田川伸一郎のブログ

富山県の高校バンド~その2、祝・東日本初出場

そして、今回のお伺いをセットしてくださった先生の高校です。

このバンドの顧問の先生は、赴任3年目です。
これまで数々の実績を上げて来られた先生ですが、転勤したばかりの時は、そんな先生より生徒やOBの方が偉く、先生のやり方をすんなり受け入れてもらえる状態ではありませんでした。

このバンドは、初心者が大多数を占め、「ともかく楽しもう!」と、技術的な訓練で正確な演奏を目指すよりも、パフォーマンスやノリでコンサートを楽しむことを優先して活動しているバンドでした。

先生は、このバンドのそんな明るさを大切にしながらも、少しでも、技術的に高まることを目標にしたり、音楽的な感動を味わいながら演奏したりできる生徒を育てたいと願い、少しずつ先生のお力を向けて行かれました。

しかし、それは想像以上に辛い道のりでした。
1年目には、何度も何度も先生からご相談のメールやお電話をいただき、私は先生のお心もバンドの状態もよくわかるだけに何とアドバイス差し上げたらいいのか、悩むこともありました。
でも、時間の限り、先生のお話を聞いて差し上げました。

私がやっと伝えられたことは、「焦らないで。時間が必要です。時間が解決してくれます。ゆっくりと、ゆっくりと...」ということでした。

その年の冬、私は初めて、このバンドにお伺いしました。
春からの先生のご努力が少しずつ実り、生徒さんたちは、ノリではなく、吹奏楽のオリジナル曲を真剣に演奏する姿を見せていました。

そして、先生がちょっと苦手意識を持っておられたこのチームの雰囲気が、逆に私にはプラスに感じられ、先生に前向きなアドバイスを差し上げられるきっかけとなりました。

初めてこのバンドにお伺いした日のブログです。
http://schoolbandsupporter.blog24.fc2.com/blog-entry-718.html


2年目の昨年度、先生は、大いなる挑戦で、『カルミナ・ブラーナ』を選曲し、少しずつ、コンクールに向かう練習の厳しさを味わわせる活動を織り込んで行かれました。

その中で、技術的に向上し、難しい曲を演奏できる喜びを見つけ出した生徒さんと、ただただついていくだけの日々を耐えていた生徒さんの意識がうまく噛み合わない苦しみもありました。

しかし、行きつ戻りつしながらも、先生と生徒さんたちの心は、どこかで受け入れ合える絆を作り始めました。

3年目の今年、3年生は先生と一緒に入学してきた生徒たちです。
しかも、3年生全員が、高校から吹奏楽を始めた「初心者」です。
先生も、そんな彼らを心から愛し、彼らのために、最高の1年を過ごさせてやりたいと思う意気込みでスタートしました。

生徒たちも、もう何も疑うもの、悩むものはありません。
先生の導きをまっすぐに受けて、ひたすら努力するのみです。

昨年度、北陸大会に出場できたこのメンバーは、さらに上にある『東日本大会』に駒を進めた学校の歓声を聞き、「全員初心者の自分たちだって」と、遠い目標を現実的に目指すようになっていました。

そんな生徒さんたちに先生が選んだ曲は、『リバーダンス』(ウィーラン作曲)です。
この曲のアレンジは、バイテンホイス、ストロメン、デ=メイなどが日本での演奏許可を得ていますが、先生が選んだアレンジは、今年、正式に演奏許諾を取れたばかりの建部知弘さんのアレンジです。
原曲の雰囲気を大切にしながらも、自作の裏メロディーや打楽器の色彩的な味付けを加えた素敵なアレンジです。

シンプルな曲だけに、演奏の正確さや緻密なアンサンブル、独特の拍子感の感得が不可欠な曲になりますが、先生はこのたくましく元気な生徒たちにぴったりと選曲されました。

私も、3月、6月とレッスンにお伺いし、彼らがこの曲にはまっているのを感じました。

そして、今年も県大会を抜けて北陸大会へ。
先生と生徒さんたちの3年間の歩みは、「東日本大会」への切符獲得という夢のような結果となって返って来ました。

今回のレッスンは、体育館をお借りして、Kitaraでの本番を意識しておこないました。

IMG_6955_convert_20150922234315.jpg

『リパーダンス』にしか出来ない表現、『リバーダンス』にこそ欠かせない表現...「トレーニング」によってがっしりと出来上がっている演奏を、むしろもっと自由な音楽に導くレッスンをさせていただきました。
先生も、それを望んでおられました。

減点されない「守りの演奏」とは違う、もっと『リバーダンス』らしい積極的な演奏をして、生徒たちと最後のコンクールを楽しみたい...そんな先生の思いを具体的に導いていきました。

IMG_6923_convert_20150922233935.jpg  
               IMG_6926_convert_20150922233953.jpg

IMG_6930_convert_20150922234025.jpg  IMG_6933_convert_20150922234112.jpg

IMG_6937_convert_20150922234131.jpg  IMG_6943_convert_20150922234152.jpg

IMG_6945_convert_20150922234212.jpg  IMG_6947_convert_20150922234234.jpg

IMG_6904_convert_20150922233849.jpg  IMG_6907_convert_20150922233910.jpg

IMG_6951_convert_20150923104754.jpg  IMG_6949_convert_20150922234254.jpg

先生も、この愛する生徒さんたちのために、尊い汗を流して、『リバーダンス』を振っておられました。

IMG_6932_convert_20150923105251.jpg


高校に入学した時には、「すいそうがく?」「これなんていう楽器?」「楽譜ってどうやって読むの?」「俺、元野球部だし!」「俺はバスケ出身!」という面々だった彼らが、今では、北陸代表として北海道へ向かう「音楽の勇者」となって青春を燃え尽きようとしています。

先生の理念に、「教育」の重さやすごみを感じます。

IMG_6960_convert_20150922234351.jpg
僕たちは、全員初心者で入部し、先生方のご指導でここまで成長できました。
先生方に出会えて、僕たちの人生は変わりました。
幸せいっぱいの毎日です。 
・・・という3年生たちです。

全員初心者でも、ここまで来られるんだ・・・僕も君たちから教えられました。

この3年間、君たちが乗り越えてきたものの大きさは、きっとこれからの長い人生の支えとなるはずです。
本当によく頑張りました! 偉かったぞ!



IMG_6957_convert_20150922234335.jpg
先生! ついに生徒と心ひとつに音楽出来る日が来ましたね。
あの日の苦しみも悩みもとまどいも、やはり先生の大きな愛とゆるぎない熱意、そして、「時」が育んでくれた絆で、大きな大きな喜びと幸せに変わりました。 よかった!

生徒の皆さん、Kitaraという最高のステージで、君たちの青春を、君たちだけの『リバーダンス』を、胸を張って、意気揚々と表現してください。
会場の空気が、「コンクール」ではなく、素敵な「コンサート」になることを願っています。
僕も、客席から君たちの音楽を楽しみながら応援しています!


東日本大会初出場、本当におめでとうございます! 

加藤祐行先生&富山県立富山工業高等学校吹奏楽部!


スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2015-09-24(Thu)18:45 [編集]