田川伸一郎のブログ

福島県の中学校・高校バンド

この日曜日と月曜日は、一泊で福島県にお伺いしてきました。
中学校3校、高校1校からのお招きでした。


福島県のバンドとのお付き合いは、私がフリーになったその年からです。
その後、次第にご依頼の輪が広がり、今回も新しい出会いがありました。

震災後の様々なご苦労を乗り越え、たくましく活動される先生方と子どもたちに寄り添いながら、私も共に勉強させていただいています。

ありがたいです。


今回お伺いした中学校と高校バンドの練習の様子をご紹介させていただきます。


1校目の中学校バンドです。

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初めてお伺いした中学校です。
6月に福島にお伺いした時に、レッスンを見学にいらしてくださっていた先生の学校です。

先生は、この学校に転勤1年目です。
副顧問の先生方にサポートいただきながら、主顧問として指揮をされていらっしゃいます。
「私が、吹奏楽指導についてもっともっと勉強しなければならない状況で、生徒たちは、素直で真面目によく努力する子どもたちです。」と、ご自分を謙遜なさりながら、事前のご連絡をくださいました。

駅にお迎えに来てくださった先生と生徒さん2人。
先生とお話しするよりも、生徒さんたちが積極的に話しかけてくれます。
「先生、質問をまとめてきたんですが、早速いいですか?」と、演奏上の悩みや練習方法の相談など、次々に尋ねていました。
「レッスンの後、時間がなくなるといけないので、すみません。」と言いながら...
これだけ質問があるという自体がすばらしいことです。
自分自身と向き合っている証拠だからです。
「何がわからないかがわからない」ということだってあるのですから。

こんな積極的な生徒さんたちに案内されて入った音楽室。
「おはようございま~す!!!」 明るい笑顔と明るい声でいっぱいでした。
顧問の先生との関わり方も、とても良い感じでした。
顧問の先生は転勤1年目だということが信じられない「打ち解け方」でした。
先生もすばらしいと思いますが、生徒さんたちの心にも感動し、たくさん褒めました。

このバンドが取り組んでいる曲は、有名なミュージカルの曲です。
スコアが送られて来た後、私は、DVDを購入して勉強しました。
ストーリーはだいたい知っていましたが、この吹奏楽アレンジで使われているそれぞれの曲が、どの場面でどのように使われているのか、楽器演奏なのか歌なのか、どんな登場人物がどんな表情で歌うのか、まわりの情景は...
オペラ物はもちろんですが、ミュージカルの曲を演奏する時には絶対に必要な勉強です。

生徒さんたちも、2作品を鑑賞していました。
顧問の先生が用意して、鑑賞させておられたのです。
ですから、場面についての話は、私と生徒さんたちですぐに共有でき、「それでは、その場面の雰囲気を出すには、具体的にどうすればよいか」というレッスンに集中することができました。

「夏のコンクールでも演奏したこの曲を、3年生の引退前に、さらに深めさせてあげたい」という顧問の先生の願いに添うよう、レッスンさせていただきました。
これまでの勉強を確認したり、さらに深めたり、広げたり、視点を変えてみたり...立派な演奏に、更なる思いが加わりました。

練習しながら、私も事前には気づかなかった「ハーモニーの色」や「フレーズのまとめ方」などにも気づき、生徒さんたちと一緒に成長することができました。

ありがたかったです。
大切なまとめの時期に、「初めての出会い」を設定され、私に生徒さんたちをお預けくださった顧問の先生方に感謝です。

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広い心と伸びやかな感性をもって、生き生きと音楽する皆さん。
「大好きだったこの曲が、今日のレッスンでもっともっと好きになりました!」と、うれしそうに語ってくれた皆さん。
「3年生とはもうお会いすることはないと思いますが、1.2年生は、またお会いできるかもしれませんね。その時には...」と話し始めたら、「え~、いいな~」と言う3年生たちと「わ~!!」と喜んでくれた1.2年生たち。そんな「温かい場の雰囲気づくり」に、皆さんの「優しさ」が感じられて、とてもうれしかったです。
初めての出会いとは思えないスムーズな練習の雰囲気を作ってくれた皆さんに感謝します。
これからも先生方のすばらしいご指導の元、演奏も優しさも積極性も、ますます伸ばしていってくださいね!
こんなにすてきな皆さんとの出会いに、「心からありがとう!!!」 




2校目の中学校です。

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このバンドには、この3年間、何度もお伺いさせていただきました。
震災で、体育館はもちろん、校舎の半分は使えなくなり、不便の生活をしていた中でも、しっかりと音楽を続けてきた皆さんでした。

