田川伸一郎のブログ

日本管楽合奏コンテスト全国大会~中学校A・B部門

この土日は、文京シビックホールで開催された「第22回日本管楽合奏コンテスト全国大会」に行って来ました。

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中学校A部門(35名以内)が開催された土曜日の前日には、北海道から出場した木古内町立木古内中学校の練習会場に激励に行って参りました。

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木古内中学校は、生徒数の激減に伴って、今の生徒数は全校で67名しかいません。
北海道新幹線の北海道の一番駅なのですが、立派な駅の周りはのどかな風景が広がる地域です。

私は、木古内小学校吹奏楽部とは、現職時代の平成5年からの長いお付き合いをさせていただいており、木古内中学校吹奏楽にはフリーになった年から、現・上磯中学校の中條淳也先生のご指導の元、レッスンに伺わせていただいています。

「リシルド序曲」や「スペードの女王」序曲を演奏して、東日本学校吹奏楽大会で金賞を受賞していた時期には、まだ生徒数も100名ほどおり、部員も30名程度いたのですが、ここ数年で一気に減り、現在に至っています。

今年の吹奏楽部員は13名。 全校の約2割が部員なのですから、入部率は高いというものです。
冬場は、たった7名で過ごしていましたが、1年生が6名入部してくれて13名。 うち打楽器が4名ですから管楽器は9名です。

この編成でも、吹奏楽コンクールでは、地区代表に選ばれ、全道大会でも金賞受賞。
そして、管楽合奏コンテストでも全国大会に出場出来たのですから、「奇跡」のような快挙です。
あきらめない精神を、私は先生と生徒さんたちから学ばせていただいた気がします。

練習会場には、東京の大学に通っている木古内中の卒業生も激励に駆けつけてくれました。

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彼女も、「ルイス・アロンソの結婚」間奏曲を演奏して、文京シビックに乗った
思い出があり、後輩たちの上京をとても喜んでいました。


コンテスト当日、木古内中学校は、出演順1番でした。
緊張の中でしたが、伸び伸びと力を出して、本当に楽しんで演奏しているのがわかりました。
しばらく鑑賞してから、会場を離れ、上野の国立科学博物館、銀座のヤマハへと、都内見物に出かけて行きました。

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木古内町立木古内中学校吹奏楽部 (指揮 欠 直哉先生)
『マカームダンス~ウィンドアンサンブルのために』 (片岡寛晶 作曲)


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中学校最後の演奏が、東京の大舞台となった3年生4名です。
小学校の最後の年は、コンクールにも出られず、お別れコンサートも出来ず、寂しい思いをしたと思いますが、その分まで中学校での3年間は、キラキラ輝いていましたね。
7名で過ごした冬場も、熱心に練習を続け、偉かった!
その努力が今回の全国大会出場につながったのです。 本当におめでとう!


木古内中学校は、「優秀賞」と「ヤマハ賞」をいただきました。
今年の「ヤマハ賞」は、ハーモニーディレクターと3月公開の映画「ハルチカ」の無料招待券でした。
部員たちは、「木古内には映画館、ありませ~ん。みんなで函館まで鑑賞会に行きた~い」と大興奮。
欠先生は、「ハーモニーディレクターは学校に2台あるので、3台になると、この冬は、管楽器2人に1台という感じです」と。
翌日は、東京ディズニーシーに行ってから帰途に着くという大ご褒美付きの遠征となりました。


中学校A編成の後半はほぼ35名での演奏が続き、そのサウンドも、よく響く文京シビックホールでは、大編成のように聴こえるダイナミックな演奏が多かったです。
そして、それぞれの学校の特徴を生かした選曲や工夫は、とても楽しく聴けました。

昨年の課題曲の影響もあるのか、西村朗作曲『秘儀Ⅱ』が3校もありました。
中でも、音楽的緊張感と空気感が素晴らしかった千葉市立土気中学校の演奏は特に心に残りました。

千葉県松戸市立第六中学校は、母体が管弦楽の部活なので、ギリングハム作曲の『目覚める天使たち』に弦楽器を加えて独特の響きを生み出していました。この大会の「幅」はこういう面でも生かされます。

埼玉県三郷市立早稲田中学校は、私もお手伝いさせていただいている学校ですが、A.リード作曲の『吹奏楽のための第三組曲』を演奏し、冒頭のファンファーレの美しい響き、木管のしなやかな音色、フルートの絶妙なソロ、「全員の踊り」での躍動感に感動しました。 

高知県の南国市立鳶ヶ池中学校・安芸市立安芸中学校は、2校合同での出場でした。車で40分ほどかかる離れた学校なのですが、顧問の先生同士が仲間で、昨年度から合同活動をしているとのこと。ラベル作曲の『マ・メール・ロア』を演奏し、木管主体の柔らかい音色と鍵盤打楽器の音楽的な演奏に魅了されました。合同とは思えないほどの緻密なアンサンブルに感動。

