田川伸一郎のブログ

天草から

先週の金曜日から昨日まで、熊本県天草市にお伺いさせていただきました。

天草に初めてお伺いしてから、12年ほど経つのでしょうか。
ご縁をくださったのは、作曲家の八木澤教司先生でした。

「天草の小学校が、『はてしなき大空への讃歌』に取り組んでいて、私に指導依頼が来たのですが、小学校バンドなら田川先生をお招きしては...とアドバイスさせていただいたのです」と、八木澤先生からご連絡いただき、その後、天草の先生からご連絡をいただき、お伺いすることになりました。

私がまだ新浜小学校に勤務している時でした。
それ以来、毎年、この時期や秋にお招きをいただくようになり、フリーになってからは、複数の小学校、中学校、高校にもお伺いするようになりました。

天草に行くには、熊本空港、または福岡空港から「天草エアライン」という40名程のプロペラ機で約30~40分飛んで向かいますが、先週の金曜日は「機体整備のための運休日」でした。
ガーン(汗)...天草エアラインが飛ばないと、熊本空港からバスを乗り換えながら約3時間ほどかけて移動するしかないのです。
前に一度これを体験しましたが、天草に着く頃にはぐったりするほど疲れ切ってしまいました。
今回も、「あの地獄移動か...」と覚悟していたのですが、小学校の先生が年休を取って、熊本空港までお迎えに来てくださることになったのです。
自家用車だと、高速道路を走れますし、最短距離を走り、また、楽しいおしゃべりや途中休憩も取れますので、ずっと楽です。
それでも、2時間半はかかりますが、全然疲れず、久しぶりお会いして話すこともてんこ盛り!
とても楽しいドライブでした。

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途中休憩をした天草五橋・松島展望台です。
海と小島、緑、広い空...ゆったり深呼吸出来ました。
しかし、暑かった~。 ソフトクリームがとても美味しかったです。


今回は、小学校3校、中学校1校、高校1校からのお招きでした。
天草は、吹奏楽がとても盛んな地区で、小学校から高校までのつながり、さらに、一般バンドまで。
吹奏楽部員の保護者の中にも、吹奏楽の経験者、あるいは今も一般バンドで楽器を続けているという方もいらっしゃいます。

レッスンでも、中学校へ行くと小学校で出会った生徒さんたちがおり、高校へ行くと中学校で出会った生徒さんたちがおり、一番長い子どもたちは、小学校3年生から高校3年生まで毎年ずっとレッスンを受けています。
9年間の成長を見続けられるのは、とてもうれしいことです。

夏の吹奏楽コンクール、秋のRKK器楽合奏コンクールに向けて、熱心に練習に取り組む先生と部員の皆さんのために、精一杯お手伝いさせていただきました。


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器楽合奏に取り組むこの小学校とは、2年前からお付き合いをさせていただいています。
今年度は、部員数も少ないことがあり、アコーディオンとバスマスターだけのリード合奏で活動しています。
ピアノを習っている子どもはほんの数名ですが、皆、たゆまぬ訓練によって、鍵盤を見なくても、速いパッセージを弾きこなします。今年の曲は、チャイコフスキーの弦楽セレナーデの第四楽章です。原曲の楽譜をそのまま使って演奏しています。
冒頭の弱奏部の響きをどう作るかというとてもデリケートな練習に始まったレッスンでしたが、こういうストイックな練習にも飽きず、私が伝えた「天から一筋の光が降りてくるような音」を求めて何度も何度も挑戦し、そんな音を作り出そうとする子どもたちの瞳に感動しました。
顧問の先生は、超ベテランの先生でありながら、謙虚さと勉強心に溢れた方です。
私が子どもたちに伝えたことをひとつ残らず付箋に書いてスコアに貼り付け、1ページ目だけでも学びは数え切れないほどになりました。
ご自身の生き様を通して子どもたちを育てる教師としての姿に、心から敬服いたします。
子どもたちの神聖な眼の輝き、忘れません。
会いに来てくれた卒業生の皆さん、ありがとう!

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レッスン後の先生の楽譜の1ページ目です。


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明るく、ファイトの塊という感じの顧問の先生と共に活動する子どもたちは、元気いっぱいの音楽大好きっ子ばかりです。
先生は、ご自身はバレーボール部だったそうですが、勤務した学校で吹奏楽部に関わるようになってから、吹奏楽の魅力にハマり、今では「生きがい」と言えるほどの情熱と大らかな心で子どもたちを包み、吹奏楽の楽しさを伝え続けていらっしゃいます。
運動部出身だけあって、挑戦意欲や突進力は抜群。 そして、子どもたちひとりひとりへの繊細な配慮も欠かさず、皆が安心して伸び伸びと活動に参加していることが分かります。
今年の曲は、先生も子どもたちも大好きということで決めたという『エル・カミーノ・レアル』です。
もちろん、私の『未来へのファンファーレ』に収められた大柏小学校の演奏を何度も観て、感動しながら練習してくださっているとのこと。
まだ曲全体の雰囲気をつかんで演奏している段階ですが、試しに「主旋律」を省いて演奏してみると、あれあれ?こんなだっけ?と、大変なことになっていることが分かりました。このタイミングでこのレッスンがあって良かったと思います。
「これから何を、どのようにやればいいかが分かりました!私、やります!」と、指導意欲が増した先生、そして、「絶対に良い演奏に仕上げてみせます!」と決意いっぱいに見送ってくれたカッコいい子どもたちでした。



