田川伸一郎のブログ

オホーツク管内小学校管楽器指導者研修会

先週の金曜日から昨日まで、北海道のオホーツク方面にお伺いさせていただきました。
今回で4年目となる小学校管楽器指導者研修会の講師としてのお招きでした。


これまで、会場は、北見か遠軽でしたが、今年は、初めて紋別での会場となり、楽しみに伺わせていただきました。

紋別は、海の街です。
朝には小雪もちらつき、凛とした空気に、気合いが入りました。

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同じタイミングで「北海道音楽教育研究大会」が開かれ、そちらに動員がかかった先生や、学校の学芸会と重なった先生も多く、例年より少なめの参加でしたが、その分、アットホームな雰囲気で、発言もしやすく、とても実のある講習会となりました。

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会場は、紋別市民会館でした。

オホーツク地区は、吹奏楽よりもブラスバンドがとても盛んです。
毎年1学期に、コルネット奏者の岡本篤彦先生をお招きして、基礎練習の仕方を先生方と子どもたちが一緒に学ぶ講習会が、もう20年近く続いているとのこと。
独特の指導法による「岡本メソード」は、金管の音を確実に磨くことができる、しかも、子どもが楽しんで続けられる方法で、それが、オホーツク地区の素晴らしい金管の音を作っていると言っても過言でありません。

1学期の岡本先生の講習会が「音づくり」の勉強であることと対比して、この2学期の講習会は「豊かな音楽表現を目指して」というテーマの講習会となっています。
今回は、3校のモデルバンド(いずれもブラスバンド)の公開レッスンをさせていただきました。
先生方にも発言していただき、皆で、子どもたちの演奏、表現の向上の道筋を探っていきました。
顧問の先生との対話、子どもたちの思いを引き出す発問、指揮法など、様々な方向から、「子どもたちの音楽と心を豊かに育てるための指導法」を学んでいきました。

どのバンドにも、そのバンドなりの「実情」があります。
その「実情」を受け入れ、その中で、「今、何ができるか」「今日、何ができるか」ということをピンポイントで洗い出し、それをクリアするための効果的な手立てを勉強することは、学校に持ち帰れる最高の「お土産」になると思います。
お集まりいただいた先生方が、そして、子どもたちが、できるだけ多くのお土産を持って帰れるように、私なりのアイデアをフル稼働して講習させていただきました。

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先生方も積極的に発言。みんなで一緒に勉強です。


3校のレッスンの様子です。

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紋別市立潮見小学校金管バンド (指揮:安曇恭彦先生)
曲目 「シンフォニア・ノビリシマ」(R.ジェイガー)、追想「イギリス民謡」(山下国俊・編曲)

バンドが出来て、まだ3年半という若いチームです。
こちらの先生は、大ベテランの先生で、これまでに3校でゼロからバンドを立ち上げたというすごい先生です。このバンドも、先生が「生みの親」です。
高度な技術を必要とする「シンフォニア・ノビリシマ」を立派に演奏し、ワンポイントレッスンで、楽譜に書いてあるとおり、「コン・ブリオ」の演奏になりました。
「イギリス民謡」は、まだ練習期間の短い曲でしたが、メドレー曲の作り方を勉強することが出来、とても良かったです。
始終にこやかな子どもたちの表情が素敵でした。



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湧別町立中湧別小学校金管バンド (指揮:小沼修司先生)
曲目 「ドーイェン」 (G.リチャーズ)

ゴフ・リチャーズのブラス作品を大変立派に演奏していました。
一度出来上がった曲を、違う味付けで進化させていく勉強をしました。
楽譜に書かれていることはもちろん、楽譜に書かれていないけれど、「音符が訴えかけてくること」をとらえ、表現を工夫することも大切だとわかりました。
曲の途中のハーモニーの魅力をどう前面に出していくかという色づけの仕方も勉強になりました。
こちらの先生は、毎年、この講習会に欠かさず熱心に参加されており、指揮もどんどんグレードアップしています。
振った方がよいところ、あまり振らない方が良いところ...今年もまた指揮の勉強が出来ました。



