田川伸一郎のブログ

富山県から ~その2~

次に、2校目の中学校をご紹介します。

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この中学校の先生が、私のブログにメールをくださり、ご縁をつないでくださいました。

今回は、金曜日の学校でのレッスンと日曜日のホール練習の2回のレッスンを受けられました。

12月のレッスンの時、このバンドでは、演奏のことだけでなく、人に気持ちを伝えるこの大切さ、気持ちを自分の言葉で素直に表現することの大切さを伝えさせていただきました。
先生にも、「子どもたちを人として成長させるためのバンド指導」の大切さを真剣に伝えさせていただきました。

このバンドは、富山県でもトップレベルの中学校バンドだと思います。
だからこそ、演奏以外のことも、トップレベルであってほしいと願ったのです。

先生には失礼なことも申し上げたと思います。
それでも、先生は、「これからも、ぜひご指導お願いします」と真っ直ぐに受け止めてくださいました。
指導者として、さらに成長したいと願う先生のお気持ちが伝わって来ました。

金曜日のレッスンでは、演奏の前に、生徒さんたちとゆっくりお話をしました。

皆、12月のレッスンでの「学び」、特に演奏以外の学びを生かしての変容を語ってくれました。

楽器庫には、こんな「日めくりカレンダー」も...

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前回差し上げた私の「忘れるなことのひとこと」の言葉から、学年ごとに
自分たちで選んだ言葉を書いて、日めくりしてくださっているそうなのです。


プリントをそのまま壁に貼ってくださってある学校は多いですが、「日めくりカレンダー」は初めて見ました。
ありがたいです。

学校でのレッスンは、課題曲をざっと見て、終わりになりました。
短い時間ではありましたが、ものすごい集中力で、顧問の先生も感動するほどの変容を見せました。

感じる心や向上心が高まっていることがよくわかりました。

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そして、日曜日は、ホール練習のお手伝いをさせていただきました。

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自由曲は、中学生には「超難曲」とも言える大曲です。
ものすごい技術で、こなしています。
「曲の力」と「テクニック」で、とても上手に聴こえますが、曲のレベルに見合った「音楽性」はなかなか見えてきません。

空気感、色彩感、発音のスピード感の変化、力の入れ場所と抜き場所、変拍子の感じ方、ソロパートの自発性、場面転換の「間」と「インパクト」...
そういったことを中心にレッスンさせていただきましたが、この曲を「音楽」として表現し切るための研究が、これからの課題です。
「技」で押し切っただけの演奏には、「感心」はあっても「感動」はありません。

中学生としては、かなりハイレベルな目標設定に、先生と生徒さんみんなで、勇気を出して挑んでもらいたいです。


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このバンドは、とても恵まれた環境にあり、何人もの講師の先生がレッスンに入られているそうです。
パートレッスンも合奏指導も、講師の先生にご指導いただいているそうです。

生徒さんたちの高度な技術は、専門家仕込みなのかもしれませんが、「音楽」は少々混乱していることが気になりました。
私が、「今日は、このようにしてみましょう」と話しても、「~先生のレッスンで、こう言われました」と返してくる場面が何回かありました。

「ああ、そうですか。では、それでいいです」と、こちらが引いて混乱を避けました。
また、「先生はどうお考えですか?先生のお考えで決めていいのですよ。」と伺うと、「えっ、そうだっけ?そういう意味だったのかなぁ」と...

外部講師のレッスンを受ける場合、レッスン後に、顧問の先生がご自分なりに「取捨選択」して、「自分たちのもの」として生徒の中に落とすことが必要です。
そして、外部講師の指導は、「参考意見」程度に受け取るべきです。

また、外部講師も、楽器の「技術」はともかく、「表現」については、決して「結論じみた」指導をするべきではないと思います。
「試しに...」「今日は...」「色々試して、最後は顧問の先生のご指示に従えば間違いありません。」という言葉を添えることも大切です。
どんなに有名で、どんなに偉い先生であってもです。

子どもたちにとって一番大切で、一番偉いのは、顧問の先生なのですから...

今回は、顧問の先生に、そんな問題点を指摘させていただきました。
「恵まれた環境」が、すべてプラスに生きるような導き方をしていただきたいと願いました。


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12月からの大きな成長を見せてくれた皆さん。
今回は、2日間も一緒に練習でき、とても豊かな時間を過ごさせていただきました。
恵まれた環境をすべてプラスに使うには、自分たちの「思い」を音楽に吹き込むことです。
日々の生活の中で、さらに心を豊かにし、皆の思いを伝え合い、君たちだけの「思い」がこもった音楽を、顧問の先生と共に作り上げてください。

「夢のステージ」に向かって、ふぁいと!




