田川伸一郎のブログ

第2回 旭川地区小学校吹奏楽指導者研修会

この金曜日から日曜日は、北海道旭川市にお伺いしてきました。
旭川地区吹奏楽連盟・第2回小学校吹奏楽指導者研修会の講師としてのお伺いでした。

旭川地区では、今年の1月の第1回目をスタートに、年1回、「小学校の先生方」を対象とした研修会を開催することになり、初回からの3年間の講師を私にご依頼くださったのです。

この地区では、すでに中学校・高校の先生方と生徒を対象に「リーダー研修会」を続けておられ、千葉県船橋市立船橋高等学校の高橋健一先生、緒形まゆみ先生、今年度は福岡県精華女子高等学校の藤重佳久先生というすばらしい先生方を招かれ、多くの学びを得ておられます。

そして、昨年度、理事長の佐藤淳先生(北海道旭川商業高等学校)の「小学校の先生方のための研修会を」との発案で、この研修会が企画されました。

旭川地区の小学校は、吹奏楽や金管バンドの活動が盛んで、吹奏楽コンクールやスクールバンド連盟のフェスティバルにも、多くのバンドが参加しています。
その活発な活動の上に立って、さらに質的向上を目指したいというのが、佐藤先生の願いでした。


1月に開かれた1回目の研修会では、半日は私の講演をお聞きいただき、午後はモデルバンドを使った公開指導をご覧いただくという私からの「提供型研修会」の形で進めさせていただきました。

今回は、その上に立って、先生方が自ら学ぶ形の研修会に移行していくべく、午前中の研修を「座談会形式」にしていただき、先生方が「学びたいこと」を話題提起し、それについて意見交換し、必要に応じて私が助言を加えるという進め方をさせていただきました。


話題提起の参考になる資料として、バンド活動についての「自己判断」をしていただくために新たに作成した『小学校バンド指導チェックシート』を配布させていただきました。
この『チェックシート』は、『運営編』『演奏編』の2つに分かれており、それぞれ40項目のチェック項目があります。


特にバンド指導の経験が浅い先生方には、「何を悩んだらいいかわからない」という悩みもあるのが現実です。
またベテランの先生方も、日々の忙しさの中で、大切なことをうっかり見落としていることがあるものです。

この『チェックシート』は、「人間ドック」と同じように「バンド活動や演奏づくりの総点検」の観点となるものです。


限られた時間に、できるだけたくさんの学びを得ようと、先生方は、次々に話題や悩みを提起され、多くの意見交換をされ、黙って静まる時間は、全くありませんでした。

運営的な内容よりも、指導法についての話題が多く、それに対する実践例の提起もありました。
私は、講師というよりも、先生方と同じ目線で、同じ立場で、話し合いに参加させていただきました。

特に、「吹奏楽指導の中の『歌う活動』の効果」についての話題はかなり盛り上がり、合唱指導や発声指導、「歌う活動」を取り入れるタイミングや内容など、たくさんの意見交換がなされました。

先生方が、活発に話し合われる姿を見て、確かな「学び」をされている実感を得ることができました。


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午後は、2つの小学校バンドをモデルに、公開指導をご覧いただきました。
基礎的なことや技術的な内容は避けて、ずばり、「音楽づくりのためのアプローチ」に徹しました。

1校目は、吹奏楽のオリジナル曲の練習でした。

コンクール曲で演奏した曲をさらに練り上げる段階の練習ということで、子どもたちからの判断を引き出し、子どもたち自身による評価をさせ、子どもたちが満足できる演奏を目指して進めました。

そのような練習のために必要な教師からの「アプローチの言葉や方法」「手立て」を意図的に組み込んでご覧いただきました。

教師が引っ張る演奏と子どもに任せる演奏のバランスや、停滞してしまいがちなゆったりとした部分の音楽づくりの手立ても具体的にご覧いただきました。

顧問の先生が驚くほど、子どもたちは発言し、評価し、表現を塗り替え、課題をクリアしていきました。
すばらしかったです。

顧問の先生は、「あんなに苦労して練習してもうまくいかなかったことが、こんな短時間にできてしまうなんて、ちょっぴり悔しい気持ちです。」とおっしゃっていましたが、先生のそんなご苦労がなければ、この変容はあり得ませんでした。
先生のご指導が子どもたちの中に、しっかりとした力を培っていたことは確かです。
そして、子どもたちの伸びやかな感覚、発想、発言力は日頃のご指導の賜物です。
すべて、先生のお力ですから...

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2校目は、「マーチ」を取り上げての練習でした。

このバンドは、小学生としては「音圧」が高く、人数はさほど多くないのですが、重量感ある豪華なサウンドを響かせていました。
日頃からの充実した基礎練習がうかがえるサウンドでした。

練習曲のマーチも、とても上手に演奏されていましたが、「マーチ」の練習の仕方ということで、特に、縦のリズムをきっちり合わせるための「スネアドラムを核としたトレーニング方法」の実際をご覧いただきました。
この練習でも、教師の評価ではなく、児童が自ら課題を発見し、修正していける練習方法を提案させていただきました。

低音の四分音符の「頭打ち」を確実なテンポで、しかも、前に進ませるための拍感のとらえ方や、四分音符が多いシンプルな旋律の表現の練り上げ方を、手や声を使ってとらえる練習をしました。
真面目でおとなしい子どもたちが多く、慣れない練習方法にとまどいを見せていましたが、何度も繰り返す中で、その楽しみを見出していきました。

先生方とも、「マーチ」の指揮について勉強しました。
ともかく、シンプルであること。
レガートな部分や静かなトリオの部分も、決して「ビート感」を失うことなく、シンプルな指揮を続ける中で、演奏者に自発的に歌わせることなど、マーチ特有の指揮の仕方を共に勉強し合いました。

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2つの小学校バンドの子どもたちに、先生方から賞賛と感謝の拍手が贈られる中、公開指導が終了しました。


そして、先生方は、もう一度、教室へ戻り、午後のレッスンをご覧いただいての意見交換をしました。

ここでも、静まる瞬間はありませんでした。
ものすごい「学びのエネルギー」を感じました。

17時。休業土曜日にもかかわらず、朝から熱心に学ばれた先生方の「濃い1日」が幕を閉じました。

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前列は、この研修会の発起人・佐藤淳先生とモデルバンドの2校の顧問の先生です。


そして、さらに夜は場所を替えて、研修会の「延長戦」でした。

ちょっぴりお酒も入り、ますます熱の入った話し合いが盛り上がりました。

ある先生の名文句です。
「指揮は、子どもたちにとって大切な『環境』のひとつなんですね。」


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乾杯の合言葉は、「先生仲良し、子どもが育つ」です!

旭川地区の小学校のバンド活動がますますレベルアップされますよう、お祈り申し上げます。
来年度は、3回目...先生方の「学びの心」がさらに深く主体的になっていきますように。

お招きいただき、ありがとうございました。

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