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天草で一番長いお付き合いをさせていただいている小学校です。
こちらの小学校からのお招きで、私は初めて天草にお伺いし、それ以来、指導者が代わっても、毎年お招きいただき、12年ほどご縁が続いています。
今の先生になってから3年目。先生の願いややり方が染み込んで来たこともあり、子どもたちはとても落ち着いた態度と真剣さでレッスンに取り組み、教えたことがどんどん入って行くことに驚きました。
指導担当をされる先生がチームになっており、楽譜が読める、楽器が出来る、吹奏楽の経験や指導経験のある先生方が皆で指導に関わっておられます。
私が、演奏の誤りを指摘すると、「救援隊」のごとく、その子どもの所に誰かが飛んで行き、私が指摘している箇所を楽譜上で確認させ、さらに、その子に分かるように私の言葉を言い換えたり、具体的に奏法を指示したりと、私のレッスンの効率を上げるように一緒になって指導してくださいました。
演奏中の身体の動きを一度やめることで、アーティキュレーションの正確さや音圧の安定を図れ、サウンドや各パートの音がクリアに出来ることを学べたレッスンになりました。
これからも、先生方と子どもたちのチームプレイで、ますます向上していけそうです。



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上記の2つの小学校の子どもたちが進学する中学校です。
他の小学校からも入学して来ますが、中学校ではみんながひとつになって良いバンドづくりを目指しています。
今年度、このバンドは顧問の先生が代わりましたが、私のレッスンを希望してくださり、例年同様にお伺いさせていただくことが出来ました。
レッスンの前に、顧問の先生が代わることによって起こり得る様々な「危機」について部員たちに話し、こちらの先生はそれが起きないように最善を尽くしてくださるすばらしい先生なのだということを、私なりの表現で伝えました。
今までと同じように活動出来、今回のレッスンがあったのも、全て先生のおかげ。当たり前だと思ってはいけない...と。
新しい先生と生徒さんたちがより深い信頼関係を築いて前進出来るような声かけをしながら、音楽を深めていきました。
部員の多くが、小学校の時から私との付き合いがあるので、私が伝えたいことをキャッチする心と力も高く、持ち前の気合いも手伝って、課題曲・自由曲共に、ひとつのサンプルとしてのアイデアによる演奏を作ることが出来ました。
「最終的にどう演奏するかは、顧問の先生のご指示どおりにしなさい。それが演奏者である君たちの責任であり、指揮者に対するマナーです」と伝えながら。
誠意ある新顧問の先生のおかげで、私もこの素晴らしいバンドとご縁がつながっていることに感謝しながら、これからも応援を続けていきたいと思います。



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上記の中学校から進学する生徒さんも多い地元の高校バンドです。
小学校時代から私のレッスンを受け続けている生徒さんもたくさんおり、お伺いする度に小学生の頃からの成長に心打たれます。先生は、オーボエがご専門の若手ホープ! お人柄のとおり、とても丁寧に音楽を作られる先生です。
今年度は、生徒さんたちとの話し合いの結果、昨年度までよりも練習時間を減らし、「短時間集中」で活動しているそうです。
多くの生徒さんが進学を希望し、その上、3年生のコンクールまでは引退しないという「文武両道」の吹奏楽部なので、勉強との両立が一番うまくいく活動を模索していらっしゃるようです。
レッスンをしてみて感じましたが、練習時間を減らしても、その分の集中練習と先生のご指導の巧みさで、マイナス面はゼロでした。
課題曲も自由曲も、とても端正に演奏出来ていたので、特に課題曲『スケルツァンド』では、田川流解釈(もちろん楽譜から読み取った解釈です)で、「スケルツァンドらしい演奏」を提案させていただきました。
毎年のことなので、私が一度壊して、その後、もう一度、先生が解釈を整理し直して作り上げる過程を、先生も生徒さんたちも楽しんで「勉強」と思ってくださいます。
柔軟性ある先生のお考え、そして、すぐに対応して演奏を変えられる生徒さんたちの力で、今年も良い学びが出来たのではないかと思います。
3年生のある生徒さんが、「僕は小学校からずっと田川先生のレッスンを受けて来ました。とうとう今年で最後かと思うと悲しいです」と話してくれました。それは、私も同じです。感慨ひとしおのレッスンでした。
3年生にとっては、もしかしたら、人生最後のコンクールになる人もいるかもしれません。
最善を尽くして頑張ってくださいね。



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なごやかで温かく、子ども大好き、音楽大好きな天草の先生方です。
熊本市内から毎年見学に来てくださる先生もいらっしゃいます。
今年もお会い出来て、心に染み込むひとときを過ごすことが出来ました。
毎年のお招き、本当にありがとうございます。
これからも、心豊かな音楽活動を...



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帰りは、天草エアラインで福岡まで飛び、乗り換えて羽田へと向かいました。
空港までお見送りに来てくれる子どもたちの笑顔を見ていると、出発が寂しくなるほどでした。
「みんな、田川先生が大好きなんですよ!」とお話ししてくださった先生のお言葉...大切な心の宝物になりました。

「僕も君たちが大好きです!また会おうね!みんな、がんばれ!」


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| | 2017-07-03(Mon)21:07 [編集]