田川伸一郎のブログ

函館から ~その1~

先週の金曜日から昨日まで、北海道・函館市にお伺いしてきました。

私が現職の頃から、18年間も通わせていただいている馴染みの深い街です。
このブログでも、たびたび記事にさせていただきました。

今回は、4校のレッスンにお伺いさせていただきました。

小学校2校をご紹介します。


1校目は、北斗市立上磯小学校です。

私が、平成5年に初めて函館に招かれた時のレッスン校が、この上磯小学校でした。
当時の顧問・高橋徹先生が、大柏小学校に見学に来られた後、「是非、レッスンを」と招いてくださったのです。

私などがお邪魔する必要もないすばらしい先生とすばらしいバンドでした。
そこから、たくさんの先生方とのご縁が広がり、今までのつながりとなっています。

数年間、上磯小学校への訪問はありませんでしたが、昨年度から、顧問の高橋聡先生のお声かけで、またご縁をいただいています。


今回は、あえてこの時期に、「今年度の学びのまとめ」と「来年度へのスタート」という意味合いをもってのレッスン依頼でした。

『来年度のトレーニングに向けての基礎合奏の見直し』
『定期演奏会に向けての曲の総仕上げ』


先生は、両方の面について、課題や目的意識をしっかり持って、レッスンに臨まれました。
当然のことながら、子どもたちの意欲と構えも、音楽室に入った瞬間に察知できるほどの高いものでした。
高橋徹先生が、初めて私を招いてくださった時の、あの「ほがらかさ」と「緊張感」が戻っていました。
この2年間、演奏だけではなく、バンド運営、躾け、子どもたちの心の育て方...
先生と共に、学び、歩んできた成果が、花開くように営まれているのを感じました。

はじめに、「歓迎演奏」として聴かせてくださった『ふるさと』の演奏が、あまりにすばらしくて、涙が出そうでした。
こんなところにも、「学び」は見えました。
難しい曲で「圧倒」するのではなく、易しい曲で「感動」していただけるような演奏ができるバンドに...
簡単なようで難しいこの「課題」に、先生がどれだけ心を注いで指導して来られたかが伝わり、心が熱くなりました。

『基礎合奏の見直し』では、「すべての練習には目的がある」という根本に立ち返り、今行なわれている練習を「全員でやる意味」は何なのかを、1つ1つの練習の「目的」に照らし合わせながら、皆で考え、音で確かめていきました。
そして、その「目的」のためにやるなら、どのような「手立て」を加えてやることが効果的なのかをアドバイスさせていただきました。


「やるだけ」「形だけ」の基礎合奏ほど無駄なものはありません。
「基礎合奏」のマニュアルや「強い学校の基礎合奏」が形だけ流行している今の日本の吹奏楽界です。

先生が、「意味のある基礎合奏」に目を向けられ、自分なりの課題意識や考察を持ってレッスンを受けられたのは、実に賢明です。

「来年度」に向けてという意味から、4.5年生を中心に、発言を促しましたが、とてもしっかりした考えを言える子が次々と発言し、驚きました。
今年度の6年生は、9名しかいません。
その9名が、どれだけ必死になってこのチームを引っ張り、この後輩たちを育てて来たのかが、よくわかりました。

「下級生がこれだけ育っているのは、6年生がすばらしかったから。上級生の本当のすばらしさは、巣立った後にわかる。自分たちが上手いだけで卒業してしまい、次のスタートがガタガタになっているようでは、上級生としての価値は低い。」と、しっかり伝えました。

来年度の6年生は、20数名いるそうです。
「そんな年が一番安定していそうで、一番危険なんだよ。人数が多いことに甘えて、少しずつ手抜きが出くることがあるから。」と、基礎合奏のレッスンをしながら、「バンドの心」についても話し合いました。


上磯1  上磯2
歓迎の花道でお迎え、ありがとう!

上磯3  上磯4


今年度のまとめとしての『定期演奏会の曲』も、先生は、「ただやりたい曲」ではなく、「どのような力を育てたいから、どの曲を選ぶ」という目的を持った選曲をされていらっしゃいました。

「目的」がはっきりしているので、レッスンもその「目的」に沿って進めました。
「目的」がはっきりしているから、その目的達成のための「手立て」も講じやすく、「変容と評価」も明確になりました。
だから、子どもたちは大きな「満足感」を得て、練習を終えることができました。


特に小学校では、このような選曲の仕方と学びを経た演奏活動であってほしいと願います。

上磯5  上磯6

上磯7  上磯8
演奏もリーダーシップも立派だった9名の6年生です。


この1年の「学びと変容」を確認でき、新年度への「新たな意欲」を持つことができた3時間でした。

上磯9

雪降る中でも、みんな本当に元気! 
6年生との最後の演奏会に向けてがんばれ!
立派だった6年生たち、最後の最後まで、「6年生としての役目」を果たし切ってくださいね!




2校目は、函館市立日吉が丘小学校です。

このバンドには、この2年間に10回のレッスンをさせていただきました。
学校であったり、札幌であったり、東京であったり...

