田川伸一郎のブログ

札幌から ~2~

札幌では、高校バンドにもお伺いしました。
このバンドには、昨年の6月に初めてお伺いし、今回は2回目となります。


前回は、2.3年生を中心にしたコンクールに向けての練習をお手伝いさせていただきました。

今回は、もちろん3年生は引退し、前回お会いしなかった1年生を交えた1.2年生の新チームとなります。
2年生は、前回も今回も同じメンバーでいるわけですが、3年生と一緒だった時の2年生と、1年生と一緒になった2年生では、心の状態も違いますし、自分の出し方にも違いがあります。

「最上級生」となった責任で、ぐっとしっかりしてくる面もあれば、1年生のカラーに寄り添ってあげなければと、自分たちの色を少しだけ1年生に合わせている面もあります。

前回お伺いした時に出会った3年生は、ノリもよく、ふざけているのかなと思う位、明るく反応することもあり、初めて出会ったばかりとは思えないほど、チーム全体がうきうきとした雰囲気で、私のレッスンに応えてくれました。

帰り際まで大騒ぎ、やんちゃな一面も見えたほど、私には「青春真っ只中」のかっこいい生徒たちに思えました。


顧問の先生は、音楽がご専門ではありません。
しかし、「音楽」を通して、生徒さんたちに、より豊かな高校生活を送らせてあげたい、より良い人間に育っていってほしいという大きな願いをもってご指導にあたられていらっしゃいます。

音楽に向かう気持ちも、生徒さんたちに向かう気持ちも、純粋で一途です。


そんな先生が、レッスン前に、演奏のことよりも、バンドの雰囲気について、心配?されていらっしゃる話を聞かせてくれました。

前回のような「ノリ」がないかもしれません。
もの静かで、どちらかというとおとなしく、反応もよくないかもしれません。
今のメンバーはそんな感じです。
2年生も、1年生とだけの練習になってから、3年生との時とは違う感じもあります...

というような内容でした。


私が、「ノリ」の悪さにがっかりしてやる気を落とさないように、予防線を引いて守ってくださったのかもしれません。

しかし、私は、前述したように、同じ「学校名」のバンドであっても、代が変われば、別のバンドと思ってもいい位、バンドの雰囲気は変わるものだとわかっています。

それが自然です。
規律や訓練によって一定にそろえる必要はありません。
まずは、「あるがまま」を受け入れ、その「良さ」を知り、前に進めばいいと思っています。

「あるがまま」でいいのです。
無理矢理、歪(いびつ)に変えていく必要はないのです。


部長のW君は、前回と同じ、明るいノリで活動していました。
一生懸命、バンドの雰囲気をその方向へ引っ張りたいという気持ちも見て取れました。
すばらしい部長さんです。

「起立! 田川先生、今日はよろしくお願いします!」
「よろしくお願いします!」

「おっ、前回とあいさつの感じが違うね。って言うか、今の皆の立ち方がかっこよくてびっくりした。悪いけど、一度座って、もう一度、今のかっこいい立ち方、見せてくれる?」

生徒さんたちは、ちょっとはにかみながら、もう一度やってくれました。

「起立!」    バシッ!  「おぉぉぉぉ、かっこいい!」 私は、本気で感動しました。

「前回来た時は、もうちょっとよろけて立っていたというか、こんなにかっこよく立っていなかったよ。すごいね。先生、いいチームに育っているじゃないですか。」

こんなささやかなことも、すかさず認め、ほめることからレッスンをスタートしました。

基礎合奏では、日頃ほとんどやっていないという「ハーモニートレーニング」を、私が持参したプリントでしました。
技術的なことや「3音を下げる」とかいうことではなく、「気持ちいいか、気持ち悪いか」だけを「合言葉」にハーモニーを感じ取る練習を進めていきました。
1回ごとに振り返りをしながら...

「何をどうしなさい」というアドバイスは、全くせず、皆の感性に訴えかける手立てだけで進めました。

次第にハーモニーが溶け合い、美しくなっていきました。

このハーモニートレーニングの中だけで、生徒さんたちは、何と「全員」が発言しました。
すごい!

「みんな、先生は、まだ何も教えていないよ。君たちが自分たちで感じて、話して、それでどんどん良くなっているんだよ。すばらしいね。先生、この子たちの感じる力は、すごいと思いますよ。」


練習曲は、卒業式で演奏する予定の曲の1曲でした。

この曲では、「拍感の感じ方」を足を使ったり、身体を使ったり、皆でカウントしたりして、身体と心に刷り込んでいきました。

そのことを徹底するだけでも、音楽が生き生きしてきました。

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最後は、私が持参したア・カペラの混声四部合唱曲を20分ほどで完成させてしまいました。
この力もすばらしかったです。

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・おとなしい生徒たち⇒気品ある生徒たち
・ノリの悪い生徒たち⇒深いところで感じている生徒たち
・反応の悪い生徒たち⇒じっくり考える生徒たち
・・・・


「評価」の言葉を、プラスの言葉に置き換えて考えることで、気分が落ち着くこともあります。
日々、生徒さんたちに向かい合っている先生方からすると、そんな「きれいごと」では済まされないことは、私も経験上、百も承知です。

「ほんとに反応鈍いなぁ! なんで去年の6年生みたいにパキパキできないんだよ!」と、怒り狂ったこともあった私ですから...