チーム自体の演奏もさることながら、福島弘和作曲『ラッキードラゴン』のクラリネットソロに超感動した栃木県真岡市立真岡東中学校。たまたま知り合いがサックスのレッスンに入っており、話を聞くと、そのクラリネット少年は1年生だとのこと。東日本学校吹奏楽大会でも注目した生徒さんだったのですが、1年生とは驚きです。 思い出してみると、2月にみなとみらいで開催された「全国小学校管楽器合奏フェスティバル東日本大会」に出場した、真岡東小学校と真岡小学校の合同バンドの演奏で、クラリネットに小学生離れした音色と表現をする男の子に感心したのですが、その彼だったそうです。将来が楽しみな中学生です。

そして、中学校A部門の最優秀グランプリ・文部科学大臣賞には、千葉県船橋市立高根中学校が選ばれました。

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船橋市立高根中学校吹奏楽部 (指揮 尾木慎之介先生)
『斐伊川に流るるクシナダ姫の涙』 (樽屋雅徳 作曲)

「東日本学校吹奏楽大会・金賞」に引き続いての受賞、おめでとうございます。
文京シビックの響きの良さが、皆さんの音色の変化や豊かな歌心をますます引き立ててくれましたね。



中学校A部門の終演後は、翌日のB部門に北海道から唯一出場の東神楽町立東神楽中学校の練習会場に激励訪問でした。
偶然にも、木古内中学校と同じホテル(文京シビックから歩ける距離です)に宿泊で、地下の宴会場が練習会場でした。
木古内中学校の練習にちょうど良かった広さなので、大編成にはぎゅうぎゅう詰め。 皆、暗譜での練習でした。

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管楽合奏コンテストには、2年ぶり2回目の出場となります。
前回は、すみだトリフォニーでの開催でした。

顧問の菅野哲也先生は、赴任3年目。
その間に、全道大会A編成にも2回、管楽全国大会にも2回、連れて行ってしまうのですから、その指導力には驚きです。
学区の小学校の1校には金管バンドがありますが、木管は全員が初心者でスタートです。
基礎を大切に、コツコツと積み重ねて育てるご指導には頭が下がります。
大人数のバンドですが、ひとりひとりの適性や癖、伸びをよく掴んでいらっしゃり、適切なアドバイスと伸ばす場の設定を的確にされます。

そして、生徒さんたちは、みんな明るい!
今回は、朝早く北海道から出て来て、夜の9時までの練習でしたが、疲れた顔など全く無く、練習中も真剣さと笑いがあり、時には、生徒の方から「先生、〇〇小節目が合ってないと思うんで、練習した方がいいと思います!」とリクエストがあったりと実に積極的。
先生から、「明日の全国大会は、失う物は何もないから、これまでの練習を生かして、君たちなりに出来ることを精一杯やればいいんだよ。文京シビックの響きを楽しんで演奏しよう」と温かいお話をいただき、それぞれの部屋に戻って行きました。

本番の演奏では、前日気になっていた耳に痛い音も修正され、木古内中学校同様、伸び伸びと本番を楽しんでいました。

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北海道東神楽町立東神楽中学校吹奏楽部 (指揮 菅野哲也 先生)
『竹取物語』より (三善晃 作曲/天野正道 編曲)

木管セクションの幻想的な細かいパッセージで始まるこの曲を、全員初心者でスタートした木管メンバーがよくここまでこなしました。
金管や打楽器の音も、文京シビックの音響の良さにも助けられて、とても美しく響いていました。
「優秀賞」をいただきました。


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菅野先生と一緒に入学して来た3年生たちです。
3年間、先生のおかげでたくさんの経験が出来、最後に東京での演奏までさせていただけて、幸せでしたね。
これからは、それぞれの進路に向けて努力し、胸を張って卒業してください。
僕も3年間の君たちの成長を見て来られて、とてもうれしかったです。いつも笑顔で迎えてくれてありがとう。



中学校B部門は、36名以上無制限の部門なので、吹奏楽コンクールA部門のメンバーになれなかった部員も一緒にコンクール曲を演奏していた学校も多かったようです。
その分、音量過多になったり、バランスが崩れたりというマイナスもあったかもしれませんが、先生方の優しい愛情で、賞を狙うことよりも、努力している皆をステージに乗せてあげられることを優先しているのだと思います。

今年、惜しくも「全日本吹奏楽コンクール」連続出場を逃した秋田市立山王中学校も出場。吹奏楽コンクールメンバー以外の部員も加わり、70名ほどの大編成で、『くじゃくによる変奏曲』(コダーイ作曲)を演奏しました。華麗なサウンドと色彩感溢れる演奏は、「山王サウンド健在」を示してくれました。これだけの演奏をされても、東北大会で評価されなかったのかと、より多くの方に聴いていただきたかったと残念な思いでした。

