田川伸一郎のブログ

千葉県の中学校バンド~出会い・再会~

この土日は、1日2校、合わせて4校の県内の小中高校バンドにお伺いさせていただきました。
あいにく、お天気は雨模様やすっきりしない曇り空でしたが、音楽室の中はどの学校も晴れ晴れ生き生きしていました。

昨日の午後にお伺いさせていただいた中学校...
生徒さんたちとは全く初めての出会いでしたが、学校、そして、顧問の先生とは、懐かしい再会でした。


昔、何度も勉強に行かせていただいたり、自分の小学校の子どもたちも交流させていただいたりした学校なのです。

そして、顧問の先生は、この中学校の卒業生。 
今年度から、母校での顧問という恵まれた仕事場にいます。
先生がこの中学校の1年生だった頃からの姿と成長を、私は見て来ました。

「あの頃」を思い出す懐かしい校舎、音楽室、そして、この学校での先生との再会。
同じ音楽室で練習する初めて出会う生徒さん方。

とても感慨深い思いで、午後の時間を過ごさせていただきました。

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学校の規模も、部活の規模も、どんどん小さくなり、部員は一時期、10名程度にまで減ってしまった時期もあったようですが、前任の先生のご努力もあり、学校規模に負けない部員数を得られるようになってきました。

今は、1学年2学級、しかも1学級の生徒数が30名弱という少なさですが、今年の1年生の新入部員は20名近くに。
つまり、学年の半数近くが吹奏楽部に入部してくれたということです。
すごい入部率です。
そのおかげで、部員総数は50名に手が届きそうな人数です。

部員の半数近くが1年生ということで、先輩たちはうれしい悲鳴。
中には、ひとりで3人の1年生を教えなければならないパートもあるようです。

小学校にも吹奏楽部があり、経験者も多く入部してくれたようですが、小学校では楽しく楽器に親しむという活動をしていたようで、「即戦力」という技術はなく、また「中学校では他の楽器に挑戦したい」という初心者状態の部員もいて、ほぼゼロスタートと思わなければならない感じです。
でも、技術はともかく、「中学校でも続けよう」と思える気持ちを持たせて中学校に送ってくださった小学校の顧問の先生には感謝です。

久しぶりに入るこの音楽室で、生徒さん方に、私の考える「部活動の意味や部活動のあり方」「中学校時代の生き方」「自分自身の見つめ方」など、心のお話をさせていただきました。
話を聞く生徒さんたちの眼は、あの頃と同じように真剣でした。


「お話しタイム」の後、部員全員での「基礎合奏」から練習を始めました。
半分近い1年生が含まれているのですから、当然、全体の音はまだまだ不安定です。
でも、姿勢や返事、やる気は、先輩たちと一緒!
先輩たちの指導やフォローも、熱意と優しさいっぱいでした。

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先生は、「この学校の生徒は、ほんとによく練習するんです。2.3年生はもちろん1年生も。サボるということをしない。絶対に練習に来ます。特別な事情がない限り、常に全員が揃っています。塾で早退する生徒もいません。部活の時間を優先して塾や他の習い事を入れています。保護者の方々のご理解も深いです。時代は変わっても、それは昔と変わらないのです。それがうれしくて」とおっしゃいます。

まだたどたどしい音しか出せない1年生たちですが、この良い環境、伝統、先生と先輩たちの良い指導、保護者の方々のご理解で、きっとすくすく育っていくことでしょう。

全体での「基礎合奏」の後は、1年生には見学してもらって、コンクール曲の候補になっている数曲を聴かせていただき、その中では一番良い感じの曲を深めていくことにしました。

「まだ見ていただける状態ではなく、やっと音が並んだだけなのです」と先生はおっしゃっていましたが、曲に込められた作曲者の思い、ハーモニーの「色」が意味するもの、強弱記号が意味するもの...イメージ的な語彙によるアドバイスで、演奏は見事なほど変わって行きました。

「心」で受け止める力が高いすばらしい生徒さんたちでした。

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1年生たちは、突然現れた不思議なオジサンの意味不明なレッスンを受ける先輩たちを見ながら、聴きながら、目を白黒させていました。

「ねぇ、1年生たち。先輩たちが、うんと遠い人に思えるでしょ?自分たちもこんな風に出来るようになるのかなぁ?田川先生が話しているこういう意味不明の事が分かるようになるのかなぁって思っているでしょ? それが、なれるんだなぁ~。これから1年、2年努力し続けることで、みんな必ず先輩たちのようになれるんだよ!来年の今頃は、新しい1年生に教えてあげてるんだろうなぁ」と話しました。
緊張した顔や「・・・」の顔が、少しにっこりしました。


多くの中学校バンドに関わらせていただき、中学生たちの成長には、本当に驚かされています。
特に、全くの初心者で始めたという中学生が、どうして1~2年で、こんなに演奏出来るようになるのか...奇跡に近いものを感じます。

だからこそ、顧問の先生の適切な指導、より良く伸びる部活運営をお願いしたいなぁと思うのです。
練習量ばかり増やし、厳しさばかり増やすから、「ブラック」などと言われてしまうのです。
適正な練習量、厳しい中にも楽しさ溢れる練習の雰囲気、無駄や無理のない練習方法で、実に効率的に、教育的に指導されている多くの先生方から、私は学ばせていただいています。
そして、それを指導に悩んでいらっしゃる先生方の参考になるよう、お伝えしています。


こちらの中学校の吹奏楽部も、まさに、そんな良い指導を受けられている幸せな生徒さんたちだなと思いました。
前任の先生のご指導も含めて...

コンクール曲は、まだ決まっていません。
先生がじっくりとひとりひとりの力や良さ、バンドのカラーを見極めて選んでいかれると思います。


レッスン後の部長君のあいさつは、ありきたりの言葉ではなく、本当に心がこもった言葉と表情、そして、具体的な学び、それに対する感謝や今後の決意が込められていました。
この生徒さんたちがいかに「心」を大切に育てられているのかが分かるようなあいさつでした。
私は、感動してしまいました。 思わず、頭ナデナデして褒めてあげると、けなげな普通の中学生の顔に戻り...そこがまた爽やかで素敵でした。

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部長君だけではありません。
トロンボーンの女の子が、レッスン後に準備室に入って来て、「田川先生、少しお時間いただいてもいいですか?」(この前置きにすでに感心)
「今日レッスンをしていただいて感じたのですが、どうやったら、楽譜からイメージをつかんだり、強弱記号にこめられた気持ちをつかんだりできるような人になれるのですか?私は、楽譜は読めても、その意味の深さとかイメージとか、そういったことを自分で考えることがうまく出来ないのです。・・・」

その質問自体に私はまた感動し、私が考えられる範囲でたっぷりお話ししてあげました。
主な内容は、「五感を十分に働かせて生活すること」「音楽以外のこと、特に、自然や風景に心動かしながら生活すること」などでした。

これからのお付き合いが、ますます楽しみになりました。

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ずっと昔、君たちが生まれる前に、この音楽室で真剣に練習に励む君たちの大先輩たちから、たくさんのことを学ばせていただきました。
そして、何年もたった今、こうして同じこの音楽室で真剣に練習に励む君たちの姿に出会えました。
感動と感謝で胸がいっぱいです。
「あの頃」へのご恩返しの気持ちも込めて、これからも誠意と愛情をもって応援していきたいと思います。
心に響く「出会い」と「再会」のご縁をくださった顧問の先生に感謝いたします。
ありがとうございました。


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| | 2017-05-15(Mon)20:18 [編集]