田川伸一郎のブログ

オホーツクから

先週の金曜日から昨日まで、北海道のオホーツク方面にお伺いさせていただきました。

羽田から向かったのは、女満別空港でした。

私は太陽と爽やかな風に迎えてもらいましたが、この地区は、先日、3回の大雨に見舞われ、名産の「玉ねぎ」の畑も多くの被害を受けました。
川の増水も怖かったと、特に被害が大きかった常呂川近くの先生は様子をお話しされていらっしゃいました。
私も、テレビで見ながら、ずっと心配していました。


ここ数年、オホーツク地区には、毎年、7月の終わりにコンクール前のレッスンにお伺いしていましたが、今年は、私のスケジュールの関係で、ご依頼にお応えすることができませんでした。

先生方は、「コンクールだからということでなくとも」ということで、今回のレッスンをご依頼くださり、お伺いさせていただいた次第です。

小学校では、「吹奏楽コンクール」だけでなく、まだ「小学校バンドフェスティバル」や「スクールバンドフェスティバル」など、大きな本番もありますし、中学校でも「マーチングコンテスト」に参加する学校もあります。

オホーツク地区は、吹奏楽連盟の区分けでは「北見地区」となりますが、この地区はバンド活動が盛んで、特に小学校のブラスバンドは、本格的な「ブリティッシュスタイル」を目指した活動をしており、私も先生方から大変勉強させていただいています。

今回のレッスンでは、単独の学校もありましたが、「合同バンド」を組んで「小学校バンドフェスティバル」を目指すチーム、そして、「マーチングコンテスト」に向けて練習を進めている中学校と、様々な形があり、私も楽しみでありながら、果たしてお役に立てるのかと心配しながら向かいました。

ワクワクドキドキの遠征でした。

単独レッスンを受けられた小学校2校と中学校1校、そして、合同バンドとしてレッスンを受けられたチーム2チームの練習の様子をご紹介いたします。


IMG_0001_convert_20160916213427.jpg

IMG_0002_convert_20160916213544.jpg  IMG_0051_convert_20160916214117.jpg
 
IMG_0025_convert_20160916213739.jpg  IMG_0040_convert_20160916213842.jpg     

IMG_0053_convert_20160916221841.jpg
吹奏楽コンクールでは、力を出し切れなかったという先生の残念なお気持ちを伺いながら学校に向かいました。
今回のレッスンは、そのコンクール曲をもう一度深め、「スクールバンドフェスティバル」で今年最高の演奏をしたいという願いをもって希望されました。
3年生から6年生までで22名という少ないメンバーですが、学校に到着した時には、自分たちでしっかり基礎合奏を進めている音が聴こえていました。
曲の練習では、場面ごとの音の形や正しいアーティキュレーション、強弱の幅、フレーズの感じ方など、細かく見ていきました。
一度の休憩もないのに、全く集中力が落ちない、まっすぐに私を見つめる眼、同じ個所を何度も繰り返して練習しても飽きる雰囲気がないこと...技術や音楽の力だけでなく、精神的な強さを感じました。
もちろん、演奏は鮮やかに変化していきました。
ちょっとだけと見学されていた校長先生も、ちょっとではなく最後まで見学し続けてくださり、子どもたちの変容に感動されていました。
練習の後、顧問の先生が、子どもたちの前で涙をこぼされながら、感想をお話しされました。
私が、「先生の涙の気持ちがわかる人?」と尋ねると、全員の子どもたちが手を挙げました。
優しい心が育っているんだな。いや、先生が優しい心を育てているんだなと感動しました。
きっとコンクールからずっと成長した演奏を発表できることだと思います!



