田川伸一郎のブログ

夏休みレッスン行脚の巻~その参

このところ、前に比べて、ほんの少しだけ暑さが和らいでおり、助かります。

毎日、朝早く出て夜までのレッスンの日々...スコアの勉強をしていると、つい睡眠時間も短くなります。

身体のことを考えながらも、今は、一生懸命な先生方と子どもたちのことだけ考えて、無理をしています。


今週伺った埼玉の小学校で今年から副顧問をされている若い女性の先生は、高校時代に強豪校の吹奏楽部で活躍し、打楽器パートの一員として全国大会にも出たというすごい経験の持ち主です。

でも、そんなことは一言も口にせず、私が打楽器に指導している場面ですら、黙って見ていらっしゃいました。
おそらく、彼女の方がずっと詳しく、技術もあるはずなのに...
楽譜に書いてあったスネアの手順を少し直すと、先生もそれを覗き込み、「分かりました!この手順で出来るように教えます!」と爽やかで頼もしい対応。
それは、6月のレッスンの日のことでした。

あとで、顧問の先生に伺うと、彼女のそのすごい高校時代の経歴を教えてくださいました。
びっくりして、私の方から彼女に話しかけると、初めて高校時代の事について口を開き、「じゃあ、打楽器は○○先生に習っていたんでしょ?」と、打楽器講師の先生を私がよく存じ上げていることをお話しすると、うれしそうに共通の話題で盛り上がりました。

「能ある鷹は爪を隠す」とは彼女のような謙虚な方のためにある言葉です。
私が顧問の先生から聞かなければ、多分、彼女は、そんなすごい経歴を私に話すこともなく、ただただ副顧問として淡々とふるまわれていたことでしょう。

今回のレッスンで、打楽器パートの子どもたちが、あれから2ヶ月足らずとは思えないほど、優れたテクニックを身に付け、見事に演奏していることに驚きました。
もちろん、私が決めてあげたスネアの手順は完璧にマスターしてありました。
リズムはもちろん、ストロークも適正で、軽快な部分のグルーブ感やパート内のアンサンブルも立派。
6月のあの状態が、ここまで一気に変わっているとは...
やはり、強豪の吹奏楽部で鍛えられ、その上、謙虚で誠実な人柄をもった先生が正しく指導すると、子どもはこんな風にすくすく育つんだなと、改めて痛感しました。
打楽器パートの子どもたちは、私からたくさん褒められ、「あのね!打楽器がこれだけ上手なバンドなんだから、管楽器も同じ位に上手にならなきゃ!」と管楽器の子どもたちにはっぱをかけ(笑)

今回のレッスンでは、体育館の2階ギャラリーで黙って聴いていた彼女に、「ここの部分、打楽器うるさくないですか~?」「大丈夫です!」と、彼女の耳と判断を信頼して問いかけるようにも接しました。
そのように接したくなる人柄だからです。


先日、夜の体育館練習にお伺いした高校では、私が着くまで、OBの方が先生の代わりに指揮をして、顧問の先生は後ろで聴いて、指導していらっしゃいました。
私のレッスンが始まると、そのOBの方は、今度は後方に座って、最後までじっと黙って見学していました。
途中、私から話しかけてあげると、彼はチューバ担当のOBで、音大まで出て、さらに今も勉強中という方でした。
顧問の先生が指揮をされ、私が後方からアドバイスしている最中、彼は一言も発せず、席からも立たず、黙って見学していました。
彼は、私に細やかに気づかいをし、帰りも顧問の先生と一緒に玄関まで送ってくれました。
「後輩たちのご指導、ありがとうございました」と深々と頭を下げて...
きっと、私が帰った後に、後輩たちにたくさんアドバイスをしてくれたと思います。
レッスン中には、一切口をはさまず、一切ウロウロせず...配慮というものを知っているすばらしい若者でした。


時々いるんです...

私が全体に話している最中なのに、スコアを持ってウロウロと部員たちの間を歩き回り、あちこちに声をかけたり、私が話していることとは全く無関係なことを話していたりする人が...
それは、OBであったり、地域の楽器吹きの方であったり、吹奏楽経験のある保護者であったり、出入りしている楽器トレーナーだったり、退職された先生であったりと、様々ですが。

当然、子どもたちは私の話を聞くより、そばで話すその人の話に耳を傾けます。
なので、私は話を中断して、その方が関わり終わるまで待ちます。 もちろん、指導は途切れ、子どもたちもそちらを向きます。
小学生の場合などは、もう一度、はじめから話し直さなければならないこともあります。
そこでまた入られると、またさらに中断します。
なかなかレッスンは進みません。
自分のせいでレッスンが途切れていることにすら気づかない無配慮な人です。
はじめから、共同作業でレッスンすると打ち合わせをしている場合なら全く構いませんし、私も共同作業の一員として動きますが...

