田川伸一郎のブログ

都小音研「中央Aゾーン大会」に向けて

昨日は、東京都中野区の小学校にお伺いさせていただきました。
平成28年度東京都小学校音楽教育研究大会「中央Aゾーン大会」に向けての事前研究会の講師としてのお招きでした。


昨年度は、「青梅ゾーン」が公開担当ということで、私はその歌唱分科会の講師として、1年間、先生方と共に勉強させていただきました。
今年度は、来年1月20日に開催される「中央Aゾーン(新宿区・中野区・杉並区・武蔵野市)」が主管して開催されます。

私は、中野区からの「研究演奏発表校」の助言者という立場を仰せつかり、当日の発表に向けての研究の助言をさせていただくことになりました。

「研究演奏」というと、何か事前練習したものを、当日、演奏すればよいという、「音楽会」に出るような少し簡単なイメージを持ってしまいます。
しかし、「研究演奏」という限り、教師からの一方的な指導で完成した演奏を発表するのではなく、そこに至るまでの「過程」の研究がとても大切になります。

私と発表者の先生、そして、中野区の先生方のお考えは見事一致し、「授業研究」を重ね、その延長線上にある「演奏」を目指そうということになりました。

発表校には、課外の管楽器クラブがあり、管楽器が子どもたちにとってとても身近な存在になっているという利点を生かし、管楽器を取り入れた6年生全員での演奏を発表することになりました。

都小音研の研究主題は、『つながる 深まる 音楽する喜び』
中央Aゾーンの大会主題は、『子供が音楽で輝くとき』


もちろん、「研究演奏」もこの2つの主題の具現化に向けて進められます。

そして、昨日が、第1回目の授業研究でした。

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題材は、『曲想を感じ取って表現しよう』 教材は、「おぼろ月夜」でした。

合唱で学習した「おぼろ月夜」を、主旋律+3声部のコラール風にアレンジされた楽譜を使い、管楽器を加えて豊かな響き、音の重なり合いの美しさを感じながら演奏するという内容でした。

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まずは、二部合唱で歌います。 素直な良い発声で表情豊かに歌っていました。

そして、前時までに2時間かけて譜読みをしてきたという四声体のパートをそれぞれのパートごとに練習しました。

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よく協力し合い、教え合い、少し難しい内声や低音のパートもずいぶん正確に演奏出来ていました。
たくさん練習時間を取ってきたわけではないのに、立派です。
管楽器クラブの子どもたちが、よくリードしていました。


そして、それぞれのパートを互いに聴き合う時間を取りました。

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そして、いよいよ全員で合奏です。
前時までには、一度も合わせたことがないとのこと。
先生の拍打ちに合わせて挑戦です。

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初めてとは思えないほど、各パートが乱れず、きちんと演奏出来ました。
子どもたちから、「すばらしい!」「出来た~」と声も上がりました。

先生は、「合唱で学習したフレーズ感や曲の抑揚を生かして」と表現の工夫へのアドバイスを加え、さらに数回演奏して本時の学習は終わりとなりました。


授業の後は、先生方での協議会でした。

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協議の中では、子どもたちの学習活動や能力の高さ、先生の日頃からの指導の積み重ねの成果の表れなど、多くの称賛があり、また、考えていくべき課題やそれに対する克服のための意見も出され、大変有意義な協議が進みました。

・「音の重なりの美しさを感じた」という実感は、児童のどのような反応や言葉で評価できるのか。
・「音の重なり合いの美しさ」を感じさせるための手だてはどうしたらよいか。
・「溶け合った音色」というのは、実際どういう音色のことか。
・管楽器と教育楽器をコラボする時に、管楽器が中心的存在になったり、他の楽器との価値の違いを生んだりしないためには、どのような配慮が必要か。
・「協働的な学び」の工夫を、合奏指導の中でさらに深めるにはどのようにしたらよいか。
・管楽器と教育楽器を合わせる時の「調性」はどのようにしたらよいか。

どの課題も、それに対する「私の場合は~」のご意見も、私自身が「うんうん」とうなずける内容が多く、先生方の学びの高さを感じました。

私も話し合いに加わり...
・「溶け合った良い音」とは、Aという楽器とBという楽器がバランス良く響き、AでもBでもない音色が作れた状態(ブレンド)、または、Aという楽器だけでは出せない音色にBが少し加わることで、Aの音色がより魅力的に聴こえる状態。
・「音が重なり合った美しさ」は、全体的な美しさと共に、「ここがいい!」と具体的な箇所を児童が指摘できるほど具体的に感じ取らせたい。
・コラール風のアレンジは、児童には難易度が高いが、主旋律と一パートを重ねて演奏する過程を組み入れることで、内声部や低声部の働きがよりよくわかったのでは。
・本時は、曲想表現の工夫に入らず、もっともっと「音の重なり」だけに焦点を当てて、学習を進めた方が良かったのでは。
・児童が、自分のパートの楽譜しか持っておらず、四声体のスコア(管楽器も含まれているので、実音で書かれた楽譜でよい)を持たせることで、他のパートの動きを視覚的に理解出来たと思う。
・管楽器の良さ、教育楽器の良さ、両方を合わせた良さが、共に感じられる教材(アレンジ)や調性の選択が教師の使命。
・・・・

などの意見をお伝えしました。


来年の1月に向けて、先生と子どもたちが、「過程を大切にした学習」の中で、より良い演奏につなげていけるよう、私も中野区の先生方と共に歩んでいきたいと思います。

先生が一方的に指導して作り上げた「音がよければ全て良し」の演奏ではなく、そこに、子どもたちの「思いや意図」が生き、先生と子どもたちの「協働学習」、子どもたち同士の「協働学習」が進められた上での演奏を求めて...


豊かな学びの機会にご一緒させていただけることをうれしく、また、光栄に思います。

中野区の先生方、演奏担当校の先生、子どもたち、がんばって参りましょう!

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| | 2016-06-09(Thu)20:38 [編集]