田川伸一郎のブログ

神奈川県の小学校バンド

3日間のお盆休み明けの昨日は、神奈川県の小学校にお伺いして来ました。
心配していた台風も夜中のうちに過ぎてくれて、朝からいいお天気、そして、暑かった!


子どもたちもお盆休み明けて、第一日目の練習日です。
でも、ボーッとした感じなど全く無く、ピンと張った空気とやる気に満ち溢れた表情の子どもたちが待っていてくれました。

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このバンドの学期中の練習時間は、「朝の10分だけ」という驚異的な短さです。
そして、土曜やたまの日曜日に、まとめて練習。
学校のシステム上、吹奏楽部の子どもだけが早く登校して練習することが出来ないそうなのです。
だから、一般児童と一緒に登校して、音楽室にダッシュ。 わずか10分の練習の積み重ねが、信じられないほどのたくましい音と数々の実績を生み出しています。

部員は、3年生から6年生までの100数名という大世帯です。
3年生は、さすがにまだまだ「見習い選手」で、コンクールには出場しません。

4年生~6年生までの中で「コンクール出場を希望する部員」でコンクールに出場します。
「塾や習い事、家の用事などを優先させたい部員」は、コンクールには出ません。

コンクールに出る以上は、「練習優先」で活動出来るメンバーでチームを組むのです。
これには、本人というより保護者の多大なるご協力が必要だと思います。

「練習優先」のメンバーたちなので、いつも「歯抜け」で練習にならないということがないのがとてもいいです。
今年のコンクールメンバーは、60名ほどです。

昨日は、もちろんコンクール曲の練習のお手伝いでした。

指揮者の先生は、まだ20代半ばの若い先生です。
この学校には昨年度からいらっしゃいましたが、コンクールの指揮は初めてです。
でも、抜群の吸収力、そして、謙虚さがあり、まず先生が熱心に勉強されようとします。
その姿を見る子どもたちは、もちろん、吸収力の塊のようなエネルギッシュな姿勢です。

私の発する一言一言に、ものすごい気合いの「ハイッ!」...その「ハイッ!」には先生の声も一緒です。
先生は、子どもたちが注意された時も、その子どもたちと一緒に「ハイッ!」と返事をされます。
子どもと同じ立場、同じ気持ちになって、先生が子どもと共にいるのです。


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曲は、原始的な曲想を持つ有名なオリジナル曲です。
豪快さや野性味も必要ですが、「爆音」やフレーズ感のない「音の羅列」も困ります。
常に皆が頑張ってしまう演奏も困ります。
冷静な判断が必要です。

そういった練習を中心に進めました。

各パートのバランスもとても大切です。
打楽器を多用しますが、かと言って、打楽器が出過ぎてはいけません。
打楽器セクション内のバランスにも配慮が必要です。
ちょっとしたアイデアで、演奏は格段に立体的になり、聴きやすくなります。

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擬音楽器の奏法も、「それらしくやる」工夫が必要です。

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何ということでしょう! 自家製「ログドラム」です。
角椅子を使って、作ったものです。
ちゃんと音程も2つ出ます。 裏に簡易共鳴管(紙コップ)を貼ってあります。
なかなかの良い音! びっくりしました。


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一度の休憩も取らず、3時間以上レッスンをし続けてしまいました。
子どもたちの集中力が全く途切れず、返事のテンションも落ちず、演奏は良くなる一方なのですから、つい「休憩」という感覚がなく、気づいたらそれだけ時間が経っていたのです。

日頃の練習時間が超短いので、長い練習時間の「ありがたみ」をよく分かっているのです。
だから、「時間の質」が向上するのです。

すごい小学生たちだなぁと感心。
そして、こんな子どもたちを育てている先生方には、さらに感心。

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最後のごあいさつにも、部長さんの長い感想が加わり、「語先後礼(わかりますか?)」で
マナー良くしっかりと。


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練習後のミーティングも、「強い中学校や高校」と変わらないほどの発言でした。
ただ、「今日は楽しくて良かったです」とか「今日教えていただいたことを今後の練習に生かしたいと思います」のような慣例発言ではありません。
もっと具体的な感想や反省が続きました。
「君たち、本当に小学生?」とまたまた驚き。 この意識の高さはどこから生まれるのでしょうか。


先生方からは、お褒めの言葉だけでなく、「注意されたことを書く時間の終わりがまずい。『さあ、そこに注意してやってみよう』と言われたら、すぐに書くのをやめて楽器を構えること。今日、何度か、全員がすぐ楽器を構えなかった場面がありました。注意書きの続きは、後で書けばいいんです。全体の動きにすぐ合わせること」と、ご注意のお言葉も。

注意されたことをどんどん書いていく小学生であるというだけでも、私は感心していたのですが、先生方はそれ以上の姿を目指していらっしゃいました。

指揮の若い先生は、「今日は、先生もたくさん教えていただき、勉強出来ました。これも、みんながいてくれるからです。みんながいてくれなかったら、田川先生のレッスンを受けることも、先生が指揮や演奏の仕方を直していただくことも出来なかった。今日、先生が勉強出来たのは、君たちのおかげです。だから、君たちに感謝しなきゃなあと思いました」とお話しされました。

若い先生が、これだけの話を通して「教育」が出来ることに、心から感動しました。

先生方も子どもたちも、みんなすばらしい!

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今年、子どもたちが決めたチームの「合言葉」は、「革命」だそうです。
何だかこわい感じですが、「昨年まで以上の演奏を目指そう」という意味だそうです。
3時間以上、練習に熱中し、どんどん演奏を変えて行った君たち、立派でした!
先生が、「君たちのおかげで先生が勉強出来た。だから、君たちに感謝しなきゃ」とお話しされましたが、それは、まず君たちが逆に思うことですよねっ。
こんなに熱心ですばらしい先生方がいるから、こんなにすてきな君たちに育ち、この1日にも出会えたのですよ。
君たちなら、わかっていますよね。
次にお会いするのは、ホール練習の日です。
ホールでは、全員でバランスや色彩感の勉強をたくさんしたいので、「個人的な課題」はそれまでにクリアしておきましょう!
みんなみんな、ファイト!


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| | 2016-08-18(Thu)19:47 [編集]