田川伸一郎のブログ

熊本県天草から

先週の金曜日から昨日まで、熊本県天草市にお伺いさせていただきました。

天草には、毎年、1~2回お招きいただいています。

昨年度は、お付き合いさせていただいている天草市立本渡中学校吹奏楽団が、天草から初めての全日本吹奏楽コンクールに出場、本渡南小学校吹奏楽団が、初めて日本管楽合奏コンテスト全国大会に出場と、すばらしい成績を挙げられました。

天草は、吹奏楽がとても盛んな地区で、小学校・中学校・高校、そして、一般バンドと、家族で吹奏楽に親しんでいる家庭も少なくありません。
私も、小学校、中学校、高校にお招きいただいているおかげで、高校には小学校3年生から教え続けている生徒さんもいるほどです。

天草へは、熊本空港・福岡空港から「天草エアライン」で20~30分で移動することが出来ますが、欠航の場合は、熊本からバスで3時間位かかってしまいます。
毎回、天気にはドキドキです。
今年は無事セーフでした。

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リニューアルされた機体でした。少しゆったりした機内でした。

熊本空港には、こんなコーナーもありました。

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「早く元の生活に戻れますように」「熊本を離れることになりましたが、これからも元気に生活出来ますように」
被災された方々や応援のメッセージがたくさん書いてありました。


天草エアラインから見た熊本市内の風景は、まだまだブルーシートの屋根がたくさんでした。
地震からの復興はまだこれほど進んでいないのだということがよくわかりました。

熊本はもちろん、天草でも地震の後、3週間ほどは部活動も出来なかったとのことで、新年度がスタートした直後に活動がストップしてしまった影響は大きいようです。

見学しに来られた熊本市内の先生の学校は、5月の連休明けまで授業が再開出来ず、学校は避難所になって、先生も避難所職員として働いておられたそうです。
また、恐怖の気持ちが抑え切れず、数日間。車中泊をされていたとも。
授業の欠けた部分は、7時間目や夏休みを減らして埋め合わせるそうで、生の声を聞いて、分かることもたくさんありました。

1日も早く...と願うばかりです。


今回は、小学校3校、中学校1校、高校1校の5校にお伺いさせていただきました。


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天草で最も長くお付き合いさせていただいている小学校です。たぶん12年目くらいになると思います。
昨年度は、部員数も少なく、とても苦労されていましたが、今年度は4年生が数多く入部し、部員が増えました。
6年生は、去年の苦労が実り、皆、とても上手です。
4年生も、やる気満々で、ずいぶん音が出ていました。
その分、逆に音程が定まらなかったり、音色が溶け合わなかったりという問題点もありましたが、今は少々目をつぶって、どんどん吹かせることが何よりの進歩の道だと思い、励ましつつ吹かせました。
子どもたちの実態に合ったとても良い曲『ロビンソン・クルーソー』(アッペルモント作曲)を選んで練習しているので、皆、乗り越えられそうなハードルを前に、力一杯前進している様子がわかり、何より明るい雰囲気を持っていることがうれしいです。
その力一杯が演奏のアンバランスにならぬよう、それそれの役割を生かしたバランス調整や音形を中心に勉強しました。
今の調子で目の前のハードルをどんどん乗り越えていきましょう!



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昨年度、日本管楽合奏コンテスト全国大会で東京遠征も果たしたバンドです。
力のあった6年生を送り出し、去年以上に難しいバレエ音楽『青銅の騎士』を選曲し、楽譜が届いたと思ったら、地震のために練習が3週間ほど中止...
今回のレッスンを目標にして、大変な苦労を乗り越え、譜読みをし、音を並べて来られたそうです。
前日のお食事会の時に、「まだちゃんと通したことがないんです。通せないんです。田川先生が聴かれたら、倒れてしまうかもしれません。ごめんなさい。本当に大変で・・・」と先生からお話を聞き、覚悟して伺いました。
でも、思ったとおり、そんなおかしな演奏ではありませんでした。むしろ、とても上手で倒れそうになった位です。
♯がたくさんついている調号の部分があり、そこはさすがにまだ読み切れていない感じもありましたが、それ以外は、譜読みも正しく、よく努力した過程が見えるようでした。
まだ決まっていなかったカットもレッスンの中で試し、無事に決定しました。
今回は、4年生はまだレッスンに参加出来ず、楽譜に書き込みをしながら見学していましたが、たくさん書いていることにびっくりしました。偉かった!



