田川伸一郎のブログ

子どもたちへの愛の手紙

ある中学校の女性の顧問の先生が、今年の夏のコンクールの翌日、部員たちに渡された手書きの手紙です。
私にもくださいました。
私は今でも大切に取ってあります。
顧問の先生のお許しをいただき、ほぼ原文のまま、掲載させていただきます。


~一人ひとりの素直に生きる姿と努力に拍手をおくります。
               今までのがんばりに“ありがとう”~

夕べは悲しい夜を過ごしたことでしょう。
本番前日までの緊張感に満ちた日々の過ごし方を、当日の夜の安堵感と喜びにあふれる時にしてあげられず、心から申し訳なかったと思います。
ここまでは何としても去年までの生徒と同じ思いを味わわせてあげなければという思いが、練習、また日々の生活への厳しさにつながっていたと思います。
「続けること」の難しさです。
昨日も伝えたけれど、そんな厳しさもみんなは本当に素直に受けとめ、がんばってきましたね。
だからこそ、結果につなげてあげられなかった責任を深く感じます。

結果をみれば、“力が足りなかった”と思うしかないのですが、それは決して一人ひとりの努力が足りなかったというものでもありません。
つきつめて考えれば、選曲や楽器の問題も含めて、様々な要因は考えられます。(勿論、CDを聴けば納得するしかないところもあります)
でもあえて、今までもそうしてきたように、その要因を外に向けるのではなく、一人ひとり自分に向けて考えていきましょう。
もちろん私自身もです。
必ず自分に足りなかったところは見つかるはずです。
そして、それを「責任」とか「後悔」に結びつけるのではなく、これからの一人ひとりの人生に役立ててほしいと願います。
「努力したことが、必ずしも目の前の結果につながるとは限らない」ということを身にしみて感じていると思います。
たとえば、そのことひとつを挙げても、一人ひとりの人生において、必ずちがう形で支えになってくれるはずです。

みんなにはまだわからないと思うけれど、今回の結果は単なる“コンクールの結果”であり、私たち〇〇中の生徒がどれだけ人として成長しているかは、審査員の先生も知らないことだし、関係もないこと。
でも、今までも何度も言ってきたことだけれど、実はこのコンクールの結果とは違うところに、本当の“中学生が部活動をやる意味”というものはあるのです。
それを実証しているのが、まさにあなたたち〇〇中吹奏楽部だと、私は胸を張って言い切ることができます。
とは言っても、正直、こんなに素直に真面目に練習に取り組んできた今年の三年生のみんなの代でのこの賞は酷なものでした。
だからこそ、この経験をこれからの一人ひとりの人生に生かしてほしいと思います。

・積極的に音楽しようとする(生きようとする)姿
・自分自身の足りないところと本気で向き合い、行動する姿
・常にチームのことを思う姿
・辛いことから逃げない姿
・先生や仲間としっかりコミュニケーションをとりながら、問題を解決していこうとする姿
・常に考えて行動する姿
・謙虚に生きる姿
・プロセスを大切にする姿

様々なことを感じ、学び、今日からの人生に生かすことができたら、今回の結果は単なる悲しく悔しい結果ではなくなるはずです。
結果や思い出というものは、時と共に・・・いいえ、豊かに使う時間と共に変化し、成長もしていくものですから。

“こんな経験ができたから、いい大人になれた”と、そんなことが言える人になってください。

辛く苦しい経験の乗り越え方を学びましょう。
人生において、うまくいかない時こそ大きく成長するものです。
今が成長するチャンスととらえたら、どんな経験も感謝に変えられます。
あれだけ自分たちで動けなかった三年生がこれだけ成長できたのです。
だからね、今までのみんなの努力は決して無駄なことではない、特上ともいうべき成長だと思っていますよ。
あなたたちの“音楽性”も“人間性”も、先生たちにとって自慢の部員たちです。

これからまた文化祭、市内音楽会、そして、保護者の皆様への感謝の会があります。
三年生は、受験勉強と部活動の折り合いを上手くつけながら取り組んでいきましょう。
先生たちも考えて応援していきます。
一、二年生は、今日が来年のコンクールへのスタートの日でもあります。
ひとつひとつの大会を通過していくことが、あたりまえではないことを目の当たりにしたことを、必ず今日からの日々に生かしましょう。

夕べは、家に帰り、きちんとお礼が言えましたか?
みんなのことを愛し、支えてくださっている家族の方への感謝の気持ちが、一番すてきな演奏となっていくように、また今日からがんばって歩き出しましょう。



予想外の結果に終わってしまったコンクール...

誰よりも辛く悲しく、悔しかったはずの顧問の先生が、当日の夜中、くたくたに疲れた身体を支え、涙をぬぐいながら書いていらっしゃったに違いありません。
こんなに長い手紙を...

生徒さんたちを励ます言葉を捜しながら、崩れそうになるご自分をも必死に支えていたと思います。

子どもたちへの「申し訳ない」という気持ちに押しつぶされそうになりながら...


この「手紙」を読んでくださった全国の先生方は、きっとこの先生のお気持ちが痛いほどよくおわかりでしょう。

同じ思いで夏を終えた先生もたくさんいらしたはずです。


そして、「まさかの結果」に終わった全国の吹奏楽部の生徒の皆さん、この手紙はあなたたち一人ひとりのために掲載しました。

辛い経験をした人ほど、人の心の痛みがわかるようになるものです。


あと2日で、平成25年も終わります。



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| | 2013-12-29(Sun)21:43 [編集]


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| | 2014-01-06(Mon)21:52 [編集]