田川伸一郎のブログ

第16回東日本学校吹奏楽大会

この日曜・月曜は、府中の森芸術劇場で開催された「第16回東日本学校吹奏楽大会」に行って来ました。

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この大会は、平成13年に第1回目が千葉県で開催されました。
その年は、東京・東関東・西関東・東北の4支部だけでの開催でした。
翌年、北海道支部が加わり、その後、北陸支部も加わって現在に至っています。

当初は、東北支部は25名、東関東は35名というように各支部の「小編成」の規定によって出場人数が定められていました。(小学校を除く)
また、パフォーマンスを付ける「フェスティバル部門」という部門もありました。
現在は、地区の人数規定に関係なく、東日本大会では「30名以内」という規定になっています。

「東日本吹奏楽連盟」というものは無く、6支部の吹奏楽連盟が力を合わせて共催している大会です。
上部組織が無い中での開催には、難しい点も多いかと思いますが、「小編成バンド」「小学校バンド」を大切にしてくださるこの大会を開催していただいていることが、どれだけ励みになっていることか...

この大会が始まるまでは、小編成は、県大会・支部大会で終わり、その上の大きな大会はありませんでした。
大編成バンドは、「全日本吹奏楽コンクール」という大目標があり、人数が少ないバンドにとっては、何か寂しいものもありました。
この大会が出来てからは、新聞記事や「バンドジャーナル」でも大きく取り上げていただき、小さなバンドにも「目指せ!東日本」という大きな大きな目標が出来、それが励みになっていることは間違いありません。

もちろん、コンクールだけがバンド活動のメインではありませんが、コンクールに出場しているバンドにとっては、「大きな目標」があるか無いかは大切なことです。
また、小学校バンドにとっても、「全日本小学校バンドフェスティバル」があるとは言え、最終大会が音楽的ではない「アリーナ」で、マーチングやパフォーマンス付きの演奏と普通の座奏をどうやって比較するのだろうという評価の曖昧さから、そこを目指すというモチベーションが得られにくいものです。
私も、「全日本小学校バンドフェスティバル」がコンサートホールでの大会からアリーナでの「マーチングフェスティバル」と合体した平成9年から「東日本学校吹奏楽大会」が開催される前年の平成12年までの4年間は、「吹奏楽コンクール」には出場せず、他のコンクールや他の目標を持って活動していました。

今年の東日本大会を聴き、「この大会が無かったら、小編成バンドや小学校バンドのレベルはここまで上がっただろうか」と改めて思いました。

バンドの実情に合わせ、メンバーの力を最大限に引き出そうとする指揮者の「執念」を感じました。
それは、選曲の上からも言えます。
いわゆる「小編成向きの曲ですよ」と紹介されている「有名な曲」だけでなく、あまり知られていない曲、あまり演奏されていなかった曲、あの手この手で工夫した「大曲」、中には、おそらくこのメンバーのために委嘱したであろう新曲もありました。

わずか11名で、『ロスト・グレイス~11人の管打楽器奏者のために』(J.グラステイル)を演奏し、金賞を受賞した東京都青梅市立第六中学校の演奏は、曲も演奏も引き込まれるほどすばらしく、この人数でもここまで深く豊かな音楽の世界を表現できるのだと感動しました。(ちなみに、ジェリー・グラステイルさんは、外人ではなく冨田篤さんという日本人作曲家・打楽器奏者のペンネームです。)
ご縁があるチームでは、このようにその年のメンバーに合わせて曲を作ってもらい、挑戦出来る楽しみもあるのです。

高校の部では、千葉県銚子市立銚子高校が22名で、『キリストの復活~ゲツセマネの祈り』(樽屋雅徳)を作曲者の樽屋先生ご自身の指揮で演奏され、ユーフォニアムはなし、ホルンも1人という厳しい編成でも、それを感じさせない音響と音楽性の練磨によって、高校の部で最高点を得る演奏を披露されました。
ご自身の曲ということで、それこそあの手この手で楽譜を変更しながらイメージに合う音と音楽を追求されたのでしょう。
まさに、「執念」です。

