田川伸一郎のブログ

学びの証として

今日は、東京都のある大学に行って来ました。

打楽器を専攻する学生さんたちの『卒業演奏会』に向けての「自主ホール練習」に立ち合い、
私が勉強させていただいたのです。

今の大学生が、どんな「学び」をし、どんな「まとめ」をして卒業しようとしているのか...
特に、「音楽」を専門に学ぶ大学生が...。

とても興味がありました。

私が立ち合いを約束した学生さんたちのチームは、4名で打楽器アンサンブルの有名な曲を練習していました。
「卒業演奏」として演奏するのは1名で、他の3名は「協力演奏」として出演する人たちです。

技術的なことは、もうかなりクリアしており、今日は、皆で、「音色」や「テンション」、「バランス」、「推進力の共有」、「身体の乗せ方」、「イメージの共有」...などなど、「音楽」としての完成、そして、「アンサンブル」としての緻密度を上げる練習をしていました。

「うん、あなたの言いたいことはわかるけど...私は、もっと日本的な切り絵のようなイメージだと思うよ。」

「rit.じゃなくって、ほんのわずかな間を取って、後は一気に行こうよ。音楽のエネルギーを止めないでさ。」

「そのアクセントは、もっとドンって感じじゃない? ドーンじゃないと思う。」

・・・・・


若くみずみずしい感性で「楽譜」を読み、本当に学んだ者だけがわかる「言葉」で、お互いが真剣に向き合って表現を練り上げていました。

「理屈」で音楽をとらえようとせず、「技術」で音楽を表現しようとせず...

本当の「音楽の学びの姿」が、そこにありました。

もちろん、たゆまない「訓練」によって磨かれてきた「技術」の裏づけがあることは確かです。

しかし、この4人の「学び」の結論は、「音楽」に達していました。

「打楽器」というひとつの楽器を通して、「音楽」をどう学び、どう深めてきたのかが、しっかりと伝わってきました。


先ほど、代表の学生さんから、電話をいただきました。
「アドバイスをいただきたい。」と...

打楽器を「専攻」したわけでもない私が、あんなすばらしい演奏に、胸を張ってアドバイスできることなんかありません。

それでも、「何でも言ってください。勉強したいので...」と熱心に問うので、「音楽」として「気づいたこと」「不思議に思ったこと」「願うこと」をお伝えしました。

「自分でも悩んでいた点が、やっぱり伝わっているんですね。」
「あぁ、そのことについては、考えていませんでした。試してみます。」
・・・

ひとつひとつのコメントに対して、「なるほど...。先生、ありがとうございます。」と、とても嬉しそうでした。

電話はとても長くなってしまいました。


「田川先生が客席にいらっしゃるというだけでも、何だか緊張して、とてもいい練習ができたね。」と、皆で話していたそうです。


最後に、「本番は、練習どおりにできるように...ではなく、客席とステージとの『気』の状態を感じて、本番だけにしかできない演奏をしてほしい。本番で、最後の表現を作り出してほしい。」と話しました。

残るわずかな練習期間にも、そして、本番中にも、この4人の演奏は「変容」を続けることでしょう。


打楽器を通して「音楽」を学んだ「証」が見えたうれしいひとときでした。


がんばれ!  若き音楽家たち!



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| | 2012-01-19(Thu)07:11 [編集]