震災直後、学校も休校している中でも、避難所から「先生、練習したい」と集まって来た生徒さんたちに励まされたという先生。
生徒さんたちも、大好きな先生と練習ができる日を夢見て、震災後の日々を乗り越えてきました。

今年の3年生は、そんな震災後の落ち着かない中、何とかおこなわれた入学式で入学して来た1年生でした。
3年間、音楽も心も、顧問の先生のすばらしいご指導で本当に大きく大きく成長しました。
くじけそうな仲間がいると、皆で支え、励まし、大切に守って来ました。
私のレッスンの時にも、いつも良い雰囲気をつくってくれました。
そんな優しいこのメンバーと3年間関わらせていただき、私も幸せでした。

今回は、そんな3年生たちとの最後のレッスンでした。

美しいオペラの作品を勉強してきた今年のこのバンド。
今回は、音楽表現の深い部分に触れるレッスンに終始しました。
いつもは、私もたくさん冗談を言って、皆で大笑いする時間もけっこうあるのですが、今回は少なく...
真剣な練習一本で進めました。

「ここの音楽の特徴を身体で表現するとしたら、田川先生ならどう動きそう?3年生ならわかるよね!」
3年生がしっかり手を挙げて、ひとりで動いてくれました。...「そう、そのとおり!」
音楽を、声や手や身体で表現する勉強の仕方もしっかり身につけてくれました。

見学にいらしていた先生方も、ちょっとした手立てで演奏が変容していく過程に驚いていらっしゃいました。
私の指導ではなく、「子どもたちの学び取る力」のすばらしさにです。

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3年生の皆と記念写真です。
震災後の入学式からここまで、本当によくがんばりました!
いつも君たちの心を大切に育ててくださった先生に感謝の気持ちを忘れず、引退までの日々を自分たちでしっかり
とまとめ上げてください。
このバンドで学んだ努力する心、思いやりの心を、これからの人生にもしっかりと生かしていってくださいね!
気持ちのこもった色紙も、ありがとう! 大切にします。



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翌日レッスンを受ける高校生も見学にいらしていました。
しっかりメモを取りながら...
「明日のレッスン、僕たちもがんばります!」
中学生が頑張る姿からパワーをもらい、ますますやる気を膨らませていました。




3校目の中学校です。

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こちらのバンドの顧問の先生が、私を初めて福島にお招きくださり、他校の先生方にもご縁をつないでくださいました。

震災後は、原発の影響で、部員が転校してしまうという悲しい時期もありましたが、皆の強さで乗り越えて数々のすばらしい実績を収めてきました。
良い意味で「執念」や「意地」を感じるほど、このバンドには「強さ」がありました。
私も、そんな空気に、気合いが入ったこと、たびたびです。

このバンドの演奏技術は、中学生のレベルを越えています。
今年も、とてもとても難しい曲を勉強してきました。

オーボエやフルートには、特に難しいソロがあります。
6月にお伺いした時には、まだまだ必死で格闘している感じもありましたが、その後の努力の成果が手に取るようにわかるすばらしいソロになっていて、驚きました。
もちろん、ソロだけではありません。
このバンドが大切にしている「合唱」も毎回毎回大きく成長し、「お迎えの歌」で私は今回も感動してしまいました。
また、驚くことに、他の部を引退した後から先生のお誘いで入部して来た男子が数名...もちろん3年生です。
美術部から来たチューバ君。剣道部・卓球部から来たコントラバス君たち。バスケット部から来た打楽器君...短期間の練習でありながら、もう合奏の中で演奏しています。
中学生の可能性は、本当に計り知れません。

出会ったばかりの頃、このバンドの子どもたちは、やや硬い感じで、「練習中はけじめをつけて」が、妙に気持ちまで硬くしてしまっているのではと心配することもありました。
私が冗談を言っても、音楽にまつわるエピソードを話しても、ほとんど表情を変えずに座っていました。
「はい!!!!」の気合いは十分過ぎる位でしたが...

今は違います。
笑顔も多く、「はい!!!」以外の反応も多く、おかしい時には元気よく笑います。
とっても自然です。
私に慣れたということもあると思いますが、それだけではありません。
チームのカラーそのものが変容してきたのだと思います。
私は、そのことをとても嬉しく思っています。

曲は技術的にかなりこなせてきました。
最後の仕上げは、生徒の努力というより、顧問の先生の手にかかっています。
今回は、その仕上げについて、先生とたくさん勉強しました。
私と顧問の先生のやり取りや「訳のわからない大人の話」にも関心を持ち、それをむしろ楽しんでいるようにも思えました。

最後のステージまで、最後の最後まで先生も皆も、この曲の深さに合った勉強を続けてほしいです。

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3年生との記念撮影です。
コンクールでは、最高の喜びも、念願叶わぬ悔しさも、両方経験しましたね。
長い人生の中で、この中学校生活で得られた「どんな時にも夢を持って努力する心」と「夢が叶わなくても、自分の果たした努力そのものを自分自身で大切に認めてあげる心」は、とてもすばらしい「生きる力」になっていくと思います。
最後のステージで、自分自身を褒めてあげられるよう、ラストスパートを!

