田川伸一郎のブログ

「縦のノリ」と「横の流れ」

今日は、埼玉県の小学校バンドにお伺いしました。
初めて伺う金管バンド編成の学校です。


顧問の先生は、ハキハキした、笑顔がとても素敵な女性の先生でした。

一緒にお話ししているだけで、何だかこちらの気持ちもウキウキしてくるような、「人に活力を与えられる」先生でした。



この学校のバンドは、課外の部活動として活動しています。
楽器が足りないため、入部してきた子どもたち全員に楽器がゆきわたるよう、他校や楽器屋さんからお借りするなど、ご苦労されていらっしゃるそうです。

他校の先生や楽器屋さんを大切にしていらっしゃるから、困った時に手を差し伸べてくださるのだと思います。


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先生と一緒に音楽室に向かおうとしていたら、子どもたちだけで合わせている『テルーの唄』が聴こえてきました。
まだ、練習を始めてさほど経っていない曲のようですが、とてもきれいに演奏しています。

音楽室に入り、あいさつもそこそこ、私の方から、
「今、演奏していたの、『テルーの唄』だよね。もう1回聴かせてくれる?」
「いいですよ~」と子どもたち。
部長さんの合図で演奏を始めてくれました。

楽器が「歌って」います。
子どもたちが、楽器で「歌って」います。


演奏が終わって...

「すばらしいね。みんなは、楽器で歌っているんだね。きっと歌もうまいんだろうね。」

ピアノをちょっとお借りして、弾き始めてしまいました。
『今月の歌』の『もみじ』です。


きれいな二部合唱が音楽室に響きました。
何も言わなかったのに、二部合唱なのです。


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「みんな、いつも練習の時に歌ってるの?」
「いいえ。」
「えっ!今の合唱は、歌いながら勝手に二部にしたの?」
「そういう感じです!」

参りました...

何の「指示」も「打ち合わせ」もなく、ピアノを弾いたら、あたりまえのように、二部合唱で『もみじ』を歌う子どもたち...

日頃の音楽学習での「収穫」が、「生活化」しているのです。

これだけ自然に歌が歌えるから、楽器で「歌える」のですね。



このバンドは、近々、コンサートで演奏する予定があります。
運動会のマーチングで発表した曲をそのままコンサートで使うそうです。

今日は、その曲のレッスンのご依頼でした。



運動会で使った曲を、コンサートにもってくる場合...

・全体的に、音を大きく出しっぱなし。
・硬く吹きやすい。
・曲の全部を「縦のビート」に乗って演奏してしまいがち。
・打楽器が、いかにも「マーチ」っぽい。
・・・・

など、直していかなければならないことがあります。



聴かせていただいた演奏も、やはりそのようになっていました。

そこで、今日は、「運動会っぽくなく演奏する」という「めあて」を決めて、そのことだけにこだわって練習しました。

・「縦のノリ」と「横の流れ」の表現を明確に分け、曲の部分による「メリハリ」をつける。指揮も同様に。
・静かに演奏する部分と元気に演奏する部分の「強弱の幅」をおおげさにつける。
・主旋律の伴奏(打楽器)のバランスを的確にとる。
・打楽器の奏法を変えて、「マーチ」が「ポップス」に聴こえるようにする。
・ステージ演奏が、より鮮やかに進むための「冒頭」「終曲」の時間の運び方。
・・・・



「横の流れ」の部分を感じとるために、立って、手を使って身体表現しました。

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楽器もリズムも替えずに、「マーチ」が「ポップス」に聴こえる奏法をアドバイスしました。

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「2拍3連符」が美しく「横に流れる」ように、音程をつけず、同じ音でリズム奏をして練習もしました。
指揮の仕方にも、「縦のノリ」と「横の流れ」の差をつけていただくよう、アドバイスしました。



「真面目に」、「正確に」、演奏していたこの曲に、子どもたちが「身体」から溶け込み、「縦のノリ」と「横の流れ」を感じながら演奏できるようになりました。

先生の指揮も、とてもすてきになりました。

「運動会で演奏した」とは思えない、別の曲のような表現になりました。



このバンドの子どもたちは、先生と同じように、「よく笑います」。
先生と同じように、「ハキハキ」しています。
先生と同じように、「パワー」があります。

先生が与える「活力」によって、みんな生き生きしています。

すてきな笑顔です。


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練習後、コンサートで「演奏者とお客様がひとつになれる演出や指揮者の動き」についてもアドバイスさせていただきました。

コンサートでの演奏が楽しみですね。


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これからも、「笑顔」を大切に、「楽器で歌える」すてきな演奏を続けてください!

お招きいただき、ありがとうございました。













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