田川伸一郎のブログ

伸びゆけ、若い芽たち!

昨日は、『第25回日本クラシック音楽コンクール全国大会・サクソフォーン部門・高校生の部』を聴きに行って来ました。

会場は、曳舟文化センターでした。

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この日は、中学生2名、高校生21名、大学生20名、一般7名の出場がありました。
全国各地での予選・本選を、「規定点数以上」を獲得して出場権を得た方々ばかりです。

演奏する曲は、課題曲がなく、自由曲だけです。
ですから、選曲によっても印象がずいぶん違ってしまいます。

本番では、出演番号だけのコールで、氏名や学校名の公表無しに審査されます。(審査後には公表されますが。)
制限時間が来ると、ベルが鳴って演奏はカットされます。
・・・クールな雰囲気のコンクールでした。

高校生の部の審査員は...
浅利 真 (ヴィーヴ!サクソフォーン・クヲルテット)
加藤 里志 (サクソフォーン奏者・甲斐清和高等学校講師)
白井 奈緒美 (サクソフォーン奏者)
二宮 和弘 (洗足学園音楽大学講師)
矢辺 新太郎 (常葉大学短期大学部講師) 
の5氏でした。


5名の審査員が90満点で採点し、上下カットした3名の点数の平均点が、各出場者の点数となり、「86点以上」が入賞者となるシステムです。

90点(満点)・・・1位
89点・・・2位
88点・・・3位
87点・・・4位
86点・・・5位


「全国大会」の高校生の部ということで、正直、もう一ランク上の演奏を期待してしまっていたのですが...

技術も音楽性も表出力も、もっともっと欲しいと、贅沢な要求を持ってしまいました。

きっと皆さん、プロの先生についてレッスンを受けている方ばかりだと思うのですが、「サクソフォーンの技術」というよりも、「音楽の基本」...フレーズ感とか調性感とか構成感とか様式感とか、うまく言えないのですが、もっともっと「音楽」を勉強してほしい、「サックスの練習」というくくりから出られずに演奏している方が多く、残念に思いました。
幅広い音楽、特に弦楽器の演奏をたくさん聴いたら、きっと変わることも多いんじゃないかなと思いました。

誰かの演奏スタイルやアクションを真似たような「形に」こだわっていて、技術や音楽の中身がついていっていない「オタクっぽい演奏」もありました。

個人の練習は、きっと教室やスタジオのような狭い部屋ですることがほとんどだと思いますが、ホールで演奏した時の音の距離感、ダイナミクスの設定、遠近感、客席へのメッセージ力など、本番で必要な「力」はやはり広い空間でのリハーサルが必要だと思います。
学校の体育館でも、やらないよりはやった方がずっと良いと思います。

「普通の高校生」のソロ発表会だとするならば、びっくりするほどのすばらしい演奏ばかりだったと言えますが、これからプロを目指そうとする人たちのステージとして見た時に、「もっとがんばれ!」と叱咤激励したいような気持ちになりました。


そして、この中に、真間小学校での教え子が出場しました。
先日も、上野耕平さんのコンサートにも同行した高校3年生です。


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今回は、グラズノフのコンチェルトを演奏しました。
とても有名な曲ですし、技術も表現も深いものが求められる曲です。
まだ、「真面目に、上手に吹いている」という印象の演奏でした。
小学校時代の彼からは想像もつかない演奏でしたが、音大を目指し、プロを目指す彼には、あえて、「まだまだこれからだね。今日は出られただけでも良い体験になったと思って、もっともっと勉強しなさい。」と話しました。


審査結果発表は、ロビーでおこなわれます。

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私が聴いた午後の部では、私も「1番かな」と思っていた方が、「3位」で最高でした。(1、2位は無し)
「まあ、なかなかかな」と思っていたふたりが、それぞれ4位、5位でした。
残念ながら、教え子君は、入賞なりませんでしたが、共に納得でした。

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第3位に選ばれた並木大亮さん(高校3年生)
『スロヴァキアン・ラプソディー』(一部抜粋) (加藤昌則作曲)


この曲は、須川展也さんの委嘱作品だけあって、とても難しく、民族的な曲想が散りばめられた曲ですが、堅実にがっちりと、また楽しく、リズム感や色彩感に優れた演奏を聴かせてくれました。
ピアノ伴奏の方もとてもすばらしく息もぴったりでした。
高校生らしい勢いや自由奔放さも感じられ、私はとても感動しました。
中学生の頃からソロコンクールに積極的に挑戦して成長してきている、今後が楽しみな若者です。

『スロヴァキアン・ラプソディー』はこんな曲です。 須川展也さんの初演で!
https://www.youtube.com/watch?v=3Stv-58UTXM


帰ろうとしたら、出場したある女の子(彼女も4位入賞。私も「いい!」と思った方でした。)が、「田川先生!」と声をかけてくれました。
「えっと、ごめんなさい。入賞された方ですよね。演奏、聴きました。とても良かったですよ。あの...」
「私、〇〇中学校で先生に見ていただいて...」
「えっ! 確か、たった一回しか伺っていないのに、覚えていてくれたの?」
「あの日は、もう感動して泣きそうでした。だから忘れるはずありません。」
私も、その中学校のことはもとてもよく覚えています。
でも、ずっと会っていない私のことを覚えていてくれたなんて...感激でした。
彼女も音楽大学を目指して頑張っているそうです。
会えてうれしかった!


日本全国に、「プロ」を目指し、それぞれの夢や目標をもって努力している若者がたくさんいることだと思います。
そして、そんな若者を支えてくださっている保護者の方、ご指導の先生、仲間...

これからの日本の音楽、日本の文化を創造していくのは、まさにそんな「若者たち」です。

彼ら彼女らの成長を大事に見守ってあげたいと思います。

もちろん、昨日、初めての全国大会で精一杯演奏した愛する教え子、津嶋悠太君のことも...

伸びゆけ、若い芽たち!

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| | 2015-12-17(Thu)20:13 [編集]