田川伸一郎のブログ

神奈川県の中学校バンド

昨日は、神奈川県の中学校バンドにお伺いしました。

神奈川県には、小学校の講習会講師でお招きいただいたことはありますが、単独レッスンにお招きいただいたのは、初めてのことです。



音楽室にびっしりの部員たち。
引退した3年生を含めると、100名以上の部員がいる大きなバンドです。

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昨日は、1・2年生70名ほどのメンバーでの練習でした。

このバンドの顧問の先生は、教員になってまだ2年目の男性の先生です。
吹奏楽部の主顧問になったのは今年度からです。
つまり、「吹奏楽指導1年目」の先生ということです。

先生は、中学校時代は全国大会に出場し、金賞を受賞したこともあるバンドに所属しておられました。
そして、「自分が味わえたすばらしい中学校時代を、今度は自分がたくさんの生徒に味わわせてあげたい。」という夢を抱き、何年もかかって教員採用試験に合格し、「先生」になられたそうです。

先生の「夢」は、いつかきっと自分の生徒たちを、あの「普門館」に連れていきたいということなのかもしれません。
しかし、今は、ともかく「先生」になれた喜びをかみしめながら、「吹奏楽部」としての良い体制づくりやバンドとしての基盤づくりに励んでおられるようです。


とても朗らかで、ていねいな生徒さんたちでした。
あいさつや返事もしっかりしています。
これまでは、そういったことにはさほどこだわりのないバンドだったそうで、「音」よりもまず「返事」「あいさつ」の徹底に努力されたそうです。

さらに、昨日は、「田川先生に失礼があっては...」と、先生はずいぶん気をつかわれ、事前指導をされておられたようでした。
そのような「気づかい」ができる若い先生は「有望」です。

「緊張してる?」
「はい...」と部長さん。
「それはいいことだよ。人との出会いは、それ位大切にした方がいい。」という話から始まったレッスンでした。

このバンドでは、日頃、「外部講師」の指導を受けることは数えるほどしかないそうで、皆、必要以上に緊張している感じもありましたので、レッスンの前に色々なおしゃべりや話をして、心をほぐしてあげました。

「硬い心」では、音楽はできません。
「ゆるんだ心」でも、音楽はできません。


バンドの雰囲気を見て、私はいつもさりげなく、「良い音楽ができる雰囲気のバランス」を取ってからレッスンに入ります。


中学校時代に「全国大会金賞」というすごい経験をしてきても、今、目の前にいる生徒たちを育てるのは、また別のことです。
自分たちがしていた練習を、実態が異なるバンドにそのままさせることも疑問です。

先生の「悩み」は、そこにありました。
いざ生徒たちを前にした時に、自分は何をしなければならないのか。
「返事」「あいさつ」「礼儀」のような「練習以前のしつけ」はしたけれど、「音楽そのものの指導」はどのように進めていけばいいのかと...

そんな先生に、まだまだ基礎づくり段階にあるバンドに必要な「力」、そして、「それをいかにわかりやすく子どもたちに伝えるか」ということの勉強をしていただけるような場面設定をしました。
そして、「すぐわかる」「すぐできる」「すぐ確かめられる」指導の方法の実際をお見せしました。


先生のお悩みとご希望に沿い、

・基礎合奏でのワンポイントアドバイス
・練習開始初期の楽曲練習のポイント
・合唱練習の進め方


という3点から進めました。


生徒は、「自分たちの変容」を実感できた時に、「練習の充実感」を感じます。
小さなことでも、「さっきと今では、全然違う。とても良くなった。」と、生徒たち自身が感じられ、その「変容」を共有でき、さらに先生からほめてもらえれば、練習としては最高の結果となります。
そのような練習を繰り返していくことが、バンドの基礎力向上につながると考えています。



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立派な話の聞き方です。「相手を見て」話を聞く生徒たちです。

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1年男子3名だけのチューバパートです。ちょっとしたアドバイスで、どんどん音が変わりました。
先輩がいないのに、とてもよく頑張っていました。 たくさんたくさんほめてあげました。


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合奏中、ちょっと注意をすると...   「はい!!!」と同時に、このとおり一斉にすぐ書きます!
「音」はまだまだですが、こういった面は「全国大会バンド」のようでした。


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「自分たちの変容」に、どんどん緊張がほぐれ、笑顔で練習を楽しめるようになりました。

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合唱練習でも、「すぐできる簡単なソルフェージュ」を取り入れ、皆で歌う楽しみが広がりました。
歌声も表情もとても良くなりました。 すばらしい!!!



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「大きな夢」を追いかけて「先生」になった顧問の先生と共に歩む君たち。
「夢を持った大人」のそばにいるって、とっても素敵なことだと思います!

「今日は、私たち、こんなにできるんだって思いました。」と話してくれた部長さん。
そう、そのとおり! 君たちは、どんどん伸びるすばらしい可能性の「芽」です。
君たちも先生に負けない位の「大きな夢」を持って、日々前進してください!

応援しています!




深夜、顧問の先生から気持ち溢れるメールが入りました。

田川先生、本日は心のこもった温かいご指導を本当にありがとうございました。
何より、自分自身が勉強していかなければならないと痛感いたしました。
自分への課題、このバンドの課題と真剣に向き合い、少しずつでも前進できるように、努力を重ねて参ります。

4月からこの子どもたちと活動して来ましたが、人数の多さもあり、一人ひとりの実態をまだしっかりつかめていなかったことも深く反省しました。
先生が、子どもたちに、「人数が多いということはとても幸せなことだけれども、逆に、一人ひとりが他人に甘えて100%の力を出さなくなる危険もある。一人ひとりが力を出し切っていないところに、『協力』『チームワーク』なんて絶対にあり得ないから。それは、単なる寄りかかりです。」...とお話ししてくださった時、生徒以上に、私自身が自分の甘さに気づかされた思いがしました。
これからは、もっともっと一人ひとりに向き合うことを大切にします。
今までは、全体をまとめることで精一杯でしたが、本当の「まとまり」をつくるためにも、一人ひとりをしっかり育てていきたいと思います。

今日、先生にレッスンしていただいている時の子どもたちは、表情が本当に生き生きとしていました。
3時間の練習で、あの子どもたちにあれだけたくさんのことが指導でき、あれだけ子どもたちを変えることができるだということもわかりました。

子どもたちの可能性の深さと自分の責任の重さを改めて感じました。
たくさんの気付きを本当にありがとうございました。

今後ともどうかよろしくお願いいたします。



先生!

先生は、謙虚に学ぶ心を持った先生ですから、きっとすばらしい指導者に育っていくと信じています。

中学校時代の普門館のステージでの輝きを支えに、今度は『先生』という「夢にまで見たステージ」での輝きを目指して頑張ってください。
すばらしい「人生の道案内」をしてくださった中学校時代の先生に、いつも「感謝」の気持ちを忘れないでくださいね。

また、一緒に勉強しましょう!

こちらこそ、良い出会いをありがとうございました。




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| | 2011-10-03(Mon)20:59 [編集]


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| | 2011-10-03(Mon)22:00 [編集]