IMG_0007_convert_20160919131833.jpg

IMG_0009_convert_20160919131910.jpg  IMG_0010_convert_20160919131930.jpg

IMG_0008_convert_20160919131851.jpg  IMG_0011_convert_20160919131951.jpg

IMG_0014_convert_20160919132012.jpg
新しい指揮者の先生の元、人数はさほど多くはないものの、元気パワー炸裂で練習に取り組んでいる小学校です。
この学校では、「小学校バンドフェスティバル」に向けて、コンクール曲の超カットバージョンと「ダンプレ(踊りながら演奏する)」の2曲をレッスンさせていただきました。
制限時間7分の中で、全く違う雰囲気の曲を2曲演奏するのですから、それぞれの曲の曲想の違いをしっかりと出さなければなりません。
コンクール曲は、邦人作品の金管バンドオリジナル曲ですが、フレーズの取り方やハーモニー感にこだわることで、「大人」の味が出て来ます。
小学校の演奏は、どうしても拍節的な演奏になりがちで、合奏のつくりも主旋律中心になってしまいます。
この学校も、とても良いサウンドを持っているのですが、やはりそんな傾向にありました。
長い期間、そのように演奏していると、子どもたちの感覚を修正することはなかなか難しいものがありますが、何度もくり返して練習することで、だんだんと「横の音楽」の流れが出来、低音やハーモニーの進行を感じながら、その上に乗って主旋律を歌い上げることが出来るようになりました。
ダンプレでは、すでに出来上がっている動きの中に、私もちょっぴりアイデアを提案させていただき、より見栄えのするパフォーマンスに向上出来ました。
演奏も動きも、「完璧」を目指してがんばってください!



IMG_0009_convert_20160917223742.jpg

IMG_0011_convert_20160917223934.jpg  IMG_0012_convert_20160917224029.jpg

IMG_0013_convert_20160917224129.jpg  IMG_0010_convert_20160917223841.jpg

IMG_0014_convert_20160917224227.jpg
「マーチングコンテスト」を目指して汗を流している中学校バンドです。
私は、マーチングの指導はちょっと...と思いましたが、今回は、「動きではなく、特に演奏面から」ということでご依頼をいただき、それならばとお受けさせていただきました。
メンバーのほとんどは、小学校時代のレッスンでお会いしたことがある生徒さんたちばかりです。
立派になった姿に感動、そして、はじめに見せていただいたランスルーに感動、「こんなに成長して」という感慨からレッスンを始めました。
演奏面からということでしたので、椅子を出して座奏での練習に切り替えてスタートです。
歩きながらの演奏で気になった細かいリズムの切れ、主旋律が埋もれがちな個所のバランス調整(一部、音の入れ替えも)、大きなフレーズの取り方、緩徐部の歌い方、ピークへのクレシェンドの持って行き方など、頭の中でフォーメーションを思い浮かべながら、演奏面に徹してアドバイスさせていただきました。
その後、もう一度、向上した演奏を歩きながら持続する練習です。
動くことでクウォリティが下がってしまった箇所については、遠慮なく指摘させていただき、反復練習。
勢いに流されず、「考えること」で出来ることがたくさんあるということがわかりました。
「今日は、いつも以上に演奏を頑張れた人?」 顧問の先生の問いかけに全員迷わず挙手。
「そうだよね。演奏、ぐっと良くなったよ!」と先生に褒められ、みんなニコニコで練習を終えました。
本番までに、マーチング講師の先生のレッスンもあるそうです。
動きもさらに向上させ、チームワークの演奏演技を目指してください!




次に、合同バンドで「小学校バンドフェスティバル」出場を目指している小学校2チームをご紹介します。

はじめのチームは、吹奏楽1校、金管バンド2校の合同バンドなので、当然、木管と金管のアンバランスが問題になります。
その問題を解決するためにも、まず下のようにセッティングの大変更を提案させていただきました。


IMG_0001_convert_20160917221342.jpg
Before(木管楽器を中心にブラスバンドが取り囲む配置)
       IMG_0002_convert_20160917221437.jpg
       After(木管楽器を最前列にして、全体を正面向きにした配置)
IMG_0004_convert_20160917221616.jpg  IMG_0005_convert_20160917221711.jpg

