田川伸一郎のブログ

第44回 日本吹奏楽指導者クリニック

先週の金曜日から昨日まで、静岡県浜松市・アクトシティ浜松で開催された『第44回日本吹奏楽指導者クリニック』に行って来ました。

このクリニックは日本では最大規模の講習会で、今年度の参加者は1200名以上に上ったそうです。

近年は毎年、浜松アクトシティで行なわれていますが、以前は自然豊かな三重県「合歓の郷」や草津「音楽の森コンサートホール」(小学校のみ)で開催されていました。
その頃には、私も講師としてお招きいただいたり、大柏小学校時代には子どもたちとコンサートや講座のモデルバンドとして出演させていただいたこともあります。
ここ最近は、「受講生」としてひたすら勉強させていただいています。

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会場に着いた時から、コンサートでお迎え!
ワクワクします。

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《オープニングコンサート(大阪桐蔭高等学校吹奏楽部)》



日本バンドクリニック委員会(代表:小澤俊朗氏)の先生方を中心とした多くの先生方のかかわりの中で、講座のメニューは進化しており、現場のニーズに合ったクリニックを開催しようという思いが伝わって来ます。

また、毎年毎年ほぼ同じ内容で開講される講座もあります。
特に、基礎的内容のものは「普遍の真理」ですから、時代が変わっても避けて通ることはできませんし、安易な方向に流すこともできません。
「練習時間がない中で」という条件は変わって来ていると思いますが、やはり「基礎」の大切さだけは毎年毎年同じように説かれるべきものです。

若い先生、吹奏楽指導が初めてという先生方にとっては、「ああ、そうなのか。」
ベテランの先生方にとっては、「ああ、そうだった。」
変わらない内容というのも大切です。


これだけたくさんの講座が開講され、自由に受講することができます。(見えづらくてごめんなさい。)

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「初級」「中級」「上級」の講座の他、「特別講座」「小学校講座」があります。


この他、各ブースでは、「相談コーナー」「楽譜・ソフトの展示販売」「楽器展示・試奏」が常時開設されており、これも大切な情報源です。
オプションとして、ヤマハ管楽器工場の見学ツアーも用意されています。



私が受けた講座の中から...

『小編成バンドの合奏指導』(講師:金田康孝先生)

・小編成バンドの「メリット」を活かすための方法の中で、「持ち替え」をできる範囲で活発にし、音色を多様にすること。(トランペットは楽譜に音を当てることもひとつの方法)
・セッティングによるサウンドの違いを再確認すること。
・「音響学的」な理論に基づくサウンドづくりをすること。
など、改めて「小編成バンド」ならではの演奏づくりの「手作り感」に触れることができました。


『バンドスタディⅡ 合奏指導法・基礎編(講師:甘粕宏和先生)』

・「基礎」こそ楽しく、毎日あきずにできる方法を工夫することが大切。
・「良い響きのルール」は、「よい姿勢」「よい呼吸」「よい奏法」、そしてなにより「よい気分!!」
・「きれいのルール」は、「発音がきれい」「音色がきれい」「音程がきれい」
・よい合奏は、「うつくしいユニゾン」から。「同じ音量」「同じ音色」「同じ音型
・「イメージできることはできる」 by内村航平選手  だから「よい音のイメージをもって」
・厳密なことを要求する時、難しいことをする時ほど「楽しく!!」
など、意味深い「キーワード」を教えていただきました。


『バンドスタディⅢ 合奏指導法・ステップアップ講座(講師:金田康孝先生)』

・サウンド作りにおける「ピラミッド型」「ビヤ樽型」「逆ピラミッド型」
・基礎練習、基礎合奏は、表現ではなく「音」のみに集中し、身体も極力動かさない。
・セッティングで変わるサウンドの実際
・「アタック」「コア」「リリース」の統一
・デイリートレーニングの「意味」の持たせ方
・基礎合奏で、その先生そのバンド特有のサウンドを作る。だから、先生がやること。
など、実際の演奏や練習パターンを使って、より良いサウンド作りのポイントを教えていただきました。


『初めての吹奏楽指導 運営編』

・緒形まゆみ先生、大沼由和先生(湯沢市立湯沢南中学校)、多米恵理子先生(札幌市立白石中学校)を講師に、それぞれの先生方のバンド運営についてのお考えや実践を発表してくださり、参加者からの質問もまじえながら、バンド指導について考えていきました。
・緒形先生から「スクールバンドは100%指導者で決まる。指導者以上に育つことはない。」「人はいつからでも、どこからでも変われる。」
・大沼先生から「生徒をその気にさせ、追い風を生むことが大切。」「音は前に出して合わせる。」「指揮に合わせようとせず、打楽器を聴いて。」
・多米先生から「鍵盤楽器を使った弾き歌いで、正しい音程感をつけている。」「ともかく勉強に行くこと。フットワーク軽く他校の見学から学ぶ。」

