田川伸一郎のブログ

コンクール雑感 ~その3~

コンクールに限らず、バンドという合奏体での演奏について、「個人」がもっとしっかりしなければと思います。

・チームワーク
・協力、団結
・心ひとつに
・心のハーモニー
・・・・


多くのバンドに、このような「みんな」を大切にしたスローガンやモットーが掲げられています。
もちろん、個人プレーではない音楽、そして、学校の中で「みんなの力」を大切にしたバンド活動がおこなわれるのは、すばらしいことです。

私も、いつも「チームワーク」「心のハーモニー」を第一にと、指導してきました。

しかし、バンドの演奏が本当に「感動的」になるためには、「個々が自立して演奏している」ことが大切な条件になります。
コンクールに向けてのレッスンで、このことが、少し「甘い」のではないかと思ったことが少なからずありました。


特に、小学校バンドでのレッスンで、このことを感じます。

先生が、しっかり「個人指導」をして、ひとりひとりの力を最大限に伸ばし、個人の能力差に対応した手立て(無理のない楽譜を与えるなど)をしている学校では、どの子も、自分に与えられた「責任」を果たそうとして演奏しています。
顔も生き生きとし、音にも自信があります。
上級生は上級生として、下級生は下級生として...

自分の果たすべき責任がわかり、それを「音」としてしっかり出せ、自分の出している音がどのように機能しているかを理解し...
皆がそんな演奏の仕方をしていると、とても充実した響きがし、豊かな表現ができます。

メンバーの力をつかみ、どの子にどの程度の課題を与え、それをどのように組み合わせたら「合奏」としての成り立ちが充実するか...
それを見極め、構築できるだけの「眼」が必要だと思います。

私は、特にコンクールに出す曲の楽譜は、毎年と言っていいほど、その年の子どもたちに合ったように全て書き換えて渡していました。
パソコンを使えなかった時代には、全て手書きで全員分のパート譜を書いていました。
同じパートでも、かなり上手な子ども用からまだたどたどしくしか吹けない子ども用まで、たとえばクラリネットには、1stから5thまであったりしました。
あるいは、「~さん用楽譜」があったり...

この楽譜を作るまでには大変な時間と労力を使いました。
休み時間や授業の空き時間はもちろんのこと、授業の合間の5分休み、家でも夜中までかけて...

でも、スコアをにらみながら、この作業をしていると、ひとつひとつの音符の意味もわかり、60~70名いる子どもたちひとりひとりをどのように「機能」させればいいかもわかってきました。

楽譜を配ってからは、ひたすら「個人指導」の毎日でした。
曖昧には練習させません。
わずかな小節数を区切って練習させ、正しい譜読みをゆっくりさせました。
私のテストに合格するまでは、先には進めません。

長い期間かかってある程度の子どもが全曲合格した頃から、やっと合奏に入ります。
コンクール2週間前から、初めて合奏に入った年もありました。
しかし、ひとりひとりが確実に吹けているので、すぐに曲になっていきます。
少なくとも、合奏の途中で、譜読みの間違いを注意する必要はなく、ともかく全員でひとつになって「曲の練習」ができました。


レッスンに伺って、どの子も正しく吹けていないバンドの場合は、仕方なくひとりひとりの正しい「譜読み」をしてあげます。
6年生だけでもきちんと吹けるように、一部分だけでもきちんと吹けるように、他の子どもたちを待たせてでも、丁寧に見てあげます。
そんな様子を見て、「すみません。私がこうやってひとりひとりをしっかり見ておけばよかったのに、パート練習にまかせたり、いつも何となく合わせてしまったりしていたので...」と、冷や汗をかいて猛烈に反省される先生もいらっしゃいますし、時には、「先生、時間がもったいないので、もっと表現的なことを見ていただけませんか?」とおっしゃる先生もいらっしゃいます。

「材料も並んでいないのに、料理をするのですか? 私にはできません。」と、思わず言ってしまいます。


「チームワーク」「協力」...をモットーにしていても、ひとりひとりが育っていなければ、本当の協力にはなりません。
それが、普通になっているバンドでは、合奏の本当の楽しさを味わわせることはできないと思います。
「楽器遊び」「みんなでワイワイ」の楽しさは味わえると思いますが、それは、バンド活動で味わわせたい本来の合奏の楽しさとは違うと思います。



皆さんのバンドでは、ひとりひとりが自立して音楽していますか?
先生方、そのような子どもに育てていらっしゃいますか?

具体的な手立てをもって...




私の言葉集「忘れるなこのひとこと... いつかきっと役に立つ日がくる」から

「協力」という言葉にかくれて、手抜きをするな。誰かに頼って、誰かに甘えて、自分は楽をしようとしているだけじゃないか。




今日の午後は、県内の小学校バンドのレッスンです。
その足で、岩手県へ向かいます。

火曜日まで留守にします。


「日本管楽合奏コンテスト」に応募された学校の皆さん、来週には審査結果が届きますね。
レッスン校も多数応募されているので、私もドキドキです...


今日はすっかり秋の風...
久しぶりに長袖ワイシャツとスーツのジャケットに腕を通して出かけます。




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| | 2011-09-24(Sat)22:15 [編集]


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| | 2011-09-25(Sun)14:06 [編集]