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紋別市立紋別小学校金管バンド (指揮:酒井康晴先生)
曲目 「アロウェイ・テイルズ」 (P.グレイアム)

こちらのバンドは、北海道代表として、大阪城ホールでの「全日本小学校バンドフェスティバル」に出場が決まっています。
さすがの演奏で、技術的には小学生として十分過ぎるほどでした。
そこで、この曲の3つの場面のイメージをさらに深め、それを音として表現していく勉強をしました。
たとえば、2曲目では、「この場面の季節はいつだと思いますか?」の発問に、「冬」と「春」という対立が起きました。
そこで、「春らしく演奏してみる」「冬らしく演奏してみる」を課題として練習し、皆のイメージを絞り込んでいきました。
これから大会までに、曲全体のストーリーをみんなで考え、イメージを共有して、「音のドラマ」として映像が見えるような演奏にしていけたらと思います。
全国大会での健闘をお祈りしています!



講習会の後には、さらに残られた先生方で座談会でした。

それぞれの学校や先生の悩み、これからの目標、講習会で特に学んだことなど、自由に語り合いました。
私からは、先日の「日本管楽合奏コンテスト全国大会」の記事で書かせていただいた奈良の王寺小・王寺南小学校の11名の金管バンドの演奏をお聴きいただき、この地区の「難曲主義」も良いけれど、逆に、易しい曲をここまで美しく音楽的に演奏出来る子どもを育てることも大切なのではとコメントさせていただきました。

そして、ただ曲を仕上げるのではなく、バンド活動の中で、「音楽の学力」を付けることを目指してほしいと付け加えました。
そのためには、バンドの練習の中でも、指導要領の「共通事項」を基に、「音楽をとらえる力」「音楽を表現する力」を育てていくことが必要で、それによって、ひとつの曲で勉強したことが、他の曲に転移して役立ち、練習の流れもスムーズになるはずです。

バンド活動が、音楽教育の一環としての位置を守り、音楽授業の延長線上で伸びやかに展開されることをお祈りしています。

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オホーツク管内小学校管楽器教育研究会会長の外川範幸先生です。
現在は、斜里町立川上小学校の教頭先生をされていらっしゃいます。




また、講習会とは別に、別の小学校の単独のレッスンにもお招きいただきました。

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この学校のレッスン曲は、春から練習しているコンクール曲でした。もう半年も練習し、本番を終えてきている曲です。
「みんな、そろそろ曲に飽きてきたんじゃないですか?」
「飽きませ~ん!」「えっ?すごいね。どうして飽きないのかな?」
「まだ出来ていなかった所が、出来るようになって来て、とてもうれしいからです。」「曲のこともっとよくわかって来て、合奏するのがますます楽しくなってきたからです。」「練習していると、みんなの演奏が前より良くなってきたので、もっとうまくなりたいという気持ちになるからです。」...子どもは、長期間練習していると、出来ていなくても飽きて、そこから上には行けないこともあるものです。
この子どもたちは、「もっとうまくなれる」「もっとうまくなりたい」と、コンクールが終わってからも、ずっと向上心が持続しているところに感心します。
このレッスンでも、先生も子どもたち自身もびっくりするほどの変容が見られました。
子どもたちの気持ちが前向きなので、ちょっとしたアドバイスがどんどん入っていくのです。
こんな「学びの心」を育てられる先生、すばらしいです。
まだまだどんどんうまくなる可能性大です。 みんな、これからもすくすくと伸びていってくださいね!



夏のコンクール前の学校レッスン、そして、今回の講習会。
先生方と子どもたちが、同じ温度で学ぶ姿勢を見せていました。
先生方が、子どもたちの心に寄り添って、子どもたちのための活動を進めている証拠です。

これから本格的な冬に向かい、寒さや雪との闘いの中での活動となります。
皆さんの熱い思いで、寒い冬にも負けない活動をしていってください。

お招きいただき、ありがとうございました。



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| | 2015-11-09(Mon)19:49 [編集]