田川伸一郎のブログ

自然なスタイルのアンサンブルを

最近は、時期的にアンサンブルコンテストに向けてのレッスンにお招きいただくこともあります。

最近のアンサンブルコンテスト(特に小学校)の演奏に多いのですが、「同じ動き同士が顔を見合わせたまま演奏する」という演奏スタイルが、とても気になっています。


アンサンブルでは、「アイコンタクト」はとても大切ですし、演奏中、「ちらっと顔を見合わせること」は、見ている側にとっても素敵な光景です。

しかし、身体の向きまで大げさに変え、「顔を見合わせたまま吹き続ける」必要がどこにあるのか...

列の端の人が隣の人と向き合うと、お客様に背中を向けた状態で何小節も演奏することになってしまいます。

管楽器の音には「指向性」もありますから、身体を向ける方向によって、音が飛ぶ方向も変わってしまいます。


「ずっと顔を見合わせたままの演奏」...私は、「いかにもアンサンブルしているように見せかけるパフォーマンス」でしかないと思います。

もっと悪く言うなら、「点数稼ぎ」を狙っているようにも思えます。

プロの方のアンサンブルで、そんな演奏スタイルは見たことがありません。
あるとしても、それは、本当に「演出」としてです。


アイコンタクトは、「演奏のために必要があるから」するものであって、「アイコンタクトしていることを客席に見せるため」にするものではありません。

ずっと顔を見合わせたまま演奏することは、練習の段階ではあるかもしれませんが、本番のステージでそれをする意味がわかりません。

そこまでしないと合わないなら、「アンサンブル力が足りない」と言われても仕方ないでしょう。

そして、顔は見合わせていても、「思い」や「表現の方向性」が共有できていないと、なおさら不思議な演奏になります。


アンコンの「講評用紙」に、「もっとアイコンタクトをしましょう」と書かれると、「ずっと顔を見合わせたままの演奏」をさせ、「これでどうだ!アイコンタクトしてるから減点しないでしょ」と言わんばかりに極端なことをさせてしまう...

顧問の先生の勘違いです。



審査員の先生が、「アイコンタクトをしましょう」とおっしゃるのは、奏者が、周りを聴いたり、合わせたりする気もちが乏しいように感じられるからです。

「ずっと顔を見合わせたまま演奏しなさい」などと、プロである審査員の先生が要求するはずはありません。


・本当に練習を積んであるチームは、「目隠し」をしてもぴったり息の合った演奏ができます。
・自分たちだけの会話ではなく、お客様との会話が大切です。
・音楽を伝える相手は、お客様です。
・楽器の音の「指向性」を考えましょう。
・ステージは、「今まで何を教えられてきたか」がすべて見える場所です。
・「点数かせぎ」の余計なパフォーマンスはやめて、「音楽」だけで勝負しませんか?
・音楽のために必要なアイコンタクトや動きは、取り入れるべきです。


顧問の先生やメンバーに、こんな話をして、「おかしいスタイルのアンサンブル」を直しています。



アンサンブルは、指揮者の先生がステージに上がらないだけに、よりたくさんの指導が入ります。

ともすれば、子どもたちが、「音楽再生ロボット」のようにされてしまいます。

「音楽の表現」への指導だけでなく、いつの間にかこういう「点数稼ぎ」のパフォーマンスも...


音楽は、自然が一番!
そして、子どもたちの思いが、客席に伝わっていく演奏が一番!

どうか、「勝つ」ために「形」だけを不自然に仕込まれた演奏が無くなっていきますように...

アンサンブル活動によって、子どもたちの「音楽的主体性」と「豊かな表現力」が健全に伸ばしていくよう、導いてあげたいものです。




アンサンブルコンテストの支部大会に出場されるみなさま、風邪やインフルエンザには十分お気をつけて...

全員が元気に参加し、努力の成果を生かした良い演奏ができますようお祈り申し上げます。





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| | 2013-01-20(Sun)20:15 [編集]