田川伸一郎のブログ

吹奏楽のための「音楽形式」がわかる本

作曲家の八木澤教司先生から、著書を頂戴いたしました。

吹奏楽のための音楽形式がわかる本

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前に、広瀬勇人先生から頂戴した「吹奏楽のための楽典がわかる本」と同じシリーズの本です。

内容です。

序章 なぜ音楽形式を理解する必要があるのか

第1章 モティーフとフレーズ
      音楽を形作る上で最小単位となる、モティーフ(動機)とフレーズについて学びます。

第2章 1部形式と2部形式
      これは、音楽形式の中で最もシンプルな基本です。どんなに大規模な作品でも、小さな
      形式が積み重なることで全体が構成されているので、しっかりと基本を理解しましょう。

第3章 3部形式
      音楽作品に多く見られる形式です。特に、吹奏楽作品では非常に多く使われているの
      で、しっかりその構造を理解しましょう。

第4章 マーチ形式
      コンクール課題曲でもおなじみのマーチですが、形式的に非常にきちんとつくられて
      いるので、基本的なマーチの形式をしっかり理解しましょう。

第5章 ソナタ形式
      音楽の形式で最も高度で、クラシック音楽を理解するためには、この形式を理解する
      ことが必須です。ソナタ形式を理解することで、西洋音楽の根源を理解することができ
      ます。

第6章 ロンド形式
      クラシック音楽ではソナタ形式と並んで代表的な形式です。交響曲のスケルツォや
      最終楽章などに多く見られ、クラシック音楽を理解するためには必須です。

第7章 変奏曲形式
      吹奏楽作品でもおなじみの変奏曲(ヴァリエーション)形式や、変奏曲形式の一種
      である「パッサカリア」や「シャコンヌ」について学びます。

第8章 フーガ形式
      対位法やカノン、対位法的楽曲の最高峰ともいえるフーガ形式やフーガ(フガート)
      について学びます。



上記の内容を、中学生・高校生にもわかりやすく、話しかけるような言葉で説明してあります。
教材の曲も、よく知られた曲を用いてあり、これなら、「なるほど」と理解しやすいと思いました。

音楽形式は、音楽の設計図です。
演奏する曲の「設計図」をしっかり読み取ることで、作曲家の「思い」や作品の「ドラマ」も、単なるイメージではなく、構想として理解できるようになると思います。

「楽典」同様、音楽科担当の先生方は、大学で学んできた内容だと思いますが、生徒さんに伝える「手だて」として有効にお使いいただけると思いますし、吹奏楽を愛する中学生・高校生の皆さんにも、「音楽」の基本を学ぶためのわかりやすい本としてご紹介したいと思います。


最後に、「はじめに」からの一節を記したいと思います。

・・・海外で日本のバンドへの関心や興味の声をたくさん聞いた。しかし、一方では「疑問の声」も、私の耳に届くことが多くなっていった。

「日本のバンドは、不思議なカットや楽章の入れ替えをする。形式や様式について学ばないのか?」
「日本のバンドは、どの時代の作品もなぜ同じ演奏スタイルなのか?」
「日本のバンドは、邦人作品でもヨーロッパの作品でも、サウンドの質がなぜ変わらないのか?」

なるほど言われてみればその通りである。
・・・

日本の吹奏楽はコンクールで飛躍的に進歩し、世界最高の技術水準に達したことは間違いない。だがそれは、あくまでも技術面においてであり、「音楽性」に関してはどうであろうか。

よく耳にする話に、吹奏楽の習慣について、「ヨーロッパでは文化として、アメリカでは教育として、日本では部活として考えている」というものがある。吹奏楽を部活として毎日練習している日本とは違い、アメリカの生徒たちは、週に2~3回程度の授業で親しんでいる。当然、演奏技術面では日本に追いつかない。しかし彼らは、その少ない時間の中で年間に60曲以上の作品を演奏し、さらに「音楽の形式や様式」も学ぶようだ。

歴史に残る素晴らしい名曲を選曲して、長期間それに取り組むことで音楽をより深く学ぶことは、教育現場の部活動では本当に大切なことです。しかし、せっかくの名曲もカットする場所が音楽的に不自然だと、どんなに素晴らしいサウンドで演奏したとしても、審査員や聴衆にはマイナスのイメージしか与えない結果になります。なぜならば、審査員の先生方は、音楽形式の基本的なことを熟知しているので、音楽的にそのカットが理にかなった場所であるかを判断できるからです。仮に、審査員が一度も耳にしたことがない委嘱作品や発売されたばかりの新曲を聴いたとしても、審査員は、音楽的に不自然な流れや音楽形式的なバランスを容易に聴き取ることができ、皆さんの演奏を厳正に審査できるでしょう。つまり、音楽的に聴こえるようにカットするには、音楽形式の理解が必要なのです。



発行所 株式会社ヤマハミュージックメディア
価格   2200円(税別)



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| | 2015-06-05(Fri)20:42 [編集]


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| | 2015-06-06(Sat)20:28 [編集]


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| | 2015-06-06(Sat)21:06 [編集]