田川伸一郎のブログ

釧路の中学校・高校バンド

釧路では、中学校、高校にも1校ずつお伺いしました。
どちらも初めてお伺いする学校でした。


中学校バンドです。

中学校の顧問の先生は、私より先輩の、お力も実績もある先生です。
先生との出会いは、昨年の9月のことでした。

札幌での『北海道吹奏楽コンクール』の際、木古内中学校と同宿していた私は、たまたまエレベーターで他の中学校の先生、生徒さんと一緒になりました。

「全道大会に出場されるんですか?」
「はい、そうです。あの...」
「あ、失礼しました。私は、木古内中学校の指導をさせていただいている田川と申しまして...。」
と、この顧問の先生と少しお話しさせていただいたことがきっかけでした。

「先生、うちの学校にもご指導にいらしていただけないでしょうか?」とおっしゃってくださった先生に、とりあえず名刺をお渡ししておいたところ、本当にご連絡をくださり、お伺いすることになったのです。

このような立派な先生からお招きいただき、大変光栄でした。

学校にお伺いした時には、すでに生徒さんたちは練習を始めていましたが、何とも言えない緊張感、練習意欲に驚いてしまいました。


さすが、大ベテランの先生だけあります。

私のレッスンを受けることの「意味」を生徒さんたちにしっかりと徹底されたそうです。
「楽器の技術や譜読み的なことを教えていただくのではなく、『音楽』を教えていただくためにお呼びするのだから、技術的なことができていないとレッスンを受けても仕方ない。」と、この日まで、例年以上のペースで譜読みを進め、技術的な問題は、楽器指導の講師の先生の指導も受けて準備されたそうです。

先生の指揮で少し演奏を聴かせていただきましたが、信念ある厳しいご指導と、その厳しさを受け止めて必死についていこうとする生徒さんたちの姿に、感動してしまいました。

この時期にしては、曲もよくさらえてあり、技術的にまだ未熟な点は、言わなくてもわかっているという感じでした。

私は、先生のご希望どおり、「音楽」だけを指導させていただきました。

コンクール曲は、場面による色合い、音の重力感、音のスピード感、音の質感、拍感などをどんどん変化させなければ「音楽」にならないとてもドラマティックな曲です。

生徒さんたちの演奏は、「がっしりと技術を固めた単色の演奏」でした。

まず楽譜を音にすることだけを考えて、徹底した練習をしてきたのですから、当然のことです。


約3時間、徹底して「音楽」しました。

私の伝え方が悪いのか、なかなか音で反応できない箇所もありましたが、曲全体の「香り」は時間と共に全く別のものに変容していきました。

技術の不足のために反応できない箇所は、これからの「宿題」にしていただきました。


はじめは、「しっかりレッスンを受けなければ!」という硬過ぎるほどの緊張感でしたが、後半になると、レッスンを楽しんでくれている表情に変わり、うれしかったです。

レッスンをご覧になり、「やはり、田川先生をお呼びしてよかったです。」と、先生も、とても喜んでくださいました。

私などがお手伝いする必要もない立派な先生ですのに、生徒さんたちの前で、とてもていねいに私を「立てて」くださいました。

ありがたかったです。

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コンクールに向けて、いい緊張感をもってがんばってください。
またお会いしたいです!
その日が来ますよう、心からお祈りいたしております。



高校バンドです。

このバンドは、20数名の小さいバンドです。

さほど大きくない音楽室でしたが、生徒さんたちが作り出す何とも言えない「癒しの空気?」が、窓から見える広大な景色と相まって、何だかとても幸せな気持ちになれるすてきなバンドでした。

部員は全員女子ですが、明るさと落ち着きがあり、とても穏やかな表情で練習していました。

顧問は男性の先生ですが、多感な時期の女生徒たちの気持ちにしっかりと寄り添い、生徒さんたちひとりひとりの「良さ」を認め、さらに引き出し、その安心感で生徒さんたちがこんなに穏やかな表情になるのではないかと思いました。

早速、演奏を聴かせていただきました。

このバンドには、全くの吹奏楽初心者や、中学校時代と楽器が替わった生徒さんも多く、特に1年生はそんな生徒さんが多いそうです。

2人のアルトサックスは、共に1年生で、初心者です。
でも、楽器を持ってまだ2ヶ月経たないとは思えないほど、しっかりとコンクール曲を吹きこなしていました。

先生は、ニコニコしながら、「生徒たち、よく頑張りますから。」とおっしゃっていましたが、私は先生を「奇跡の指導者」と呼んでしまいました。


先生に指揮をしていただいた後、私が曲の部分部分を取り出してレッスンさせていただきました。

驚いたことに、私の指揮に、スッと乗ってくるのです。
ブレスのタイミングや「出」のタイミングが、何の違和感もなく、一緒になるのです。

今日、生まれて初めて会った私たちなのに...

生徒さんたちは、「ごく普通」という感じで演奏していましたが、私はこのことを特にほめてしまいました。

そして、私が言葉ではなく、「指揮」を変えて音楽を引き出そうとすると、それにもついてきました。

「ほぅ。すごいね。君たち。すばらしい。」と私は感動してほめていたのですが、生徒さんたちは、相変わらず「普通」という顔でした...

そして、「私が指揮をどう変えたか。」「それによって、自分は演奏の何をどう変えたのか。」を言葉で表現する場面になると、さすがの彼女たちも、悩んでしまいました。

指揮で演奏を変えられるのに、どの指揮にどう反応したのかを言葉で言おうとすると、なかなか難しいのです。

でも、ここをしっかり押さえておくと、そうした方がいい「根拠」も見えてきます。


場面場面の特徴を生かす「表現の仕方」や「練習の仕方」を、様々な方法で伝えさせていだたきました。

生徒さんたちは、「とても楽しかったです!!!」と、最高の笑顔でお別れのあいさつをしてくれました。

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先生と君たちの「大きな夢」がかなうことを心から祈っています。
これからも、この温かいバンドの雰囲気を大切に、自分たちのバンドに誇りをもって、
活動を続けていってください!




2校の中学校、高校の先生方、生徒さんたち、良い出会いを本当にありがとうございました。





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| | 2012-05-29(Tue)07:02 [編集]