だからこそ、「外部の方」に指導してもらう機会に、違った目線で、あるいは違った手法で、生徒さんたちを見てもらうことが大切だと思います。

特に、こういう時期には、じっくりと子どもたちの「味」や「隠れた力」を探していきたいものです。


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レッスンを終えて、顧問の先生も、幸せそうに「総括」をされて
いらっしゃいました。



「あの~、みんな、記念撮影なんだけど、せっかく冬の札幌に来たので、雪の中で撮りたいんですけど、協力してくれますか?寒いけど...」

「いいですよ~!!!」 皆、キャーキャー言いながら、外に出て行きました。
コートも手袋もなく、制服のままで。 上着を脱いだままの生徒さんも! 
もちろん、私もスーツのまま。

多分、気温は、-10℃位。
雪もたっぷり降っていました。

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心に残る「雪の中の1枚」に協力してくれてありがとう!
あの寒さと、君たちと過ごした暖かさは、忘れないよ!
「俺は、先生と!」...すべり込みして、雪まみれになって真ん中に突進してくれた部長のW君。
その燃える心と突進力があれば、大丈夫! 君は、最高の部長になれるよ!
先生、この子たち、無限の宝を秘めていますよ! 
また夏にお会いしたいです!

みんな、がんばれ!




夜、早速、顧問の先生からメールをいただきました。
先生のお許しをいただき、全文を載せさせていただきます。

田川先生、本日はありがとうございました。
中学校のレッスンに引き続きのレッスンにも関わらず、あのようなエネルギッシュな指導をしていただき、生徒も私も正月気分の抜けていなかった気持ちをたった3時間で一新させていただきました。
田川先生の懐の深さを改めて発見させていただいたと同時に、私自身まだまだやらなければならないことを感じました。
今年のメンバーに対する悩みも受け止めていただき、その上で「こんな風に変えていけるんですよ」というアプローチの見本も見せていただけました。
本当に凄いです。ありがとうございました。
今日の日を「楽しかった、良かった」だけで終わらないよう、次回またご指導いただける際、成長をご覧いただけるよう努力していきます。
前回に続き愛情溢れるご指導、誠にありがとうございました。
先生もお疲れのことと思いますが、お身体に気をつけご健勝されますようお祈り申し上げます。



そして、今日、先ほど、この高校の生徒さんからこんなブログコメントをいただきました。


こんばんは。

9日はありがとうございました。
田川先生のレッスンを受けさせていただくたびに、新しい発見がいくつもあります。
今回のレッスンでは、顧問の先生がおっしゃるように、今年の代は大人しすぎるかな?と思っていたので不安でした...。
しかし、田川先生は私達のそういう点を「気品」という言葉に変え、「個性」ととらえてくださいました。
そういう見方もあるんだ!と思い、正直びっくりしました。

ものを色んな角度から見る事によって、新たな発見が出来ます。
また、プラスなとらえ方をすることで、自信が持てたり、お互いを尊重出来たりすることが分かりました。

私は、後輩への指導の仕方に悩んでいました。
甘くし過ぎるのは駄目だと思っており.....かといって厳しくしても、後輩を傷付けることになると思っていました。
今回、田川先生のレッスンを受けて、もっとお互いを尊重し合おうと思いました。
出来ない所を指摘するだけなのではなく、良い所をたくさん褒めて、それを伸ばし、一年生に自信を持たせてあげられるような指導をしたいです。

田川先生からは、音楽の事だけではなく、物のとらえ方や人との接し方など、音楽以外のことも多く学ぶことが出来ました。
ご指導の仕方ももちろんですが、田川先生を、人として尊敬しています。
私も田川先生のような、優しい人になりたいです。

気持ちの変化、そして学んだことを様々な面でいかし、目標に向かって良い音楽を作っていきたいです。
本当にありがとうございました。


私のレッスンからこれほど深い学びをし、それをこんなすてきなコメントに記して伝えてくれるすばらしい生徒さんを育てている顧問の先生を、私は、心から尊敬いたします。

改めて、すばらしい先生と生徒さんです。




今回は、冬の札幌ということで、交通の便が悪くてもレッスン時間をしっかり確保できるようにという楽器屋さんのご配慮で、ゆったりとしたスケジュールでお伺いさせていただけました。

何より、行きも帰りも、飛行機が無事に飛んでよかったです。


寒い北海道で、たくさんの温もりをいただきました。
ご縁をつないでくださった楽器屋さんにも、心から感謝いたします。

3校の先生方と児童・生徒の皆さんのますますのご健闘をお祈り申し上げます。

お招きいただき、ありがとうございました。







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| | 2013-01-11(Fri)20:47 [編集]


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| | 2013-01-11(Fri)20:49 [編集]


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| | 2013-01-11(Fri)21:32 [編集]