田川伸一郎のブログ

東京都の女子高校バンド

昨日は、東京都の私立高校にお伺いさせていただきました。
昨年度からお招きいただいている女子高校バンドです。


平日でしたが、昨日は学校が開校記念日で休みということで、たっぷり時間が取れました。

実は、このバンドには、私個人の特別な思い出があります。

大学生の頃、アルバイトでしていた家庭教師で、中学3年生の女の子を教えさせていただくご縁がありました。
正直、このレベルが高い高校には届かない成績だったのですが、彼女はどうしてもこの高校に行きたいと、信じられない位に夢中になり、私もアルバイトの域を越え、時間オーバーして勉強の相手をする日々でした。
勉強のし過ぎもあったのか、受験を前にして、彼女はひどい腰痛に悩まされるようになってしまいました。
それでも、痛みに顔をしかめながら、彼女は勉強を続けました。
あまりに辛そうな時、私が、「今日は終わりにしましょう。」と言っても、「いや、続けてください。どうしてもあの高校に行きたいんです。」と、彼女は涙を流しながら訴えました。

そして、まさかの「合格」をしました。
本人はもちろん、ご両親も、そして私も、「努力」というもののすごさを知らされた思いでした。

私が、音楽や吹奏楽のすばらしさを、勉強の合間に話していたこともあり、彼女は、あこがれのこの高校の吹奏楽部に入部し、ホルンを吹き続けました。
文化祭の時には、彼女もメンバーとして張り切るこのバンドの演奏を楽しませていただきました。

時は隔てていますが、その高校のバンドからレッスンのご依頼があったのですから、本当にうれしく、喜んでお受けさせていただきました。


顧問の先生は、このバンドを本格的にご指導されるようになってからまだ数年という男の先生です。
担当教科は、英語科です。
学生時代に、吹奏楽に燃えられた経験を生かして、今、とても熱心にこのバンドをご指導されていらっしゃいます。


昨日は、素敵な「合唱」で迎えてくださいました。

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この学校は、勉強にかなりの比重を置いていて、3年生は受験態勢に入るため、部活動は1.2年生のみの活動となっています。
部員の数は30名に満たない上に、半分は初めてお会いする1年生です。

そんな1年生の緊張をほぐすためもあり、レッスンの前には楽しくおしゃべりし、気づいたらレッスンになっていたという形で、合唱レッスンに入らせていただきました。

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先生は、とても頭のいい方で、様々な「指導情報」の中から、このバンドの活動に合うものをきちんと選んで導入され、それを半端ではなく、徹底的に深められようとしていらっしゃいます。

練習時間が他の高校に比べると短く、部活動も2年間という期間しかできない中で、できるだけ効率的に、この生徒さんたちに豊かな音楽体験をさせてあげたいと願っていらっしゃるのです。

短い練習時間であっても、あえて本格的な「合唱」に取り組まれているのも、その1つです。

入部したての1年生の中には、「なぜ合唱?」という顔をしている生徒さんもいらっしゃるようですが、先輩たちが、あたり前のように素敵な響きで、そして、良い顔で、合唱に取り組んでいる様子に、理屈抜きにハマっていっているようです。

みんな、「良いもの」がわかる賢い生徒さんたちなのです。

レッスンでは、今、ある技術で、さらに表現を高めるためのアドバイスをさせていただきました。

みんな、とても積極的に取り組みます。
そして、楽しんで取り組みます。

「なんか、さっきまでとは違う響きがします。」
「自分自身が、歌っていて気持ち良くなりました。」
「頭の中に、場面がどんどん浮かんできます。」
・・・

自分たちの気持ちや合唱の「変容」を、自分たちからつかみ取れる力を持っています。

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吹奏楽部なのに、たっぷりと合唱のレッスンをさせていただきました。


そして、椅子を並べて、吹奏楽のレッスンに移りました。

今回、ご依頼いただいていたレッスン内容は、

・合唱練習のアドバイス
・基礎的事項(基礎合奏などの確認
・練習中の『マーチ』の演奏レッスン
・コンクール曲の候補として練習している3曲のワンポイントレッスンと、選曲のアドバイス


でした。


ひとつひとつ、「練習の目的」をはっきりさせ、明確な「評価の観点」を提示し、できるだけわかりやすい「手立て」を工夫しながら、進めさせていただきました。

頭で理解すること、身体で理解すること、感覚で理解すること...

様々な練習には、その「目的」に応じ、どう理解して、どう身につけるかという、勘違いしてはならない「道筋」があります。

その「道筋」をしっかり押さえていくことが、「効率的な練習」の第一歩となります。

前向きな練習姿勢、集中力、理解力、反応力...
顧問の先生の日頃からのご指導の積み重ねで、生徒さんたちは、「伸びるための素養」をしっかりと身につけています。

そういった「素養」は、音楽的なレッスンの大切な「土壌」です。

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顧問の先生も、写真を撮っていてくださった副顧問の先生も、「これ、ウチの子たちの音?ウチの子たちの演奏?」と、驚くほどの変容の瞬間がありました。

私も、同感でした。

コンクール曲は、まだまだ譜読み段階でしたが、できることをさせていただき、どの曲がこのバンドに合うのかを考えるための「練習の方向性」を話させていただきました。


先生は、練習中、通勤中、ご自宅で...ふとした瞬間に、疑問に思ったこと、考えたことを「吹奏楽部指導ノート」にどんどん書かれ、レッスンの後には、そのノートをご覧になりながら、1つ1つ、私にご相談くださいます。

その内容に、「愚痴じみたもの」はありません。

先生は、様々なお悩みを「愚痴」ではなく、「課題」として、しっかりと「文字」にされ、感情ではなく、頭で解決されようとします。

つい感情的に指導したり、ムカついたり、落ち込んでいたりしてしまっていた私とは、全く違う知性的な方です。

そんな先生からのご質問は、いつも私の中にあるたくさんの経験を整理させてくださり、理論づけてくださる時間でもあります。

昨日も、美味しいお食事をごちそうになりながら、たくさんの「ご質問」をいただき、共に勉強させていただきました。


先生は、「音楽指導はもちろん、教育としてのバンド活動のアドバイスをいただけるのが本当にありがたいです。」と、何度も話してくださいましたが、感謝するのは私の方だと思います。

本当にありがたいです。


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たった2年間の部活動の時間を、少しでも豊かにしてあげたいと、夢中で勉強され、誠心誠意、生徒さんたちのために努力されている先生。
素直で賢く、「良い物」をしっかり見抜いて、その方向に伸びようと努力できる生徒の皆さん。

これからも、このバンドに合った「最高の活動」を模索し、より豊かな部活動を展開していってください。

次にお会いするのは、夏のコンクール直前の予定です。
どの曲をどのように作り上げて聴かせてくださるのか...とてもとても楽しみです!

がんばってくださいね!




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女子高生らしく、可愛い声でキャーキャー言いながら、
最後の最後までアーチで送ってくださった皆さん。
本当にありがとう!



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| | 2013-05-09(Thu)22:29 [編集]