田川伸一郎のブログ

富山県から~その2・高校バンド~

~その1・中学校バンド~に引き続き、今回の富山県レッスンでお伺いした高校2校をご紹介させていただきます。

1校目の高校バンドです。

初めてお招きいただいた高校です。
顧問の先生は、今年度、こちらに赴任されたばかりの男性の先生です。

歴史のある高校で、吹奏楽部の歴史も長いようです。
とても活発な活動を続けてきているそうで、男子部員がとても多いのも特徴です。

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顧問の先生が転勤してすぐの1年間は、これまでの部活の流れを理解することがとても大切で、特に高校バンドの場合には、誇りを持って活動してきている生徒たちの思いを大切にしながら、少しずつ自分の思いを伝えていくことが大切です。

こちらの先生も、前任校との様々な違いにとまどいながらも、生徒さんたちをとても大事にし、多くの思いを受け入れ、部員たちの思いに寄り添いながら、ご指導されてきていらっしゃいます。

このバンドの伝統や生徒さんたちの活動の様子から、学ばれていることも多いようで、先生にとっても貴重な時間を過ごされているようです。

そんなデリケートな時期に、私を呼んでくださった先生の意図を大切に、お伺いさせていただきました。


音楽室に入ると、「こんにちは!!!!!」と、とてもとても元気なあいさつに迎えられました。
「おぉぉぉ、すごい気合い...」 私の方がたじろいでしまったほど。


男の子が多く、どう見ても中学校時代は運動部かな?と思うようなタイプの部員もたくさん...

そして、私がほんの少し面白いことを言っただけで、皆で、「ぎゃははは!!!」とか「おぉぉぉぉ!!!」とか「すげーーーー!!!」とか、あっけらかんと盛り上がってくれるのです。

そして、みんな笑顔がいいんです。

「高校から吹奏楽部に入った人?」「は~い!!!」...特に男子の多くは高校からの初心者でした。
「なんで吹奏楽部?」
「入学した頃、校舎内で迷ってしまって、たまたまここにたどり着いたら、何となく入部することに...」
「中学校時代の野球部の先輩が入っていたんで、僕も入ろうかなって」
「野球には未練がなかったの?」
「小学校からやっていたし、違うこともいいかなって思って...」

この学校の吹奏楽部は、このように、迷い込んだ人やら運動部の先輩に続いてという人やら...
きっと男子が入りやすい雰囲気や特徴があるのでしょう。

でも、女子も含めて、このバンドの生徒さんたちの明るさが、私にはたまらなく魅力的でした。

そして、感性も豊かです。

自己紹介代わりに新浜小学校のDVDを見ていただいたら、チューバの男の子が、「真っ白なキャンバスに、田川先生色と、小学生ひとりひとりの色で、ひとつの絵を描いたような演奏でした。」と感想を話してくれました。
こんなすてきな感想を聞いたのは、生まれて初めてでした。
しかも、「田川先生色とひとりひとりの色で」と...
私が、子どもたち自らの音楽を求めて指導していたことをこんな素敵な言葉で表現してくれたのです。

もう演奏を聴く前に、私は、このバンドの「虜」になってしまいました。


こんな「前置き」の時間をたっぷり取ってから、練習している曲の演奏を、先生の指揮で聴かせていただきました。
有名な吹奏楽のオリジナル曲です。


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高校からの初心者が多いとは思えないほどの演奏でした。
しかも、まだあまり合わせていないのだと...

ともかく、機敏で、運動神経がいい演奏なのです。
ピッチや部分的なテンポのズレがあっても、すぐに修復して立ち直ります。

ともかく、自分たちでどんどん推進していくようなたくましい力を感じました。

元運動部の男の子たちは、音楽の中でグラウンドを疾走しているのかもしれません。

そして、そんな部員たちの良さが生きる曲を選んで与えていらっしゃる先生の「眼」には感服です。


感動に後押しされて、私も少しお手伝いさせていただきました。

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先ほどのニコニコした笑顔が、キリッとした真剣な表情になって、私に集まります。

先ほどよりもテンポアップして指揮をしたのですが、とてもよくついてきます。

彼らが、一瞬にして、私の音楽を、私という人間を受け入れてくれているような感触を覚えました。
  
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私の話を聞く眼も真剣。こういうメリハリある態度が私は大好きです。

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打楽器は、専門のコーチのご指導も受けているそうで、とても上手です。
シンバル君に、メロディーを歌いながら打つ練習をしてもらいました。
その「歌」があまりに素敵で、みんなまた「おぉぉぉぉぉ!!!」でした。
皆さんにお聞かせしたい位です。


それにしても、この機敏性、運動神経、メリハリは、どこからくるのだろう...

「運動部出身」の強み?
でも、全員そういうわけではないし...

そういえば! 顧問の先生が、「うちの生徒は、ステージドリルに燃えているんです。定期演奏会の華だということで。私は一切かかわらず、生徒だけで練習し、時々、OBにアドバイスもらっているんです。」という話をされていました。

「ドリル演奏」が、座奏に良い影響を与えているのかもしれません。

私は、おそるおそる生徒さんたちにお願いしてみました。
その「ドリル」を見せてくれないかと...

