田川伸一郎のブログ

富山県の高校バンド~その1・初めての出会い

月曜日から昨日までの2日間、富山県にお伺いして来ました。

私の家の最寄り駅「湖北」から成田線~常磐線直行で上野に出て、北陸新幹線に乗り、大宮~長野~富山に到着。
乗り換えは、上野でのたった一度だけ。
湖北駅から富山駅まで、乗り換えも入れて、3時間弱という速さです。

富山が近くなった~! 超感激です。

今回は、割と急に決まったレッスンでしたが、高校バンド2校からのお招きでした。
行きやすくなった富山だからこその日程でした。


急に決まったのは、年間に2~3回お招きいただいているひとつのバンドが、この度、北陸代表に選ばれ、札幌での『東日本学校吹奏楽大会』に出場が決まったからでした。

「東日本大会の前に、何とか一度レッスンお願い出来ないでしょうか?」とお声かけいただき、この連休中の予定を調整して、お伺いしたのでした。

そして、もう1校、ぜひという学校があるということで、先生のご紹介で初めてのバンドとの出会いもさせていただきました。


はじめにご紹介するのが、今回初めてお招きいただいた高校バンドです。

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主顧問の先生は、理科がご専門の女性の先生です。
ご自身が高校・大学と、吹奏楽部でオーボエを吹いて来られたこともあり、熱心に部活をご指導されていらっしゃいます。
まだ子育て真っ最中の「ママ先生」ですが、休日練習には、かわいいお子さんもお弁当を持って学校に来て、優しいお姉さんたちに遊んでもらいながら、ママのお仕事を見守っていることもあるそうです。

今回は、たまたまお子さんも来ていて、私にもごあいさつしてくれました。
高校生のお姉さんたちとは、もうすっかり仲良しで、ニコニコして戯れていました。

そんな素敵な先生がご指導されるこのバンドは、共学にもかかわらず、ここ数年女子だけのチームとなっています。
校内には、経験者の男子もいるそうですが、なぜか部員は女子だけ。
この「女子力」のチームワークに引いてしまうのかな?

顧問の先生との事前の打ち合わせで、「表現力」「自発性」などについての指導をというお話をいただき、そういった勉強がしやすい教材を選んで、練習しておいていただくことにしました。

生徒さんたちは、小中学校での楽器経験者がほとんどで、技術的には比較的高いようです。
また、真面目な生徒さんたちで、決められた練習や課題をきっちりこなせるとのこと。
それで十分だと思うのですが、先生は、その上を目指し、もっともっと自分から表現したり、発信したり、反応したりしてほしいとのこと。

今回は、私もそんなスタイルの活動のお手伝いが少しでも出来たらと思いながら、お伺いしました。


この学校は、全国的に有名な「おわら風の盆」がおこなわれる地域にあります。
私も、テレビで見たことがあり、そのほのぼの感がいいなぁと思っていました。


「おわら風の盆」の説明はこちらです。
https://www.yatsuo.net/kazenobon/

音楽室に入り、少しおしゃべりをした後、「みんな、今から、『おわら』を踊りましょう。はい、楽器を置いて立ってね。えっと、ここの椅子はちょっと動かして、マリンバはちょっと下げて。はい、チューバさん、ちょっとこちらに置くよ。はい、これで通路が出来ました。さあ、音楽はどうしようかなぁ。無くてもいいか」と、こちらの一方的な指示で、皆、「???」のお顔。

でも、あまりの勢いに、皆、顔を見合わせながら円に。
副顧問の先生(英語科の先生です)が、スマホで探して、見事キャッチ。それをスピーカーにつないで、大成功。

そして、皆で踊っていただきました。

円の中には、おわら踊りの指導を本格的に受けている3人の生徒さんたちが立って、それはそれは優美な踊りを!
そして、他の皆も、「おわら風の盆」を再現してくれました。

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この高校では、毎年、体育祭で全員が踊るそうです。
地域の誇り高い民謡文化を、生徒全員が受け継いでいくとは、本当に素敵なことです。

