田川伸一郎のブログ

第29回多摩っ子・コンサート

昨日は、『第29回多摩っ子・コンサート』に講師としてお招きいただきました。

初めて聴かせていただくコンサートでした。


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会場は、昭島市民会館「KOTORIホール」でした。

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以前から、このコンサートの名前は耳にしたことがありましたが、その雰囲気や内容は知ることもなく...

昨年度、都小音研「青梅ゾーン研究大会」の助言者を仰せつかり、この地区の先生方と共に勉強させていただいた経緯もあり、今年は初めて講師という立場で聴かせていただくことになりました。

このコンサートは、今から29年前に、この地区で課外の音楽活動をされていた4名の仲良しの先生方が「みんなで楽しめるコンサートをしよう」と自力で開催したのがスタートだそうです。
1校30分位の演奏を互いに聴き合っていたようです。
それが「第1回目」となり、だんだんと出演する仲間が増え、それが29年間も続いているのです。

こういう「自主イベント」は規模が大きくなると、「責任の問題」や「打ち合わせ」のための会合など、しっかりとした「外掘固め」が必要になります。
今は、出演地区の各市町の教育委員会の後援をいただき、主催を都小音研にしていただき、主管を「多摩っ子・コンサート実行委員会」として、輪番制の事務局の先生(音楽の先生)の学校の校長先生に「実行委員長」になっていただく形がしっかり出来上がっています。

こういうしっかりとした「形」が無いと、出演、引率、あるいは打ち合わせのための出張が出来ず、ともすれば、校長会、管理職や行政から「勝手なことをやっている」と批判され、潰されることすら起こり得るものです。
そして、管理職や行政と闘いながらの無理矢理の合同イベントは、指導者たちの意欲を奪い、だんだんしぼんで消滅してしまうのです。

過去の諸先生方の正しい道筋作りのご尽力により、行政的にも認められたこのような「自主コンサート」が29年も続いているのです。

このコンサートは、連合音楽会のように必ず出演しなければならないものでもなく、「東京都小学校管楽器演奏会」のように研修の一環として、決められた研修会出席回数がないと出演出来ないというものでもなく...
出演したい学校が自由に出演出来る...管楽器でも、弦楽器でも、合唱でも、学年の合唱や合奏でも。
事情さえ許せば、どの学校でも出演出来るコンサートです。

今回出演したのは、青梅市、昭島市、羽村市、あきる野市、瑞穂町の16校でした。
金管バンドや吹奏楽が多かったですが、合唱団や学年での演奏で出演した学校もありました。
中には、青梅線から山をふたつ越えた「バス通学」の児童が多いという山間部の小さな小学校の金管バンドの演奏もありました。


まずびっくりしたこと。

午前の部・午後の部それぞれの開演時に、出演児童全員による「合同演奏」があるのです。
曲は、20回記念に和田昭二先生に作曲していただいた「多摩っ子マーチ」です。
本番前に、ちょこっと練習して本番を迎えます。
ステージの上には、6年生だけが並び、5年生以下の児童は、後ろの保護者席を向いて、そこに立つ自校の先生の指揮に合わせて演奏します。

こういう合同演奏は、特に小学校の場合、なかなかうまくいくものではなく、「烏合の衆」のぐちゃぐちゃな演奏になりがちなのですが...びっくりするほど息の合った演奏!
毎年同じ曲での積み重ね、6年生になると他校の仲間と一緒にステージに立って演奏出来るという誇り...
合唱や器楽で参加する学校も、歌で参加したり、鍵盤ハーモニカで参加したり、手拍子で参加したり...
保護者の皆さんも思わず笑顔になって、手拍子が始まります。

コンサートのスタートで一気に会場の空気が一つになり、和らぎ、あったかくなります。
音楽っていいな! 音楽仲間が集まるってすてきだな! そんな雰囲気で一杯になります。

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午前の部の合同演奏の様子です。

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午後の部の合同演奏です。

次にびっくりしたこと。

合同演奏の後、児童は楽器を持ったまま、客席に座ります。
大型楽器だけは、近くの通路や舞台裏に置き...
通常の演奏会なら、出番のいくつか前に楽器置き場に行き、楽器を用意してチューング室に移動し、舞台裏で出番を待ってステージへという流れです。

このコンサートは、そういうことで、他校の演奏が聴けなくなるという「もったいなさ」を無くそうと、開演前に、自由に音出しをし、開演後は他校の演奏を全て聴き、演奏の番になったら、自席から直接ステージに上がり、そのまま本番というスタイルを貫いているそうです。
演奏後は、舞台裏に退場し、ロビーの楽器置き場で楽器をしまったら、すぐに客席へ。
次の学校のセッティングが終わるまでに自席に戻ります。

