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田川伸一郎のブログ

響け! みんなのハーモニー2019

昨日は、2019全国小学校管楽器合奏フェスティバル東日本大会「響け! みんなのハーモニー」を聴きに行って来ました。

会場は、まだオープンして年月浅い「カルッツ川崎」でした。
初めて行きました。

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このフェスティバルは、全国6支部で開催されており、東日本大会には、関東の一都6県に、山梨・静岡・長野・新潟を加えた各都県から20団体の出演がありました。

コンクールではありませんので、出演する団体は各都県の選び方に任されており、千葉や茨城のように今年度の管楽器演奏会で選ばれる県、東京や埼玉のように前年度の管楽器演奏会を元に選ばれる都県、または、話し合いや希望で出演校が決まる県もあると聞いています。

いずれにしても、成績が付く訳ではなく、互いが楽しく発表し合い、聴き合い、互いの良さを認め合うとても素敵な音楽会です。

発表内容も、普通の座奏、ジャズバンド、マーチングバンド、演出付きの座奏、合唱部とのコラボなど、全く自由で、それぞれの学校の特長を生かした楽しいステージが展開されました。

「みんな違って、みんないい」 そんな一日でした。


プログラムです。

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小学校でのバンド活動には、「授業内クラブ(朝練など追加して)」「部活動」「それ以外」という形態がありますが、今回、それ以外の形態での出場が2団体ありました。

♪ 新潟県ジュニアマーチングバンドとよさか
近隣の数校の小学校から希望者が集まって活動しているマーチングバンドです。
そして、卒業生、保護者も参加することを積極的にしており、今回も一緒に演奏しました。
まさに、「ファミリーなバンド」でした。
一校ではないとは信じられない位に、息のあった演奏演技でした。

♪静岡県葵が丘ジュニアブラスバンドクラブ シャイニーキッズ
学校事情により「廃部の危機」にさらされた部活動が、子どもたちの強い思いによって大人を動かし、社会教育音楽団体となって生まれ変わり、わずか14名という少ない人数ではありますが、とても前向きに活動を存続させています。
「やりたい!」という子どもたちばかりだということが、演奏からも演技からも表情からも入退場からも分かり、ひとりひとりの演奏技術の高さにも驚かされました。
各パートのソロやそれを生かすアレンジにも敬服。
ステージングのセンスも抜群、「子どもらしい演奏」が前面に出された素晴らしい発表でした。


バンド活動そのものが制限され、「指導したい先生、活動したい子ども、後押ししてあげたい保護者」の願いが、「ダメ」の一言で奪われてしまう恐れすらある昨今の情勢の中、「いざとなれば、こういう手でやってやる!」という励みになるであろう2つの団体の発表でした。

また、一日の練習時間が朝の15分ほどという少ない時間の中でも、指導法の工夫や選曲の良さでとても素敵な演奏をしているバンドもありました。

以前多かった「音楽がBGMになった学芸会的な演出」が減り、演奏そのものを追求し、その音楽表現のひとつとしての意味ある演出が多くなったことは、とても喜ばしいことでした。

ジャズバンドスタイルの演奏が例年より多かったですが、小学生なりにジャズらしい演奏が出来ているバンドもあれば、中にはただただ大きい音で吹きまくり叩きまくるのがジャズと勘違いしているのではと心配になるような演奏もありました。
「ジャズスタイルの楽しさ」とは何なのかを再考する必要もありそうです。

全体的に、自分たちのやりたい音楽の方向がしっかり見え、それぞれの良さの方向に向かって練習して来たことが分かる演奏ばかりで、一日ワクワクしながら聴かせていただきました。


