田川伸一郎のブログ

県内私立小学校の音楽科授業研究

昨日は、県内私立小学校に音楽科授業研究の講師としてお伺いさせていただきました。

毎年、音楽科の授業研究を3~4回されるすごいやる気の先生方です。
その他に、吹奏楽のレッスンも受けられ、授業とバンド指導の両方で、私はこの学校の音楽教育に関わらせていただいています。

初めてお招きいただいてから、5年が過ぎようとしています。

ざっくり数えても、音楽科の授業研究は、16回ほどされたと思います。
全ての先生方が参加しての授業参観と大きな協議会・講演も、数回させていただきました。

その授業研の成果が実り、授業力アップはもちろん、「音楽の授業が大好き」という子どもが増え、授業への意欲向上、全校児童の歌声の向上、そして、吹奏楽に入部する児童の増加という具体的な「子どもの活動の姿や音楽の質の向上」が見られることがうれしいです。

「研究のための研究」や「教師の自己満足」に終わるのではなく、子どもを確実に変えていることがすばらしいと思います。
しかも、この授業研究は、学校から強制されたものではなく、おふたりの音楽専科の先生方が、自ら望んでされているのです。
指導案を書くのも、負担どころか、回を重ねるごとに楽しくなっているとおっしゃいます。

担任の先生方も、「音楽科」という教科の大切さや奥深さを改めて学ぶ機会となり、他教科での研究促進のエネルギーにもなっているようです。
毎回全職員が参観という訳にはいきませんが、毎回、必ず数名の担任の先生方が少しの時間だけでも参観され、一緒に勉強されています。

教育向上のための努力を惜しまない先生方が集まったすばらしい学校なのです。

昨日は、今年度3回目の授業研究会でした。

第一学年
題材 「おとをあわせて たのしもう」
本時の教材 「やまびこごっこ」


1年生の授業研究はなかなか拝見する機会がなく、ともかく、「かわいい~」と、私はずっとニコニコワクワクでした。
担任の先生の学級経営もすばらしく、皆、姿勢がいい、話の聞き方、けじめのつけ方、話の仕方が、きちんと躾けられていました。
私の直感で、「この担任の先生は、国語の授業にかなり力を入れていらっしゃる先生では?」と思い、伺ってみましたら、大当たりでした。
国語科主任の先生で、かなりのお力をお持ちの先生と、同学年の先生が教えてくださいました。
「田川先生、どうしてわかるんですか?」 「長年の直感ですよ!」 「すご~い!」と、担任の先生方ともコソコソ話をしていました。

そして、音楽専科の先生の表情豊かな話しかけや歌い方のおかげで、皆が上手に真似して、「やまびこごっこ」の歌が子どもたちの心にしっかり入っていくことがわかりました。
ひとりで歌ったり、グループで仲良く真面目に活動したり...1年生でもここまで出来るんだと感心しました。
また、子どもたちの集中力が途切れないように、身体表現を加えたり、上手にショートプログラムを組み立てたりして、常に新しい課題と喜びを子どもたちに与え続けていたことも良かったです。

始終、楽しそうな笑顔と表情豊かな歌に溢れた素敵な1時間でした。
先生も、子どもたちのひとりになって楽しんでいるようにさえ感じられました。

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第五学年
題材 「心をこめて表現しよう」
本時の教材 「翼をください」


元気でかわいい1年生の授業と後、静かに入って来た5年生たちは、妙に大人っぽく、かわいいを卒業して凛々しく見えました。
先生との授業の仕方、ルールもしっかりと身についているので、全てがスムーズに流れます。
楽器の用意、譜面台の用意ひとつを取っても、うるさい音は立てず、黙って静かに出来ます。

この学校は、1年生から6年生まで、ふたりの音楽専科の先生が、同じ歩調やルールで授業を連携して進めておられるので、「音楽室はどういう場所か」という躾けの面や、授業の導入での発声練習や基礎作りのトレーニングの仕方も系統的に行われていることが、「音楽室でのあたりまえ」を子どもたちの中に育てていると感じます。

学級によって、もちろん雰囲気は違いますが、「音楽室モード」はしっかり出来上がっていることが、授業の効率と効果を上げ、先生も子どもたちも余計なストレスを感じずに「あたりまえのこと」が出来ることの価値を感じました。

授業は、器楽合奏を全体演奏からアンサンブルに移していく内容でした。
教材の「翼をください」は、子どもたちもよく知っている曲ですが、先生がこれをリコーダー2パート、鍵盤ハーモニカ2パートの四重奏で演奏出来るように楽譜を工夫し、伴奏やリズム伴奏がなくても、曲の良さを醸し出せるようにしてありました。

その楽譜の工夫の仕方がすばらしい!
音符はどのパートも易しく、しかし、4人が合わせて演奏するには、互いの音をよほどしっかり聴かないと合わないような「しかけ」がしてあるのです。
こういうハードルのつくり方は、アンサンブル学習には、とても効果的です。
技能差が出やすい器楽学習の中で、どの子どもにも演奏しやすいように、そして、合わせることは難しいように...そんな楽譜はなかなか無いものです。

先生のアイデアと工夫力(あえて編曲力とは申しません。編曲ではなく、工夫だと思うからです)の高さ、児童の実態を見極めた難易度の設定...ここが、ひとつの「授業力」の前提となるものです。

無駄な時間なく、子どもたちは、目標に向かって練習を進めていました。
先生からの支援は、最低限に...少々困っていても、自力解決をさせ...
本時では、まだ完成には至りませんでしたが、それでよいのです。
「ビフォアー・アフター」が確実に見えましたから...

大きな研究会に行くと、初めから出来上がっている「鍛えられた演奏(歌でも器楽でも)」を、あたかもまだ何もやっていないかのように「今日は表現を工夫して」ときれいに流す「デモンストレーション的授業」が多い音楽科の授業研究ですが、この学校の授業研究にはそれが全くありません。
そんな意味のない授業研究は私が許すはずありませんし、先生方も望んでおられません。

「ビフォアー・アフター」がどれだけ見られたか・・・それが、授業に対する評価の一番大切なところです。

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1年に3回も、しっかりと指導案を書いて、自ら授業研究に向かわれた先生方。
少々辛口の批評をしても、言い訳せず、めげず、「次の授業に生かします!」と、明るく受け止めてくださる「学びの姿勢」。
そして、先生方の熱意と愛情で、大きく育っている子どもたちの姿と音楽力。

今年度も、本当によく頑張りました!

私も一緒に勉強させていただけて光栄に思います。

来年度も、いっぱい学んで、「輝く教師道」を歩んで参りましょう。

心から拍手!


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| | 2017-02-03(Fri)20:41 [編集]