IMG_0003_convert_20160917221525.jpg  IMG_0006_convert_20160917221757.jpg

IMG_0008_convert_20160917221854.jpg
セッティングの変更だけでも、全体のサウンドが明るくなり、木管が聴こえやすくなり、低音もよく鳴り、視覚的にもすっきりしました。
演奏面について何もコメントせず、セッティング変更の後、すぐの演奏でも、歴然と違い、びっくり。
ドラムス2台が、中央に入って来たこともあり、テンポも取りやすいようでした。
そこからは、曲のレッスンです。
出来るだけ木管の響きが浮き出るようにと、楽譜の書き換えもどんどんします。
ホルンと同じ動きをしているアルトサックスをクラリネットと同じ音に。トランペットと同じ動きをしているクラリネットをフルートと同じ音に。フルートが薄ければ、ソプラノコルネットを加えて厚みを出し、もちろん、金管の人数が多すぎる箇所は、人数を減らしたり、思い切り弱くしたり...
2階のギャラリーから指示をすると先生方が走り回って、楽譜を書き込んだり、練習させたりしてくださいました。
子どもたちもどんどん吸収し、演奏を塗り替えていきます。
そして、同時に「動き」もつけていきました。
ソロ楽器が前に出て演奏したり、パートやセクション、あるいは全員が立ち上がったり、簡単なパフォーマンスをつけたり...
長年、こういうショースタイルの演奏に子どもたちと取り組んで来た経験の引き出しがどんどん働きます。
お昼休みを挟んで、正味5時間という長いレッスンでしたが、最後の最後まで集中力を落とさず、そして、楽しみながら、先生方と子どもたちと共に変容出来たとても良い時間でした。
本番までにさらに演奏もパフォーマンスも練り上げていってくださいね!



IMG_0001_convert_20160919130015.jpg

IMG_0004_convert_20160919130145.jpg  IMG_0005_convert_20160919130205.jpg

IMG_0002_convert_20160919130036.jpg  IMG_0003_convert_20160919130123.jpg

IMG_0006_convert_20160919130224.jpg
近隣の学校2校で「小学校バンドフェスティバル」に臨むチームです。
共に金管バンド編成なので、互いの不足を補ったり、良さを生かしたりと、助かる面が多い活動です。
この2校は、1年間の多くの機会を合同でおこなっており、日頃からの合同練習もとても多いとのこと。
吹奏楽コンクールにも、昨年と今年、2年連続で合同で出場しています。
当然のこと、学校間の「心の隔たり」など全くなく、名前もお互い良く知っていますし、休み時間には入り混じって楽しく遊んでいます。
単独だと、人数も少なく、パートの偏りやテクニックの不安もありますが、合同になると充実した演奏が出来、単独では出来ない曲にも取り組むことが出来ます。
今年はスパークの難しい曲に挑戦し、吹奏楽コンクールも小学校バンドフェスティバルも、全く同じ曲で出場です。
今回のレッスンでは、「安全運転」のような演奏を、ワクワクするスリル満点の演奏に上げていくことを目標に取り組みました。
曲の持ち味を生かし切る演奏です。
速いパッセージもありますが、勇気を持って挑戦!
ゆっくりの部分は、アゴーギクを豊かにしたり、歌心を存分に出したりと、深い音楽に。
5時間という長いレッスンでしたが、最後の最後までやり切りました。偉かった!




オホーツク地区は、範囲がとても広く、今回のレッスンでも、学校間の移動、女満別空港との移動には、かなりの時間がかかりました。

「どの位で着きますか?」
「結構近いですよ!」
「15分位ですか?」
「いや、40分位です。」

「近い」の感覚そのものが違うのでした。
さすが北海道です。

そして、やはり北海道でも北の方面です。
半袖で行った私は、「寒い」と感じる時間が長かったです。
特に、体育館でのレッスンでは、足元からしんしんと冷える感じでした。
まだ9月なのに...

帰りの飛行機の出発が30分以上遅れ、元々最終便で遅かったのがさらに遅くなり、当然、自宅最寄りの成田線の終電には間に合わず、天王台からタクシーで...
家に着いたのは、午前1時前でした。

先生方と子どもたちのパワーはすごいもので、私だけ取り残されたごとく、クタクタヘロヘロで帰って来ました。
頭の中を、子どもたちの演奏や演技が、ぐるぐる回っていました。
一夜明けた今日も、まだそのぐるぐるが抜けません。

それだけ心に響いた演奏だったのだと思います。

今週末の「小学校バンドフェスティバル」「マーチングコンテスト」でのご健闘をお祈りしています。
がんばってくださいね!

お招きいただき、ありがとうございました!

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2016-09-20(Tue)21:30 [編集]