「みんな、ありがとう!こんなすてきな踊りで歓迎してくれるなんて、感激だなぁ。うれしかったよぉ」ととぼけて言うと、皆で大笑い。
何だかこれで打ち解けてしまったような感じでした。

その後、「このチームの今の状態をお話ししてくれますか?」と聞いてみました。
「じゃあ、部長さんいいかな?」
部長さんは、いきなりで、「え?え?」と困り顔。

「このチームの良い所でもいいよ。お話ししてくれるかな?」
「学年関係なく、とても仲がいいんです。」
「ほんと?女子たちって、よくグループとか作って、あっちのグループとは話さないようにするとかやりそうなイメージだけど」
「そういうのは、全然ないんです。」
「へえ、すばらしいね。部活辞めたいという時の理由ナンバーワンが『人間関係』なんだけど、君たちはどうして大丈夫なの?何か決め事みたいなのがあるの?」
「いえ、先輩たちの代からずっとみんな仲良くって感じで、それが当たり前みたいな感じで。」
「仲良しが伝統だなんてすばらしいね。きっと、みんなこのバンドにいると、心が浄化されていくんだよ。いいなぁ。」

「じゃあ、そんなみんなの欠点ってあるの?」
「私たち、声が小さいとか、返事が小さいとか、よく先生に注意されるんです。」
「っていうか、その声がすでに小さいよね。でも、もしかしたら、このチームの中では、小さい声で話しても、みんながしっかり聞いてくれるってことじゃないかな。もっと言うと、声にならない心の中の言葉まで、みんな聞き取れるとか...。そうだとしたら、欠点じゃなくて、良い点かも!」

こんなお話をたっぷりしてから、レッスンに入りました。

練習期間が短かったはずなのに、技術的には何も問題がないほど、しっかり練習してありました。
音程の狂いやハーモニーの濁りもほとんどなく、すばらしい音でした。

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そして、今日の課題である「表現力」「自発性」にかかわる指導で進めていきました。

こちらからの指示より、発問で、「何をイメージしてどのように演奏したいのか」ということを深めていきました。
時々、指揮をやめて、自分たちで演奏してもらい、フレーズの運びやエネルギーの増減を自分たちでアンサンブルする中で皆の接点を見つけ出してもらいました。

また、声に出して歌ったり、身体でリズムを感じるトレーニングをしたり...

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発問に対しては、全員が一度は発表することが出来ました。

そして、「イメージ」と「音」をつなげる手法については、私からのアドバイスも含めていきました。
技術的なトレーニングをしっかり積んでいるバンドだからこその大きな変容がありました。

皆が、しっかり考え、発表し、演奏に反映させていく楽しさも共有することが出来ました。

先生も、レッスン後、「今日は、皆が本当にいい顔で取り組んでいました。皆、楽しかったって言っていました。ご指導いただいてよかったです!」と話してくださいました。

先生のこれからのご指導にとって、何か少しでもヒントになったならば、こんなにうれしいことはありません。

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今回、初めての出会いでしたが、みんなのあったかい雰囲気のおかげで、すぐにみんなの中に入っていけました。
「おわら」も踊ってくれ、その踊りのうまさにびっくり!
大切な伝統を皆が守っているような感じがして、とても感激しました。
レッスンでは、「正しく演奏すること」の先にある「何かが伝わる演奏をする」という勉強を、皆で話し合いながら進めることが出来ましたね。
全員が、自分の考えをしっかり発言できたことはすばらしかったね。 それでいいんだよ。
そうして、皆で考えを発信し合うと、よりお互いの理解が深まるし、時には感じ方の違いに気づくこともある。
それが音楽表現を豊かにしたり、一体感を増したりできることにつながるのだと思います。
これからも、「正しさ」の上に立った「美しさや楽しさ」を自ら求め、発信し合い、練り上げていけるような活動を続けてくださいね。
皆さんの優しさ、真面目さ、素直さ、謙虚さ、ひたむきさ、賢さ...たくさんのことに感心、感動した出会いでした。

またいつか一緒に勉強できたらうれしいです!

お招きいただき、ありがとうございました。



*その2の記事に続きます。
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| | 2015-09-24(Thu)18:53 [編集]