特に、「レッスンを見学させてください」と入って来た人が、いつの間にかウロウロしてこういうことを始めると、「ちっとも見学ではないし...」と独り言を言ってしまいます。

顧問の先生が、その状態を放置していること、レッスンの日にウロウロしそうな人を入れることも意味が分かりません。


埼玉の小学校の先生にも、高校のOBさんにも、通じるものがあります。
それは、「謙虚な人柄」と「配慮の心」です。

若くても、年配の方でも、全く関係ありません。

退職された元教師の方でも、そういう余計な関わり方が、今は迷惑なのだということすら分からずにウロウロされることがあり、あきれてしまいます。

本当にお力のある方、子どものことを第一に考えられる方は、「配慮の心」を持っています。


「ウロウロ」と似たことですが、吹奏楽経験のある保護者の方が、顧問の先生に「今日の演奏はああだった、こうだった」と講評じみた言葉を投げかけるということもあります。
顧問の先生から感想やアドバイスを求められたならともかく...

私がレッスンに入っている他県の小学校に、ご両親とも「強豪校」出身の方がいらっしゃいます。
駅からの送迎をいつもしてくださいますが、「我が子がこうして吹奏楽をさせていただき、顧問の先生には感謝しかありません。本当にありがたいです」といつもおっしゃいます。
子どもたちの演奏のことや顧問の先生の指導のことなど、もしかしたら思う所はあるのかもしれませんが、そんなことは全く口にされません。
顧問の先生から頼まれない限り、アドバイス的なことは一切されないそうです。
先生には、ただただ感謝の気持ちで接していらっしゃるそうです。
何と賢いご両親なのだろうと、尊敬します。

一方、別のある学校では、「吹奏楽をやっていました」という保護者の方が、頼みもしないのに練習に来て、子どもたちの前で先生の指導を批判したり、自分が指導を乗っ取ったりすることもあるそうな...やれやれです。
顧問の先生からの愚痴をどれだけ聞いたことか...。


私が指導した後、別の楽器講師から私の指導を否定されて、生徒がとまどい、「○○先生に、それはおかしいと言われたのですが...」と生徒自身が困って相談して来ることがあります。
あるいは、顧問の先生と外部講師の意見が食い違ったまま練習が進んでいることにストレスを感じている生徒から相談を受けることもあります。

そんな時、私の答えは決まっています。
「音楽には色々な考え方があります。全てを決めるのは、指揮者である顧問の先生です。誰が何と言おうと、最終的には、顧問の先生のおっしゃるとおりにしなさい。私を含め講師の先生方は、あくまでもアドバイスやアイデアを提供するだけの立場なのですから、演奏者であるあなた方は、指揮者である顧問の先生の考えに従うべきです。」・・・です。

外部の人間が、なぜ断定的・絶対的な物の言い方をするのか...私にはよく分かりません。


バンドを取り巻く配慮のかけらもない不思議な人々に共通すること...それは、顧問の先生や子どもを思う気持ちではなく、「自分をアピールしたい」という気持ちです。

吹奏楽の世界では、けっこう「あるある」なのです。
特に、コンクールシーズンには、ますます「あるある」になります。

困ったものです。

さあ、今日も他県に出かけて来ます!


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運動部が終わった後、体育館での夜練習。
吸音のために、椅子を並べて、大量の毛布を載せてありました。
気持ち良いOBさんのおかげで、体育館の蒸し暑さも爽やかさに変わりました。


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吹奏楽の音で耳も頭もいっぱいになっている中、優しい歌声で迎えてくれた皆さん、ありがとう。
心の中に染み入る「人の声」に癒されました。


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初の本選大会出場、おめでとうございます!
ホール練習で最後の課題を見つけられて良かったですね!
本番までに、どれだけクリアしますか?


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| | 2017-08-06(Sun)10:03 [編集]


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| | 2017-08-17(Thu)13:56 [編集]