「先生、前回のレッスンで、ひと夏頑張れば、きっと自分のものにできるからと言っていただいたことを励みに頑張って来ました。最近、自分のものになってきたと思えるんです。先生、本当にありがとうございました。」と伝えてくれたフルートソロさん。本当によく頑張りましたね!
ずっとフルートを続け、大人になったらまたこのソロを吹いてみてください。今、感じなかったことを感じながら演奏できると思います。
音楽は、それ位深く、楽しいものなのです...どこまで行っても終わりはありません。




高校バンドです。

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こちらのバンドには、今年の2月に初めてお伺いしました。
顧問の先生は、赴任2年目の女性の先生です。

2月にお伺いした時には、10数名の小さな小さなバンドでした。
中学校から経験のある上手な生徒さんもいれば、高校から始めた初心者もおり、様々な活動についての「ハードルの高さの感じ方」や「達成感」には、微妙な違いがあり、顧問としてのチームの引っ張り方もたくさんご相談いただきました。
私も、様々な経験を元にアドバイスさせていただき、チームに合った曲もご紹介させていただきました。

4月、たくさんの1年生が入部して、吹奏楽らしい編成になって来ました。
そして、先生は、寒い冬を何とか乗り越えてきた2.3年生と、高校バンドに描く様々なイメージや夢を持った1年生との間の気持ちの折り合いをつけさせるご苦労を経験されながらも、しっかりとこのバンドを成長させて来られました。
コンクールの選曲でも、メンバーの様々な実態を十分にお伝えいただいて、私なりのアイデアを提供させていただきました。
どの生徒にも、その生徒なりに努力すれば乗り越えられそうな高さのハードルがあり、しかも、先生の高い音楽性も満足させ、生徒さんたちにも達成感を得られるという観点から選んだ曲でした。

先生も生徒さんたちも、とても良い夏を過ごし、3年生を送り出した後、現在は1.2年生で昨年以上に充実した芸術の秋を迎えています。

今の部員は16名。
やはり、小さなバンドです。

しかし、活動方法と選曲を工夫され、人数が少ないことの良さを生かして楽しく活動しています。
今回のレッスンでも、ひとりひとりの力を生かすことができる楽譜を私が提供し、その曲を練り上げていく練習ができました。

顧問の先生の「手作りの味」がたっぷりのあったかいバンドのカラーが出来つつあります。
そんな魅力的なこのチームに、私も心から寄り添って、共に歩んで差し上げたいと思います。



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ひとりひとりの「思い」を大切に導いてくださる顧問の先生。
小さいバンドらしく、皆が仲良く、お互いを大切にできる部員の皆さん。
人と人がかかわり、触れ合う中に、「音楽」があって...
皆で大切に温めて...

この音楽室から生まれる皆の音楽が、いつも人の心をなごませ、あたため、元気にしていくことを、私はどこまでも信じて、心からの応援を続けます!





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レッスンを見学にいらした先生方です。
学ぶ仲間の輪が広がることは、私にとって大きな喜びです。
遠方から泊りがけでおいでくださった若い先生も...

ありがとうございました。



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             喜びも悩みも、皆で分かち合って...
             「先生仲良し、子どもが育つ」





見学にいらした先生からあたたかいメールを頂戴いたしました。


田川伸一郎先生

昨日はレッスンを聴講させていただき、誠にありがとうございました。

会食の場でも、音楽指導についてはもちろんのこと、学校教育についての幅広いお話を聞かせていただき、また、私の話にも真剣に耳を傾けていただき、ありがとうございました。

田川先生のご指導の根底にはいつも人間教育があり、児童生徒に押し付けでない、自発的な音楽表現を促す愛情と粘りがある、と私は感じました。
それは、私の吹奏楽指導の理想でもあり、僭越ながら強い共感を得ました。
「コンクールの結果ありきの吹奏楽界」には、長く楽器に親しみ、子どもたちを教えている私には、首を傾げざるを得ないことも少なくありません。
田川先生のお人柄、ご指導に触れ、私は謙虚に、かつ自分の考えに自信を持って生徒の指導にあたっていこうと、気持ちを新たにしました。

またお会いできる日を楽しみにしております。
いつか本校にもぜひお越しいただければと思います。



               先生、こちらこそ、ありがとうございました。
               またぜひお会いしましょう!
               生徒さんたちと、実り多き秋を!
          
               
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