そして、顧問の古川典之先生は、新卒赴任校が前述の上磯小学校で、先生になったその年から私と共に学び続けていらっしゃいます。
勤務校では、常に、副顧問として「お手伝い」をされており、現在の日吉が丘小学校に来て、初めて「主顧問」となり、指揮も務められることになりました。
しかも、これまでのすべての学校と違う「ブリティッシュブラスバンド」でした。

転勤して間もなくは、ひとりでバンド運営や音楽指導をすること、「ブラスバンド」という未知の世界を導かなければならないこと...たくさんの不安と向き合い、何度も何度も電話で相談を受けました。
今年は3年目、昨年度からの私のレッスンを十分に身につけながら、もう立派な「主顧問」そして「指揮者」として、子どもたちや保護者の方々の多大な信頼を得ています。

いつも真っ直ぐな気持ちで子どもと音楽に向き合い、その「風貌」とは違って涙もろく...
そんな人柄が、子どもたちを惹き付けて離さないようです。

この2年間、昨年度は、『東日本学校吹奏楽大会』、今年度は『日本管楽合奏コンテスト』出場を果たし、2年続けて東京でのステージに立った先生と子どもたち。
私にとっても、思い出深い2年間でした。

今回は、2年間のまとめとなるレッスン、そして、6年生との最後のレッスンでした。

日吉1
ここでも、歓迎の花道でした! ありがとう!

ご依頼の内容は、函館地区代表として出場することになっている『北海道アンサンブルコンクール』レッスン、そして、『定期演奏会』で演奏する「大曲」のレッスンでした。


まず、アンサンブルチームのレッスンから入りました。

地区大会の成績表を見て、びっくり審査員のうち1名以外が、「A・一位」の成績を付けられていらっしゃるではありませんか。
講評にも良いことばかりが書いてあり...

「そんなに上手いなら、30分位聴かせてもらって、それでいいんじゃないですか?」とお話しして始まったレッスンでした。

演奏を聴かせていただきました。
小学生とは思えぬアンサンブルのサウンドでした。
難しい箇所も良く吹けていて...
コンクールの結果にも納得しました。

でも、何かが違う...

小学生としては、申し分ない演奏でしたが、あくまでも、「音楽」としての質を考えた時に、この子どもたちが乗り越えるべき「レベルの高い音楽の山」を提示しました。

新しく見えた「山」に、子どもたちは困惑しましたが、皆で登り始めました。
頭でわかってもダメなことも、音楽にはたくさんあります。
先生にも子どもたちにも、新たな課題が見つかりました。

30分で終わらせようと思っていたレッスンは、何と1時間半にもなっていました。
北海道大会までに、どこまでクリアできるでしょうか。

日吉4  日吉2

日吉3  日吉5


アンサンブルレッスンの後は、全体合奏の「大曲」レッスンでした。

技術的にとても難しい曲ではありますが、「悲壮感」が全くなく、子どもたちは、難しさを楽しんでいるようにすら思えました。

曲の「ポイント」を押さえながら、どんどんレッスンを進めました。
子どもたちは、特に6年生は、私のレッスンの進め方に慣れているので、私の指示や話していることの意味をとてもよく理解して、すぐに音で反応してくれました。
自分の学校の子どもたちに思えるほど、心の距離が近く感じられました。

日吉6  


練習が終わり、あいさつになりました。

いきなり、「田川先生への感謝の会を始めます!」と、部長さんが...

まず、6年生の指揮で演奏してくれたのは、古川先生と私が出会った頃、私が大柏小学校でいつも演奏していた大好きな曲でした。
古川先生は、私のためにこの曲を選び、子どもたちは、私のために練習してくれたのです。

しみじみした気持ちで聴いていたら、あちこちで泣きながら演奏している子どもが...
涙もろい古川先生は、もうすでに、涙を拭っていらっいしゃいました。

演奏後、子どもたちからの言葉、そして、6年生ひとりひとりの写真と手紙がファイルされた「卒業アルバム」をプレゼントしてくださいました。

日吉7  日吉8

日吉10

♪私は、5年生の時に、初めて田川先生のレッスンを受けました。全員、「すごい!」と思ったはずです。先生が見てくださっただけで、私たちの演奏は別の学校が演奏しているようにみるみる変わりました。あの時は、心から音楽を楽しめるようになった瞬間でした。今年も私たちのために遠くから何度も来てくださいました。先生の声がかれてしまっている時もありました。そんな時も、先生はいつもと変わらず熱心に教えてくださいました。田川先生のレッスンは、2時間が10分位に感じます。いつも楽しいので短いと感じるのです。今まで本当にありがとうございました。

♪僕は、田川先生と出会って成長できたことがたくさんあります。僕は、先生がいらっしゃると、とても安心して、伸び伸びと演奏することができます。そして、先生が笑顔で見てくださると僕も笑顔になります。もしかしたら、田川先生は「神様」なんじゃないかと思う時があります。そんなやさしい田川先生が僕は大好きです。
・・・・・・
  

演奏を聴きながら、必死にこらえていた涙が、一気に溢れ出しました。

「日吉の子どもたちは、みんな心が真っ白で...お父さんお母さんたちもみんないい人ばかりで...」
必死になって、気持ちを伝えました。
古川先生が指導に悩んで毎日のように電話をかけていた時のことも、2年間のすばらしかった成長のことも...


これからも、日吉が丘小学校金管バンド部を、心から応援していきます!
3.4.5年生の皆さん、頑張りましょう!


日吉9

2年間で10回も一緒に練習し、すてきな思い出をたくさんくれた6年生たちです。
中学生になっても、「真っ白な心」でたくさんのことを吸収していってくださいね!

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| | 2012-01-23(Mon)20:46 [編集]


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| | 2012-01-24(Tue)10:16 [編集]


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| | 2012-01-26(Thu)17:00 [編集]