田川伸一郎のブログ

第47回日本吹奏楽指導者クリニック

先週の金曜日から日曜日まで、浜松で開催された「第47回日本吹奏楽指導者クリニック」に行って来ました。

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会場のアクトシティ浜松です。

小学校では、この時期に運動会がある学校も多く、重なって参加出来なかった無念の先生方も多いのでは?

近年は、新採の先生も増え、若い指導者を多く見かけるようになったなぁと感じます。
初めて吹奏楽部の顧問になったという先生も多かったようです。

どちらかと言うと、小学校より中学校・高校の先生向きという印象も否めませんが、バンド活動は、地区によっては小学校ではほとんどされていない場合もあるので、そうなるのも当然のことです。
でも、小学校の先生も知っておいた方が良いという講座もたくさんあり、やはりこのクリニックは考えに考え抜かれていると思いました。
日本で、最大のクリニックだけあり、講師の先生方も一流の方々ばかりです。

あえて最前面には出ていませんが、ヤマハさんのお力が大きく働いていることは言うまでもありません。

今回のプログラムです。


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今年も、特に大井剛史先生の指揮法講座ではたくさん勉強させていただきました。

・指揮の究極は、いかに自分が引き出したいものを奏者から引き出せるか。(言葉ではなく)
・指揮棒の選定のポイント(重さのバランス、自然に見える長さ)
・予備拍は、必要最小限に。ただし、マーチの場合は、2拍が良い(ただし、1拍目は小さく)
・アッチェレランドの場合は、指揮の図形を小さくしていく、リタルダンドの場合は、指揮の図形を大きくしていくとよい。
・常に、アイコンタクトで奏者とコミュニケーションを取る。
・練習中、曲の途中から始める場合も、無言で指揮で始める習慣をつけること。いつも掛け声(サン・はい!のような)をかけていると、指揮を見ない習慣がついてしまう。
・左手は、無駄に動かし過ぎない。必要な時にこそ使う。
・スーツのボタンは閉める。服が揺れて、打点が見にくくなる。
・振り始める前に、一瞬止まる瞬間をつくり、緊張感を生み出すこと。
・ゆっくりの部分では、常に音楽が前に進むように、八分音符をイメージし続ける。
・次に出るパートを見る。位置によって、棒の高さも変える。
・何かを伝えたい時(強弱など)、腰からではなく、棒で伝える。
・指示は、先に伝える。音が出てからでは遅い。
・姿勢はいつも良く。
・引き出そうとする音楽を後頭部で感じて、それを手から出す。(お腹や腰で感じない)
・指揮者から出る「赤い糸」が、ピンと張ったまま奏者に伝わるように、そのためにも、奏者と良い距離感を作る。
・吹奏楽の曲は、大きい音の指示が多い。ppが無い曲もある。それでも、曲の中に一番小さい部分を作ること。
・曲の中で、一番大きい部分と一番小さい部分をしっかり作る。
・pとppの違いを明確に振り分ける。
・指揮者が力を抜けば、f が開放的になる。力を入れると硬くなる。
・曲の振り始めは、絶対に下を見ない。
・・・・

当たり前のことと思いつつも、つい忘れてしまっていることもあり、反省しました。

中村俊哉先生の基礎合奏講座では...

・調によって、その音が持つ色合いが変わる。
・ただの音階であっても、それにまとわり付いているハーモニーを感じると、ニュアンスが変わる。
・音階も、主音への達成感、属音の「半分来た感じ」など、音から音への移動の気分を味わいながら演奏してほしい。
・奏法チェック(マウスピースでの発音)の時にも、単音ではなく、鍵盤楽器でハーモニーを付けてあげると、精神的に楽になる。
・カデンツは物語。Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰの、始めのⅠと最後のⅠは、思いが違う。
・常に純正律が必要なわけではない。長い音符は純正律が良いが、他は平均律で構わない。
・基礎合奏を音楽的にやっていれば、曲の表現に結び付きやすい。
・・・・

うんうん、そうそうと思いながら、納得するお話が多く、とても良かったです。


小学校コースの「音楽表現法」の講座では、近江博幸先生の講習の内容もさることながら、モデルバンドの富山県砺波市立出町小学校が最後に演奏してくれた『ドラコンの年』にびっくり。
朝の5時に富山を出て来たとは思えないほど、午後の眠くなる時間にピリッとした態度を持続し続けた子どもたちだけある、よく躾けられ、訓練された演奏でした。

様々な講座での勉強の他に、豪華なコンサートが多いのも、このクリニックの魅力です。

・オープニングコンサート
  出雲北陵高等学校吹奏楽部
・ウェルカムコンサート
  北斗市立上磯中学校吹奏楽部
  出雲北陵高等学校吹奏楽部
・イブニングコンサート
  国立音楽大学ブラスオルケスター
  航空自衛隊航空中央音楽隊
・ファイナルコンサート
  鹿児島県 明和☆武岡台合同バンド キッズブラス南風
  常総学院高等学校吹奏楽部
  ヤマハ吹奏楽団


手前味噌(?)になってしまうかもしれませんが、上磯中学校の演奏は、連休のレッスンで聴かせていただいた時の演奏からまた進化し、とても柔らかいサウンドで、それぞれの曲の持ち味を歌い切り、しかも中学生らしい爽やかさに溢れた感動的なものでした。
大曲の『鳳凰~仁愛鳥譜』や、ラフマニノフの『交響曲第二番・第3、4楽章』は、春休みから練習を始めたものです。
短期間の練習でよくぞここまで仕上げられました。
翌日、中條淳也先生が講師を務められた上磯中学校の「日常練習の公開」では、会場が受講生で溢れ、立ち見の状態で受講するほどの盛況ぶりでした。
中條先生の温かいお人柄も良く出ており、小学校とのつながりの深さ、恵まれた音楽活動が出来る北斗市の環境に、受講生の方々からため息すら出ていました。
コンサートだけでなく、講座のモデルを3講座こなし、10数曲の曲を春休みからの1ヵ月半で仕上げ、3泊4日の慌ただしい日程を最後まで元気に成し遂げた「スーパー中学生」の上磯中学校の皆に拍手です。
ちなみに、コンクールの曲は、まだ課題曲も自由曲も決まっていません。(事実です...これから考えるそうです...)

鹿児島県から参加してくれた「キッズブラス南風」の皆さんは、このイベントのためだけに「にわかバンド」を作ったわけではなく、もう2年前ほどから、時折、合同バンドの活動をされているそうです。
合同とは思えないほど自然な一体感、仲が良さそうな雰囲気は、長い時間をかけて育まれたものであることがよくわかりました。
中学生、高校生、大人の演奏が続くない、元気いっぱいの小学生たちの演奏は、会場の方々を思わず笑顔にする「子どもパワー」を持っていました。


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緒形まゆみ先生のリトミック講座は、今年ももちろん大人気!
受講後の先生方の笑顔がキラキラしています。
楽しかった~! 子どもたちとやりたい~っ! と先生方。
緒形先生、先生方にたっぷりのパワーをありがとうございました。



3日間、全国から、あるいは海外からも、本当に多くの吹奏楽指導者が集まり、学び、交流し、感動し...
これだけのすばらしいクリニックを準備・開催されるクリニック委員会の先生方、スタッフの皆様のご苦労はいかばかりだったことでしょうか。
心から労い、敬服し、感謝いたします。

本当に本当にありがとうございました。


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                  ランチは、やはり餃子でした...


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| | 2016-05-23(Mon)20:40 [編集]