今回、特に感動した団体の中から千葉県勝浦市立勝浦小学校(指揮:吉田直美先生)の金管バンドの発表をご紹介します。
外部講師としてこのバンドを支援していらっしゃる林紘史先生の真心こもったオリジナル作品「勝浦物語」~夜明け、潮騒、出港、祭り、海鳴り、ふるさと、未来へ~を演奏しました。
「歌うこと」も大切にしているこの音楽部は、合唱もとても上手で、曲の中には、児童が作詞した歌の場面もありました。
♪ 潮風と太陽と青い空が似合うまち 恵みの海 勝浦 私達のふるさと
60年の歴史を わたし達が受け継ぎ 未来へとつなげよう 美しい勝浦を ♪
どこか昭和の香りも漂う曲想、小学生にとって技術的に無理のない親しみやすい旋律、様々な音楽的演出効果、練り上げられた金管楽器の美しい音色や躍動する打楽器、バランスの取れたサウンドがすばらしく、音が音楽が歌い、心から表現する、子どもたちひとりひとりが輝くステージでした。
まさに、小学生だからこそ出来る演奏でした。
押し寄せる感動の波に涙がこぼれそうでした。
私も、以前、勝浦小学校にレッスンに行ったことがあり、窓から見えた太平洋の大海原が浮かんで来ました。
優しさと繊細さとたくましさが込められたすばらしい曲と演奏でした。
聴衆の反応も盛大で、一段と大きな拍手がずっと鳴りやまなかったです。



どの学校も、前日の雪にはヒヤッとされ、あるいは練習が出来なかった学校もあったようです。
それ以前に、インフルエンザの大流行で、思うように練習が出来なかったり、当日も出演出来ない児童がいたりと、この時期特有のご苦労もあったかと思います。

この大会の運営は、「東日本小学校管楽器教育研究会」に属する各都県の先生方が中心となっておこなっており、日曜日にもかかわらず、百数十名の先生方が早朝からチームワークよく運営しておられました。
また、神奈川大学吹奏楽部の皆さんの協力も頼もしい限りでした。

出演者、運営の方々、応援に駆け付けた関係者の方、小学生たちの演奏を聴きに来た方...たくさんの人たちの心がひとつになったあったかいフェスティバルでした。


パンフレットの東日本小学校管楽器教育研究会会長・曽根原義治先生のお言葉の一部です。

2020年度より完全実施される新学習指導要領の前文の中に「一人ひとりの児童が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き・・・」と書かれています。まさに、このフェスティバルが長い歴史の中で積み重ねてきた音楽との豊かな関わりや他者と協働する価値等と共通する内容であります。このフェスティバルを通して、出演する子どもたちが、音楽と豊かに関わり、よりよい人生を切り開いていくことを願っています。

とても共感する文章です。
バンド活動は、単に子どもたちが楽器の技術を習得するのではなく、音楽学習の深まり、あるいは人間性の陶冶において、指導要領に願われた内容を具現化するために実に有効に働くものであるということです。
バンド活動だけでなく、合唱や他の音楽活動、あるいはスポーツも同様のことが言えるでしょう。

このステージに立つために、先生も児童も保護者も、並々ならぬ努力を重ねてきたことは、全ての団体の演奏から伺い知れました。
その苦労があったからこそ、こんなに素敵な演奏の数々、出演した児童たちの感動や達成感があったのです。
この経験が、子どもたちの人生にとってどれだけ大きな宝になるか分かりません。


最近、特に飲食店での下劣な行動をわざわざネットにアップして、多くの人に迷惑や不愉快な思いを与えている若者の話題が絶えません。
その行動も、根っこは「自分を見てもらいたい」「自分の存在を知ってもらいたい」という自己承認欲求です。
別に褒められたい訳ではありません。眼を向けてもらえるだけで満足なのです。
「プラスの何か」をすれば、誰もが大切にその人を見てくれるのに、「プラスの何か」のために必要な努力や苦労が面倒だから、手っ取り早い方法で自己承認欲求が満たされる幼稚で下劣な行動に走るのです。

バンド活動を含む部活動で、苦労や達成感、努力して他人に認められた満足感を持つことが、今こそとても大切だと私は考えます。

これからの教育のあり方までをも考えさせてくれた小学生たちの熱演でした。


運営にあたられた全ての方々、出演された学校・団体の関係者の方々、素晴らしい一日を本当にありがとうございました。

これからも、ずっとずっとこのフェスティバルが続いていきますように...

「存続の危機」など一切無いと私は信じています。

こんなに熱い先生方、子どもたち、保護者の皆さんが、日本中にたくさんたくさんいるのですから...



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| | 2019-02-13(Wed)19:56 [編集]