」の授業ではありますが、子どもたちの心が前のめりになって先生に向かい、先生から眼を離しません。
そして、先生が歌い始めると、我先にと先生に合わせて歌います。

先生の発問にも、自由にどんどん答え、先生と皆で会話しながら、時には笑いながら、歌が練り上げられていきます。

子どもたちの「心」が、形ではなく本心から主体的になり、自分の思いを持ち、歌に乗せていっていることが伝わって来ます。

指導案や授業形態だけの「主体的」で、音に力が無い、音に心が入らないことも多い昨今の授業。
こうやって、先生と一緒に音楽する中で育つ「音楽の基礎学力」も忘れてはならないとつくづく思いました。

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そして、先生は、たくさん褒めます。
「みんないいね!」と全体を褒めることもありますが、「先生、最近、〇〇君の声、とてもいいと思っているんだよね。」「〇〇君、ひとりで歌ってごらん。」(〇〇君、歌う) 「ねっ、とってもいい声だと思わない?」 (皆、うなずきながら拍手)

スピード感ある授業の中、先生は矢継ぎ早に、歌のポイントをアドバイスしていきます。
説明は、短く、分かりやすく。 そして、すぐ歌います。 どんどん歌います。
この流れが心地良いこと!

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そして、終盤は、リコーダーです。
アルトリコーダーも使っていました。

「心の中で歌っている人は、リコーダーも歌っているように素敵に聴こえるんだよね。」
美しい音色の三部合奏で、クリーゲルの『メヌエット』が奏でられて、授業は終わりました。

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入って来た時と同じように、ドアのところで、きちんと先生の方に顔を向けて、ひとりずつ「ありがとうございました」とあいさつして、6年生の子どもたちは帰って行きました。

佐藤先生のご指導はもちろん、担任の先生の学級経営のすばらしさと子どもたちの素直さが裏付けする素晴らしい授業でした。

音楽室の中には、まだ6年生たちの「心」や「体温」が残っているようでした。


そして、放課後、合唱部の子どもたちが、集まって来ます。
やはり、入口で、ひとりずつ、「こんにちは」。 そして、私の前に来て、「こんにちは」と丁寧に挨拶します。

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今年度の合唱部は、わずか10名です。
授業で、素敵に歌う子どもたちがこれだけたくさんいるのに...と思うのですが、ご多分にもれず、この学校でも他の習い事や塾などで、歌は大好きな子はたくさんいても、合唱部の活動には参加する余裕がないようです。
佐藤先生も、合唱部に全力投球出来ない子(塾で放課後練習を休んでばかりいる子)を入れてまで、無理に人数を増やす気は無いそうで、こういう人数になっているそうです。
そのかわり、この10人の意気込みと力には、圧倒されるばかりです。

朝と放課後の練習には、体調不良以外、常に全員が揃っています。
そして、2時間ほどの練習時間に休憩は無く、立ったままでした。
1秒も無駄にしない先生のスピーディーなご指導で、どんどん上達していきます。
途中、先生の冗談話で、一瞬皆で笑い、それが休憩時間となっています。

そして、中学校で部活や用事を終えた卒業生も途中から参加です。
もちろん、毎日ではなく、都合のつく時だけですが、昨日は、「田川先生がいらっしゃるよ」と先生が事前に連絡を回してくださり、4名の中学生が来てくれました。
中学生も、同じように、ドアで丁寧にあいさつをしてから入って来ます。
ピアノを弾いたり、即興でタンバリンを入れたりと、卒業生たちは歌だけでない大活躍をしていました。

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「けだものがきた」の四部合唱では、変声した中学生の男の子もファルセットで歌ったり、「ノア」の叫び声の役をしたりと、小学生と一緒になって、合唱づくりに励んでいました。

合唱部員が少ない分、こうして卒業したメンバーたちも、助けに来てくれるつながりがあるのです。
3月の定期演奏会にももちろん出演して、後輩や先生を助けながら、感動を共有します。

佐藤先生との心のつながりは、時を経ても、全く変わりない強さを持っています。

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授業の45分間、部活の約2時間、私も立ったまま、一緒に勉強させていただきました。

佐藤先生のご指導に触れ、子どもたちの真剣な瞳を見ていると、こちらまで背筋がピンと張り、座ってのんびり見ている場面ではないと、心が働くのです。

先生は、毎日の出勤は、健康のために45分間歩いて通われているそうです。

こういう意思の強さが、この指導、この合唱につながり、こんなたくましい子どもたちを育てているのだなと思います。

これからも、どうかお身体に気をつけられ、素晴らしいご指導をお続けください。


佐藤先生、上寺尾小学校6年生の皆さん、合唱部の皆さん、真剣な授業や練習の様子に心から感動しました。

これからも、素直な心で、素敵な音楽を!

