田川伸一郎のブログ

旭川から~8月~

私のお盆休みが開けたこの日曜日~月曜日の2日間は、北海道の旭川にお伺いして来ました。

旭川は、7月は猛烈に暑かったのですが、今回はほんの少し秋の気配を感じさせる爽やかさがあり、レッスンで使った体育館も涼しく、とても快適でした。

今回は、地区大会を抜けて全道大会に駒を進めた学校のうち、3校の皆さんからのお招きをいただきました。

北海道は、もう2学期が始まる寸前です。
貴重な夏休みの最後を、一心に練習に取り組む中学生、高校生との時間は、とても濃いものでした。

この時期には、地域のお祭りなどでも演奏の機会が多く、コンクール曲の練習だけに集中できないもどかしさはあるようです。
しかし、子どもたちは、地域の方々や友達、お家の人に、「地元」で演奏を聴いていただくことが大好きです。

地域を明るくしたり、音楽を楽しんでいただいたり、自分たちの頑張りを認めていただいたりという喜びは、活動意欲の原動力ともなります。
また、いざという時に、地域をあげて応援していただける「土壌づくり」にもなります。

コンクールでの「ゴールド金賞」もすばらしい価値ですが、地域の方々に愛されるバンドであるということは、「金賞」以上の価値があるものだと思います。

そんな多忙な時期のレッスンでしたが、それぞれの学校が、「全道大会で地区代表として恥ずかしくない演奏をしなければ」と、背中に負った「責任」を感じながら、精一杯取り組んでいました。

1泊2日で3校のレッスンということで、いつも伺う時とは違う、ゆとりのあるスケジュールで、たっぷりと時間を使って向き合うことが出来ました。


地区代表になれたからと言って、すべてパーフェクトなはずはありません。
どの学校の演奏にも、まだまだ課題は多く、また、上手になってきたからこそ生まれる新しい要求もあります。

与えられたレッスン時間を全部燃焼しても、やはり「もうちょっと時間があれば」「もう2時間位できれば」と思うほど、いっぱいいっぱいでした。
ということは、時間が足りなくて課題がクリアできないのではなく、どんどんクリアできるので、さらに上のレベルのことをもっともっとやっていきたいという思いが膨らむわけです。

つまり、「うれしい悲鳴」だということです。

そして、なかなかクリアできない課題も浮き彫りになりました。

上位大会に行けば行くほど、「些細な欠点」が大きなマイナスになってしまいます。

「音楽」よりも、まるで、「重箱の隅をつつくように」...ピッチの狂いやハーモニーの濁りやアンバランス、リズムの転びなどごく基本的な部分の「マイナス」を潰す指摘や作業に戻ることも増えます。

でも、こういう練習でも、生徒さんたちのモチベーションは落ちることなく、「音楽する心」が音の中に吹き込まれることがすばらしいなと思いました。

メカニックな練習の時間や単調な音合わせの時間が続いても、決して、「ロボット」のような冷たい演奏にならないのです。

これは、日頃から育てられた「音楽性」、そして、技術より大切な「表現力」の賜物です。

スクールバンドとして何が大切なのか...顧問の先生のお考えが見え、共感できるバンドの姿に触れることができた2日間でした。


IMG_5943_convert_20150818064452.jpg

IMG_5932_convert_20150818064513.jpg  IMG_5936_convert_20150818064559.jpg

IMG_5938_convert_20150818064625.jpg  IMG_5939_convert_20150818064804.jpg

IMG_5942_convert_20150818064829.jpg  IMG_5934_convert_20150818064537.jpg

IMG_5944_convert_20150818064853.jpg

旭川市立旭川中学校吹奏楽部(指揮:松田奈々先生)です。
部員も全員で27名ということで、今年度は、中学校C編成(25名以下)での出場です。
今年は、3年生がわずか5名しかいません。 
当然、パートによっては、3年生がいなかったり、1年生がソロを受け持たなければならなかったりという大変な試練を乗り越え、今年度も、全道大会への切符を手にしました。
指揮者の先生も、初の指揮体験で、たくさんの勉強をされ、生徒さんたちと一緒に学び、育って来ました。
レッスンの後には、地域のお祭りでの演奏を控えており、大忙しのスケジュールでしたが、ここにきて1年生にも大人っぽい落ち着きが生まれ、最後まで集中力のある練習態度で取り組みました。
5月から毎月お伺いして来た私は、この数か月の皆の成長の大きさ、それを導かれた先生方の適切なご指導に、心から拍手を贈りながらも、あえて最後の「ダメ出し」練習をしました。
どれもこれも、すべて「愛情の表現」です。 受け取ってくれたかな? 
全道大会でも、胸を張って堂々と! がんばれ!




