田川伸一郎のブログ

東京都の中学校バンド

大型連休も終わりました。
みなさま、良い休日を過ごされましたでしょうか?

東京近郊の音楽ファンのみなさまには、『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017~ラ・ダンス 舞曲の祭典』へ行かれた方も多いのでは...
都内から帰る電車で隣に座られたご夫妻が、たまたまそのプログラムを広げ、「あれが良かった、これが良かった」と指さしてお話しされているのを横目で覗き込みながら、「いいなぁ~」と心の中でつぶやいていました。
昨日の県内の中学校レッスンでは、顧問の先生が「4日はラ・フォル・ジュルネ、5日は土気シビックウィンドオーケストラの演奏会、2日連続で素敵な音楽でいっぱいのいい連休でした!」と興奮してお話しされていました。ここでは声に出して、「いいなぁ~」と。

でも、私も、函館や東京、千葉で素敵な先生方や子どもたちといい休日を過ごしましたし!
うん! そうです。 良い連休でした!

そんな大型連休の終盤の一昨日は、東京都の公立中学校にお伺いさせていただきました。

IMG_0147_convert_20170507222347.jpg

全く初めてお招きいただいた学校です。
しかし、顧問のS先生は、何と「大柏小学校時代の教え子」という十分過ぎる知り合いでした。

彼とは何度かやり取りをしていたのですが、「先生にレッスンに来ていただきたいのですが、私が超緊張してしまうことがわかっていますし、自分の指導を先生に見られるのは恥ずかしい気持ちもあり...でも、生徒にとっては、おいでいただくことが絶対ためになると分かっていますし。ううむ...」と、ずいぶん迷ったあげく・・・
「ここは、生徒を第一に考えることにしました」と決心したご依頼でした。

再会したのは何年ぶりになるのでしょうか。
少なくとも、彼が東京都の教員になってからは初めての再会でした。

演奏のレベルがどうこうではなく、彼がどんなバンド運営をしているのか、どんな子どもたちを育てているのか、どんな風に生徒に接しているのかということがとても楽しみで、ワクワクしながら出かけて行きました。

学校に着くと、お互いに懐かしく、ぎゅっと堅い握手をして感動の再会をしました。
もちろん立派な大人になっていましたが、柔らかな笑顔はあの時のままでした。

音楽室に向かう廊下では、やっと楽器が決まったばかりの1年生がたどたどしくも、熱心に音出しの練習をしていました。
学区の小学校にはバンドがなく、他地区から入学して来たほんの数名だけが経験者ということで、ほぼ全員がゼロからのスタートということでした。

そんな1年生たちもみんな音楽室に集まって見学参加ということになりました。

彼は、「あぁ、緊張する。お腹痛いし~」と言って生徒さんたちを笑わせます。
ピリッと張りつめたバンドの雰囲気ではなく、とってもほのぼのとした家庭的な雰囲気です。

彼の担当教科は、音楽科ではありません。
しかし、ありがたいことに、ベテランの音楽科の先生が副顧問としてしっかりサポートしながら彼に主顧問の立場を与えてくださり、また、公的に派遣されている外部指導員の方も定期的にご指導くださっているという恵まれた環境の中で、吹奏楽指導をさせてもらっているようです。

はじめに、生徒さんたちとたっぷり「お話しタイム」を取らせていただきました。

「この吹奏楽部は魅力ある部活ですか?」・・・いきなりの質問でした。
ほとんどの生徒さんが「はい」と挙手。

「では、この吹奏楽部の魅力とは何ですか?」
先輩後輩関係なく、とても仲がいいこと。
いつもみんな一生懸命練習していること。
コンクールや定期演奏会、文化祭など、練習の成果を発表する場が色々あること。
楽器がたくさんあって、先生方も熱心に教えてくださること。
・・・
それぞれの考える魅力を話してくれました。

自分たちの部活の魅力を時に考えることの大切さ、そして、自分たちの部活に魅力を感じて活動出来ることがどんなに幸せなことであるか...心を込めてお話ししました。
その「環境」は、当たり前にあるものではないということも...