最後に、高校バンドをご紹介します。

こちらの高校にも、12月に初めてお伺いし、今回は2回目となります。
前述の中学校と同じく、ホール練習のお手伝いをさせていただきました。

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このバンドは、人数はさほど多くはありませんが、小編成の部で、すばらしい実績を上げておられます。

ともかく練習が大好きな生徒さんたちです。

前回は学校でのレッスンでしたが、遅い時間までのレッスンの後も、また練習の音が鳴り続けていました。

しかも、誰かに強制されたり、「きちんとできなければ」とかいう責任感や義務感ではなく、純粋に音楽が好き、楽器が好き、練習が好きなので、聴こえてくる音が生き生きしているのです。

そして、生徒さんたちの人柄も、明るくて解放的で、そして、一途です。
音楽に向かう姿勢や目線、表情を見ていると、それだけでも涙が出そうになります。

そのように導いておられる顧問の先生方は、本当にすばらしいと思います。

「僕の作りたい音楽はまだ出さないから、君たちが作りたい音楽をまずやってごらん」と、生徒さんたちに「音楽づくり」への意欲、研究心を持たせ、自分なり、自分たちなりのものを表現させてから、そこに先生の音楽性を溶け込ませ、この生徒さんたちが持っているすばらしいセンスを最大限に生かした先生の音楽づくりが完成するようです。

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生徒さんひとりひとりの思いを大切にされる、そんな温かい先生方のご指導の邪魔をしないようにと配慮しながら、今回のご依頼にあった「まだ何も色づけしていませんので、田川先生の音楽を生徒たちにたっぷり感じさせ、これからの練習のヒントにさせていきたいと思います。」というお言葉に沿ったレッスンをさせていただきました。

生徒さんたちは、とても柔軟です。

自分たちでああでもないこうでもないと、様々に工夫を重ねて来ているので、思いもあり迷いもあり、「結論」など何も出ていません。

だから、私の一言一言が、生徒さんたちの思考の「ありがたいヒント」となって、すうっと入っていくのです。

「今日は、試しにこうやってみましょう。」
「僕だったらこう考えるけど、皆さんは皆さんの考えでいいのですよ。」
何度もそんな言葉を加え、私の音楽が「結論」にならぬよう、進めさせていただきました。

また、せっかくのホール練習ですので、セッティングの違いによる響きの違いも体験していただきました。
打楽器と管楽器の心地良いバランスを求めて、様々に試してみました。


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音楽表現は「思いつき」ではなく「裏づけ」が必要です。

その「裏づけ」は、「楽譜」を読み込むことはもちろん、その曲が生まれた国や時代や文化、あるいは楽譜に書けない音楽のジャンルの「常套句」も大切にしなければなりません。

様々な方向から、音楽づくりに対する物の考え方、これからの練習のヒントになる勉強や練習の仕方をアドバイスさせていただきました。

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練習に臨む真剣さ、練習後の和やかさ、どちらの君たちも大好きです!

レッスンの後、顧問の先生方が、「生徒たち、本当にいい顔で音楽し、嬉しそうないい顔で帰って行きました。私たちもたくさん勉強させていただき、本当に幸せでした。」と、何度もお話ししてくださいました。

先生方のお導きの邪魔にならなければ良かったのですが...。

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このすばらしいバンドを率いるすばらしい顧問の先生方です。

12月のレッスンの時に、3年生として在籍していたこのバンドの卒業生も、見学に来てくれました。
「僕、田川先生のレッスンが大好きなんです。12月のレッスンが、今でも忘れられなくて。だから、今日は見学に来ました。後輩たちがお世話になって、本当にありがとうございます。今日も感動しました。後輩たちもすごく上手くなって、僕もうれしいです。それから、あの...」 
彼は、話したいことが心から溢れ出て、言葉が見つからないほどのようでした。

こんな心豊かで素直な生徒さんが育っているのも、顧問の先生方のご指導がすばらしいからです。


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音楽が大好き、楽器が大好き、練習が大好き...そして、この仲間が大好き!
だから、吹奏楽に青春を賭けられる!
こんなバンドが日本中に増えたらいいなぁと思えるほどの超素敵なバンドです。

これからも、今の素敵さをずっとずっと失わずに、すばらしい活動を続けていってください。
僕は、すっかり君たちのファンです!

これからもずっと応援しています!





私とコンタクトを取ってくださった中学校の先生は、「田川先生をお招きするたびに、私にも生徒にもしっかりとした課題を持たせてくださるので、本当にありがたいです。今回は、顧問がもっともっと勉強して成長しなければ、頑張ってくれている生徒たちに申し訳ないとつくづく思いました。今後も、ご指導よろしくお願いします。田川先生のレッスンを受けてもらいたい仲間の学校がいくつもあるので、できれば今後はそちらにも...」と、別れ際にお話ししてくださいました。

もう十分にがんばっていらっしゃる先生に、「もっともっと」と言ってしまった氷のように冷たい私を、先生はこのような温かい言葉で見送ってくださいました。

先生! 飛行機で羽田からたった1時間の富山です。
本当に困った時には、飛んで行ってあげますから...

いつもお祈りしています。



お世話になった先生方、熱のこもった演奏を聴かせてくれた児童・生徒の皆さん、ありがとうございました。
夏のコンクールでのご健闘をお祈りいたします。


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| | 2013-06-24(Mon)20:41 [編集]