皆、少しとまどったような顔をしましたが、「いいですよ。やります。」と準備に走ってくれました。

屋内運動場のような土の上での練習です。

定期演奏会で発表する予定の約30分の「ドリルステージ」を全部見せてくださいました。
普通のドリルだけではなく、様々なグループの楽しいパフォーマンスもあるユニークなプログラムでした。


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生徒さんたちだけで作り上げたというこのプログラムを、私という「お客」ひとりのために熱演してくれた生徒さんたちに感謝して、私は、コートも着ずに、立ったまま見せていただきました。

合奏への効果とか、機敏性とかではなく、彼らの青春、彼らの命そのものを感じ、寒さも忘れるほどでした。
皆が何を伝えたいのかがストレートに伝わって来て、感動しました。

ありがとう!

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君たちとの出会いが、こんなに大きな感動を残してくれるとは思っていませんでした。
君たちこそ、真っ白なキャンバスに「高校時代」という素敵な絵を皆で描き上げている最高のチームだと思いました。

君たちと心をつなぎながら、一生懸命前に進もうとされている顧問の先生が、私のレッスンを入れてくださった訳は何だったのでしょうか...
皆さんは、どう思いますか?
レッスンを終えて、私には、先生のお気持ちがわかりました。

先生、生徒の皆さん、本当にありがとうございました。
ぜひまたお会いしたいです! その日が来ればうれしいです。




2校目の高校バンドです。

このバンドとは、昨年の12月からお付き合いさせていただいています。

このバンドも、1校目と同じように、男子部員が多く、高校からの初心者が多いのが特徴です。


そして、とても上手で、良い音楽をするチームです。

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指揮者の指示どおりに完璧なまでの演奏をするというチームではなく、顧問の先生も、生徒さんたちひとりひとりの音楽をとても大切にされ、自分の解釈を出す前に、自由にやりたいようにやらせ、その中に良いものがあればどんどん取り入れたり、ヒントにしたり...そして、最後にはしっかりとリードしてまとめ上げるというすごい作り方をされます。

つまり、ひとりひとりが「生きている」「生かされている」のです。

逆に言えば、ひとりひとりの表現力が試されるのです。

だから、このバンドの演奏には、ひとりひとりの「魂」が感じられ、素直に心を打たれます。

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先生の愛用の「椅子」は、教え子さんの手作りだそうです。
先生のお尻のサイズまでしっかり測って作られたとか...

生徒さんたちに愛されている先生なのです。



私のレッスンの際には、必ず、曲をしっかり練習して迎えてくださいます。

しかも、先ほど書いたように「生徒さんたちに自由に表現させている段階」でストップして、私のレッスンを入れてくださいます。

私が、顧問の先生と生徒さんたちに気づかいをして、「顧問の先生にご指導いただいたことと違うことを言ったらごめんなさい」と、生徒さんたちに話す人間であるということを知っていてくださり、「私は何も指導していませんから、先生が思われるままにご指導なさってください。」と生徒さんたちの前で言ってくださるのです。

このバンドの生徒さんたちは、とても柔軟性があり、「右」と言っていたものを、急に「左」と言っても、全く抵抗を見せることなく、「はい!」とそのようにやってみようとします。

そうやって、「表現の持ち駒」を増やすことを、価値あることと考えているようです。

だから、練習の雰囲気が明るく、ぎくしゃくすることがありませんし、いつも新鮮な音楽を味わって楽しむことができます。

そして、私のレッスンで得たことを、先生も生徒さんも、「表現のひとつのヒント」として活用してくださいます。
決して、「田川先生の言ったとおりにやりなさい」などというご指導はされません。
だから、私も安心して、私流の音楽ができます。

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先生は、「うちの学校の生徒は、ともかく優しいんですよ。何ででしょうかねぇ。」と幸せそうに話されます。
それを聞いている生徒さんたちも、幸せそうです。

こうやって生徒さんたちのことを、外部の人間に幸せそうに紹介することも、先生の教育のひとつになっているのでしょう。

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このバンドも、吹奏楽の名曲中の名曲を勉強していました。

この学校の生徒さんたちは、理屈や専門用語や技術的なアプローチを使わなくても、私の話から感覚的にとらえ、それを音にして返す能力がとても高いです。

感性というものでしょうか。
そして、感じ取ったことを表現するためには「技術」が必要なので、その「技術」を磨く努力も惜しまない賢い人たちです。


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廊下のホワイトボードには、ミーティングの記録でしょうか。とても良い意見が書き残されていました。

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レッスンの後には、ずらり行列を作って、「先生、サインしてください」「先生、一緒に写真撮らせてください」と、かわいい高校生の姿に戻ります。


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3年生の皆さんとは、1年間のお付き合いでした。
先生がおっしゃるように、本当に優しく、礼儀正しく、そして、音楽を愛する心が深かった皆さんでした。
次にこの学校にお伺いする日には、3年生の皆さんの姿はないのかと思うと、とても寂しいです。
それほど印象深いメンバーでした。
それぞれの進路で、さらに輝いてくださいね。
1.2年生の皆さん、これからもよろしくお願いします!


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「雨が降っているし、寒いし、もう入っていいよ。」と言っても、ずっと手を振って送ってくれた皆さんでした。
ほんとにほんとに優しいんです。 ありがとう、みんな! 




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雪、雨、風...全部そろって、おお、寒っ!でした。

でも、心の中はホカホカでした。

4校の先生方、生徒さんたちのおかげです。 

またお会いしましょう! 

お招きいただき、本当にありがとうございました。




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| | 2013-12-17(Tue)20:50 [編集]