勉強させていただき、本当にありがとうございました。

身が引き締まった学びの日でした。


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小学校の音楽科授業研究

先週、県内の私立小学校の音楽科授業研究会がありました。

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1年生の学級ですが、40名以上いても、とても落ち着いて学習に取り組んでいました。

今回は、題材「こんにちは けんばんハーモニカ」の学習です。

ピアノなどの事前経験がある・ない。
幼稚園や保育園で、鍵盤ハーモニカを使ったことがある・ない。
これまでの経験値が影響する「鍵盤ハーモニカ」ですが、小学校の学習では、これをとりあえず、ゼロスタートに揃えて進めるべきです。

そして、大人が当たり前だと思っていること、たとえば、「鍵盤楽器は、右の鍵盤ほど高い音が出る」ということ、「ドは、ふたつのお山の左側にあり、色々な位置にドはある」ということ、なども、当たり前と思わず、丁寧に指導していかなければなりません。

そういう基礎をとても大切にした授業でした。

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歌やドレミ体操で身に付けつつある「ドレミファソラシド」の音高感と、左右に移動する鍵盤ハーモニカの音高の仕組みを結び付けながら、ゆっくりと指導されていました。

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歌と手で音高感を身に付けさせています。

今回は、「ド・レ・ミ」の位置をしっかり覚、1~3の指で弾くところから、その3音を使って4拍の簡単な旋律づくりをするところまで進めて行きました。
作った旋律を全員が発表しました。
ここが、指導案上の「評価規準を設定しての評価の場面」でした。

旋律づくりでは、先生の範奏を模倣する学習を基にしましたが、その範奏が四分音符から八分音符やもっと速い「拍にはまらない指遊び」のような演奏にまで発展していたので、中にはとても複雑な動きの旋律を作った児童もいました。
こうなると、「ピアノをやっている子が優位」に立ってしまう活動になってしまいます。

授業内の「形成的評価」としての「評価規準」は、全児童が平等な条件下で評価され、それ以上の特別な児童への「プラス支援」は、「形成的評価」の場ではなく、全く違う場でしなければ評価がブレてしまうことを確認しました。

つまり、条件を限定し、「4拍以内であること」「四分音符のみであり、しかも拍の流れに合っていること」「運指を守っていること」の全てが出来ているかどうかで評価するということです。


それにしても、鍵盤ハーモニカは奥深い楽器で、それだけに指導にも配慮が必要です。

たとえば、「タンギング」をどうするのか。

A社の教科書では、1年生の教科書にタンギングに関わる記述(タンギングとは書かれていないが)がされています。
B社の教科書では、3年生のリコーダーで初出となります。

「鍵盤ハーモニカにおけるタンギング」について、語り出せばきりがないほど、教師側がきちんと整理して持っておかなければならないことです。


今回の授業では、先生が「鍵盤ハーモニカ」についての様々な本を数冊読んで勉強して臨まれていたことがすばらしかったです。

そして、授業をスムーズにするための躾け(勝手に音を出さない、練習を止める時の合図の約束、先生や友達の音をよく聴く)がしっかりなされていたことも良かったですし、鍵盤ハーモニカを使った後、黙って丁寧にお手入れする時間を取っていたことにも感心しました。

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もちろん、鍵盤に「ド・レ・ミ」を書いたり、シールを貼ったりしている子は見当たりませんでした。

幼稚園でシールを貼ってあった子も、剥がしたようです。

鍵盤には「ド・レ・ミ」を書いたり、ひとつもシールを貼ったりしない...最も大切なことです。

これからのこの子どもたちの成長が楽しみです。

良い授業でした。

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心ひとつに

今日は、県内の某小学校の「音楽発表会」にお招きいただきました。

学年ごとの合唱やリコーダー演奏などを発表し合います。

まず驚いたこと。

学年ごとに体育館に入場する時、黙って入り、黙って体育座りをしています。
全学年が揃うまで、おしゃべりは聞こえません。
隣の子と、つつき合ったり、ふざけ合ったりすることもありません。
静けさを保ったまま、全員が揃うのを待ちます。

当たり前かもしれませんが、これが当たり前に出来るということだけでも私は感動してしまいます。
どこかの学年が、どこかの学級が、こういう雰囲気を乱してしまうものです。

「しずかにしてください!」のような言葉は一度もないまま、司会児童が、「はじめの言葉」と言うと、「はいっ!」と返事をして、代表の児童が壇上に上がり、丁寧なはじめの言葉を話します。
もちろん、その間も、静けさを保ったままです。

