田川伸一郎のブログ

富山県の中学校バンド

この土日は、富山県にお伺いして来ました。
中学校3校からのお招きでした。


北陸新幹線が開通したおかげで、富山は、私的にはとても近い地区になりました。
自宅最寄りの湖北駅から成田線で上野駅まで行き、新幹線に乗り換えて座っていれば富山です。
つまり、乗り換えは一回で済むのです。

以前は、越後湯沢駅で乗り換え、特急で新潟経由で富山まで行っていたのですが、雪や風でこの特急が遅れたり、止まったり...
帰りも、越後湯沢から上野までの新幹線が冬場ですと、スキー客で満席。予約席を取っていない時には、立っていたこともありました。
今は楽ちんです! 時間も短縮でき、よほどのことが無い限り、雪による運休や遅延はありません。

中学校は、今、受験前の時期で、特に3年生の担任の先生は大忙しです。
部活の指導にゆっくり付く時間などあるはずありません。
おまけに、インフルエンザや胃腸炎などの流行もあり、部活が停止になることもあります。
もちろん、夏場より下校時刻も早く、練習時間そのものが短くなっています。
その中で、アンコンがあり、「新人戦(コンクールではなく発表会)」のようなコンサートもあり...
「オフシーズンだ」なんて、居直って「冬眠」する訳にはいきません。

当然、生徒さんたちだけで練習しなければならない時間が増えます。
だから、とても大切な時期なのです。
運営面、練習メニューや練習の進め方、生徒との心が切れないようにする方法...考えに考えて進めていくことが、春に夏につながります。

今回お伺いした中学校の先生方は、「こんな忙しくて、一番指導出来ない時期だからこそ、レッスンを入れて子どもたちと一緒にしっかり勉強しよう」というスタンスでお招きくださったのです。

「曲を練習する時間がないので、基礎を...」では、「その内容なら、私ではなく、楽器の先生にお願いしてください」と、私がお断りするのをご存じなので、どんなに練習時間が少なくても「合奏曲」を用意してあります。

今回は、3校とも、私から「この時期の練習にふさわしい曲」を各校の実態に合わせてお勧めしたところ、それぞれの曲を気にいってくださり、譜読みをし、とりあえず合わせるところまでは確実にやっておいてくださいました。
生徒さんたちだけで、メトロノームに合わせて合奏した練習も多かったようですが。

それだけでも、「超立派!」です。
ここまでやっておいてくだされば、私のレッスンで勉強が進められます。
私もお伺いする価値が大いにあります。

3校とも半日ずつのレッスン...気づいたら、ノンストップ、休憩無しのレッスンでした。
「トイレは自由に行きなさい」と言っておいても、誰もトイレにすら抜けないすごい集中力と体力、勉強意欲でした。
私も、「休憩したい」と思う瞬間がなく、気づいたら終わりの時間になっていたというほどの意欲が続きました。
そうさせてくれたのは、生徒さんたちの「夢中で私に向かって来てくれるエネルギー」です。

終わりごろ、「疲れた人?」と聞くと、結構手を挙げます。
「じゃあ、ちょっと休憩する?」と聞くと、「大丈夫です!」と...
疲れた顔や飽きた態度は見せませんし、音楽は最後まで変容し続けました。
皆、自分たちの演奏が変容していくことを実感して、疲れているけど、楽しさの方が勝っていたのかもしれません。

「日頃、なかなか指導に付けなくて、演奏もあちこち変なことになっておりまして...態度を含め、失礼があるかと思いますが、どうかお許しください。」・・・事前にいただいた先生からのメールは何だったの?でした。
むしろ、指導に付けないのに、どうやってこの意欲的な勉強姿勢や正確な譜読みを指導されたのか、私が教わりたかったほどです。

「田川先生のレッスンがある」...それが、先生方の思惑通り、生徒さんたちのモチベーションを高め、短い練習時間であっても、必死に譜読みし、先生が付けるほんのわずかな時間に集中して合奏して準備してくださったなら、私もとてもうれしいですし、私のレッスンをそのような「目標」に使っていただけることは光栄なことでもあります。

「今出来る少しでも良い演奏を聴いてもらいたい。」
「少しでも上のレベルのことを指導してもらいたい。」
「新チーム、がんばっているね!とほめてもらいたい。」
・・・そんな気持ちは、生徒さんたちの中に確かにあるそうです。
だから、この時期に田川先生をお呼びしたいのですと、まとめ役の先生はきっぱりと話してくださいます。

千葉からやって来るこの変なオジサンにも、生徒さんたちがそんな思いを持ってくれる。
そして、行動に移して、しっかり練習した上で迎えてくれる。
先生が付けなくても、それが言い訳にならないように、自分たちだけでも練習を進めておいてくれる。