など、「心にしみるキーワード」もいただきました。
各先生方の実践、ご苦労、喜びから語られるお話には、共感することばかりでした。
先生方のお話を伺いながら、何度も涙がこぼれそうになりました。
会場中の先生方も、皆が「ひとりじゃない」と感じられたに違いありません。
たくさんの元気をいただいた講座でした。

大沼先生は、昨年度まで、須川中学校で10数名の吹奏楽部をご指導され、毎年のように東日本大会で感動的な演奏を聴かせてくださっていました。
その感動を書かせていただいた私のブログもお読みくださり、生徒さんたちと喜んでくださっていたとのこと。
多米先生は、以前から私の指導に興味を持ち、ブレーンから発売の大柏小学校時代の練習風景の映像も生徒さんと一緒にご覧くださっているとのこと。
ありがたいです。

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大沼由和先生、緒形まゆみ先生、多米恵理子先生と。
感動と勇気をいただき、ありがとうございました。



『小学校指導法講座Ⅱ・合奏指導法(講師:石田修一先生)』

・柏市立柏高等学校吹奏楽部をご指導されている石田修一先生が、この4年間、小学校のモデルバンドを使って指導法を提示してくださっています。
・今回のテーマは、「みんなが主役!初心者から6年生まで・・・・」ということで、初心者も楽しくデビューできそうな楽しい教材の紹介も含めながらの講座でした。
・「合奏力アップの近道」・・・楽しいソルフェージュ、楽しい呼吸法、発音そろえるペア練習など、1回45分の練習を週3回と仮定しての「短時間基礎づくり」の実際をご指導いただきました。
・キッチンタイマーを使って、1つの練習を1分で区切るアイデアも。
など、小学校バンドの実情をふまえての指導法を教えていただきました。

失礼な言い方かもしれませんが、初期の頃は高校の先生が「小学生」を扱うことの大変さも感じましたが、石田先生はすっかり「小学生指導のプロ」と言えるほどに変容されたと思いました。
石田先生ほどのすごい先生でも、学び続けていらっしゃるのです。ますます尊敬です。


レパートリー研究講座(講師:後藤洋先生)

大阪桐蔭高等学校吹奏楽部の「1年生バンド」の生演奏で、新曲を10曲ご紹介いただきました。
60数名の1年生バンドは、すでにとても上手。会場からは「ふぅ...」とため息が。

最近特に目を向けられている「フレックススタイル」の楽譜(管楽器が5パート程度しかなく、編成に合った組み合わせを工夫できる楽譜)の使い方の実際を音で聴くことができたこともよかったです。

後藤先生のお話や作品についての解説はいつもながらわかりやすく、演奏も上手で、幸せな気分になれる講座でした。


数々の講座の他、すてきなコンサートも魅力です。

17日夜《ウェルカムコンサート》
・沖縄県沖縄市立美里中学校吹奏楽部
・大阪桐蔭高等学校吹奏楽部

18日夜《イブニングコンサート》
・茨城県水戸市立笠原小学校金管バンド部
・雲井雅人サックス四重奏団
・オクラホマ州立大学ウィンドアンサンブル

19日昼《ファイナルコンサート》
・千葉県松戸市立第四中学校吹奏楽部
・広島ウィンドオーケストラ


どの団体の演奏もすばらしかったですが、特に、「雲井雅人サックス四重奏団」「松戸市立第四中学校吹奏楽部」は、心に響く最高級の演奏を聴かせてくださいました。

贅沢なひとときでした。



人との出会いも、このクリニックのうれしさです。
再会あり、初めての出会いあり...


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広島修道中学・高等学校スクールバンド班顧問の大咲司朗先生です。
2年前のこのクリニックで、涙が止まらぬ感動の演奏を聴かせていただきました。
私は、それ以来すっかりファンになり、このバンドのDVDも買って堪能させていただいています。
今回は、その大咲司朗先生から「田川先生ですか?いつもブログを拝見し、心の支えにさせていただいています。」とありがたいお言葉をかけていただき、DVDのプレゼントまでいただいてしまいました。
夢のようでした...
先生、ありがとうございました。「心の宝物」と「家宝」がまたひとつ増えました。



日頃、なかなかお会いできない方々とも再会できました。

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作曲家の八木澤教司さんです。          作曲家の福田洋介さんです。

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ピアニストの織茂学さんです。(いつもお茶目!)  ウィンドアート出版の神長一康さんです。


そしてそして、美味しいものに出会うのも楽しみです!

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今や、浜松は「餃子の街」でもあります。私は、このお店の餃子が好きです。

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そしてやっぱり「うなぎ」です。



3日間、吹奏楽指導の基本的なところやバンド運営のポイントなどを改めて考え直すことができました。

このクリニックで学んだことを、私自身のレッスンにも反映させ、より効果的な指導やアドバイスができるように努めていきたいと思います。

来年度もぜひ参加したいと思います。

とても貴重な「学びの時」をありがとうございました。


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| | 2013-05-20(Mon)20:41 [編集]