そして、全体合唱の『この星に生まれて』
指揮も伴奏も児童がこなします。

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今までシーンとしていた体育館に、美しい歌声だけが響きます。
歌い終わった後は、また静けさが戻ります。

そして、各学年ごとの発表です。
指揮は、全学年、担任の先生がされていました。
その指揮の上手さに驚きました。
きちんと音楽を理解している。
歌詞を覚え、子どもたちと眼を合わせながら、必要な合図を送りながら、最高の演奏を引き出そうとしていました。
いてもいなくても変わらない指揮ではなく、いる価値のあるしっかりとした指揮でした。

練習の過程でも、きっと子どもたちと一緒になって、音楽の先生の指導も受けながら、この日を目指して来られたのでしょう。

各学年の発表は、学年の発達段階にあった選曲と達成度で、とてもとても素晴らしかったです。

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小学校に入って初めての「音楽発表会」だった1年生。
若い男の先生の指揮は、リズム感の良さに溢れ、かわいらしく心地良い歌声を引き出していました。


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3年生は、今年から始めたばかりのリコーダー合奏と合唱を聴かせてくれました。
リコーダーの基礎である「タンギング」をきちんと身に付けていることが分かり、二部に分かれた合奏も混乱することなく溶け合い、そして、表情や身体の動きから、曲想を感じて演奏していることも分かりました。
3年生なのに、何とアルトリコーダーまで導入して、易しい音で豊かな合奏の響きを生み出す体験までさせていました。


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小学校最後の音楽発表会となった6年生は、「Oh Happy Day」と「いのちの歌」を合唱しました。
「Oh Happy Day」は、男の先生の指揮で、原曲さながらの交互唱入りの合唱です。
曲の進行と共に、身体のノリもぐんぐん増していき、最後は会場みんなの手拍子を誘って盛り上がりました。
「いのちの歌」は、女の先生の繊細で音楽的な指揮で、皆が一言一言に愛情を込めた感動の合唱でした。
ひとりひとりの思いが、まさに「いのち」となって曲の深い意味を伝えていました。
演奏後、すぐに拍手が出来ない感動を全校で味わい、少ししてから拍手がわき起こりました。
そういう雰囲気を作るだけの力を持った合唱が出来る驚くべき6年生でした。



最後の「校長先生のお話」では、校長先生が、各学年の発表への具体的な褒め言葉、「私はここに感動しました」というお気持ちを優しい口調で話され、この時も、シーンと静まり返ったまま、子どもたちは幸せそうな表情でいっぱいでした。

この学校では、全ての先生方が、同じ歩調で指導に当たり、「安易な楽しさ」ではなく、音楽を通して心をひとつにして作り上げることを体験させ、そして、互いを尊重し、大切にし合う心と態度を教えていらっしゃるのです。

「音楽発表会」なんだから、音楽の先生がやるんでしょ...ではなく。

先生方がこうして心ひとつにご指導されるから、子どもたちも心ひとつに頑張るのです。

音楽発表会を通して、この学校の学校経営、先生方のすばらしさ、そして、そこに育つ子どもたちのすばらしさと幸せをひしひしと感じました。

初めて聴かせていただいた「音楽発表会」でしたが、事後の音楽の先生への「指導タイム」では、何も言うことがありませんでした。
「感動と感謝の気持ち」だけを精一杯伝えて、帰って来ました。

「学校が持つ教育力」というものの凄さに改めて畏敬の念をもった日でした。

ありがとうございました。


ちなみに、この学校では、「音楽発表会」本番には保護者を入れないそうです。
そのかわりに、本番直前の体育館での学年練習(出入りを含めたリハーサル)を、自分の子供の学年に限り、参観出来るようにしてあるとのこと。
他学年の演奏は聴けない訳ですが、「音楽発表会」本番の良い雰囲気を、先生と子どもたちだけで作り上げるということを第一に考えた時、私はとても良い方法だと思います。

「本番も聴きたい。他の学年も聴きたい」という声は届いているのかもしれませんが、たくさんの保護者がいたら、きっと今日のような全校の雰囲気を作り出すことは出来なかったと思います。

どこの学校でも、「校内音楽会」の保護者鑑賞希望への対応が話題になります。
「何を大事にしたいのか」を学校側がしっかりと持っていれば、「ダメなものはダメ!」と出来るはずです。

「開かれた学校」という言葉によって、大切なものまで失ってしまうことがないように、それぞれの学校の規模や実情や「ねらい」に即し、配慮と勇気を持って対応を決めていただきたいと思います。

「学校は、何でも保護者の希望どおりに出来る所ではない」ということを、まず保護者の方々に分かっていただくことが前提です。
このブログを読んでくださっている全国の保護者のみなさま、よろしくお願いいたします。



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