田川伸一郎のブログ

がんばれ!新チーム&初指揮先生

昨日は、県内の中学校へお伺いしてきました。
初めてお伺いするバンドです。
顧問の先生方とも初対面でした。


学校に着くと、校内合唱コンクールを控えた帰りの学級練習が終わる時間帯でした。
事務室前で待つ私のそばを、体育館から教室に戻る生徒さんたちが、皆、「こんにちは!」と元気にあいさつをしながら通り過ぎてくれました。
皆、とてもいい笑顔でした。

きっと気持ちよく合唱の練習ができたのでしょう。
そして、とても良い学校生活を送っているのでしょう。

平日に学校にお伺いすると、「吹奏楽部」だけでなく、その学校の日常が垣間見えて、とても嬉しいです。

ごくたまに、「やんちゃな感じ」の中学生や高校生に出会うこともありますが、そのような時には、こちらから笑顔で「こんにちは!」と声をかけます。
返事は、「こんに...」だったり、意外に「こんにちは!!」だったり、「おう!おっさん、誰?!」だったり、「・・・」と全く無視だったりしますが、どんな反応もその生徒らしさなのだと受け止めています。

先生方が日常生活を共にしている一般の生徒さんたちの姿を知ることは、私にとっては大切な心構えの一部ともなります。


昨日伺った中学校の音楽室は、何と「5階」にありました。
必死で階段を昇り続けた感じでしたが、その分だけ行き交うたくさんの生徒さんたちと「こんにちは!!」を交わすことができ、気持ちも晴れやかになりました。

そして、音楽室では、大急ぎでセッティングをし、楽器準備をし、音出しをする生徒さんたちから、「こんにちは!!!!!よろしくお願いします!!!!」と、とびきり元気で気持ちいいあいさつが...

思わずニコニコでした。


このバンドは、今は1.2年生の新チームで活動しています。
もうじき行なわれる市内の音楽会に向けての練習真っ最中です。


そして、今回指揮をするのは、今年度採用になったばかりの若い女性の先生です。
副顧問としてサイドからお手伝いをされていらっしゃるそうですが、今回の音楽会では、「勉強になるから、あなたが指揮をしなさい」と主顧問の先生からチャンスをいただき、初指揮のステージを踏むことになったそうです。

先生は、音楽科担当ではありません。
ご自分の中学校時代の貴重な吹奏楽部経験を生かしてご指導されていらっしゃいます。

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副顧問の先生の指揮で...


中学校からの初心者が多いとは言えども、1.2年生で40数名というのは、何とも恵まれていると思います。
コンクールは、もちろんA部門に出場し、良い成績を収めています。


新チームで秋の市内音楽会に参加する場合、「文化祭で演奏した曲をそのまま...」とヒット曲などを出す学校も多く、私が音楽会の講師をさせていただいた折には、そういう学校には「こういう時期だからこそ、易しくても、もっと学びの得られる曲を選んで練習されてはいかがでしょうか。このような立派な会場で演奏させていただけるのですし。」とコメントさせていただいています。

そういう先生方に限って、「いや、十分に練習時間も取れないので...」とおっしゃいます。
そして、冬場になると、「下校時刻がさらに早くなって、全く練習時間が取れないんです。だから、基礎だけちょっとやらせています。」とおっしゃいます。
3学期になると、「学年末で忙しくて、ほとんど練習に付けないんです。」とおっしゃいます。
そして、夏前になると、急に「今年は、何とか金賞を取りたいんです。できれば本選に。間違ってでも東関東に行けたら...」とおっしゃいます。

秋冬を、「時間がない」「忙しい」と言う「決まり文句」と共に過ごし、コンクールが近づくと「目指せ金賞」と...。
私には、よくわかりません。

そんな魔法使いみたいなことができたらすごいです。


昨日お伺いした学校は、「市内音楽会」というチャンスを「大きく大切なステージ」と考えて、1.2年生の新チームには、ちょっと難しいのではと思うような曲に取り組んでいました。

9月は、たくさんの地域行事にも参加し、大忙しだったそうで、この曲に本格的に取り組めたのは10月に入ってからということでした。

もちろん、練習時間がふんだんにあるはずはありません。
この生徒さんたちの動きの速さ、モチベーションの高さが、「時間」という限られた「宝物の価値」を何倍にもふくらませているのだと思いました。

