田川伸一郎のブログ

「言葉の価値」がふくらむとき

今日は、神奈川県の高校にお伺いしてきました。

昨年のちょうど今頃、初めてのお招きをいただき、1年間お付き合いさせていただきました。


元々とても良いバンドでしたが、この1年間、レッスンの後には、顧問の先生とたくさんのお話をし、バンド運営の考え方、生徒さんたちへの向かい方、音楽の作り方...様々な面でさらに深まり、それに伴って、生徒さんたちの活動の様子や演奏がますます良い方向に変わってきました。

今、このバンドは、私がアレンジした曲に取り組んでくださっています。
まだ、練習を始めて間もないということでしたが、あまり指導が入っていない状態でも、技術的にも音楽的にも「それらしく」演奏していることに驚きました。

今日は、これからの練習で考えてほしいことを散りばめ、投げかけていくレッスンをさせていただきました。

「そこのフレーズ、もうちょっと何かしませんか?どうしたいかを大げさにやってみましょう。」
「そこのフォルテは、『大きく』ではなく、『人々のにぎやかなおしゃべりが聞こえてくる』と訳してみてはどうでしょうか?だとしたら、どのように演奏しますか?」
「そこはもう少し輝いたサウンドで演奏したいですね。そのためには、ひとりひとりが何をすればいいと思いますか?」
・・・

「何をどうしなさい」ではなく、投げかけ、その後を自分で試み、解決させる練習方法で進めました。

こんなレッスンができるバンドに成長したことが、とても嬉しかったです。


「初見合唱」では、ア・カペラの混声三部合唱を、すぐに三部で歌うことに挑戦してみました。
最初の音だけ、オルガンで出してあげて、後は、一切手伝わずに...

負けました...

ほぼ完璧に音を取って歌えました。

はじめは、「ラ」で音を取り、慣れたところで「歌詞」をつけました。

楽譜を配り、オルガンをほとんど使わず、音を取り、歌詞をつけ...ここまで、たったの10分間で終わりました。

日頃からのソルフェージュ、合唱練習の小さな積み重ねがこうして花開いているのだと思いました。


彼らの「学ぶ力」の成長と「合唱力」の成長に感動しました。


そして、もうひとつとても感動したこと...

それは、最後のミーティングでの顧問の先生のお話でした。


今日は、田川先生が、君たちの演奏のすばらしい面を、ひとつひとつ見つけてほめてくださいました。
また、ちょっと元気のない生徒に、「元気ないみたいだけど、何かあったの?」と声をかけてくださいました。
「〇〇君や△△さんは、先生が指揮を構えると、目の大きさがクッと大きくなって指揮を見ていますね」とほめてくださいました。
「◇◇君は、長い音符を伸ばしている時に、一度もまばたきをせずに、一音に集中していましたね」とほめてくださいました。

こんなお言葉から、田川先生の優しさや私たちの成長を認めてくださっているお気持ちが伝わってきました。
私は、同時に、「先生は、自分の生徒たちのこういうすばらしさに気づいていますか?気を使ってあげた方がいい生徒に気づいていますか?生徒の皆さんも同じです。仲間の良いところに気づいていますか?仲間を気づかっていますか?」と、私たちに反省を促すメッセージを送ってくださったようにも感じました。

ほめていただいたり、気をつかっていただいたりしたことを、ありがたい、うれしい、だけで終わらせてはいけないと私は思いました。
私も、田川先生のように君たちを見たいし、君たちも仲間を見てほしいと思います。

今日もまた、田川先生に大切なことを教えていただいたと思います。



私は、そんなメッセージを伝えようなどとは微塵も思ってもおらず、本当にすばらしいからほめ、心配だったから気づかっただけなのです。

それを、先生は、「ご自分の姿勢」に置き換え、生徒さんたちに広げてくださいました。

「ほめてくださってありがとうございます」だけで終わらず、その「言葉の価値」をさらに深めてくださったのです。


先生は、この1年で「『人を育てる』教師としての懐の深さ」という面でも、大きく大きく成長されました。

こんなすばらしい先生の元で学ぶ生徒さんたちは、幸せです。

そして、共に歩ませていただける私も幸せです。


ありがとうございます...これからもよろしくお願いします。



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| | 2013-12-22(Sun)08:47 [編集]