IMG_5913_convert_20150818063558.jpg

IMG_5916_convert_20150818063626.jpg  IMG_5918_convert_20150818063701.jpg

IMG_5919_convert_20150818063847.jpg  IMG_5920_convert_20150818063922.jpg

IMG_5921_convert_20150818063943.jpg  IMG_5925_convert_20150818064024.jpg

IMG_5924_convert_20150818064007.jpg

東神楽町立東神楽中学校吹奏楽部(指揮:菅野哲也先生)です。
部員が地区で最も大勢いるこのバンドは、中学校A編成での全道大会出場です。
顧問の先生は、赴任2年目です。 前任校でも輝かしい実績を残されたお力のある先生です。
先生が赴任されたばかりの昨年度、いきなり地区代表に選ばれ、全道大会へ。
そして、今年度も、たった「1枠」の地区代表権を獲得して全道大会へ。
こんな幸運過ぎる「躍進劇」に、生徒さんたちは、何が起きているのか、まだよくわからないでいる面もあります。
決してうぬぼれているわけでもありませんし、自分たちの力がまだまだ全道には通用しないレベルであるということも理解している生徒さんたちです。
でもあえて、レッスンの前に、少し時間をいただいて「心の勉強」をしました。
様々な恵まれた環境は「あたりまえ」ではないこと、「感謝」があればそれはさりげない行動にも表れるべきであること、「地区代表」ということがどういうことなのかということ...皆、真剣に、神妙に聞いていました。
演奏は、まだ「課題満載」です。 今回もまた「宿題の山」を残してレッスンを終えました。
でも、それをクリアしようとする「やる気」と「力」があると信じてのことです。
「地区代表」という喜び以上に、「重い重い責任」をひとりひとりがしっかり痛感し、最後の最後まで変容し続けて「Kitara」のステージに立ってもらいたいです。
君たちなら出来る! 信じています!




IMG_5953_convert_20150818065356.jpg

IMG_5952_convert_20150818065338.jpg  IMG_5960_convert_20150818065423.jpg

IMG_5961_convert_20150818065451.jpg  IMG_5967_convert_20150818065518.jpg

IMG_5970_convert_20150818065543.jpg  IMG_5976_convert_20150818065629.jpg

IMG_5971_convert_20150818065611.jpg

北海道旭川凌雲高等学校吹奏楽局(指揮:吉川和孝先生)です。
この高校は、来年度、他校と統合して新しいスタートを切るため、長い歴史を持つ今の学校名でのコンクール参加は、今年が最後となります。
数多い先輩方からの期待も背負って、最後のコンクールに立ち向かっています。
今年の自由曲は、我が千葉県が誇る県立幕張総合高等学校が委嘱し、初演した石毛里佳作曲の『風伯の乱舞』です。
幕張総合高校の初演当時、中学校時代から有名だったファゴットの「名手」がいたことから、この曲では他の曲に見られないほど難しいファゴットのソロがあります。
選曲の段階で、顧問の先生からご相談をいただいた時、私は、「あの曲は...。ファゴットが...」と反対しました。
ファゴット君は、私が中学校のレッスンでもお世話した元サックス少年です。ファゴットは高校から始めた初心者です。
彼が、『風伯の乱舞』のあのソロを吹く姿を、私はどうしても想像できませんでした。
それでも、先生は意を決してこの曲を選ばれました。
そして、今、ファゴット君は、想像をはるかに越えた成長を遂げ、この曲の難しいソロを吹きこなしています。
褒めても褒めても足りない位、彼は頑張りました。 彼の可能性を信じた顧問の先生の愛情ある「眼」にも敬服です。
ファゴットだけではありません。フルートもオーボエもアルトサックスもイングリッシュホルンも、そして、打楽器群も、大切なソロを見事に演奏し、もちろん全合奏のパワーと表現は、素直に心打つものです。
今回のホール練習では、長い時間をかけて、課題曲と自由曲の細部の点検をし、精度を上げていきました。
全道大会では、旭川凌雲高等学校吹奏楽局としての最後の演奏を、多くの方々の心に残していただけるような熱い演奏が出来ますよう、お祈りしています。




爽やかな風が吹き抜ける旭川には、こんな美しいひまわりも咲き誇っていました。
ちょっと車を止めていただき、記念撮影しました。


IMG_5929_convert_20150818070024.jpg

                    IMG_5931_convert_20150818070044.jpg



3校の皆さん、そして、今回のレッスンは受講されなかった全道大会出場の仲間の皆さん、残された日々を燃焼して、最高の演奏を作り上げてください。

心から応援しています!



スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2015-08-19(Wed)11:53 [編集]