FC2ブログ

田川伸一郎のブログ

心ひとつに

今日は、県内の某小学校の「音楽発表会」にお招きいただきました。

学年ごとの合唱やリコーダー演奏などを発表し合います。

まず驚いたこと。

学年ごとに体育館に入場する時、黙って入り、黙って体育座りをしています。
全学年が揃うまで、おしゃべりは聞こえません。
隣の子と、つつき合ったり、ふざけ合ったりすることもありません。
静けさを保ったまま、全員が揃うのを待ちます。

当たり前かもしれませんが、これが当たり前に出来るということだけでも私は感動してしまいます。
どこかの学年が、どこかの学級が、こういう雰囲気を乱してしまうものです。

「しずかにしてください!」のような言葉は一度もないまま、司会児童が、「はじめの言葉」と言うと、「はいっ!」と返事をして、代表の児童が壇上に上がり、丁寧なはじめの言葉を話します。
もちろん、その間も、静けさを保ったままです。

そして、全体合唱の『この星に生まれて』
指揮も伴奏も児童がこなします。

IMG_0020_convert_20181122164513.jpg

今までシーンとしていた体育館に、美しい歌声だけが響きます。
歌い終わった後は、また静けさが戻ります。

そして、各学年ごとの発表です。
指揮は、全学年、担任の先生がされていました。
その指揮の上手さに驚きました。
きちんと音楽を理解している。
歌詞を覚え、子どもたちと眼を合わせながら、必要な合図を送りながら、最高の演奏を引き出そうとしていました。
いてもいなくても変わらない指揮ではなく、いる価値のあるしっかりとした指揮でした。

練習の過程でも、きっと子どもたちと一緒になって、音楽の先生の指導も受けながら、この日を目指して来られたのでしょう。

各学年の発表は、学年の発達段階にあった選曲と達成度で、とてもとても素晴らしかったです。

IMG_0027_convert_20181122164612.jpg
小学校に入って初めての「音楽発表会」だった1年生。
若い男の先生の指揮は、リズム感の良さに溢れ、かわいらしく心地良い歌声を引き出していました。


IMG_0021_convert_20181122164535.jpg
3年生は、今年から始めたばかりのリコーダー合奏と合唱を聴かせてくれました。
リコーダーの基礎である「タンギング」をきちんと身に付けていることが分かり、二部に分かれた合奏も混乱することなく溶け合い、そして、表情や身体の動きから、曲想を感じて演奏していることも分かりました。
3年生なのに、何とアルトリコーダーまで導入して、易しい音で豊かな合奏の響きを生み出す体験までさせていました。


IMG_0032_convert_20181122164636.jpg
IMG_0033_convert_20181122164658.jpg
小学校最後の音楽発表会となった6年生は、「Oh Happy Day」と「いのちの歌」を合唱しました。
「Oh Happy Day」は、男の先生の指揮で、原曲さながらの交互唱入りの合唱です。
曲の進行と共に、身体のノリもぐんぐん増していき、最後は会場みんなの手拍子を誘って盛り上がりました。
「いのちの歌」は、女の先生の繊細で音楽的な指揮で、皆が一言一言に愛情を込めた感動の合唱でした。
ひとりひとりの思いが、まさに「いのち」となって曲の深い意味を伝えていました。
演奏後、すぐに拍手が出来ない感動を全校で味わい、少ししてから拍手がわき起こりました。
そういう雰囲気を作るだけの力を持った合唱が出来る驚くべき6年生でした。



最後の「校長先生のお話」では、校長先生が、各学年の発表への具体的な褒め言葉、「私はここに感動しました」というお気持ちを優しい口調で話され、この時も、シーンと静まり返ったまま、子どもたちは幸せそうな表情でいっぱいでした。

この学校では、全ての先生方が、同じ歩調で指導に当たり、「安易な楽しさ」ではなく、音楽を通して心をひとつにして作り上げることを体験させ、そして、互いを尊重し、大切にし合う心と態度を教えていらっしゃるのです。

「音楽発表会」なんだから、音楽の先生がやるんでしょ...ではなく。

先生方がこうして心ひとつにご指導されるから、子どもたちも心ひとつに頑張るのです。

音楽発表会を通して、この学校の学校経営、先生方のすばらしさ、そして、そこに育つ子どもたちのすばらしさと幸せをひしひしと感じました。

初めて聴かせていただいた「音楽発表会」でしたが、事後の音楽の先生への「指導タイム」では、何も言うことがありませんでした。
「感動と感謝の気持ち」だけを精一杯伝えて、帰って来ました。

「学校が持つ教育力」というものの凄さに改めて畏敬の念をもった日でした。

ありがとうございました。


ちなみに、この学校では、「音楽発表会」本番には保護者を入れないそうです。
そのかわりに、本番直前の体育館での学年練習(出入りを含めたリハーサル)を、自分の子供の学年に限り、参観出来るようにしてあるとのこと。
他学年の演奏は聴けない訳ですが、「音楽発表会」本番の良い雰囲気を、先生と子どもたちだけで作り上げるということを第一に考えた時、私はとても良い方法だと思います。

「本番も聴きたい。他の学年も聴きたい」という声は届いているのかもしれませんが、たくさんの保護者がいたら、きっと今日のような全校の雰囲気を作り出すことは出来なかったと思います。

どこの学校でも、「校内音楽会」の保護者鑑賞希望への対応が話題になります。
「何を大事にしたいのか」を学校側がしっかりと持っていれば、「ダメなものはダメ!」と出来るはずです。

「開かれた学校」という言葉によって、大切なものまで失ってしまうことがないように、それぞれの学校の規模や実情や「ねらい」に即し、配慮と勇気を持って対応を決めていただきたいと思います。

「学校は、何でも保護者の希望どおりに出来る所ではない」ということを、まず保護者の方々に分かっていただくことが前提です。
このブログを読んでくださっている全国の保護者のみなさま、よろしくお願いいたします。



スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2018-11-23(Fri)13:54 [編集]