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こちらの小学校には、昨年の秋に初めてお伺いさせていただきました。
管楽器ではなく、リード合奏の部活です。
先生は、子どもを育てるということについて、とても強い信念を持って教育に当たられている方です。
子どもたちひとりひとりを見る確実な眼を持ち、努力するということを音楽を通して徹底して子どもたちに伝えられています。
今年の曲は、『バッカナール』(サンサーンス作曲)です。管弦楽の曲をこの器楽合奏の編成で演奏しています。
十六分音符が並ぶテーマを鍵盤の上を子どもたちの指が駆け回るごとく動きます。
ピアノを習っている子どもはほとんどいないという中、子どもたちは、鍵盤を見なくても、跳躍の音程も指が覚えていて弾いています。
無心にひたすら指揮を見て演奏する子どもたち。わずかなアドバイスで演奏は変容します。
この集中力と音楽へのひたむきさはどこから来るのでしょう。
休憩時間になると、普通のかわいい子どもに戻って、「田川先生、サインください!」と楽譜ファイルを持って行列が出来ます。
私は、何度も、「この子たちは、神の子」と先生に申し上げました。
「魂の教育」、「魂の音楽」に触れさせていただき、心から感謝いたします。



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さすが昨年度、全日本吹奏楽コンクールに出場しただけあって、気合いは十分、目指す方向がしっかりと定まっている中学校バンドです。
課題曲の「マーチ・スカイブルー・ドリーム」のあまりの素敵さに涙が出そうになりました。
作曲者は、きっとこういう演奏をしてほしかったんだろうなというほどの演奏でした。
旋律に歌がある、リズムに軽やかさがある、ハーモニー感を大切にしている...言葉ではうまく表現できないのですが、心にしみるほどの演奏でした。
なぜかMaxの音量が物足りなく、ステージに上がったら、こじんまり聴こえるのではと、ダイナミクスレンジを広げる練習や、より雄大感のある演奏を目指してレッスンさせていただきました。
自由曲は、バッハの『シャコンヌ(無伴奏パルティータ)』です。
こういう曲を選ぶのは、本当に勇気のいることですが、演奏を聴かせていただき、先生の音楽的信念や、それを受け止めバッハの音楽に精神を入り込ませて演奏している生徒さんたちの姿に心から感じ入りました。
ハーモニーのバランスや曲の流れの中でのメリハリ、かつ違和感のない表現に気をつけながらも、この名曲を自分たちだけの宝物として作り上げてほしいと願いつつ、アドバイスさせていただきました。
今年も名古屋のホールで聴けたら...と願いながら。



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オーボエと作曲がご専門のお力のある先生の元、活気ある活動を続けている高校バンドです。
このバンドは、数年前には、顧問の先生が1年ごとに代わった時期もあり、その頃はまだ人数も少なかったのですが、今の先生になってからは、部員もどんどん増え、地元の中学校での経験者(そして、多くが小学校からの経験者です)が多数入るようになり、どんどん力も上がって来ました。
進学校でもあり、補習や課外授業等で、なかなか練習時間を多く確保できないようですが、短い時間を最大限に有効利用し、若い先生の力と部員たちの力ですばらしい音楽を奏でていました。
先生の指揮も、毎年毎年どんどん向上し、背中にもすごいオーラを感じさせるようになりました。
生徒さんたちがそれをもっと感じて演奏できるように、口先や指先で音楽するのではなく、身体で、心の底から音楽するよう、歌ったり動いたりと、様々なトレーニングをしました。
今年の自由曲は、何と『フェスティバル・バリエーション』(スミス作曲)です。
スコアが送られてきた時に、「大丈夫ですか?」と思わず、先生に確認してしまいましたが、先生は、生徒たちの力を信じて、ひと夏の挑戦をしたいと強い決意を伝えておられました。
その決意どおりの演奏...見学に来られた先生方もびっくりしておられました。
ひと夏の挑戦...心の底から応援しています!




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天草の温かく、そして、熱い先生方です。
楽しい夕食会では、あっと言う間に時が経ってしまうほど、音楽の話、子どもたちの話で盛り上がりました。
私は、ただただ先生方の勢いあるお話をうんうんと聞いているばかりでした。
みなさん、子どもたちが、音楽が、大好きで大好きで仕方がない先生方なのです。
こんな素敵な先生方に出会えた子どもたちは、本当に幸せです。
もちろん、私も。



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美しい天草の海と、とろけるような美味しさのウニ丼でした。 こんな贅沢な昼食、ありがとうございました。


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「先生、お帰りの飛行機は何時ですか?」と聞いて、毎回のように天草空港までお見送りに来てくれる中学生のみなさん。
とってもとってもうれしかったです。
空港まで連れて来てくださる保護者の皆様にも感謝いたします。


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「天草最高!」...本当に最高の3日間でした。
またお会いしましょう!

先生方、子どもたち、保護者の皆様、本当にありがとうございました。



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| | 2016-07-05(Tue)20:56 [編集]