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田川伸一郎のブログ

富山県の中学校バンド

中学校B部門の東関東大会に行った翌日は、富山へ行って来ました。
2年連続で全日本吹奏楽コンクール出場を決めた高岡市立芳野中学校からのお招きでした。


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2年連続と言っても、今年度、芳野中学校吹奏楽部には、大きな変化がありました。
長年顧問を務められた橘恭幸先生が転勤され、新しく転任して来られた大門尚先生という女性の先生が、主顧問として指揮をされることになったのです。

5月にお伺いした時、先生は大きなプレッシャーの中で、何とかご自分の指導を浸透させていきたいという願いを持って努力されていらっしゃいました。
部員たちも、前の先生のやり方との違いを受け入れながら、自分たちから良い雰囲気を作って前に進もうと努力していました。

お互いに、きっととまどいも不安もあったと思います。
でも、手を取り合って前に進むことだけを考えて活動して来た結果、今年度も全国大会への切符をつかめたのです。

先生の一生懸命さと部員たちの素直さがひとつになって、大きな力を生み出したのです。

全国大会が決まってから、今回のレッスンのご依頼をいただきました。
スケジュールを調整できるのは、9月23日の1日だけでしたので、日帰りでお伺いすることにしました。
北陸新幹線のおかげで、富山は以前よりずっと近くなりました。

5月以来の再会。

まずは、お話しタイムを取らせていただきました。

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私は、正座です。 
「なぜ、僕は正座して君たちに向かい合っているのだと思う?」 初発の発問はこうでした。
昨年も同じようなことをしましたが、きっと予期せぬ発問だったと思います。

ここから始まって、様々な会話。
「正解」を求める会話ではありません。
自分の思いや考えを持ち、それを堂々と発表し、互いの違いを認め合う雰囲気を育てるためのコミュニケーションです。

全国大会に出るほどの力を持ったこのバンドですが、以前から、このように自分の思いを自由に発表することがちょっぴり苦手な伝統(?)があり、私もお伺いするたびに、その時に合わせた方法や内容で部員たちに向き合っています。
普段の活動にも、本番での演奏にも、コミュニケーションは不可欠で、自由に「語り合える」ことがスクールバンドではとても大切な「力」であると考えているのです。

大門先生も、こういうことがとても大切だと考えており、私の取り組みに共感しながら時間をくださいます。
今までになく、ほのぼのとした雰囲気があることがうれしかったです。

面白い発言もありました。
「田川先生は、私たちの気持ちを全部見抜いておられるような気がして、びっくりしました」と...。
「そう、僕は神様だから!」 ・・・大爆笑!

お話しタイムが終わって、いよいよ練習です。

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まずは、課題曲の「コンサートマーチ『虹色の未来へ』」です。
とても柔らかくて温かいサウンドで、落ち着いたマーチが奏でられました。
大門先生の優しいお人柄がそのまま表れたような演奏でした。

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様々な地域演奏や行事、「オータムコンサート」の練習もあって、コンクール曲だけに集中出来ない今、さらに、ご多聞にもれず高岡市でも部活の制限が入っています。

北陸大会からぐんと伸びるには、もう一度曲を分解して、基礎的事項から再確認する必要があるはずですが、その時間が無いままここまで来ているようなアバウト感もありました。
ピッチやハーモニー、フレージング、バランスなど、いつの間にか崩れたり、ぼやけたりしてしまっている面も見られました。

先生が作って来られた演奏を大切にしながら、客観的に聴いて「あれれ?」の部分をもう一度確認していくことにしました。


フレーズ表現は、歌って統一。
手も使って、フレーズの山谷が見えるように歌います。

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マーチの歌い方は、オペラ物の歌い方とは違います。
ちょっと声楽的になっている歌い方も、きっと意図的ではなく、いつの間にかなってしまったのでしょう。

和声の進行ももう一度確認して、表現に反映させていきます。

「いつの間にか」をすっきりさせるだけでも、演奏はクリアに輝かしくなります。


自由曲は、「ルイ・ブージョワーの賛美歌による変奏曲」(C.Т.スミス)です。
今年の芳野中学校のサウンドが生きた重厚なキャラクターを持った演奏でした。
皆の高いテクニックも見えました。
だからこそ、もっともっとワクワクするようなドラマチックでスリリングな演奏を...と望む気持ちになりました。

「今日だけ、少し冒険してみよう!壊れてしまったら、また明日戻せばいいから!」と、皆でチャレンジ。
各変奏の色をしっかり変え、もっとメッセージ性に溢れた演奏をと、練習しました。
ソロは、特にメッセンジャーです。 無難な演奏ではなく、聴く人の心に迫る力を持った演奏にしてほしいと練習しました。

皆、逃げることなく、ついて来てくれました。
いつもとは違う要求に必死で応えてくれました。
すばらしい意欲と底力を見せてくれました。

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ここから先は、大門先生にお任せです。
先生の音楽をしっかりと作り上げてほしいです。

コンクールですから安全運転も良し、覚悟しての冒険も良し。
全ては、他人がとやかく言うことではなく、顧問の先生が決めてよいことです。
生徒のことを一番よく知っているのは顧問の先生なのですから。
そして、演奏の「最高責任者」は指揮者である顧問の先生なのですから。

残された日々でどんな演奏に仕上げていくのか、とても楽しみです。

最後に、金沢での本大会にも出場が決まっている「中日吹奏楽コンクール」の課題曲である「マーチ『空のエース』」をざっくりと練習して終わりました。

日帰りでのレッスンでしたが、皆、自分と音と音楽にしっかりと向き合えた良い1日になったと思います。

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新しく出会った顧問の先生と心をひとつに頑張って来た君たち。
全国大会出場は、そんな素直な君たちへの神様からのプレゼントなのかもしれません。
今のほのぼのとした雰囲気を大切にしながら、「北陸支部代表」として、たくさんの仲間の思いを背負って、勇ましく、たくましく全国のステージに向かって行って欲しいと思います。
まだまだ伸びる可能性でキラキラしています。
心から応援しています!
名古屋でお会いしましょう!

がんばれ! 高岡市立芳野中学校吹奏楽部 (指揮 大門 尚 先生)


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