この「あの手この手」がどれだけ出来るかということが、小編成バンドの向上に求められる指導者の力量なのかもしれません。

中学校、高校のレベルも高かったですが、小学校の部のレベルはまたまた上がる一方でした。
難しい曲を演奏していても、難しそうに聴こえない、つまり、子どもたちが技術的にも音楽的にもしっかりとこなし、理解して演奏しているのです。
中学校や高校のように練習時間が確保しにくい中、まだじっと座っているのも苦痛な小学生たちを、「音楽」の世界に没頭させ、しかも、生き生きと演奏出来るところまで育てられた先生方のお力、そして、これも「執念」に敬服いたします。
私自身も小学生を育てることの苦労を痛いほどよく分かる経験をして来ていますし、現在は、校務も私が現職だった頃よりずっと忙しくなっていることも事実です。
その中で、どの学校もどの先生も、本当に本当にすばらしいと思いました。

大編成の最終大会である『全日本吹奏楽コンクール』はもちろん大きな価値のある大会ですが、この『東日本学校吹奏楽大会』には、また違った大きな価値を見出すことが出来ます。
少子化に伴い、これから「大編成バリバリのバンド」と、「小編成で何とかやっているバンド」の二極化が進んでいくのではという気がしている昨今です。
「小編成には小編成の魅力がある!小編成だからレベルが低いというわけではない!」と胸を張って活動していく指針として、この『東日本学校吹奏楽大会』が持つ大きな価値を多くの方々に共有してもらいたいです。

願わくば、この大会が、全国大会とまではいかなくても、西日本でも開催されたら...
「南九州吹奏楽コンテスト」「中部日本吹奏楽コンクール」など、一部の地区では「小編成」の上位大会も開催されていますが...

『東日本学校吹奏楽大会』を開催してくださっている6支部の吹奏楽連盟の皆様に心から感謝したいと思います。

小さなバンドの大きな挑戦、小さな子どもたちの大きな挑戦...小編成バンドや小学校バンドの発展のために、この大会がますます豊かに育っていきますように...
そして、作曲家の方々が、「小編成バンド」のための良い作品を、さらに世に送り出してくださいますように...


応援していたレッスン校の皆さんも、大熱演を聴かせてくださいました。

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千葉県船橋市立高根東小学校音楽部 (指揮 吉川泰斗先生)
『遠つ人~雁金の宰』 (樽屋雅徳)

金賞受賞、おめでとうございます!

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千葉県習志野市立実花小学校吹奏楽部 (指揮 村山和幸先生)
『スピリティッド・アウェイ≪千と千尋の神隠し≫より』 (久石譲・木村弓/森田一浩編曲)

金賞受賞、おめでとうこざいます!

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北海道北斗市立上磯小学校吹奏楽部 (指揮 古川典之先生)
『遠つ人~雁金の宰』 (樽屋雅徳)

金賞受賞、おめでとうございます!

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千葉県船橋市立高根中学校吹奏楽部 (指揮 尾木慎之介先生)
『斐伊川に流るるクシナダ姫の涙』 (樽屋雅徳)

金賞受賞、おめでとうございます!

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茨城県水戸市立第二中学校吹奏楽部 (指揮 山田文子先生)
『鳳凰~仁愛鳥譜』 (鈴木英史)

金賞受賞、おめでとうございます!

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千葉県立鎌ヶ谷高等学校吹奏楽部 (指揮 川口智子先生)
『舞踏組曲』より (B.バルトーク/田川伸一郎 編曲)

金賞受賞、おめでとうございます!


運営を主管してくださいました東京都吹奏楽連盟の皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。

そして、出場された全団体の皆さん、ひとりひとりがみんなみんな輝いていました!
各学校の良さが溢れる演奏を本当にありがとうございました。

これからも、小編成バンドだからこその良さを生かし、胸を張って活動していってください!
小学生の皆さん、中学校でも高校でも、ずっと音楽を愛し続けてください。

来年度の大会は、東関東支部主管で、栃木県宇都宮市文化会館で開催されます。

また一層良い大会になりますように...


各賞の詳細は、下記のサイトをご覧ください。
http://www.suisougaku-net.com/east-japan/2016.html

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| | 2016-10-11(Tue)22:11 [編集]