田川伸一郎のブログ

成田市の小学校バンド

風邪がなかなか治らず、苦しんでいる田川です。
熱は下がりましたが、夜中に喉の痛みや咳で何度も目が覚め、声もガラガラで、話すのも苦痛です。
毎年、だいたいこの時期に、一度はこういう状態になります。
今年は、熱がすぐ下がってくれただけでも、まだましで、微熱が2週間位引かない年もありました。
皆様もお気をつけください。

そんな体調不良の中でしたが、昨日は、千葉県成田市の小学校にお伺いして来ました。
成田市の小学校からのご依頼は初めてです。


初めての出会いが、こんな不調で申し訳ないなと思いながら出かけました。
成田市と言っても、我が家からは予想以上に近く、助かりました。

35名位の金管バンド部と伺っていたのですが、校長室でお話を聞いてびっくり。
高学年は単学級の上に、金管バンド部は5.6年生の編成だというのです。
単学級で35名もいるということは、学級の約半数が金管バンド部に入部しているということになります。
これはすごい!

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年間を通して活動している部活ですが、児童数が少ないので、市の運動の大会などがあると、子どもたちはそちらの練習が優先となり、バンドだけをやっているわけにはいかないそうです。
でも、子どもたちひとりひとりが様々な場で活躍できるのは良いことでもあります。

校長先生は、音楽がご専門という訳ではありませんが、小学校時代は器楽部に入っており、「TBSこども音楽コンクール」にも出場したことがあるとお話しされていらっしゃいました。
今回も、あえて校内の「研修日」に私のレッスンを入れてくださり、急務のない部会や先生方はぜひレッスンを見学するようにと呼びかけてくださったそうです。
つまり、金管バンドのレッスンを全職員の「研修」の一つとしても扱ってくださったということです。

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時間を作れた先生方がじっと見学してくださっていました。
こんな学校はめったにありません。 感激しました。


このバンドは、来週、発表の機会を控えており、その曲の仕上げの段階をお手伝いさせていただきました。
曲は、ブレーン社から出版されている『ロックン・ソーラン』(水口 透 編曲)です。


子どもたちは、この曲を大好きになって練習を続けて来ているそうです。
水口先生の作品は、小学生の実情をよく配慮して、その上演奏効果も高いので、子どもたちにフィットするのだと思います。
運動会では、マーチングもするそうですが、その割に音色が柔らかく、少しおとなしい感じもする位丁寧に演奏していました。

皆、とても落ち着いていて、学ぶ気満々の様子。
私は、ひどいガラガラ声で、大きな声を出しづらかったので、校長先生がピンマイクまでご用意くださいましたが、子どもたちに「この声でも聞える?」と聞くと、「はい、大丈夫です」と、優しい反応。
聞きづらい私の声を一生懸命聞いて勉強しようという気持ちを見せてくれたのです。何という良い子たちでしょう!
おかげで、ピンマイクは使わずに済み、私も出来る限りの声で頑張ろうと思えました。


一度聴かせていただくと、演奏が全体的に柔らか過ぎて、強弱の差や決めのインパクトも不足し、ちょっと平面的になっていましたので、「表現にメリハリを付けよう」というめあてを設定してレッスンを進めました。

中低音パートには、特にしっかりとしたタンギングと息のスピードを、トランペット・コルネットのパートには、強弱の差や音色の変化を求めました。
打楽器には、強弱の差と決めのカッコ良いプレイを...

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はじめは少し緊張していたのか、音の変化が少し寂しかったのですが、だんだん私との練習に慣れてくると、真剣さの上に、笑顔や笑いもどんどん増し、それと一緒に音が、音楽が生き生きと変容し始めました。

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「ギャハハハ! ブハッ!」...ちょっとしたジョークに大笑いできる雰囲気が出来ると、身体も心もほぐれ、息の流れも良くなるから不思議です。
はじめからゆるい、だらしないバンドではダメですが...このバンドのようにビシッとしているバンドでは「笑い」が思わぬ効果をもたらします。


平面的だった『ロックン・ソーラン』にメリハリが生まれて来ました。
強弱や音色の変化も豊かになって来ました。

打楽器パートだけのソロの部分も、思い切りよく、とてもカッコ良くなって来ました。
私はふと思いつき、その打楽器のソロに合わせて、管楽器の子どもたちに簡単なパフォーマンスと「ヤッ!」の掛け声を加えてしまいました。

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突然の提案に、子どもたちは「?!?!?!」
「いいから、やるやる! はい、楽器をぐるりんぱと回して、『ヤッ!!!』と元気良く!」 
ひどいガラガラ声の私が必死で「ヤッ!!!」と叫んでいるので、子どもたちも頑張らざるを得ません。


本番まであと数日しかありません。
余計なことをしてしまったとも思い、「本番でやるかどうかは、先生と皆で話し合って決めてね」と話しました。
先生は、「カッコいいからやろうね!うん、やろう! 先生はやると決めた!」とやる気満々。
子どもたちのほとんどは、「やろう!練習して間に合わせよう!」
一部の子どもたちは、「出来るかなぁ。なんかこういうの恥ずかしいし...」

「その恥ずかしいっていう気持ちを練習で乗り越えて、ホールで思い切り出来たら、みんなの心はまたひとつ大きくなるかもね!」と、私は付け加えておきました。

子どもたち、どうするのかな?
私は、きっとやるような気がします。 そんな子たちのように思えます。
・・・報告が楽しみです。

音も、音楽も、パフォーマンスも、掛け声も...色々なことで頭がパンパンになったと思います。
まだ十分にはこなせなかったことも残っています。
でも、先生は、私がやろうとしたことを全て理解してくださっています。
残りの数日で、まだ不完全なところをしっかり仕上げたいとおっしゃってくださいました。


レッスンが終わり、校長室に戻ってから、先生は、「わずかな時間で、子どもたちはこんなにも変わりました。こんなにたくさんの可能性を持った子どもたちだとわかりました。すべては指導者である私にかかっていると確信しました。頑張ります!」と、強い意思を眼に表わしながら、お話ししてくださいました。

こんな謙虚で勉強家の先生に教わっている子どもたちだから、私のレッスンを真剣に受け、変容することが出来たのです。
すばらしい先生に出会えたこの子どもたちは幸せです。

そして、金管バンド部の練習・レッスンを、「一教師としての学び」につなげようと、見学してくださった校長先生、先生方。
成田市の小さな小学校の「大きく豊かな教育」に感動いたしました。


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初めて出会った君たちと、とてもとても楽しく練習をすることが出来ました。
こんなガラガラ声で、話も聞きづらかったはずなのに、一生懸命耳を傾けて聞き取ろうとしてくれたみんな。
そんな優しい心が、君たちの音楽には満ち溢れていました。
練習した後の『ロックン・ソーラン』は、力強さやカッコ良さも加わって、ますます素敵な演奏になりましたよ。
あと数日、今日の復習や足りなかったところをしっかり練習して、ステージでは思い切り輝いてくださいね!
もっともっと一緒に練習していたかった! そんな風に思わせてくれた君たちでした。
君たちのことをしっかり考え、育ててくださる顧問の先生、温かく見守ってくださる校長先生や先生方に感謝しようね。



帰り際、たくさんの先生方がお仕事の手を止めて、玄関で見送ってくださいました。
「金管バンドのレッスン」を「研修」と位置付けしてくださった器の大きい校長先生に心から敬服いたします。

お招きいただき、本当にありがとうございました。
貴校の益々のご発展をお祈り申し上げます。



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| | 2016-11-18(Fri)23:16 [編集]