我が千葉県が誇る松戸市立第四中学校は、やはり2.3年生全員で、コンクール曲の『富士山-北斎の版画に触発されて-』(真島俊夫 作曲)を演奏しました。全日本吹奏楽コンクールでゴールド金賞を得たさすがの実力にさらなるパワーを増し、中間部のホルンのソロも美しく、続く木管の歌には心がジーンと来ました。そして、パーカッションパートの身体と技と心のプレイは曲を見事に引き締めていました。エンディングの壮大なるトゥッティも大熱演。天国の真島先生もさぞ喜んでいらっしゃることだろうと思いました。今年いくつか聴いた『富士山』の中で、松戸四中の演奏は最も感動的でした。

私としての特筆演奏は、埼玉県朝霞市立朝霞第一中学校の『アンドレア・シェニエ』でした。全日本吹奏楽コンクールの時には、上磯中学校の演奏後、皆を労っていた関係で聴くことが出来なかったのですが、今回は聴くことが出来ました。何がどうと説明するのがとても難しいのですが、ともかく、「皆が音楽している」ということ、場面の色合いの見事さ、サウンドの輝かしさ、温かさ...聴いているうちに、涙がボロボロこぼれてきました。この場にいられて良かったと幸せでいっぱいの気持ちになりました。審査員の先生方からすれば、色々とマイナス点もあるのでしょうし、全日本吹奏楽コンクールでも金賞には至りませんでしたが、素人の私にはこの朝霞第一中学校にグランプリをあげてもいいほどの感動的な演奏でした。指揮者の外﨑三吉先生とは面識がありませんので、この気持ちを直接お伝え出来ず残念ですが、こんなに幸せな時間をありがとうございましたという気持ちでいっぱいです。


そして、中学校B部門の最優秀グランプリ・文部科学大臣賞には、愛知県日進西中学校(指揮 清野雅子先生) 『イタリア奇想曲』(チャイコフスキー作曲)が選ばれました。

清野先生は、昨年度、この学校に赴任され、いきなり全日本吹奏楽コンクール・金賞にまで導かれた優れたご指導力をお持ちの先生です。今年度も、全日本吹奏楽コンクールに出場され、銀賞を受賞されました。ひとつひとつの音とフレーズに端正に磨きをかけられる先生だと思います。特別な演奏効果や派手な演出を狙うのではなく、選曲も演奏も、前任校の日進中学校時代から「端正」という言葉が最も当てはまるご指導だなと感心しています。
赴任2年目にして、グランプリ受賞、本当におめでとうございます。

日進西中学校と松戸市立第四中学校が同点だったということで、審査員の投票により日進西中学校がグランプリとなり、松戸四中には、「審査員特別賞」を授与しますとの説明がありました。
松戸四中も、グランプリ相当の評価です。 須藤先生、おめでとうこざいます。


表彰式前に、前年度の最優秀グランプリ受賞校である千葉県柏市立柏高等学校吹奏楽部による特別演奏と特別表彰がおこなわれました。

毎年、管楽合奏コンテストでは、作曲家・内藤友樹さんに委嘱した作品で、ステージパフォーマンスを披露されていますが、今回の特別演奏でも、同様に内藤友樹作曲『吹奏楽のための戯曲~嚮後との対話~』が発表されました。
あれだけ動き、舞い、しかも、柏サウンドが全く崩れず、途中、ステージが暗転したかと思うと、皆が手に持ったLEDライトで蛍が舞うような演出...内藤さんの曲も、動きも、演出も、もちろん演奏も...言葉が出ないほどの感動をいただきました。

しかも、市立柏高校吹奏楽部の皆さん、先生方は、前日の中学校A部門から2日間、この大会の運営の大きな力になって働いてくださっていました。
制服で仕事をしていましたが、合間合間を縫って、演奏メンバーは少しずつ上下黒のユニフォームに着替えて仕事を続け、本番に臨んでいました。 本当にいつの間にか...です。
ゆっくりお昼ご飯を食べている暇もなかったと思います。
前に、顧問の石田先生とお話しした時に、「時間がない時は、おにぎりでもポケットに入れておいて、ちょっとした暇に食べればいい」と言ってあると話されていました。
今回も、そうだったのかもしれません。

この大会は、市立柏高校吹奏楽部の献身的な協力があってこそ成り立っています。
3日の小学校部門、今週末2日間の高等学校部門でも、同様に協力してくださることと思います。
心から感謝です。


2日間、熱演に次ぐ熱演を聴き続け、頭と心が満タン状態で少々クラクラしている今日の私です。
でも、行ってよかったです。

出場された皆様、本当におめでとうございました。

3日の小学校部門も楽しみです。


中学校部門の審査結果の詳細は、下記、日本音楽教育文化振興会のHPをご覧ください。
http://www.jmecps.or.jp/

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| | 2016-10-31(Mon)20:32 [編集]