田川伸一郎のブログ

旭川から~8月~

この金曜、土曜の1泊で、北海道の旭川にお伺いして来ました。
先週の函館と同じく、全道大会に進んだ学校のうち、特にご希望のあった中学校、高校の2校の練習をお手伝いさせていただきました。


北海道では、もうすでに学校が始まっており、中学校では学校祭を控えて、放課後の時間はその準備に充てられ、なかなか練習時間の確保も難しいようでした。

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中学校B編成(35名以内)の部門で、地区代表に選ばれた中学校です。
こちらは、全道大会の翌日が学校祭ということで、17時までは学級での準備活動優先という厳しい条件の中で練習を進めていました。
今年度から顧問の先生が代わり、練習の仕方や要求度が変わった練習...でも、部員たちは、皆、先生のやり方にどんどん適応し、素直な態度で練習に取り組んできました。
先生も、皆、よくついてきてくれたとおっしゃっていた7月のレッスン。
そして、地区大会では昨年度つかめなかった全道大会への切符を手にしました。

レッスンのはじめに、「全道大会を前にどんな気分ですか?」と生徒さんたちに聞いたところ...
「緊張とか不安とかもありますが、楽しみでもあります。」
「ソロがあるので、上手く演奏できるようにがんばりたいです」
といった話をしてくれましたが、私が特に印象に、残ったのは、「複雑な気持ちです。地区大会の時に、落ちて悲しんでいる他校の人の姿を見ていて、私たちは全道に行けたけれど、私はせっかく音楽をやっているのに悲しんでいる姿は見たくないから...」という話です。
「他校に勝てた」と単純に喜ぶのではなく、落ちて悲しんでいる音楽仲間のことも考えている心に感動しました。
先生も、コンクールに向けての取り組みで、そういった話をしてこられたそうです。
「音楽は、勝ち負けのためにやるのではない」という大基本を伝え続けた結果、こんな気持ちになれる生徒が育ったのだと思います。

演奏を聴かせていただいたのですが、技術的な精度は7月より上がっていましたが、様々な注意の指摘に縛られて来ているせいか、曲の「命」を表現することからは少し離れ、冷めた印象を受けました。
もっと心の中から、もっと身体全体から、もっと自由に、もっとスピード感を出して、もっと積極的に、もっと曲に入り込んで、もっと熱く...と、「もっともっと」という思いで一杯になりました。

そこで、一度楽器を置いて、曲のイメージを声と身体で表現する活動をすることにしました。
こういった練習に慣れない部員たちでしたが、もじもじ始めた練習も、次第に勢いを増し、本気で声を出し、動き、ビートを共有し、楽しめるようになりました。

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私も、一緒に声を出し、動き...必死でした。
皆が生き生きしたタイミングで、楽器に移行です。

先生の指揮に合わせて演奏するのではなく、皆で輪になってアイコンタクトしながら集団アンサンブルです。

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声と身体の練習成果は、確実に出ました。
音楽が生き生きして、命を吹き返したようでした。
冒頭のゆっくりした部分からの全通しも、皆のアイコンタクトたっぷりのアンサンブルで豊かに表現出来ました。

先生も、「うちの生徒たちがここまでやれるとは...。全道までにまだまだ伸びますね!子どもたちの顔や姿を見て、これは子どもたちの中にしっかり落ちた練習だったと思いました!」と感動されていました。

練習時間が限られた中、少々マンネリ化してしまった練習、表現を縛ってしまう細かすぎるアドバイス...これだけトレーニングして来られたチームですから、これからは皆の内在する力を信じて、練習の積み重ねを放出する練習が最適です。

ほんの少しですが、お役に立ててよかったです。

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東川町立東川中学校吹奏楽部 (指揮 真部 卓先生)
演奏曲 「呪文と踊り」 (J.B.チャンス)

ビフォア・アフターのように変容したすばらしい取り組み方の練習でした。
地区代表としての責任を感じながらも、この名曲の「命」をキタラのステージで表現し切れるよう、心と身体を開放して演奏してください。
これまでご指導していただいたことに十分気をつけながらも、自発的なエネルギーに満ちた演奏で本番を終えられるよう、応援しています!
がんばれ!




高校も、もちろん学校が始まっており、特に3年生は進路との闘いも厳しくなって来ている中での練習の日々です。
全道大会を控え、気持ちも一つにホール練習に取り組む皆と、朝から午後まで一緒に本気の時間を過ごしました。

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練習に練習を積んだサウンドは、豊かに輝かしく響き渡っていました。
私は、客席から聴き続け、さらに演奏の質を上げるためのアドバイスを慎重に、詳細にさせていただきました。
特に課題曲『焔』は、スコアの読み込みと、客席に届く音と音楽を一致させるために、細かく分解しての各要素ごとの演奏の仕方を明確にしていきました。

ステージ上では分からない細部のバランスや音楽の向かう方向、音の軽重や厚み、アタックの変化...この曲の楽譜には、たくさんの情報が書き込まれています。
それをどう読み取り、解釈し、音として具現化していくか...むしろ、それ以上の余計な手の入れ込みは、かえって作品の色を変えてしまうようにさえ思えます。

先生と共に考え、皆で試し、スコアが立体的に見えてくるような演奏を求めて、昼食休憩はたった20分というほど時間を使い切って勉強していきました。

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スケルツァンドの「踊り」の部分は、歌や身体を使った練習で、よりリズミカルに...

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細部にこだわり、スコアにこだわり、演奏が変容していくことが、私も先生も部員の皆も楽しくて、時間が過ぎるのがあっという間でした。

自由曲では、曲想変化を豊かに、壮大な音楽の世界を繰り広げていけるよう、練習を重ねました。

朝一に聴いたサウンドが、午後にはさらに豊かに変容していきました。

今年の3年生は、1年生の時からのお付き合いでした。
高校からの初心者も意外に多いこのバンド...
この3年間の彼ら彼女らの成長の大きさに、じわ~っと感動の気持ちが広がりました。
お別れの時には、3年生ひとりひとりと硬い握手を交わしました。
本当によくがんばった皆でした。

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北海道旭川永嶺高等学校吹奏楽部 (指揮 吉川 和孝先生)
課題曲 『焔』
自由曲 交響曲第2番『キリストの受難』より (F.フェラン)

旭川凌雲高校から旭川永嶺高校に変わって初の吹奏楽コンクール。
今年も、全道大会に出場出来てよかったですね。
皆さんの活躍は、何もかも新しい学校の歴史の第一歩です。
全道大会では、その第一歩にふさわしい誇りを持って演奏してください。
ものすごい集中力とチームワーク、コミュニケーションで取り組んだホール練習に感動しました。
あとて数日間、先生と皆の音楽がさらに凝縮していきますように...
がんばれ!


この2校の他、惜しくも全道大会へは進めませんでしたが、「日本管楽合奏コンテスト全国大会」出場を目標に、さらに練習を続けている中学校にも激励に伺いました。
地区大会でのショックからしっかり立ち上がり、笑顔でテンション高い練習に取り組む部員たちの姿を見て、「みんな強いなぁ。ほんとに立派だなぁ」と感心しました。
そんな生徒さんたちを育てている顧問の先生を心から尊敬します。

次に旭川にお伺いするのは、いつになるか、まだわかりません。
雪の季節かなぁ。
豊かな緑と涼しい風に包まれて、心の中も大きく豊かに広がりました。

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全道大会でのご健闘を心からお祈りしています。
良い演奏を...

お招きいただき、ありがとうございました。


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| | 2016-08-28(Sun)12:28 [編集]