田川伸一郎のブログ

県内の中学校バンド~初めての出会い

昨日今日と、2日間続けて、県内の2つの中学校バンドに初めてお伺いさせていただきました。
2校とも、先生とも生徒さんとも全く初めての出会いでした。


このふたつの学校は、市も違いますし、先生方もお付き合いのない方々です。
日々、私のブログを読んで様々なことを感じていてくださり、それぞれが単独でご依頼くださったら、たまたま2日間続いたということです。

私にとって、新しい出会いは、いつもワクワクとドキドキが同居します。

地方に伺う時には、元々出かけて行くだけでも、ワクワクドキドキですが、県内の学校の場合は、知った土地での新しい出会いということで、何かとても晴れやかな気持ちになります。

やはり、地元千葉県の先生方と生徒さんたちのために、少しでもお役に立てることは、私の「使命」のような感覚なのかもしれません。

2つの学校は、それぞれの実態、テーマ、先生のご希望をお持ちの上で、お招きくださいました。

事前のお話もたっぷり聞かせていただき、私なりのビジョンを持って、学校に向かいました。


1校目の中学校です。

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こちらの顧問の先生は、私のブログのメールフォームからレッスンのご依頼をくださいました。
とても丁寧に、お気持ちが綴られていました。
お返事して、お電話を頂戴したところ、さらに先生のお悩みや勉強したいお気持ちが伝わって来ました。

子どもたちのために、もっと勉強したいと...誠意ある先生です。

ちょっと早めに着いてしまったのですが、生徒さんたちは私を迎える直前に、もう一度、音楽室を掃除したり、お迎えチームが準備したりと、慌ただしく動いてくれていました。
こういう「おもてなしの心」は、うれしいものですし、こういうチャンスをとらえて、「おもてなしの仕方」をご指導されているのだなぁと感心しました。
そして、生徒さんたちの表情がいいこと。 みんな自然な笑顔で、きちんと言葉のやり取りをしてくれます。

顧問の先生は、これまでに講習会や他校見学でたくさんたくさん勉強され、あちこちで仕入れて来た練習方法を入念に取り入れていらしています。
先生のお悩みのひとつは、猛勉強の末に得た膨大な知識や練習方法を、どのように整理して、目の前の生徒たちに落としていくのが最高なのかということでした。

今、こういうことで悩んでいらっしゃる先生がとても多いです。

全国大会で金賞を取るような学校でやっている練習を取り入れて実践してみているが、効果が上がらない、短い練習時間の中ではこなせない、形ばかりのつまらない練習になってしまう...

先生のお悩みに即して、私が考えた生徒さんたちの「基礎能力の根本」を見直すトレーニングを少し時間をかけて行いました。
シンプルな練習で、幅広い応用力を持った力を育てられれば、膨大な内容の練習は不要になり、スリムな練習内容に改善することが出来ます。

このバンドでやったことがない「基礎トレーニング」の仕方からスタートし、「コラール」の初見、そして、今練習しているオリジナル曲の合奏と、3時間みっちりと練習しました。 そして、あっと言う間の3時間でした。

先生も、ずっとメモを取り続けられ、生徒さんたちと同じ真剣さで私のレッスンを受け止めていらっしゃいました。
レッスン後も、先生とじっくり、「基礎づくり」とは何をどうすべきなのかを、このチームの実態から考察していきました。

「今日は、頭の中がすっきりしました。これからどうしていけばいいのかも見えてきました。」
先生のお悩みの霧も晴れてきたようでした。

先生のお話や実践から、私も勉強させていただいた貴重な出会いでした。

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「チューニング」も、発想を少し変えて練習しました。
もちろん、チューナーは使いません。


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コミュニケーションを大切に、生徒さんたちと一緒に作り上げる練習を展開しました。

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初めてとは思えないほど、打ち解けて付き合ってくれた皆さん。
笑顔も、真剣な顔も、とても素敵でした。
そして、「変わろうとする気持ち」「変えようとする気持ち」の強さにも感心しました。
ちょっと退屈なレッスンの一場面でも、「つまらない」という顔を全くみせず、全てが勉強という態度で取り組み続けた皆さんは、中学1、2年生とは思えないほど、大人の雰囲気でした。
小学校から吹奏楽を始めた人、中学校から始めた人、途中で楽器が替わった人...様々な条件の違いはあっても、みんなで同じ空気を共有し、融和している雰囲気が、まさに音楽でした。
自分の気持ちを素直に言葉にして発表出来たのもいいことです。
全て、顧問の先生が、日々のご指導の中で育ててくださった「力と空気」です。
その中で、どれだけの成長をしていけるかは、皆さんひとりひとりの意識にかかっています。
次に会う日に、君たちの成長がしっかり見えるような活動や練習をしていってくださいね!



