田川伸一郎のブログ

授業&吹奏楽に汗した日

今日は、茨城県の小学校にお伺いしてきました。
はじめのご依頼は、吹奏楽の指導だったのですが、先生の「強い願い」にお応えし、6年生の授業にもかかわらせていただくことになりました。


3月以来、久しぶりの授業でした。
私にとっては、退職後、初めての「授業記念日」です。



6時間目、6年生約90名と出会いました。

音楽室で待ち構えてくれていた子どもたちは、とてもすがすがしく、さわやかな印象の子どもたちでした。
立ってあいさつすると、私より大きい子が何人もいました。
あいさつの声も、大きく張りのある声でした。

何気ない話をしている中で、すぐに、「この子どもたちと音楽ができる」という喜びでいっぱいになりました。

はじめに歌ってくれた『世界にひとつだけの花』...何ともいい表情、そして柔らかくいい声でした。
大きい男の子も、笑顔で、体を揺らして歌っていました。


「具体的に」たくさんたくさんほめた後、本時の内容である『星の世界』の三部合唱にうつりました。

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この曲も実に良い声、良い顔で歌ってくれました。

しかし、音程がちょっと...
三部がきちんとハモっていませんでした。


子どもたちも、「できてません...」と。
よくわかっています。

まずは、黒板に向かって縦に並んでいた並びを「コの字型」に並べ換えて...
互いのパートが、きちんと聴き合えるようにしました。


少し練習していたら、「変声期」の男子が、各パートの中で、「何となく」下げた音程で歌っていることがわかりました。

6年生のこの時期からの合唱指導では、避けて通れない「壁」です。

こんなこともあろうかと、前もって準備していった「男声パート」のための「2音だけのメロディー」を全員で練習し、その後、「変声期」っぽい男子を集めて声を聴きながら指導しました。

「裏声」でも高い声で歌いたい子は、戻してあげて。

全体で、4つのパートに分かれた合唱となりました。


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各パートの代表数名ずつの「四部合唱」を全員で聴いて、意見を言い、もう一度チャレンジして表現を高め、それを全体の歌に返していきました。

最後に、全員で歌った「四部合唱」は、「変声期男子」の「何となく」ではないきちんとした音程が支え、なぜか他のパートの音程も定まり、とても美しい響きになりました。

すばらしかったです!

授業のまとめに、また、たくさんほめ、子どもたちに言葉を残しました。

体も心も成長し、大人に近づいていくということは、しらけていくことではない。
君たちのように、いっそう生き生きしていくことだ。
かっこつけて、しらけたふりして...それは違う。
今の君たちのまま、卒業まで歩んでほしい。
そして、大人になっても、そんな生き生きした姿でいてほしい。
君たちと過ごした45分間は、僕の一生の中では、ほんのわずかな「瞬間」でしかないかもしれないけれど、そのわずかな「瞬間」が、僕にとっては、とてもすばらしい宝物になりました。
と...


伸びやかに、子どもらしく、けじめもあり、生き生きはつらつとした6年生たち...

担任の先生方のすばらしい学級経営、そして音楽の授業の充実によって、子どもたちがとても「健康に」育っていることを嬉しく思いました。


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久しぶりの音楽授業を、こんなさわやかな子どもたちとできたことは、最高に幸せでした。

6年生の皆さん、ありがとう!
こんなすばらしい機会をくださった先生方、ありがとうございました!





そして、放課後は吹奏楽部の練習です。

今日は、私のレッスンということで、校長先生や保護者の皆さんのご理解の元、夕方4時から夜7時半までの練習でした。


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このバンドは、小学生には、技術的にも音楽的にも難しい曲に取り組んでいました。

そして、驚くことに、かなりの水準で、「楽譜」が「音」になっていました。



しかし、残念なことに、「楽譜を音にする」だけで精一杯で、「音楽」としての説得力はまだ足りない感じでした。

ここまで演奏できるのですから、このままではもったいないと、「表現」を中心にレッスンしました。

「表現」するためには、「思い」が必要です。
しかし、子どもたちは、この曲の「大人っぽさ」ゆえ、まだ十分理解できず、曲の「意味」に合った「思い」を持てない様子でした。

このような時には、「いかにして、この曲の意味を子どもに伝えるか」ということが指導者の大切な仕事となります。

少なくとも、指導者が選んだ曲なのですから。



先生がこの曲の中で、一番「何とかしたい」と思っていらっしゃる部分からレッスンを始めました。

・フレーズの意味
・わずか2小節の間に変化する感情、そしてそれを表現する方法
・「重力」を伴ったハーモニーの表現の仕方
・身体で、「感情」を表現すること
・先生の指揮で表現するのではなく、自分から表現すること
・・・・・



どこかのパートの「課題」であっても、全員でそれを共有し、感じ、身体で、手で、声で、表現して、フレーズの意味を「感覚的に」理解していきました。

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大切なフレーズを演奏する「数名」や「ソロ」の子どもは、立って、「意思をもって表現し切る」練習をしました。
「ただ、間違えずに吹けばいい」ではなく。
特に、ホルンは、ひとりで何度も何度も挑戦し、とても立派なソロになりました。
途中で逃げ出さず、偉かった!!


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曲の何箇所かで深い「表現の耕し」をした後、私の指揮で、全曲通して演奏しました。
音楽が動き始めました。
細かく指導しなかった箇所も、私が伝えているものを感じて、表現しようとしていました。
真っ暗になるまでがんばった3時間以上にわたるレッスンで、子どもたちが「表現しようとする」エネルギーを外に向けられた演奏でした。
先生も私も、とても感動しました。


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・「楽譜を正しく音にする」だけでは「音楽」にはならないこと。
・「人の心に届く音楽」にするには、まず自分がその曲を「死ぬほど」好きになり、何が好きなのか、どうして好きなのかをはっきりさせなければならないこと。
・楽器で演奏する以前に、「歌ったり、身体で表現したり」して「どう表現したいのか」を「思い」として持たなければ楽器では演奏できないこと。
・先生は、「自分」の「思い」も子どもに伝え、子どもたちが何かを感じる「素」を持たせてあげなければならないこと。



このすばらしいバンドが、ますます成長するために、どうしても「必要なこと」が、わかっていただけたのではと思いました。

先生と子どもたちの、「これからもっと練習して、もっとすごい演奏にしていきたい!」という気持ちの高まりが嬉しかったです!



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2月の定期演奏会に向けて、「最高の音楽」をつくりあげていってください!



2時半から7時半までの約5時間、授業と吹奏楽に、大汗をかいて取り組みました。

でも、後に残ったのは、「疲れ」ではなく、「すがすがしさ」だけでした。

子どもたちと先生の「うれしそうな笑顔」が、心に残ったからでしょう。

またいつか、お目にかかれたら...


お招きいただき、ありがとうございました。




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廊下で見かけたかわいい「パンプキン」









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