うなずきながら話を聞く生徒さんたちの顔は、真剣、ほのぼの、そして、キラキラ。
こういう会話がしっかり出来、こんな風に心で話を聞ける生徒を育てている彼の教育には、それだけでも「合格点」をあげたい気持ちでいっぱいになりました。

IMG_0078_convert_20170507222100.jpg  IMG_0060_convert_20170507222021.jpg

そして、いよいよ練習。 先に送ってあった「コラール」と易しい楽曲教材です。

彼に指揮してもらったり、私が中に入って指導したり...
教え子という気兼ねなさで、とても自由な感じでレッスンを進めることが出来ました。

うれしかったのは、彼が指揮をして演奏した後、すぐに注意をせず、「はい、どうでしたか?」とまず生徒に感想や気づいたことを話させていた場面があったことです。
生徒さんたちから次々に意見が出ます。そして、それを彼が詳しく補います。

「なるほど、こうやって指導しているんだね」「はい、田川先生も考えさせる指導をしてくださいましたから」
そうか...あの頃の私の指導を思い出して、自分の指導に生かしてくれているんだな。

IMG_0139_convert_20170507222258.jpg  IMG_0097_convert_20170507222124.jpg

IMG_0015_convert_20170507222000.jpg  IMG_0137_convert_20170507222228.jpg

チューバさんの吹き方を指導すると、何度か吹くうちに、ぐんと違う音が出ました。
すると、あちこちで、「わ~!」「すごい~!」と、小さな声で感嘆。
そんな皆の反応に、私はまた感動して、褒めまくり。 他人が上手く出来たことを自分のことのように喜べる集団ってほんとに素敵です。
良い意見を発表出来たトランペットさんも、なでなでして褒めまくり。 皆もニコニコでした。

コラールでは、「フレーズ」にこだわって考えさせる指導をしている彼の後押しをして、手を使って歌う勉強もしました。

IMG_0088_convert_20170507222918.jpg
見学の1年生も一緒に歌います。 
手をどう動かせばよいのか? 
そもそも「フレーズ」ってなんだ? ただの「まとまり」だけかな?
たくさん考え、たくさん歌い、たくさん手を動かして、皆で答えを見つけ出していきました。
こういう勉強を飽きずに楽しんで出来るのは、日頃からの先生方のご指導の賜物です。



途中、「そういえば、S先生は小学生の頃、・・・」と話すと、皆はますますニコニコ。
先生は、「えっ!そうでしたか?あっ、お腹痛い~」と、また生徒たちを笑わせます。

IMG_0118_convert_20170507222155.jpg

持参した『未来へのファンファーレ』のDVDを見せてあげる時間も取りました。
みんな小学校時代の先生の演奏姿にお笑いで反応するかと思いきや、「えっ、これ、本当に小学生の演奏ですか?まじヤバくないですか?凄すぎ!」と。
「S先生は、こういう小学校時代を送っていたんだよ。毎日一生懸命練習してね。」
「ほほぉぉぉぉ」 ここは、皆、笑いではなく、「尊敬~」でした。

約4時間のレッスン。 教え子が率いる中学生たちの練習姿、反応、とても穏やかで心和む雰囲気、そして、どんどん変容していった演奏...胸がいっぱいになりました。

彼の指導も立派ですが、副顧問の先生の日常の音楽授業の質の高さや部活指導の良さ、そして、外部指導員の先生の正しい技術指導のおかげだとつくづく思いました。

部長さんの最後のあいさつ...「今日は、田川先生にたくさん褒めていただいてとてもうれしかったです。いつも先生方が厳しくもしっかりと指導してくださっているから、今日このように褒めていただけたのだと思います。はじめのお話にあったように、この環境を当たり前だと思わず、いつも感謝の気持ちを持って活動していきたいと思います。...」

教え子が教師になり、あの頃私が必死に伝えていたことを、今、自分の前の生徒たちに伝えてくれている...

きっと悩みも苦しみもあるはずです。
本当に「お腹が痛い...」の日だってあるかもしれません。
でも、こうして熱心に指導し、こんなに良い生徒を、こんなに良いバンドを育てている...ありがとう、S君。 いや、S先生。

伺う前の「彼がどんなバンド運営をしているのか、どんな子どもたちを育てているのか、どんな風に生徒に接しているのか」というワクワクは、予想以上の感動となって返って来ました。

これからも身体に気をつけて...
先生である君自身が、今ある環境に感謝して...
がんばってくださいね。

QieUXRORvBjaW3m1494080450_1494080500.jpg
田川先生の自慢の教え子S先生の教え子であるみなさん。
あなた方の素直さ、謙虚さ、熱心さ、吸収力、そして、音楽が大好きな気持ちにとても感動しました。
これからも、S先生、副顧問の先生、外部指導員の先生のご指導に感謝し、ますます元気に活動していってくださいね。

心に残るとても良い連休の1日でした。
ありがとうございました。 


スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2017-05-09(Tue)00:08 [編集]


管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2017-05-09(Tue)21:19 [編集]