こうやって、とても良い「冬の時期の練習」を進めている先生方と生徒さんたちでした。


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新チームの生徒さんたちの今のモットーは、「それぞれが、自分の魅力を出して、楽しい活動をしていく」ということでした。
「みんな違ってみんないい」です。
数名に、「では、自分の魅力は何ですか?」という質問をしましたが、皆、本当に個性的な自分の魅力を話してくれ、「大切にしなさいよ」と頭なでなでしてあげました。
合奏では「ミュージカル」の作品を練習しました。
ユーフォニアムパートには1年生の初心者ふたりだけしかいないのに、ソロも上手に演奏して、びっくり。
たった半日で、皆の演奏は見違えるほどに表情豊かになり、レッスン後、顧問の先生もくさんたくさん皆をほめておられました。
みんなそれがうれしかったのか、合奏終了後も、個人練習の音がいつまでも聴こえていました。
アンコンでも、3チームが、ほとんど自分たちだけでの練習で北陸大会に進みました。すばらしい!
私からは「この子どもたちの魅力が生きるコンクール曲を」と、先生にお話ししました。
生徒さんたちのモットーの延長線上にある「先生への課題」です。



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顧問の先生は、昨年の4月から半年間、大学での勉強に派遣され、部活の指導は土曜と夏休みだけしか出来ませんでした。
平日は先生から出された宿題を黙々と練習して、先生に見ていただく形でコンクールに向かったのでした。
その時の苦労や努力が、今、部員たちの力になって、どんどん自分たちで練習を進める姿勢が定着しました。
そして、以前より、私の発問に対して、積極的に手を挙げて発言するようになりました。
場面のイメージや自分の思い、発想記号の裏にある作曲者の願い...ドラマ性のある曲を練習していることもあり、今回は今までで一番発問の多いレッスンでしたが、発言も一番多く、言葉だけでなく、音や表現の変容も大きいすばらしい練習でした。
先生は、「田川先生のレッスンを受け始めてから、まず私自身が変わったと思います。教え込む、押し付けるのではなく、考えさせる、感じ取らせる、発言させる形の指導が増えました。それが今日の生徒たちの姿にもつながっていて、とてもうれしいです!」とお話ししてくださいました。
先生も生徒も、大きく変容しているとても楽しみなチームです。



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いつも明るい笑顔で、私を迎えてくれる中学校バンドです。
顧問の先生は、お忙しい3年生の学級担任をされている上に、吹連の役員もされ、アンコンでは当然、出場させるだけでなく、役員としてのお仕事もされ...
なかなか練習に付けない上に、今、部活には自分の学年学級の生徒はいません。
「でも、子どもたちに対しては、私は言い訳をしてはいけないと思っています。1、2年生部員たちは本当に一生懸命練習をしているのですから」と誠実にお話しされます。
そんな先生の誠実さ、そして、ほんわかした柔らかさが生徒さんたちに乗り移っているように、皆が誠実で、穏やかです。
今回のレッスン曲は、小学校でも演奏される易しめの、しかも音楽的で、深い学びが得られる曲を選んで差し上げました。
先生が付けなくても、自分たちで楽に譜読みが出来、いいサウンドや美しいハーモニーや旋律の絡みを味わえ、早く「音楽の勉強」にたどりつけることが良いと思ったのです。
正解でした! 休憩無しに、帰りの新幹線に間に合う時間を見ながら、1分1秒を愛おしむように、この部員たちと、音楽にどっぷり浸かり、別れを惜しみながら学校を後にしました。
寒いのに、外に出てまで、最後まで手を振って見送ってくれました。 ありがとう!



今回は、伺う前の日の天気予報では、北陸は暴風雪のようなアナウンスがあり、少し早く富山の別の地域にご指導に行かれていた緒形まゆみ先生から、「雪がひどくなるようですので、暖かくしてお出かけしてください」とのメール。
まとめ役の先生からも、「雪がどんなに降っても、新幹線はまず止まりませんからご安心ください」とのメール。

覚悟して出かけました。
でも、土曜日は青空が広がり暖かい日でした。 天気予報がはずれてよかった!
生徒さんは、「田川先生が、雪雲を追っ払ってくださったんですね!」なんて言ってくれてほっこり。
日曜日は、雪が舞いましたが、たいしたこともなく...良かったです。

次にお会い出来るのは、コンクール練習に猛進している時期です。
またひと回り成長した皆の姿を楽しみにしています。

みんな、がんばれ!

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| | 2017-01-23(Mon)20:32 [編集]