先生の指揮で、一度聴かせていただきました。

まだ十分に吹き切れていない箇所もありましたが、想像以上に良くまとまっていました。
「指揮は初めて」とおっしゃる副顧問の先生の指揮も、とてもはっきりしていて、生徒さんたちは合わせやすそうでした。

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チューバは、ふたりとも中学校から始めたという女子です。
とても良い響きでした。
 

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1.2年生の新チームというたどたどしさを感じさせない、落ち着いた取り組みの姿でした。


放課後の練習で、限られた時間のレッスンでしたので、部分的にではありますが、ポイントを押さえて、どんどん進めました。

・「拍節的」にならない方がいい場面と、拍が見えた方がいい場面の表現の仕方の違い
・音色を変化させるための具体的な練習方法
・フレーズのまとめ方、印象づけ方
・打楽器のサウンドの作り方
・・・・


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初めてのレッスンでしたが、私の言葉の表現やイメージの伝え方をとても良く理解して、音で返そうとしているのがわかりました。

「このmpは、ただ弱くではなく、美味しいクリームがびっしり入った小さめのシュークリームのような感じの音で。そう、中身がある音がほしいな。ごめんね。難しいこと言ってるから、わからないよね。」と話した後の音にびっくり!

すぐに音色が変わったのです。

思わず、「先生、この子たちすごいですね。みんな頭がいいのかな?」
生徒さんたちは、「え~??? 頭ですか~??? それは~???」と、顔を見合わせてニヤニヤ。
顧問の先生方は、ニヤニヤではなく、「それは...ねっ、みんな!」とニコニコ。
こんな瞬間のほのぼの感が、たまらなく温かかったです。

「ともかく素直でよく努力する生徒たちなんです。」と、ご依頼をくださった主顧問の先生のお言葉どおり、自分たちで良い雰囲気をつくり、「学ぶ態度」と「受け入れる姿勢」を持ち、皆で前に進もうとしているチームだということがよくわかりました。

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よく聞き、よく書く生徒さんたちです。 書くのも速い! 書くのをやめて楽器を構えるのも速い!


レッスンが終わった後も、楽譜を持って、質問の列が出来ました。

「完全下校の時刻を守らないと...」と気にする私に、「先生、大丈夫です。急ぎますから!」と並んだ生徒さんたちは引き下がりません。

楽譜も持たず、最後まで残っていた打楽器のパートリーダーの男子に、「どうしたの?」と聞くと、「さっき、ボンゴのチューニングがちょっと...とおっしゃっていたので」と...
「ああ、そうだったね。大急ぎで見ようね。」
途中までやり、「明日、大きい方を自分でもう少し高めにしておいてね。それで大丈夫だから。」と、あえて彼の仕事も与えておきました。
「わかりました!ありがとうございました!」とニコニコして帰って行きました。


誰もいなくなった音楽室には、まだ先ほどまでの温かく、すがすがしい「空気」が残っていました。
とっても美味しい「空気」でした。

顧問の先生方の願いは、「多感な中学校時代を、皆でいい空気の中で過ごしてもらいたい」ということなのかなと思いました。

「音楽」という素敵な世界を共有しながら...

先生方の愛情溢れる「心の耕し」に、心打たれた出会いでした。


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1.2年生とは思えないほどしっかりとした態度で活動している皆さん。
初の「指揮ステージ」に緊張しながらも、一生懸命指揮に取り組んでいる若い先生。
まるで皆のお母さんのように、深い懐で大きく皆を包んでいらっしゃる主顧問の先生。

このチームそのものが、仲の良い「家族」のようでした。

そんな雰囲気の中で音楽ができる皆さんは幸せです。
誰かに作ってもらった幸せではありませんね。
先生方と皆で作り出している「手作りの幸せ」です。

短い時間でしたが、そんな皆さんと一緒できて、僕も幸せでした。

次は、もっともっと長い時間、一緒に練習できたらうれしいです。

市内音楽会が、新チームと初指揮の先生にとって、今後の励みとなるステージになりますように...


お招きいただき、ありがとうございました。


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| | 2013-10-18(Fri)19:36 [編集]


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| | 2013-10-20(Sun)17:39 [編集]