このように出演校全ての演奏を聴き合ってこそ、本当の「合同コンサート」です。
大人の演奏会だったら、「直前の音出しやチューニングも無いなんて!」と文句が出そうですが、小学生だからこそ大丈夫!
そして、不思議なことに、チューニングがどうこうというほど、ピッチが悪くて大変!という演奏が無かったのです。
子どもたちは、心の中で音楽を他校の友達の演奏をたっぷりと楽しみ、心の中で音楽が生き生きと弾み、自分たちの出番になったら、見事に「スイッチ」が入るのだと思います。
練習の時の感じを思い出して、自然とピッチも合って来る...いいなぁ。最高です。


そして、もうひとつびっくりしたこと。

コンサートの雰囲気がとってもあったかいことです。
前述の合同演奏、そして、互いに全ての学校の演奏を聴き合うという流れ...それがとても大きいと思うのですが、どの学校に対しても拍手が盛大。
特に保護者の方々が、普通は「我が子かわいさ」で自校の時ばかり盛大に拍手をし、終わったらさっと席を立ち、他校の演奏など興味なしという感じなのですが、このコンサートでは途中で席を立つ保護者もほとんどおらず、どの学校にも盛大な拍手をされていました。
このコンサートの趣旨が十分に伝わり、自分の学校も他の学校も同じように声援してあげているのだと思います。
あの合同演奏を聴いたら、この会場に集まった子どもたちみんなが自分の学校の子どものようにかわいく思えてしまうことでしょう。


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また、このコンサートに出演していないこの地区の先生方も、スタッフとして運営を手伝ってくださっていました。

セッティングや裏方には、都立昭和高等学校吹奏楽部の皆さんも力を貸してくださいました。
帰りがけ、「今日はどうでしたか?」と部員の方に声をかけてみたら、「とっても楽しかったです。小学生のみんなから私たちがパワーをもらった感じです!ありがとうございました!」とすがすがしい表情で答えてくれました。

私も、このコンサートの趣旨を考え、管楽器演奏会の時のような「これからのレベルアップのために」という指導的な内容よりも、その学校の良いところや感動したことをたっぷり書かせていただきました。

音楽が人と人をつなぐ力を持っていることを改めて感じ、私も幸せな気持ちで1日の務めを果たすことが出来ました。


コンサートの後は、先生方のもうひとつのお楽しみ。
打ち上げお食事会でした!


美味しい中華料理をいただきながら、おひとりおひとりのお話を伺うことが出来ました。
笑ったり、感動したり、苦労話にうなずいて労ったり...
このお食事会も、とってもあたたかくて居心地の良い雰囲気いっぱいでした。

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今回の事務局を務められた若い先生です。
「足りないところがいっぱいあったのに、先生方が助けてくださり、何とか役をこなすことが出来ました」と感謝の気持ちをお話しされていました。
若い先生にどんどん仕事を与え、先輩方がしっかりサポートしながら育てていることも、この地区の温かさです。
去年の青梅ゾーン大会もそうでした。



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講師の先生方です。
右から、山田洋一先生(名古屋音楽大学講師)、伊原福富先生(都小管研顧問)、そして私です。
おふたりの先生方のお話から、私も学ばせていただきました。


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子どもたちに、音楽を通して豊かな心を育んでいらっしゃる素敵な先生方です。
「先生仲良し 子どもが育つ」 これからも子どもたちのためにご尽力ください。



出演校のみなさんです。

・昭島市立玉川小学校
・青梅市立成木小学校
・青梅市立第四小学校
・青梅市立今井小学校
・羽村市立羽村西小学校
・羽村市立小作台小学校
・昭島市立中神小学校
・瑞穂町立瑞穂第一小学校
・あきる野市立増戸小学校
・あきる野市立西秋留小学校
・昭島市立武蔵野小学校
・羽村市立武蔵野小学校
・羽村市立松林小学校
・青梅市立若草小学校
・羽村市立羽村東小学校
・青梅市立第三小学校



2学期という、学校も音楽の先生も超忙しい中で、このコンサートを企画運営、そして、出演された先生方
このステージを目標に頑張り、すてきな演奏を聴かせてくれた子どもたち
引率してくださった先生方、保護者のみなさま
いつもご理解ご協力くださっている各学校の校長先生はじめ先生方
お手伝いくださったスタッフの先生方、都立昭和高等学校吹奏楽部の皆さん

心からありがとうございました。


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| | 2016-12-24(Sat)20:51 [編集]