田川伸一郎のブログ

第63回全日本吹奏楽コンクール・中学校の部

昨日は、名古屋国際会議場で開催された「全日本吹奏楽コンクール・中学校の部」を聴かせていただきました。

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この大会に出場した30団体は、全国の大編成部門の予選出場2907校から選ばれた各地の代表校です。
高校の部は、全国の予選1555校から選ばれた30校の出場です。
ということは、高校の部の2倍近い厳しさの中を勝ち抜いてきた団体ということになります。


義務教育の中の部活動ですから、高校のように、「その学校で吹奏楽をやりたい」と集まった生徒ではなく、たまたまその学区に住んでいた生徒が通う中学校での活動となります。

学校の規模、地域や学校の実情、保護者の理解、行政のバックアップ...様々な条件、与えられた環境の中で、やりくりしての活動です。

顧問の先生方は、言うまでもなく、吹奏楽の指導をしに学校に行っているわけではなく、授業、学級経営、様々な校務分掌、学校外での働き(部会や各種組織の運営など)、さらに、生徒個別への生徒指導や保護者との面談など、時間と体力、精神力の限界まで働いた上での部活動指導です。

高校の先生が楽だというつもりは全くありませんが、中学校の先生が抱えるお仕事の多さやご苦労は、見ているだけでも大変なもので、実際、先生方がどれだけのご苦労をされているかということは、想像以上のものだと思います。

その中で、吹奏楽に対する情熱を燃やし、勉強され、生徒たちと一緒に汗を流し、涙を流し、時には怒り、時には生徒に支えられ、こつこつと歩み続けた得たこの栄えあるステージです。

それぞれの学校が味わった12分間のステージの中に、先生と生徒たちのどれだけの思いが込められているであろうと考えると、その演奏に優劣をつけること自体が無意味に感じられるほど、どの団体にも心からの賞賛をしたくなります。

行政のバックアップが大きく、ほとんど個人負担なく参加できた学校もあれば、ほとんど支援なく、どのようにお金を作るかということで頭を抱えてきた学校もあります。
実際、全国大会に出て、多額の個人負担がかかったことから、翌年以降、「吹奏楽部に入るとどれだけお金がかかるかわからない」と噂になって、入部者が激減した学校もあります。

それぞれの学校が抱えたであろうそれぞれの困難、それを乗り越えてステージで輝いた先生と生徒たち、バックで支えてくださった多くの方々の思いは、それそのものが大きな価値であり、財産です。

コンクールですから、「賞」が付きます。
しかし、この大会は、全国大会です。 出られるだけでも「奇跡」に近い大会です。
賞の色にかかわらず、出場できたことを大きな誇りとし、一生の宝にしてもらいたいと思いますし、聴衆の皆様、吹奏楽ファンの方々も、健闘を讃える思いで、各団体を見てほしいと願いました。


全国大会まで、長い期間練習した来た課題曲と自由曲...常に向上し続けていくのはとても難しいことで、練習が漫然としてしまったり、気づかないうちに「落とし穴」にはまっている場合もあります。
顧問の先生も、何が良いのかわからなくなってしまうという場合もあります。

いつも新鮮な気持ちのまま曲に向き合い、新しい発見をしながら、前進していけると良いのですが、「まずい点を潰していく」というようなトレーニングの繰り返しになると、完成度は高まっても、音楽が色褪せてしまう場合があります。

「本番で心から音楽できる」...そんな全国大会の演奏になったら素敵だなと思いながら鑑賞しました。


審査結果は、審査員の先生が決めることですが、審査用紙に、大きく書かれた「A・B・C」のひとつに〇が付いているだけで、私が目にした学校の場合は、講評欄には、ひとりも記入がありませんでした。

「A」なら何が良かったのか、「B」なら何が良く、何がもう一息だったのか、「C」なら何がもう一息だったのか...簡単でもいいから、一言ほしいなと思いました。
これまでの苦労が、〇ひとつで返されてしまうのだという何か冷たさを感じました。

全国大会であれ、何であれ、「教育の一環」として行われている吹奏楽の活動です。
「温もり」が欲しいです。


今回、私がレッスンに入らせていただいている中学校も2校出場しました。
しかも、偶然2校続けての演奏順でした。


1校目は、先日、ブログでもご紹介させていただいた九州代表・熊本県天草市立本渡中学校です。
熊本県から29年ぶりの出場、天草からは史上初の全国大会出場でした。
温かく丁寧な演奏で、「本番で音楽しよう。本番で感動しよう」と先日話しておいたとおりの生きた演奏を披露してくれました。
このバンドが持っている色々な「良い音」を聴くことが出来ました。
地域からのたくさんの応援もいただき、皆、渾身の演奏で達成感いっぱいのステージを終えました。
「銀賞」をいただきました。 十分立派な成績です。
君たちは、熊本天草の誇りです。これからもがんばってほしいです。

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応援に来てくださった保護者の皆様、地域の皆様に、心のこもった部長さんからのあいさつでした。

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指揮の佐佐木仁先生です。本当におめでとうございました。


2校目は、北海道代表・北斗市立上磯中学校です。
2年前、初出場した全国大会に、今年また戻って来ることが出来ました。
前日から同行し、練習もお手伝いさせていただきましたが、最後の最後まで変容し続け、音楽に命が溢れ、先生も生徒さんたちも、音楽を楽しめる気持ちと仕上がりになっての本番でした。
この学区の小学校は、上磯小学校、久根別小学校、谷川小学校の3校にバンドがあり、私はこの3校にもレッスンに伺わせていただいています。
上磯小学校、久根別小学校には、この7年間続けてレッスンに伺っていますので、今の中学校3年生は、小学校3年生から7年間のお付き合いです。
まだ小さくあどけなかったあの子たちが、こんなに立派になって...それだけでも感動です。
本番でも、生きた音楽を表現することが出来、「ゴールド金賞」をいただきました。

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小学校からの大きな大きな成長を全国大会のステージで発表することが出来、本当によかったですね!
2日間一緒に過ごし、1つ1つの言動に配慮や温もりが感じられる君たちが、ますます大好きになりました。


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顧問の中條淳也先生、部長君、副部長さんです。 
ふたりとも小学校3年生から吹奏楽を続けて来ました。



上磯中学校の最後の練習の様子です。
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                 自由曲の「ルイ・ブルジョア」のコラールは、皆で合唱で練習しました。
                 音にも魂が入りました。



今日、11月1日は、高等学校の部が開催されました。
残念ながら聴くことはできませんでしたが、きっと会場を興奮に巻き込む演奏が続いたことでしょう。

閉会式のお話で、この大会を主管してくださった愛知県吹奏楽連盟では、100名以上の運営役員を配置し、朝の6時半から行動を開始してくださったとのこと。
頭が下がります。

毎年この会場で開催させていただき、「吹奏楽の甲子園」の新しい聖地になりつつあります。
役員の方々のご尽力に、心からお礼申し上げます。

全日本吹奏楽コンクールに出場された中学校30校、高等学校30校のみなさん、本当に本当におめでとうございました。
ご指導、引率された先生方、保護者の皆様にも、感謝申し上げます。



審査結果の詳細は下記「全日本吹奏楽連盟」のHPをご覧ください。
http://www.ajba.or.jp/i/


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| | 2015-11-01(Sun)23:31 [編集]


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| | 2015-11-03(Tue)09:15 [編集]