田川伸一郎のブログ

「部活動指導者委嘱状」

千葉県の柏市は、全国大会常連の市立柏高校、酒井根中学校を筆頭に、小中学校の吹奏楽活動がとても盛んな街です。

私も柏市の数校の小中学校で吹奏楽部をお手伝いさせていただいていますが、その流れを受けて、この度、柏市教育委員会から「部活動指導者」という正式な委嘱状を頂戴いたしました。

「先生方の負担を少しでも減らそう」「部活動でのより良い学びの機会を与えよう」という趣旨で、教育委員会として部活動推進のための具体的支援をおこなっていく取り組みです。
1年ごとの更新制で、教育委員会に登録され、希望する学校の指導に入ります。

「部活はブラック」と、昨今、マスコミでは「部活動否定論」ばかりが取り上げられることが多いですが、その一方で、「部活動でこそ得られる多大な糧を大事にしたい」という声も現場の先生方から多く上がっていることも事実です。

その「糧」は、教師と児童生徒が共有出来る大切なものです。

現場の様々な声を教育委員会がしっかり受け止めて、「ブラック」と押さえつけるのではなく、「部活動をより良い形で推進する」という具体的な動きが、この「部活動指導者」の採用だと思います。

部活動を押さえつけることは、良いことなどひとつもないと私は考えています。
それは、教師にとっても、児童生徒にとってもです。
「やり過ぎ」は問題かもしれませんが、「やり無さ過ぎ」はそれ以上に問題です。

だから、押さえつけるのではなく、行政や地域が「具体的支援」をしていってほしいと願うのです。


前にも書きましたが、学校の中の「ブラック」は、部活ではなく、もっと別の所にあります。

・授業時間は減っているのに、学習内容や学習形態には昔より量も質も多くの物を求められていること。(結果として、「ゆとり教育」は何処へ。授業時数を増やして対応するために、土曜日授業や長期休業の短縮化が進んでいます。)
・やたらと多い「調査文書の提出」と「研修」...(注:もちろん、本当に必要な調査文書や研修もありますが。)
・中学校では、特に技能教科の教員の削減で、「複数校掛け持ち」の教員が増えていること。(もちろん、「免許教科外」の授業をしている先生も相変わらず減りません。)
・「これは家庭の責任でしょ!」ということまで、学校が責任を負わされ、対応していること。(現職の頃、「ウチの子、いつになったら、ちゃんと箸使えるのよ!給食の時、何指導してるの!」と怒鳴り込んで来た低学年の保護者がいましたねぇ。あれれ?でした。)
・時間に関係なく、夜遅くにでも平気で電話して来て延々としゃべり続ける保護者さん。(本当に緊急を要する場合は別として。)その他諸々の「モンスターペアレンツ」への対応。
・一部の教員に加重な校務分掌が偏っている場合があること。(「君は力があるんだから」とおだてられ...。その分、仕事を任せられない「要指導教員」がいるのも事実です。担任や授業、少人数指導も任せられず、「印刷係」位ならと任せても、枚数を間違えてばかりで、これもダメ。退勤時刻になると早々に「お先に~」と帰って行くベテランの高給取りの先生もいたっけなぁ。「能力が無いので辞めようか...」なんて落ち込むこともなく本人は超幸せ。普通の会社だったらとっくにクビなんだけど...力もあって責任感も強い先生が、必要以上に自分を責めて休職や退職をしてしまうのに。) また、近年、「正規採用教員」を取らずに、採用試験不合格の「臨任講師」を採用する例が多いです。(安い賃金で雇えるから?) その分のしわ寄せも一部の教員にのしかかって来ています。
・「時間外勤務」はほぼ無償。(「教員特別手当」が支給されてる?仕事量に対して全く不相応な額です。高校生のアルバイト料より安いです。)
・労働基準法で定められているはずの「休憩時間(労働時間が6時間を超え8時間以内の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与える義務があります。職場から離れて休んでも良い当然の権利です。)」など、現実には絶対に取れません。
・中学校教員や小学校の専科教員の持ち時数が、異常に増えているのはなぜ?もっと教員数を増やして、空き時間を確保しなければ、事務仕事や良い授業のための教材研究、身体と心のセットの時間が確保出来ないのに。(なのに時々、政治家さんが「教員数を減らす方向で」などと宣うなんて許せません。「あんたたち、学校現場で一ヵ月でもいいから働いてみなさい!」です。)
・世間では、「先生は夏休みがあっていいな」と思っている方もいらっしゃいますが、正式な「夏季休暇」は5日程度で、あとは授業が無くても、普通に「出勤日」なんですよ。夏休み中でも「夏季休暇」を越えて休みたい場合は「年休(有給)」を使わなければならないんです。
・・・・・

「部活はブラック」以前に、もっともっと聞いてもらいたい、マスコミに取り上げてもらいたい教育現場の「叫び」があるのです。


おっと、話がまたそれてしまいました。

柏市教育委員会の真摯な取り組みに敬意を表し、「柏市・部活動指導者」としての使命を果たすべく、柏市の小中学校の吹奏楽活動のさらなる発展のために、誠意をもって努力したいと思います。

こんな「部活動に前向きな制度」が日本中に広がっていけばと願います。

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| | 2017-06-09(Fri)20:40 [編集]


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| | 2017-06-10(Sat)18:28 [編集]