2校目の中学校です。

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こちらの中学校の先生は、まだ指導経験も浅い若手の方です。
先生の恩師からの勧めということで、レッスンを希望するご連絡をくださいました。

先生ご自身は、吹奏楽をやって来られたようですが、「指導」ということになると、また別問題です。
先生も、多くのお悩みをかかえ、ご自分の勉強こそがその悩みを解決する道だと認識されていらっしゃいます。
悩みの原因は、生徒にあるのではなく、指導者である自分自身にあるのだと...

今の若い先生の中には、「小学校からずっと吹奏楽をやり、大学では指揮もしていたので、分からないことや悩むことなどありません」と豪語する方もいらっしゃいますが、多分、多くは「勘違い」です。
悩まなければいけないことが、見えていないだけだと思います。

今回のレッスンでは、バンド運営的な悩みは先生との個人的な研修でカバーし、「合奏の組み立て方」という内容を中心にレッスンをさせていただきました。

避けては通れない「指揮」という道。
私も先生も、指揮に関しては、「ど素人」です。
プロの指揮者のようには振れるはずはありません。
ただ、曲を分析し、フレーズのまとまりやエネルギーの変化、ハーモニーの進行、場面ごとの味わいなどを的確につかんで、それを子どもたちに伝え、さらに、子どもたちが最も演奏しやすいように指揮することは何とかやらなければなりません。

拍が見えた方がいい場面、拍が見えない方がいい場面、ソロに対する指揮の仕方、「音圧」を逃がさない指揮の仕方...
こういったことを今回は、特に勉強しました。

生徒さんたちの演奏は、1、2年生にしてはとても上手な演奏でしたが、ただひとつ「音圧が弱いこと」が様々な表現を物足りなくしていました。

「音圧」とは何か、どうすればよいのか...繰り返し試み、だんだんと向上していきました。
途中、「今日のキーワードは?」「音圧です!」「そう、意識して!」と、対応しながら練習を進めることが出来ました。

ゆっくりのコラール風の場面の演奏が、最初と比べものにならないほど安定した感動的な演奏になりました。
また、それを引き出す「指揮」も先生と一緒に勉強しました。
もちろん、「生徒さんたちの前で」です。

最後の感想では、皆、自分たちの変容に気づいた内容が次々に発表され、ますますの意欲を高めていました。

先生は、「あなたたちは田川先生のご指導に本当によくついていき、先生のおっしゃることをやろうとし、うまくいかなくても、必死に何とか出来るようにしようと努力していました。そんなあなたたちの姿が見られてうれしかったですし、あなたたちがこんなにいい音を出せる、こんなにいい演奏が出来るんだとわかり、私がもっと勉強して、あなたたちの力をもっと引き出してあげられるようにならなければと思いました。田川先生、本当にありがとうございました」と、生徒さんたちの前で、ご自分の学びを語り、生徒さんたち以上に深く頭を下げてお礼を述べてくださいました。

こういう謙虚な姿、先生も学ぶ姿...この生徒さんたちの「学習力」の高さは、間違いなく、この顧問の先生が育てられたものなのだと確信しました。

「まだ未熟なので」とおっしゃる若い先生からも、学ぶことがたくさんありました。

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ともかく明るく朗らかで、よく笑う皆さんでしたね!
初めて会ったことの不必要な緊張感はなく、なごやかな雰囲気だけを出してくれましたね。
レッスンもとても楽しく、時計を見てびっくりするほど、時間が早く流れました。
「音圧」という難しい勉強をしましたが、目に見えない「音圧」というものを、皆、だんだんと理解し、音として表現できるようになっていきましたね。
何度も繰り返したゆっくりの部分が、びっくりするほど上手になり、皆も自信をつけていったことでしょう。
顧問の先生もほめておられたように、皆、僕が指導していることを、何とか身につけよう、出来るようにしよう、出来なくても諦めないでやってみようと、必死でもがいていましたね。
そういう「頑張りの精神」が、君たちのパワーの源だと思います。
返事もいつもテンション高く、最後まで貫きました。 立派でした。
君たちのために、自分自身がもっと勉強しなければと、君たちの前で謙虚に話してくださるような素晴らしい先生の教え子でよかったね。
君たちは先生に育ててもらっているけれど、君たちも先生を育てているのかもしれないと思いました。
すてきな関係だと思います。 またいつか一緒に勉強しましょう!



2日続けて、とても良い「初めての出会い」をさせていただき、何だか感動と幸せでいっぱいな気持ちです。

秋もぐんぐん深まっています。
先生と生徒さんたちの信頼関係、生徒さんたちのチームワーク、そして、奏でる音楽も、深く豊かになっていくことを心からお祈りいたしております。

「初めてレッスンを依頼する」という、おそらく緊張したであろう連絡を、「子どもたちのために...」と、勇気をもってしてくださったお二人の先生方に感謝いたします。

今後も共に勉強して参りましょう。

先生方も、生徒の皆さんも、がんばれ!



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| | 2015-10-19(Mon)19:54 [編集]